「等々力渓谷」へ行ってきました!
「渓谷」とは、辞書によると「深くて急峻な側壁をもった谷。小谷。たにま。」とか「山にはさまれた、川のある所。たに。たにま。」とあります。「たにま」か。そうなると、自然が手つかずに残っていて、四季折々の自然が楽しめるというところ。特に紅葉はいいでしょう。「渓谷」を売り物にしている観光地も多いですね。全国に「渓谷」は数々あるでしょうが、まず思い起こされるのは、って、これは僕が思い起こすのですが。まずは「全国観光地百選・渓谷の部第一位」に選ばれた、と必ず書かれている「昇仙峡」、甲府駅からも近いところにありますが、確かに渓谷らしい渓谷ですね。
岩手には、「厳美渓」、「猊鼻渓(げいびけい)」がありますね。僕は「厳美渓」は行ってませんが、「猊鼻渓」は船頭唄を聞きながら川下りをしたことがあります。埼玉県は秩父の「長瀞」、岩畳も有名ですが、荒川の渓流を水しぶきをあげながらの船下りもいいですね。立川から青梅線で拝島まで、そこから五日市線で終点の武蔵五日市にある「秋川渓谷」、ここはよく行きましたよ。やっぱりここは河原に降りてのバーベキューですね。千葉県には「養老渓谷」というのががあるらしい。「わたらせ渓谷鐵道」、名前からして趣があるじゃないですか。「♪渡良瀬川の川面に降りて」という森高千里の歌もあります。これは創作らしいけど?渡良瀬川の渓流を満喫できるようで、行ってみたいところですね。
そんなに遠くへ行かなくても、ということで、行ってきましたよ、「等々力渓谷」へ。二子玉川から東急大井町線に乗り換えて二つ目「等々力」で降りて、南へ3分ぐらい歩くと「ゴルフ橋」という赤い橋があります。その横の階段を下りるともうそこは都会の喧噪を離れた別世界です。鬱蒼と茂った樹木の間を矢沢川沿いに散策路が延びています。樹木が風にそよぐ音、川のせせらぎ、野鳥の声が聞こえ、都会とは思えない自然に触れ合うことができます。まだ東京にこんなところが残っているんだ、というのが率直な感想です。実は僕は、もう何度も行ってるんですけど、4月から「等々力渓谷公園」が拡張されたというので、また行ってきました。
「等々力渓谷」は、世田谷区の南部、武蔵野台地に位置する延長約1kmの渓谷です。矢沢川が多摩川と合流する手前で、武蔵野台地を浸食して形づくられた東京23区内唯一の自然の谷壁が残っている渓谷です。この渓谷は深さが約10mほどあり、ケヤキ、シラカシ、コナラ、ヤマザクラ、イロハカエデなどの樹木が鬱蒼と繁り、渓谷の至る所から水が湧き出ています。「等々力」の地名は、渓谷内の「不動の滝」の音が響き渡り「轟いた」ところからついた、という言い伝えがあります。滝の上部には、平安時代に「役の行者」の霊場とされた「等々力不動尊」があります。かつてはこの滝に打たれて行をする修行僧が各地から訪れたと言います。
今回拡張された「等々力渓谷公園」は、崖地の樹林を利用した庭園で、園路に沿って上っていくと「書院建物」や「芝生広場」があります。芝生広場からは多摩川や神奈川方面が一望できます。まだ樹木が十分根付いていないような感じはしますが、まだ開園したばかりなので。芝生広場の北側の門を出ると「切り通し」と呼ばれる道があり、この道沿いの崖に武蔵野台地のローム層の断面を見ることができます。「切り通し」の北側は、急な崖となっていて、竹林や樹林があり、湧水による湿地もあります。散策路沿いに小さな「稚児大師堂」があり、設計者はと見ると畠山博茂とありました。吉田五十八の門下生ですね。渓谷内には、東京都指定史跡である「等々力渓谷第3号横穴古墳」があります。これは矢沢川の東斜面の崖に群集している横穴の一つで、古墳時代から奈良時代のもののようです。
この渓谷は、昭和32年に国から風致公園として指定され、昭和49年に指定区域内の河川の斜面地の一部を世田谷区立の公園として開園、そして今回「等々力渓谷公園」の一部として平成17年4月に拡張・開園されたというものです。駅から近いし、当たりはずれはありません。いつ行っても自然が楽しめること絶対に請け合いです。