泥絵「霞ヶ関」 | 龍馬と夢紀行

泥絵「霞ヶ関」

「歌川国芳21世紀の絵画力」なる書籍があります。

おそらく絵師・歌川国芳の巡回展用の図録として、

府中市美術館が編集したものであると思います。

 

最近、北斎や広重にとどまらず、国芳の人気もうなぎ上り。

そんな国芳の魅力がふんだんに散りばめられた一書。

その書籍の中面に広重の錦絵が紹介され、

その下に一枚の泥絵も併せて掲載がなされています。

この泥絵の作者は、司馬口雲坡(しばぐちうんぱ)で、

作品は西洋の油絵を模した「霞ヶ関」という題目の一枚。

 

司馬口雲坡の経歴はほとんど伝わっておらず、

その筆名からの推測に頼れば、

司馬江漢の弟子筋に当たる画人ではなかったかと思われます。

 

「霞ヶ関」という題目と、独特の横長サイズの構図から、

図録を見たときに私の記憶の中に格納されたのかもしれません。

 

ある時偶然にも、

図録に掲載された「霞ヶ関」が売りに出されているのを発見。

もちろん、錦絵とは異なり泥絵は一点モノです。

そうこうするうちに、

この泥絵との出会いも何かの縁であろうと、

購入する流れに気持ちが動いて正式に購入することにしました。

 

こうして図録に掲載されていた作品等を、

個人所蔵にしたのは初めてのことになりますので、

大切にしながら自社の歴史商品の図版に使用することにします。