「磯崎新と藤森輝信の茶席建築談義」を読んだ! | とんとん・にっき

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「磯崎新と藤森輝信の茶席建築談義」(六耀社:2015年4月21日初版第1刷)を読みました。

「磯崎新と藤森輝信のモダニズム建築談義」の前に刊行された本です。後から出た本を先に読んだ、ということになります。まあ、必ずしも後先は、あまり関係ないのですが…。

「磯崎新と藤森輝信のモダニズム建築談義」を読んだ!


「藤森輝信の茶室学」を、読んだのを思い出しました。最後に「茶室談義・磯崎新に聞く だから、茶室はやめられない」が載っています。「第7章の茶室談義・磯崎新に聞くは、磯崎新の独壇場、さすがの藤森も相手が磯崎では聞くのが精一杯。」と書きましたが、この「茶室談義」が、「磯崎新と藤森輝信の茶席建築談義」につながっていることは、言うまでもありません。

「藤森輝信の茶室学 日本の極小空間の謎」を読んだ!


茶席は建築か?
  現代建築界を背負う 磯崎新 藤森照信 が語り合う
  茶と、茶の建築の話。
  それは、日本建築の歴史を辿る道行となった
  建築界のふたつの「知」と出会える一冊。


日本独特の「茶室」を、日本の建築史の流れの中において定義すると……。

中国と日本の、茶と茶にまつわる空間・思想・人物などについて、
現代建築界の第一人者であり、茶の世界を知りうる二人、
磯崎新藤森照信が、時代ごとに談義を繰り広げる。

中国(から)寄りのテーマ(栄西、天心らなど)を磯崎氏が、
日本(わ)寄りのテーマ(利休など)を藤森氏が、
時々の茶人、近現代の建築家、寄書(南方録、茶の本など)を
取り上げながら語り合う。
さらには、そのバックにある日本建築史の持論にも言及する。

世界的に傑出して、今なおアクティブな活動を続けている
磯崎氏の推察に対して、建築史のオーソリティーであり、
ユニークな茶室論を展開しつつ、国内外に茶室をはじめ
奇想天外な建築をつくり続けている藤森氏が鋭く応戦する。

本書は、建築を古今東西の歴史のなかで語ることができ、
茶の世界を知りうる二人だからこそ語り合える、
「茶の歴史をめぐる「日本建築」談義」である。

図版を挟み込みながらわかりやすい紙面構成とし、また註釈が併記される。

磯崎 新(いそざき あらた) 建築家
1931年大分県生まれ。東京大学工学部建築学科卒業後、丹下健三研究室を経て、63年磯崎新アトリエを設立。60年代に大分市を中心とした建築群を設計、90年代には、バルセロナ、オーランド、クラコフ、京都など、今世紀に入り中東、中国、中央アジアといった地域にまで国内外での設計活動を行う傍ら、建築評論をはじめさまざまな領域に対して執筆や発言をしている。またカリフォルニア大学、ハーバード大学などの客員教授を歴任、多くの国際コンペでの審査員も務める。代表作に「旧大分県大分図書館」(1966)「群馬県立近代美術館」(1974)「ロサンゼルス現代美術館」(1986)「なら一〇〇年会館」(1998)「カタール国立コンベンションセンター」(2011)など。著書に『空間へ』(1971)「磯崎新の建築談義 全12巻」(2001-04)、『建築における「日本的なもの」』(2003)、『磯崎新建築論集 全8巻』(2013)など。


藤森照信(ふじもりてるのぶ) 建築史家、建築家
1946年、長野県生まれ。東京大学大学院博士課程修了。専攻は近代建築、都市計画史。東京大学名誉教授。86年、赤瀬川原平、南伸坊らと路上観察学会を結成し、『建築探偵の冒険・東京篇』を刊行(サントリー学芸賞受賞)。91年、〈神長官守矢史料館〉で建築家としてデビュー。97年、「赤瀬川原平邸に示されたゆとりとぬくもりの空間創出」で日本芸術大賞、98年、日本近代の都市・建築史の研究(『明治の東京計画』および『日本の近代建築』)で日本建築学会賞(論文)、2001年、〈熊本県立農業大学校学生寮〉で日本建築学会賞(作品賞)を受賞。2006年、第10回ヴェネツィア・ビエンナーレ建築展で日本館コミッショナーを務める。著書に『藤森照信の茶室学』(六耀社)、『建築探偵の冒険・東京篇』(ちくま文庫)、『日本の近代建築』上・下巻(岩波新書)、『藤森照信の原・現代住宅再見』全3巻(TOTO出版)、『人類と建築の歴史』(ちくまプリマー新書)、『藤森照信建築』(TOTO出版)、『建築とは何か』(エクスナレッジ)ほか多数。


目次

プロローグ

第1章 巨石文化と巨木文化

第2章 「てにをは」建築と「と」建築 東大寺法華堂と投入堂

第3章 和と雅への反抗 栄西と重源

第4章 九間と四畳半

第5章 市中の山居と茶室の由来

第6章 浄土庭園と「作庭記」

第7章 通語句における自然と茶と庵

第8章 もし利休がいなかったら

第9章 <崩し>と「南方録」

第10章 石川丈山と文人茶

第11章 天心と「茶の本」

第12章 茶室の可能性 「有時庵」を訪ねる

第13章 高過庵から見えてきたもの

対談余録 あとがきにかえて

  茶室とは何か。  磯崎新

  茶の道は神仙に通じる  藤森輝信


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芸術新潮で「磯崎新が読み解く知られざる丹下健三」を読んだ!
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フジモリ建築「高過庵」を観た!
藤森照信の「グラウンド・ツアー」が届いた!
メゾンエルメスで「市井の山居:細川護煕展」を観た!
「メゾン四畳半・藤森照信展」を観る!
藤森建築と路上観察・第10回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展帰国展
第10回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展
清春芸術村の「茶室・徹」!
柱は魂の発射台だった!


tya1  「藤森輝信の茶室学」

2012年4月20日第1刷

著者:藤森輝信

発行所:株式会社六耀社

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「茶の本」

昭和4年3月10日第1刷発行

昭和49年1月25日第52刷発行

著者:岡倉覚三

訳者:村岡博

発行所:岩波書店

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「秀吉と利休」

昭和44年9月25日発行

昭和45年11月25日4刷

著者:野上弥生子

発行所:新潮社