模型づくりとか趣味の日々リターンズ -26ページ目

【映画評】マリッジ・ストーリー 演技派2大俳優の罵り合いがスゴイ!

マリッジ・ストーリーであります。

 

マリッジ・ストーリーなんて、なんかロマンチックなタイトルですが、離婚の話ですね。現代版クレイマークレイマーてとこでしょうか。

 

演技派として今や押しも押されぬアダム・ドライバーと、これまた演技派のスカーレット・ヨハンソン(ブラックウィドウとゴーストインザシェルの印象強いけど)が強烈な演技を見せてくれます。

 

スカヨハは前半で離婚のいきさつを弁護士に延々と話すシーンがあるんだが、これがワンカット。長い長い。もはや舞台演劇の世界。

 

アダム・ドライバーはこれがまた、泣きも叫びもとても演技とは見えない。見てるうちに顔が紅潮し涙が出てくるなんて、こんなの映画で初めて見た。

 

話の流れも上手いです。離婚とはなったが、互いにそれほど相手を嫌っているわけではなく、それでも親権を獲得するために、弁護士から言われ仕方なくといった感じで互いの落ち度を見つけては裁判でさらけ出さないとならない悲しさ。

 

互いが罵り合いになるシーンがあり、これも最初は穏やかに話し合っていたのに次第にエスカレートして、言わなくてもいいことまで言ってしまい、それに気づいて強烈な自己嫌悪に陥る…というこの流れ。いやもうこのシーン説得力すごくて言葉にならない。

 

二人が各々歌を歌うシーンがあるんですが、スカヨハが姉と母と3人で、子供の同級生と親たちとのホームパーティで楽し気に歌うところは、新生活をエンジョイしている感じが良く出ている。一方アダム・ドライバーは切々と、「誰かといることは大変だが、それでも孤独よりはマシ」と切なげに歌う。この対比、お見事。

 

全体として大変質の高い、それでいて分かりやすい映画でした。

【映画評】とみよしとSF映画の世界(前編)

模型ブログだったはずなのに、このところ映画評ばっかり書いてる…いや、模型も作ってるんです。ただ映画は1本2時間少々で観られますが模型は最低でも完成に2か月かかるのでネタが揃わない…

製作記をマメに上げていく手もありますが、2か月かけて製作記上げた末に「失敗でした~」ではシャレにならんし…

 

まあそれはともかく、半分忘備録的に書いておきたいと思っていた表題のネタ。映画の中でも好きなジャンルである「SF映画」について。出会いから現在まで思いつきのままにダラダラと書いてみたい。主に洋画ね。

 

なお一切資料を見ないで、思い出しだけで書くことにしましたので時系列はいいかげんでございます。

 

最も古く記憶にある洋画SFは「猿の惑星」シリーズと「ミクロの決死圏」でしょうか。子供のころから映画館に通うようなことは無く、TVの洋画劇場に大変お世話になりました。

「猿」はシリーズでは3作目「新・猿の惑星」が印象強いです。知性ある猿が現代のロサンゼルスにやってくる。最初は歓迎されるがやがて国家のなんたらで抹殺の憂き目に。いやあストーリーが見事ですよ。ドラマチックです。

「ミクロ」は、アポロ計画があった当時、科学の目が宇宙に向いていた時代にあえて人の体内を扱うというアイデアが秀逸。そのミクロ的な体内のデザインが良い。探索船のデザインもスマート。乗組員の白いウェットスーツもセンス良い。ラストも良く考えられてる。ホントに当時から洋画SFはストーリーや設定が良く練られててスゴイです。子供向きなんかでは絶対無い。SFというジャンルの地位が高かったんでしょうね。

 

この時代には「2001年」もありましたが、これは別格。当時TVでもやらなかったし。見たのは学生になってからでした。

 

で、「スターウォーズ」と共にSFブームが来ます。「スタートレック」が作られ「未知との遭遇」が作られ、ディズニーは「ブラックホール」で大コケして(笑)。

 

そして来ました「エイリアン」!!!リドリー・スコットの出世作にしてSFホラーの金字塔!!!もう冒頭のシーンからセンス良すぎ。あの土星みたいな輪っかがついた惑星、マット画なんでしょうね、やっぱり… なんか絵に見えない!すでにスゴイ!そして宇宙船ノストロモ号の船内、何コレ、セットに見えない。なんか本物。実在感ありすぎ。この完璧なセットにスコットの光と影の魔術が加わり、とんでもない臨場感が生み出される。そしてその暗闇からヌッと…「MOTHER!」の叫びも空しく自爆のカウントダウンは止まず…あー書き出したら止まらんわ。

 

同時期に「遊星からの物体X」も来ます。低予算(たぶん)ではありますが、エイリアンに劣らぬ傑作SFホラー。というよりはサスペンスでしょうか。宇宙生物に体を乗っ取られてる”かもしれない”人間同士の疑心暗鬼。そして宇宙生物のデザインがまた…(なお例の人間の頭のアレがガシャポンで売られてたのを覚えてる)。

 

「スターウォーズ」が「ジェダイの復讐(あえてこう書く)」でとりあえずの完結を見、スピルバーグが「E.T.」で大ヒットを飛ばし、「ターミネーター」がSF&銃器アクションという新ジャンルを確立。

 

んで~~~。来た~~~!!

2019年ロサンゼルスがやって来た~~~!!

 

(後編に続く)

 

【映画評】THE BATMAN 楽しい映画だが盛り込みすぎ

THE BATMAN でございます。

 

リブートしすぎて何やわからんようになってます。
 

DCは未だにアベンジャーズの二匹目のドジョウ狙ってて、やたらリブートリブート言っておりますが、この映画はそのDCユ二バースには入れず、独自のシリーズとして継続するようです。

 

これを迷走と言わず何と言うwww

 

シリーズの全体的な方向性も定まらないまま、やたらと作品作るもんだから、それが変に出来が良かった時に始末に困る。JOKER然り。

 

で、この映画。基本娯楽映画で、雰囲気は重く暗いですが、実は難しいテーマとか特になく、ポテチ片手に楽しめば良い作品であります。

でもそう気づいたのは3時間に及ぶ映画の終盤であって、この映画ってどういうスタンスで観ればいいのか途中まで良く分かんないんだ。

 

雰囲気はいい。バツグンにいい。画期的ですらある。ブレードランナーを観た時の衝撃に近い。それは観るに値する。

 

でもそれ以外の部分はねえ…

 

アクションでありダークファンタジーでありバディムービーであり恋愛もありホラーもありミステリーもあり、ともかく要素がてんこ盛り。なので消化不良の部分もあり。3時間あったってこの内容じゃ整理つかんよ。バットモービル唐突すぎ(笑)

 

話もなんだか穴が多い。顔半分出したままで声も変えてないバットマンが、誰なのかモロばれじゃん、ていうツッコミはさておいても(笑)黒幕が容易にヤバそうなやつを部屋に入れた上2人きりになったり、最後どう見てもゴッサムシティ壊滅なのに、そのことの悲惨さは取り上げず、バットマンが被災者救助してるヨカッタヨカッタって、なんだそれ…

 

なのでシーン毎は見ごたえあるんだが、映画全体として観た時の未整理感が何とも言えず、落ち着かなかったのが正直なところ。

 

唯一評価するのは今回のヴィラン。その佇まいというか雰囲気というか…これまでに無かったタイプであり、でも今の時代には説得力のあるキャラ。ここはお楽しみに…というところで。