西洋の油絵を模した泥絵 | 龍馬と夢紀行
2022年08月21日(日) 12時55分00秒

西洋の油絵を模した泥絵

テーマ:歴史

過日、泥絵に関して触れましたが今日も少々。

 

泥絵とは、西洋の油絵を模したスタイルで、

普通の絵の具に胡粉という白い絵の具を混ぜて描かれます。

そして西洋画法よろしく遠近法も用いられた絵。

 

描き方のポイントとしては、

画面上部というか過半に鮮烈な蒼い空が描かれ、

建造物や風景に混じって描かれる人物像は、

そのほとんどが小さく、なおかつデフォルメされ、

一般的には顔の表情を窺うことは困難を極めます。

 

ゆえに見方によって泥絵の解釈は、

稚拙さがばかりが前面に強く映し出されてしまうこともあり、

おのずとその作品評価を下げる要因になったかもしれません。

 

幕末期から明治時代にかけて描かれ、

遠近法を強調した洋風らしさが受けて流行したとのことですが、

世上に多く流通した浮世絵とは異なり、

泥絵は一時期の興隆を経て、終息に向かっていったとされます。

 

それゆえに泥絵に関して詳しいことが残っておらず、

加えて作品自体に落款がないのも多く、作者名もほとんど不明。

江戸名所などが多く描かれたとのことですので、

土産物品のような扱いになっていた絵であったとも思われます。

 

既述のような色々な点を考察しながらも、

民藝運動の主唱者で美術評論家として著名な柳宗悦は、

泥絵のことを「民衆絵画」として評価をしていました。

 

個人的にも以前から泥絵のことが気にかかっていて、

東京神田の古書店街で額入りの泥絵を一枚購入しました。

「神奈川沖遠景」と題する泥絵で、

相模湾の海原にアメリカ蒸気船が浮かんでいる内容。

泥絵は錦絵の武者絵などと異なり、

絵からの躍動感を受け取れず、むしろ静的な感覚が漂う感じ。

かえってこれらが一つの魅力と捉えられるかもしれません。

 

過日にそんな泥絵の新たなる一枚を購入することになりました。

その内容に関してはまた明日にでも。