「さとりをひらいた犬/ほんとうの自分に出会う物語」

 

無料公開始めました。

 

もう読んだ方も、そうでない方も、お楽しみいただければ嬉しいです。

 

★Amazonのレビューでは5つ星の4.6、レビューは173レビュー(2022.9.07時点)頂いています。

ミッチー

5つ星のうち5.0 犬を例えに…具体的で理解しやすいです。

2022年2月17日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

【本当の人生を生きる】コレをテーマにしたスピリチュアル系の方が書いている本も手にしたことはありますが…理解出来ずにいたら…一匹の犬を主人公にした この本、わかり易く腑に落ちました。

 

★学識サロンさん(登録者51万人)にご紹介頂きました。

 

本要約チャンネル(登録者100万人)さんで、日本文学の傑作と、より詳しくご紹介いただきました。

 

 

 

最初からお読みになりたい方は、こちらからお読みくださいね。

 

前回はこちら

 

 

前回まで

 

ベレン山の大楠に呼ばれるようにすすんで行ったジョンは、そこで「赤い魔獣」と出会います。

 

その何もかも吸い込むような「目」に見つめられらた時、

 

ジョンは、恐怖に駆られて逃げ出してしまいました。

 

そして…

 

 

⓫ほんとうじゃない自分との対決

 

 

はぁ~っ

 

 

どうしよう…

 

ダルシャやコウザはベレン山に行けと言う。しかしそこには『赤い魔獣』がいる。

 

行けば確実に殺される。

 

マシューに「殺されてもいい」なんて言ったけど、やっぱりその場になったら殺されるのは恐い。

 

かと言って、戻ってマシューたちと同じような野犬になりたくはないし…ましてやご主人様のところに戻るなんてあり得ない…

 

 

 

僕の心は右へ左へ、上から下へ、グルグルぐるぐると回り続けていた。

 

当然ベレン山にも登れなかった。

 

なにより、あの重苦しい威圧感が怖くて山に近づけなかった。

 

目をつぶって「魂の声」を聴こうとしても

 

 

 

怖いよう!

 

 

死にたくない! 

 

 

 

というエゴの声が大きすぎて、その奥から聞こえる『魂の声』がちっとも聞こえなかった。

 

 

 

 

そんなことをしているうちに、僕はベレン山のふもとを五日間もグルグルとさ迷っていた。

 

 

 

 

五日目の夜、僕は疲労困憊して眠りについた。

 

特に激しく動いていないのに、すごく疲れていた。しばらくウトウトしていると、突然、声が聞こえた。

 

 

 

 「よう、ジョン」

 

 

 

驚いて周囲を見渡すと、誰もいない。でも、声は聞こえる。

 

 

 

 「お前さん、どうしたいんだい?」

 

 

 

聞き覚えのある声だ。

 

 

 

 「あっ、ダルシャ! ダルシャなのか?」

 

 

 

僕は飛び起きた。

 

 

その温かみのある声は、ダルシャの声だった。

 

 

 

 

「なぜベレン山に行かないんだ、ジョン」

 

 

「あそこには『赤い魔獣』がいるんだ。行ったら殺される。どうしていいか、分からないんだ…」

 

 

「ほう、そうか、『赤い魔獣』か…。そいつは大変だな」

 

 

 

他人事のように答えたダルシャの声を聞いて、僕はカッとなった。

 

「なに言ってんだよ! ガジョやマフィーたちはお前の話でここに来てヤツに襲われたんだぞ。知ってたんだろう! ガジョは死んだんだぞ!」

 

 

 

 

ダルシャの声はゆっくりと答えた。

 

 

「それはあいつらが選択したことだ」

 

「選択~?」

 

 

 

 僕は語尾を上げて、挑むように聞き返した。

 

 「選択も何も…あの『赤い魔獣』だぞ、相手は!」

 

 

 

 

 ダルシャの声はそれに答えずに、ゆっくりと静かに言った。

 

 「ジョン、いいことを教えてやろう。これをやるかやらないかはお前さんの自由だ」

 

 「なんだよ」

 

 

 

 

 「お前さんは今、“恐怖”と“不安”に囚われている」

 

 うん、確かにそうだ、ダルシャの言うとおりだ。

 

 

 

 

「今のその状態がお前さんが感じていたい“ほんとうの自分”だと感じたなら、そのままそれを抱えて生きろ。それがお前さんのほんとうになる」

 

 

 

 

「僕の…ほんとう…?」

 

 

 

 

「しかし、それが…それを感じながら生きている自分自身が“ほんとうの自分じゃない”と感じたのなら、その“ほんとうじゃない自分”と向き合うんだ。逃げてはいけない」

 

 

 

「向き合う…?」

 

 

 

 

「そうだ、逃げれば逃げるほど“恐怖”と“不安”は追ってくる。いずれ、それにつかまって、そのほんとうじゃない自分が、ほんとうの自分に入れ替わってしまうんだ」

 

 

 

 

「…」

 

 

 

 

「ジョン、勇気を出せ。自分と向き合い、自分を見つめろ。そして見抜くんだ。ほんとうじゃない自分と対決するんだ。道はそれしかない。自分を知ることが出来た者だげが、次の道へと進むことが出来る」

 

 

そう言うと、ダルシャの声は闇の中に消えていった。

 

 

 

 

僕はもっとダルシャの声と話がしたくて聞き耳を立てたけれど、もう何も聞こえなかった。

 

 

 

 

 

翌朝、目を覚まして昨晩のことを思い出した。

 

 

 

あれは夢だったんだろうか?

 

自分と向き合い、自分を見つめ、自分を見抜く…

 

自分の“恐怖”“不安”と向き合って、対決する…

 

ほんとうじゃない自分と向き合って、対決する…

 

自分を知ることが出来た者だけが、次の道へと進むことが出来る…

 

 

 

何回も何回も、心の中でつぶやき続けた。

 

そして、目を開けた。

 

 

 

「行くしか、ない」

 

 

 

僕は、光輝く朝陽の中を、覚悟を胸に、巨大な楠に向かって歩き始めた。

 

 

(ダルシャ)

 

 

⓬『勇気の前進』へ続く

 

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その①

またまた長崎に行きます。

 

 

その②

リーらの会 #12

9月30日(金)の開催です。
時間は午後20時から22時くらいまで。

主に仲間づくり、情報の交換、悩み相談などが目的の会です。

「がん」を含めて(ガンでなくても、もちろん歓迎)、病気や気持ちや環境など、その中で感じていること、悩んでいることなどを語り合える仲間がいるだけで、心が軽くなります。

共通の悩み(病気)や、目の前に起こっているトラブルなど、話し合い、聴き合うという体験は大切です。

人は、話すことによって癒されるのです。
(カール・ロジャース談)

前回(8月26日)は約50名のみなさんにお越しいただき、楽しい時間を過ごさせて頂きました。
この日は僕の話(只管ということ)の他に、大腸ガンステージ4生還者Gさん(寛解してもうちょっとで5年)、
エンディングノートを書いて生き方変えてガン消えて社会復帰の、上顎ガンステージ4から生還したOさん、
そのエンディングノートのご指導をされたリボーン洞戸のセラピスト池田ユリさんの話をお聴きしました。

みなさん、すばらしい。
人の可能性は無限大です。

また、グループのシェアでも、たくさんの仲間と良い交流が出来たようです。
ご参加いただいた皆様に、感謝です。

途中参加、途中退出OKです。
参加方法はZOOM、無料です。

 

 

その③

「時空の杜」サレンダー瞑想キャンプ

10月20日(木)~23日(日)

サレンダー瞑想キャンプ案内

詳細・お申し込みはこちらから