「さとりをひらいた犬/ほんとうの自分に出会う物語」無料公開です。
(本篇)
第1章「旅の始まり」
第2章「三つの存在」
第3章「恐れ」
第4章「エゴ」
第5章レグードゥの森
第6章女神シャーレーン
第7章最後のたたかい
本で読みたい方は。
もう読んだ方も、そうでない方も、お楽しみいただければ嬉しいです。
最初からお読みになりたい方は、こちらからお読みくださいね。
(62)愛は最強!
僕は、シャーレーンのことを思い浮かべた。
なぜだろう?
どうして、怖くないんだろう?
あの時も、自分を狙っている敵の真っ只中へ飛び込んでいくなんて…
どうして、そんなことが出来るんだろう?
不安におののいていることもなかったし、勇気を振り絞っている感じでもなかったし、
そう、ごくごく普通に、自然に、いつもと同じように…まったく迷いもなく…。
ふと目を上げると、ちょっと離れたところからこっちを見ているシャーレーンと目が合った。
その瞬間、僕はやさしさと慈愛に満ちた、高く微細なエネルギーの波に包まれた。
僕の身体の奥から何かがせり上がってきて、胸のあたりでその高く微細なエネルギーの波とつながって、ぐわ~んとなった。
…愛… !
そう、…これは愛だ!
いや…、これが、これが愛だったんだ!
シャーレーンは、嬉しそうにゆっくりとうなずいた。
「分かったよ…、ゾバック。それは…“愛”だ」
「そうだ、愛だ」
ゾバックは満足そうに鼻の穴を広げると、そこから“ふぅ~”と空気を噴き出した。
「そして、愛は最強なのだ。いや、愛こそが、最強なのだ」
「愛は…最強…」
「そのとおり。感情とは、さかのぼると二つに集約される。
それは愛と恐れだ」
ゾバックは、僕を見下ろして続けた。
「ジョン、お前の取った行動がどちらの根につながっていたか、分かるか?」
「僕の…行動?」
「そうだ、シャーレーンを守るために、お前が取った行動だ」
そうか、あの時、僕は夢中で飛び出した。
シャーレーンさまを守りたかった。
いのちに代えてでも守りたかった。
シャーレーンの微笑み、シャーレーンの声、シャーレーンの姿…みんな、すべてが愛おしく、絶対に守りたかった。
「お前の取った行動、それも“愛”だということが分かったか?」
あれが…愛。
そうか、愛だったんだ。
「だがジョンよ。お前はまだ愛の一瞥を受けたに過ぎない。
ほんとうの愛を知るためには、ほんとうの自分を知らなくてはならない。
きっとそれが次の旅になるだろう」
「次の旅…」
(私を守ってくれてありがとう、ジョン…)
「いえ、シャーレーン様、僕の方こそ、ありがとうございました」
僕はそう言い終わると、急に目を覚ますまで自分が見ていた光景を思い出した。
きれいな草原、お花畑、心地よい川の水…そして…!
「そうだ! ヴェルキン、僕はゲトリクスに会ったんだ!」
「ほほう、ジョン、お前はあちら側の世界をかいま見てきたのだな…。ヤツはどんな様子だったか?」
「ゲトリクスは…やっぱりゲトリクスだった。そうそう、でも、左眼があったんだ。そのほうが男前だろって言って笑ってた」
「はっはっは! そうか、あいつらしいな」
ヴェルキンとゾバック、そしてシャーレーンも一緒に声を上げて笑った。
「そうか良かった、良かった。あっちでは左眼が戻ったか。まあ、あれをやったのは私だからな」ゾバックが笑いながら言った。
「えっ? ゲトリクスの左眼をつぶしたの、あなただったんですか?」
「ああ、昔いろいろあってな」
代わりにヴェルキンが答え、懐かしそうにゾバックと目を合わせた。
「そうそう、シャーレーン様、白帝がよろしく伝えてほしいって言ってました」
僕は白帝たちとの会話を思い出して、鼻がツンとした。
(ありがとう、ジョン。兄とも会ったのですね。会えて良かったですね)
シャーレーンは、僕と白帝がどんな会話をしたのか全てを分かっているかのように、うなずいた。
「そうだ、シーザーや他の犬達はどうなったんですか?」
すると、ヴェルキンが少し離れた草の上を鼻で指した。
そこに視線を走らせると、シーザーの部下たちが何かを囲んで無言で座っていた。
……
しばらくすると
「おお~っ」
歓声ともに真ん中に黒い犬が立ち上がった。
それは、シーザーだった。
(63)へつづく
【お知らせ】
●12月17日にお話会をさせていただきます。
内容は「般若心経から観る世界」
本当の僕たちとは一体誰なのか。
本当の僕たちとは一体何なのか。
この根源的な自分への問いかけを
内側に詰めていくと般若心経の世界に行き着きます。
世界のすべては外側ではなく、
自分の内側で起こっているのです。
これを禅の世界では
「水月(水に映った月)」と呼びます。
水月を捻得(ねんとく)する。
これがこの3次元世界を軽やかに駆け抜けて行く、ひとつのコツではないでしょうか。
僕は仏教学者でも僧侶でもありませんが、僕なりの体験から得たことをお話ししていきたいと思います。
●レッツ、ストローク!!
僕らがこの3次元世界で生きていく上で切り離せない大きな問題、それは「人間関係」です。
人間関係からは様々なものを学ぶことができますが、できれば周りの人たちといい関係を作って、気持ちいいやり取りをしていきたいものです。
僕たちは子供の頃、無意識のうちに他人との関わり方を学び、インストールしていきます。
それが自分にとって役に立つもの、心地のいいものであろうと、その逆であろうと、無意識に学んだことをそのまま「正しい」と信じてやり続けてしまうのです。
そして、自分が蒔いた種とは気づかずに、 様々なものを人生の結果として収穫し、
「何でこんなことになったんだろう」
「どうしてあの人とうまくいかないんだろう」
「なんでいつも喧嘩になっちゃうんだろう」などと、
悩み苦しむのです。
心地の良い人間関係を作るには「法則」があります。
それは心理学から学べます。心理学とはそれを学ぶためのツールであり、道具なんです。
その心理学の中でも、分かりやすい、そして使いやすい道具として「交流分析(TA)」があります。
TAとは臨床心理学のトランザクショナル・アナリシスのことで、 アルファベットで略してTAと呼ばれています。
12月16日(土)にこのTAのセミナーが開催されます。
主催をするのは、僕も理事として参加させていただいているストロークフルライフ協会です。
当日は理論だけでなく、体験ワークもプログラムに入っています。
もしご興味があり、お時間があれば、是非この素晴らしいTA理論に触れていただくことをお勧めいたします。
ではでは!
ネットでのご案内ページはこちら
https://peatix.com/event/3712186...
●9月末に「ほんものさがし」という YouTube 番組に出演させていただきました。
全部で3回収録をしていただきまして、その第3回目が公開されました。
(第1回)
(第2回)
●「さとりをひらいた犬」が Audible になりました。
ジョンやゾバック、クーヨやシャーレーンなどのキャラクターたちが、音声になって飛び出してくるということを想像するだけで、言葉にできない思いが湧き上がってきます。
●こちらも素晴らしいです。
ご覧になっていない方は、ぜひ一度ご覧ください。
【動画・英語版/翻訳動画(各回約10分)】
(最新動画)
(予告編/1分半)
(エピソード1)
(エピソード2)
(エピソード3)
エピソード4
●オンラインサロン
ガンの方を中心に、みんなで支え合いながら前に進んでいます。
ガン等や人生についてお悩みの方、僕たち仲間と一緒に支え合って前に歩いていきましょう。やはり仲間は『力』です(^-^)
入会・退会自由です(1か月のしばりはありますが)
https://www.leela-salon.fants.jp/
●オススメのお水やお茶など
よくご質問いただくので、以前書いた記事をリンクしておきます。
オススメの本①(読むと元気になる)
おススメの本②(劇的寛解事例)
おススメ本③(生還者たちの体験記)
おススメ本④(食事関連)