小さな花のひとりごと -24ページ目

小さな花のひとりごと

乳がん再発の心の動きを綴っています。
現在、肺、縦隔、骨に転移していますが、治療のおかげで元気に過ごすことができています。
やれることをやれるうちに。

以前の生活を取り戻す(仕事を再開する)
これはとても勇気がいることです。
昨年、自分の意志で仕事を諦めて手放したのに、
少し調子が良いからと簡単に元の仕事を始めていいのかどうか。
 
本当に大丈夫?
途中で無責任なことにならない?
と、自分に問い掛けると、簡単には進むことができません。
そんなこんなでどんどん時間は無駄に過ぎてしまいます。
 
時間の無駄は、再発した人間にとっては勿体ないことです。
1秒でも無駄にしたくないです。

仕事は、やらなくても誰にも非難されません。

おとなしく治療に専念しているのも大義名分になります。

 

ただ、私がやりたい。

声が出るうちに、再発が進まないうちに。

これが最後になってもいいので、もう一度チャレンジしたい。

自分への置き土産にしたい。

 

もっと気楽に再開しちゃえばいいのにとも思います。

私にブレーキを掛けているのは、一番最初に言われた医師の言葉、

「あなたに治療することは何もない。」

未来がないんだよと宣告されたようで、どうしても先に進むのが怖い。

 

あれはトラウマです。

 

トラウマに囚われて何もしないよりも、時間を無駄に過ごすことは、やっぱりイヤです。

ダラダラと自然の成り行きに任せてきましたが、

ちょっとだけ仕事再開できそうです。

 
心と身体のつながりは、頭に絵を浮かべてイメージしていました。
心の動きが神経に影響して、それが内分泌系に連絡が行って、
だから身体にこんな風に症状が現れて・・というイラスト(絵)を頭に描くのです。
 
再発してみると、現実に痛かったり、何気に漂う不安感がありますが、
ちょっとした心の持ちようで、
自分の身体に起きる感覚(痛みや不安感)には、日々の感情で誤差があると気づきました。
それは教科書では分からない部分。
AIにも読み取れない部分。
 
検査結果だけなら毎日の体調は、変化がないはずです。
実際は、個人差やその日の気分で体調や痛みは一定していないのです。
心と身体のつながりは、人体の不思議です。
 
ちょっと前に肺に新しく悪い子が発見された時以降、
微妙にいつも息苦しい日が続いていました。
ところが最近は、
心が安定しているせいか息苦しさをあまり感じません。
気にしなくなったというのが正しいかもしれません。
少しでも長くこれを維持したいものです。
 
最近の小さな幸せは、月桂樹の花の香りを知ったこと。

画像はローレルの葉と花です。
可愛い花。
くどくない甘さがあって、すごく良い香り、ずっとクンクンしていたい。
 
葉は精油にあります。(ローレル、ベイ、ベイリーフ等と呼ばれます)
気持ちを落ち着かせ、元気も与えてくれる精油。
甘みがあるけれどスッキリした香りで、好きな人は多いです。
花は精油で見かけないのですが、レア精油であるのかもしれません。
幸せになる香りです。
 
いつごろだったか、杜仲茶が流行った頃がありました。
(杜仲葉のお茶は血圧やコレステロールの改善に効果があるそうです)
 
樹皮は漢方の材料です。
トチュウが欲しくて横浜中華街で探したことがありますが、なかなか見つからず、
やっと高級なお茶専門店で見つけました。
 
ガラスケースの中に樹皮の欠片が大切に飾ってありました。
(ちょうど画像のトチュウの樹皮そのものです)
値段には、びっくり。
杜仲って、かなりレアなのかもしれません。
杜仲の樹皮を探したのは、五行説では「冬」に該当した植物だから。
私の頑固な冷え症に良さそうと思ったのです。
 
値段におじけづき、どうしても欲しいわけでもなかったので、
杜仲(樹皮)は高い、と情報だけ仕入れて
一般的な杜仲茶(葉)のティーバッグを購入して帰りました。
 

杜仲は、恐竜時代から存在し氷河時代を生き延びてきた植物で「生きた化石」と呼ばれています。

ほかにも生きた化石と言われている植物にイチョウもあります。

(イチョウは血流をアップするので認知症予防のサプリに使われています)

 

樹木の見分けは難しいですが、

たまに、ほんのり漂ってくる香りの違いは感じます。

緑木の中で過ごすと細胞が生き返る感覚があり、憂鬱を忘れます。

森林療法は、歩く、葉を拾う、拾って遊ぶ、木を見上げたり、とにかくやることがたくさん。

植物からたくさん癒されて元気のお裾分けを貰える良い季節になりました。

 
1年前の今頃は胸膜癒着術で入院していました。
 
鮮明な記憶に残っているのは、
局所麻酔の注射が、痛かった、痛かった、とにかく痛かった!
採血で何度も針を刺されても
局所麻酔の痛さに比べたら蚊に刺されたようなもんです。
 
痛かったこと以外は、遠い昔の思い出になりました。
 
食事が食べられずに
イチゴやプリンを買ってきてもらったり、
院内のWi-Fi使い放題で、鬼滅の刃見たり、マンガ読んだり。
あれくらいのまったりした入院ならいつでもOKです。

先日、初発のころの仲間が再発したそうです。

彼女も20年選手です。(本人曰く25年とか)

幸い早めに分かったようなので、きっと大丈夫。

 

乳がんって、ほんとにしぶとい病気ですね。

私もしぶとく頑張ります。

 

 

今月から、午前が乳腺、午後が呼吸器外科になって、一日がかりの診察になりました。

行って帰ってくるだけで一日が終わります。

 

今さらなので聴きづらかった1年前のことを、

呼吸器外科のI先生に聴いてみました。

 

「一番最初に診てくれた乳腺の

O先生から、

私の左肺は動脈が機能していない、と言われましたが、

ではどうなっているんですか?」

あの頃、まだ呼吸器外科の先生にはお世話になっていなかったので

当時のことは詳しくは知らなかったようです。

 

初めて当時のデータをみて驚いていました。

「これは、う~ん。← いっしゅん、言葉を失った感じ。

すごいね。これは機能していないと言われても仕方ないね。よくがんばったね、これでは辛かったでしょ。」

 

「ここが動脈のはずだけど悪い子だらけで何も見えない、これでは血液が流れていないよ。

流れてもチョロチョロしか流れなかったはずだよ。」

 

「このグレーに映っている塊が全部悪い子だよ。

右肺にも小さいのがたくさんある。」

 

「左と右の肺の大きさが全然ちがうのが分かるでしょ。」

 

丁寧に説明を受けて、今の画像と1年数か月前の画像の違いが良く分かりました。

そして、

小さなポツポツとした悪い子が消えていることや、悪い子の固まりが縮小していることなどが、

今さらながら、自分の目で知ることができました。

信じられない復活力。

 

なんかすごい!今の医学。

 

20年前の常識をずるずる引きずっていましたが、

諦めるのはまだ早い、諦めるのは愚かだと、

ちゃんと学んで今の意識に変えなくちゃと思った4月のスタートです。