【映画評】エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス ハチャメチャSFだが中身は王道
エブリシングエブリ…(長いな)エブエブでございます。
【映画評】シン・仮面ライダー 庵野さんこれからも頑張って下さい
シン・仮面ライダーでございます。
なんか上手く感想まとまらず…映画評としては褒められた書き方ではないんだが、とりあえず良かったところとイマイチなところを思いついたままに箇条書き。
【良かったところ】
・仮面ライダーのデザインが良し。オリジナルを踏襲しつつ現代的にアレンジ出来てる(庵野監督のことだからミリ単位で調整して違和感無いようにしたんだろう)
・割と最初の方、戦闘員&クモオーグとのバトル。ライダーのテーマがかかって、ライダーっぽいカット割りでテンション爆上がり(ここがテンションのピークで無ければ良いのだが…との心配が的中…)
・オーグ(ショッカー怪人のことをこの映画ではこう呼んでいる)のデザインがカッコ良し。今風に洗練されている。仮面の光沢も高級感がある。特にハチオーグの和風なアレンジが良し。
・ヒロインの存在感 唯一目的がはっきりしていて行動との一貫性がある お芝居も良し。
【イマイチなところ】
・ショッカーって結局何やってたのか分からん オーグが各々勝手に活動してるようにしか見えない ハチとコウモリは人間の奴隷化というところで一貫している?他はよう分からん
・ショッカーがどうなって今後どうなるのかよう分からん。ラスボス倒してもAIが生きてるから脅威は去ってないってこと?じゃあラスボス何のためにいたの?(続編のシン・V3でも作るのか?)
・ハチオーグの女の子が人殺しに見えない
・サソリオーグだけデザインが安っちい…というかほとんど生身(コウモリおじさんは科学者の位置づけだろうからアレで良いのだろうけど)
・CGが安い。1号2号の空中での殴り合い。あとショッカーライダーとのバトル。安さをカバーするためか、ずっと暗いトンネルの中で展開するんだが、それでもバレバレ。大画面で見せるようなものではない。
・セットが安い。特にラスボス戦。周りの照明落として誤魔化すのは一つの手段だが、見えてる部分にもほぼ何も無い。
・説明セリフが多い。シンゴジラの時は、聞き流し(字幕は読み流し)て良かったようだが、シンウルトラマンからはそうではなかった。ちゃんと聞いていて理解しないと話がわからない。結局プラーナなるものがが何なのか分らんかった。
・2号の洗脳解くの簡単すぎ
こうして書き連ねていくと…欠点は絵作りのチープさと、世界観やストーリーが分かりにくいことの2点に集約されるようで、その欠点を派手なアクションとか勢いとか熱さとかカバーしていくことにも失敗しているようであります。
絵作りの方は、まあ端的に言って予算が無かったんでしょ。パンフの庵野監督のコメントにも「さまざまな邦画の制限に抗い」「さまざまな制限下」「やれることは全てやった」とあるし。
世界観等については、単純な話TVシリーズを2時間の映画にまとめるって無理な話であって。この映画だってシン・ウルトラマンだって10話ぐらいで作れば、もっと分かりやすく出来たんだろう、と思う(正直シン・ウルトラマン興行収入40億って、評価されすぎ)。その無理な話をやろうとするわけだから、庵野監督には何らかの勝算があったんだろうと思うが…う~ん…
まあ、特撮ファンとしては今後も庵野監督を支持していきたいので、シンはここらで終わらせて、またオリジナルでいいのを見せてほしいと思います。
ただこのお方も理屈っぽいところがあって、これはこうだから、ここをあと1mmずらせば、この画面を1ピクセル上に上げれば良くなる「はず」をやっている。オシイさんのようになってしまわないか心配です。
【映画評】MINAMATA 水俣だぞ真面目に撮れよ
MINAMATAでございます。
はい、残念です。
何が描きたかったんでしょう?
水俣病について世に知らしめたかったんでしょうか?
落ちぶれた、盛りを過ぎた元名カメラマン(ユージン・スミス)が水俣との関わりを通じて再生する物語でしょうか?
それともスミスとアイリーンの恋物語でしょうか?
そのどれもが中途半端です。
日本人にとっては大変重い事件であり、高度成長期の日本の暗部であります。
軽々しく扱ってはイカンものです。
ですけどこんな映画では…
言っちゃナンですが、パイレーツ・オブ・カリビアンを始め、エンタメ系で売れた俳優ジョニーデップ(主演&プロデュース)が、晩年を迎え、ここ数年の主演作の不調もあり、社会派も出来るんだってところをアピールしたくて、こういう素材を選んだんじゃないかと勘繰ってしまいます。
でもこんな未消化な作品つくるようではダメダメですね。随所に見られる史実との相違も、まあ映画なんだから多少はしょうがないか…と思いつつ、有名な写真「入浴する智子と母」の撮影シーンで、なんで風呂桶が土間にナナメに置かれているのよ…と、なんかよくわからん演出をしているな、と思ったりします。
ラストカットの意味不明さも、作り手の混乱ぶりをよく表している、と。
ただ、さすが日本側の役者さんは、水俣という素材の重さを十分に分かっていて、いい芝居をしてくれてます。真田広之さんと國村隼さんはこの映画の救いですね。
ともかくも、水俣病を知るにはスミス氏の写真そのものを見る方がよほど良いです。いいサイトがあったので紹介しておきます。
水俣病特集 MINAMATA ユージン・スミスの伝言 - プレミアムA:朝日新聞デジタル (asahi.com)