静嘉堂文庫美術館で「筆墨の美―水墨画展」を観た! | とんとん・にっき

静嘉堂文庫美術館で「筆墨の美―水墨画展」を観た!

とんとん・にっき-seikadou

静嘉堂文庫美術館で「筆墨の美―水墨画展」を観てきました。静嘉堂文庫へは過去に一度、行ったことがあります。比較的近いので、もっと足を運んでもよさそうですが、古美術や陶磁器など、展示されるものが僕の不得意のものが多いためだろうと思います。決して嫌いというのではなく、よく分からないというのが本当のところです。確かにそれらは、それなりになんども観て勉強しなければ、分かるようにならないのは当然なのですが。


「とんぼの本」、芸術新潮編集部編の「国宝」という本を眺めていたら、静嘉堂が国宝を7点も所蔵しているのを見つけ、驚きました。とりあえず列挙してみますと、宗達筆六曲屏風「紙本金地著色・源氏物語関屋及澪標図」、伝馬遠筆「絹本墨画淡彩・風雨山水図」、因陀羅筆(智常禅師図)「紙本墨画・禅機図断簡」、「倭漢朗詠抄巻下残巻(彩牋)」「趙子昴書 与中峰明本尺牘(六通)」、「太刀 銘包永」、「曜変天目茶碗」です。今回、そのうちの2点、伝馬遠筆「絹本墨画淡彩・風雨山水図」と、因陀羅筆(智常禅師図)「紙本墨画・禅機図断簡」を観ることができました。


今回の「筆墨の美―水墨画展」、中国絵画20点、日本絵画20点、そのほかに文房具が17点、出品されていました。数はそれほど多くないようにも思えますが、実際観てみるとけっこう大変でした。まあ、お客さんが少なかったので、ゆっくりと観ることができましたが。足場が悪いというか、車がある人は別ですが、電車で行くとなるとちょっと大変です。田園都市線二子玉川駅からバス(東急コーチ)で行く以外にないので、よほど観たい人だけしか来ていないようにみえました。ですから熱心に観ている人がほとんどで、丹念にメモしている人も見受けられました。



観終わってから気がついたのですが、タイトルの横に「第一部 中国と日本の名品」とありました。第一部?チラシを見ると、「秋冬二回にわけて水墨画の魅力と多角的に紹介します」とありました。で、第一部はというと、「南宋時代の傑作、室町時代の詩画軸と四季山水図屏風、江戸時代の尾形光琳・英一蝶の代表作など、国宝二件、重要文化財九件をふくむ名品を中心に、水墨画の魅力を探っていきます」とあります。


つい先頃まで、僕は水墨画を見るとみんな同じように見えてしまいました。しかし、最近、気がつきました。当然のことですが、描いた人によってそれぞれ個性があるということ、墨の濃淡、それに加えてぼかしやにじみなど、技法も大きく関係していること、遠近の使い分け、構図の取り方、等々、まさにいろいろあるわけです。「墨色を用いて五彩を兼ねるがごとし」、うーん、なるほどと思いました。もちろん中国から多くを学んだ上で、わが国独自の発展もありました。数年前、台湾の故宮博物院へ行きました。そんなことだったら、もうちょっとゆっくり、丹念に観てくるべきだったと、今頃になって後悔しています。


なぜか、図録類を数冊ホールに積み上げてあり、「必要な方には差し上げます」と書いてありました。数冊、パラパラとめくり、僕は静嘉堂文庫創設百周年・新美術館開館記念「優品展」の図録を頂いてきました。まさに「優品」、これを見れば静嘉堂文庫の所蔵品があらかた分かります。今回の「筆墨の美―水墨画展」に出展されているものが10点ほど載っていました。その中から選んだものを下に載せておきます。作品ごとにコメントをつけるべきでしょうが、僕にはまだ手に負えませんので、今回は画像だけにしておきます。今思うと、牧谿の「羅漢図」や渡辺崋山の「遊魚図」がよかったように思います。もちろん圧巻だったのは、式部輝忠の「四季山水図屏風」でした。



中国絵画




日本絵画









静嘉堂文庫美術館


とんとん・にっき-seika 静嘉堂文庫創設百周年

新美術館開館記念

「優品展」

図録









過去の関連記事:

静嘉堂文庫美術館で「竹の茶道具」展を観る!