【映画評】マリッジ・ストーリー 演技派2大俳優の罵り合いがスゴイ! | 模型づくりとか趣味の日々リターンズ

【映画評】マリッジ・ストーリー 演技派2大俳優の罵り合いがスゴイ!

マリッジ・ストーリーであります。

 

マリッジ・ストーリーなんて、なんかロマンチックなタイトルですが、離婚の話ですね。現代版クレイマークレイマーてとこでしょうか。

 

演技派として今や押しも押されぬアダム・ドライバーと、これまた演技派のスカーレット・ヨハンソン(ブラックウィドウとゴーストインザシェルの印象強いけど)が強烈な演技を見せてくれます。

 

スカヨハは前半で離婚のいきさつを弁護士に延々と話すシーンがあるんだが、これがワンカット。長い長い。もはや舞台演劇の世界。

 

アダム・ドライバーはこれがまた、泣きも叫びもとても演技とは見えない。見てるうちに顔が紅潮し涙が出てくるなんて、こんなの映画で初めて見た。

 

話の流れも上手いです。離婚とはなったが、互いにそれほど相手を嫌っているわけではなく、それでも親権を獲得するために、弁護士から言われ仕方なくといった感じで互いの落ち度を見つけては裁判でさらけ出さないとならない悲しさ。

 

互いが罵り合いになるシーンがあり、これも最初は穏やかに話し合っていたのに次第にエスカレートして、言わなくてもいいことまで言ってしまい、それに気づいて強烈な自己嫌悪に陥る…というこの流れ。いやもうこのシーン説得力すごくて言葉にならない。

 

二人が各々歌を歌うシーンがあるんですが、スカヨハが姉と母と3人で、子供の同級生と親たちとのホームパーティで楽し気に歌うところは、新生活をエンジョイしている感じが良く出ている。一方アダム・ドライバーは切々と、「誰かといることは大変だが、それでも孤独よりはマシ」と切なげに歌う。この対比、お見事。

 

全体として大変質の高い、それでいて分かりやすい映画でした。