静嘉堂文庫美術館で「挿絵本の楽しみ~響き合う文字と絵の世界~」ブロガー内覧会! | とんとん・にっき

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静嘉堂文庫美術館で開催されている「挿絵本の楽しみ~響き合う文字と絵の世界~」の、トークショー&ブロガー内覧会に参加しました。


静嘉堂文庫美術館

「挿絵本の楽しみ~響き合う文字と絵の世界~」

トークショー&ブロガー内覧会


日時:2017年4月16日(日)15:00~17:00

進行スケジュール:

  14:45~受付開始

  15:00~「挿絵本の楽しみ」トークショー

    ゲスト:永青文庫副館長 橋本真理

    出席:静嘉堂文庫美術館館長 河野元昭

        静嘉堂文庫司書 成澤麻子

    ナビゲーター:青い日記帳 Tak(中村剛士)

  15:45~質疑応答

  16:00~展示会場へ移動

  16:00~17:30「挿絵本の楽しみ」ブロガー内覧会

  16:30~ギャラリートーク

       静嘉堂文庫司書 成澤麻子

  17:30 ブロガー内覧会終了


「挿絵本の楽しみ」トークショー(文責:tonton)


橋本:いま、サントリー美術館で「絵巻物展」が開催されているが、「挿絵」も文字と絵のところは同じなので、比較してみるのも面白い。

成澤:5つの分類

  Ⅰ、神仏をめぐる挿絵

  Ⅱ、辞書・参考書をめぐる挿絵

  Ⅲ、解説する挿絵

  Ⅳ、記録する挿絵

  Ⅴ、物語る挿絵

河野:他の絵画展などと比較して入場者はやや少ないが、前回の「刀剣展」は今ブームなこともありたくさんの人が来てくれた。静嘉堂文庫には20万冊の本がある。そのうち12万冊が漢書、8万冊が和書です。その中から成澤さんが選び出したのはすごい。

Tak:絵巻物と挿絵の違いは?

橋本:明の時代秦の時代、日本では江戸時代にあたる。唐の時代までは記録性を重要視した。「科挙」、試験で合格した人本で勉強した人が出てきて、社会のヒエラルキーがだいぶ違ってきた。絵が主、文字が従。社会全体が活性化する。日本では版木に彫って刷る。お金を払う人が多くなる。これは版木かと思うほど見事なものが増えてくる。文字と絵が両方あるのに慣れた人が多くなる。社会のシステムと密接にかかわっている。

Tak:いま本屋に寄ると受験参考書までがモエ~という感じで売れている。時代の要請なのか?

河野:以前は「おしゃべり館長」、今は「饒舌館長」でブログを書いています。いつも私は日本と中国、中国と日本を比較して考えています。「中国文化を日本化する」。挿絵本も観ているとまったく同じだなと感じました。「文主、絵従」が逆転してきます。錦絵や浮世絵が脚光を浴びるのもそうです。今回の展覧会、歌川国貞の大判浮世絵「当世美人合」、保存が良くて素晴らしい。私は「源氏物語」も同じで、一種合作のように

思う。

橋本:物語の寄った話。博物や図説もある。イラストレーションは1枚もので提出する。

成澤:私は博物学が大好きで、技術、テクノロジー関係もすきです。今回は、解説本とか百科事典、記録なども展示しました。若冲の「動植綵絵」は博物画です。

河野:博物学は実証主義です。絵がなければ話にならない。必ず絵が入ってくる。都美術の「若冲展」、40万人以上入ったそうです。私は飽きたの出身、先日秋田蘭画の展覧会がありました。最近は目が悪くなったこともあり、特に文字はなかなか読めない。読めたとしても、意味がわからない。「文人画」は両方を堪能する。渡辺崋山の傑作「芸妓図」を展示してあります。

Tak:いろいろな見方があるなと、いろいろな想像力が広がる。それぞれ一冊をあげてほしい。

橋本:岩崎灌園撰の「本草図鑑」です。これが欲しい。

河野:「本草図鑑」、橋本さんの言われたので、渡辺崋山の「芸妓図」にします。

成澤:大槻玄沢・志村石渓編の「環海異聞」です。

Tak:最近目が悪くなり、松浦武四郎の「天塩日誌」が愛らしく見える。

会場からの質問1:「本草図譜」は西洋からの影響があったか?

会場からの質問2:「響き合う文字と絵の世界」からの連想で、宗達と光悦の場合、文字が先で絵が従、どっちが先か?



「挿絵本の楽しみ~響き合う文字と絵の世界~」

Ⅰ、神仏をめぐる挿絵


Ⅱ、辞書・参考書をめぐる挿絵




Ⅲ、解説する挿絵





Ⅳ、記録する挿絵




Ⅴ、物語る挿絵




ギャラリートーク



*会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。


「挿絵本の楽しみ~響き合う文字と絵の世界~」

私たちは普段さまざまな方法で情報のやり取りをしています。しかし、手段はいろいろでも、その中心となっているのは主に文字と画像(絵)であることに変わりはありません。殊に文字と絵が互いに支え合った時、一層その伝達力は強められます。「挿絵本」はまさに文字と絵が同じ所で支え合って成り立っているものです。それは、その時代の人々の、情報に対する多様な要望が反映されたものといえるでしょう。では、私たちは今までどのような挿絵を眺め、味わいながら物事への理解を深めてきたのでしょうか。
本展では、主に日本の江戸時代(17~19世紀半ば)と、中国の明・清時代(14世紀後半~20世紀初め)の本の中から、解説書、記録類、物語など多彩な挿絵本を選び、その時代背景と共にご紹介します。絵と文字の紡ぎだすバラエティ豊かな世界をお楽しみください。


「静嘉堂文庫美術館」ホームページ


seika1 「挿絵本の楽しみ 静嘉堂文庫」

響き合う文字と絵の世界

小冊子









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