犬か猫か
英会話のテキストに「Are you a dog person or a cat person?」という質問がある。犬派か猫派かを訊ね、どっちも好きなら「Both」どっちも嫌いなら「Neither」と答える、と書いてある。相手の好みを知り、人間関係を良好に築くきっかけとなる質問だそうだ。 悩ましい質問だ。犬も猫も好きだ。犬は有無を言わさず忠実な仲間として仲良くなれるだろうし、猫は人間を猫だと思っているだろうからやはり友達になれるだろう。ヘビとは大違いだ。昔から気持ち悪いと思っていたが、水面を泳ぐヘビをみて以来、どうしても好きになれない。思い出してもぞっとする。それなのにへびが空から降ってきたことが2回ある。大当たりだ。 鳥類に告ぐ。君たちはヘビをつかまえたら巣まで運んで子どもたちに食べさせてやろうなどという親心をすて、すぐに消化器官へと運び込み、程よくなったころにひなたちにあたえるべきだ。頼む、そうしてほしい。 さて、いろいろ悩んだ末「私は犬も猫も好きです。ヘビ以外なら」と言うことにした。I like dog and cat except for snakeが正しい英語のようだが、なにせ英語などすっかり忘れているものだから instead of snakeと言ってしまった。ヘビの代わりに犬と猫を愛します、と返答したことになる。これでは犬も猫もヘビには及ばず、ヘビ大好きということになってしまうではないか。英語は正しく覚えたほうがいいと痛感する。 深い人間関係を築くには、嫌いなものが共通する人を探すという作戦もあるだろう。「へびとごきぶりとねずみ、どれが嫌いか」と訊ねるのだ。英会話のテキストには載らないだろうから調べてみた。What do you dislike? Is it snakes, cockroaches, or mice? なんだか使えそうな言い回しに思えるので、覚えることにした。