青い日記帳×山種美術館 ブロガー内覧会「奥村土牛 ―画業ひとすじ」! | とんとん・にっき

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青い日記帳×山種美術館 ブロガー内覧会「奥村土牛 ―画業ひとすじ」へ行ってきました。山種美術館は、奥村土牛の作品を135点有し、国内屈指の作品数です。


過去の山種美術館で観た奥村土牛関連の記事は、以下の二つです。

山種美術館で「生誕120年 奥村土牛」展を観た!
山種美術館の「小林古径生誕130年記念 古径と土牛」ブロガー内覧会


見どころ
1. 日本屈指の土牛コレクションから名品を厳選し、一挙公開!
当館は、土牛による戦後の院展出品作のほとんどを所蔵。質・量ともに最高峰の土牛コレクションです。さらに他館所蔵の名品とあわせ、《醍醐》《鳴門》など粒揃いの作品を展示。土牛の初期から晩年の代表作ばかりを一堂にご覧いただける山種美術館ならではの特別な機会です。

2. 16年ぶりに公開の秘蔵作品や院展デビュー作など、初期の貴重な作品をご紹介!
本展では、16年ぶりの公開となる秘蔵の名品《麻布南部坂》(個人蔵)や、院展初入選作である《胡瓜畑》(東京国立近代美術館、3/19 – 4/17展示)など、土牛芸術の源泉をたどる上で重要な初期の作品にご注目!


奥村土牛:略歴
1889(明治22)年2月18日、奥村金次郎とたまの長男として、東京に生まれる。本名義三。1905年、16歳で梶田半古塾に入門。半古や、塾頭の小林古径から指導を受ける。1920(大正9)年から2年間ほど古径の画室に住み込む、絵画の制作姿勢や精神性に影響を受ける。古径の指導により画集や研究会で触れた日本・中国の古画や、西洋絵画からも多くを学び、特にセザンヌの作品には深く傾倒した。1926年から古径の紹介で速水御舟の研究会に参加。翌年、再興第14回院展に38歳で初入選。1932(昭和7)年、日本美術院同人となる。1944年以降、東京美術学校、帝国美術学校(現・武蔵野美術大学)、女子美術大学、多摩美術大学などで指導にあたる。1947年、帝国芸術院会員。1962年、文化勲章受章。1978年、日本美術院理事長。院展を活躍の中心の場として、淡い色調における大らかで暖かみのある作風を確立し、世を去る直前まで意欲的に作品を発表し続けた。1990(平成2)年9月25日、101歳で死去。


山崎妙子館長によるギャラリートーク

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奥村土牛の代表的作品




注:会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。


「奥村土牛 ―画業ひとすじ」

2016(平成28)年、山種美術館は開館50周年を迎えます。当館は、山種証券(現・SMBCフレンド証券)の創始者である山﨑種二(1893-1983)のコレクションをもとに、1966(昭和41)年、日本初の日本画専門美術館として開館しました。現在、約1800点におよぶ所蔵品のうち、中核をなす近代・現代日本画のコレクションは、種二と画家達との親しい交友を通し、収蔵された点に特徴があります。開館50周年記念第1弾として開催する本展では、国内屈指の作品数(135点)を有し、まだ無名だった研鑽の時代から50年以上にわたり、当館の歴代館長と親しく交流した画家・奥村土牛(1889 - 1990)に焦点を当て、その全貌をご紹介します。

土牛は、画家志望であった父親のもと10代から絵画に親しみ、梶田半古(1870-1917)の画塾で生涯の師と仰ぐ小林古径(1883 - 1957)に出会います。38歳で院展初入選と遅咲きでありながらも、40代半ばから名声を高め、100歳を超えても制作に取り組みました。また、半古や古径から学んだ「写生」や「画品」を重視する姿勢を生涯貫き、「絵を通して伝わってくるのは作者の人間性」という自らの言葉を体現するような、清らかで温かみ溢れる作品を数多く生み出しました。

本展では、画業の初期の作品《麻布南部坂》(個人蔵)、《胡瓜畑》(東京国立近代美術館)から、活躍の場であった院展への数々の出品作《雪の山》《聖牛》《城》などを中心に、古径を偲んで描いた《醍醐》《浄心》や、実景の丹念な写生に基づく《鳴門》といった代表作など、他所蔵先から拝借した名品を含め約60点を通し、土牛の101年の生涯をたどります。

土牛という雅号は、「土牛石田を耕す」の中国・唐の詩から父親が名付けたものです。その名の通り、地道に画業へ専心し続けた土牛。80歳を超えてなお「死ぬまで初心を忘れず、拙くとも生きた絵が描きたい」と語り、精進を重ねました。山種美術館が開館50周年を迎えるこの機会に、当館と縁が深く、近代・現代を代表する日本画家として、人々に愛されている土牛の作品と生涯をご紹介いたします。


「山種美術館」ホームページ


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山種美術館所蔵

「奥村土牛作品集」

編集:山種美術館学芸部

(山崎妙子、高橋美奈子、櫛淵豊子)

発行:山種美術館


関連展覧会

開館記念特別展Ⅳ

生誕120年奥村土牛

会期:2010年4月3日(土)~5月23日(日)

会場:山種美術館

主催:山種美術館、日本経済新聞社」



zur1 特別展小林古径生誕130年記念

「古径と土牛」

2013年10月22日発行

監修:山下裕二

編集:山種美術館学芸部

発行:山種美術館






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