ルックバックという映画を見た。感想を記す。

ひとつめ。秋田の田園風景がいい。田舎の子供は田んぼの畦道を歩いて登下校するんだけど、こういう感じよね、と思わせてくれる。

ふたつめ。日常の雪を描いている。田んぼや山に積もる眺めの美しい雪だけではなくて、道路の雪も描いている。アスファルト上に積もった雪は、タイや跡がいくつも付いて真っ白でなく、綺麗ではない。雪の重みや冷たさ、汚い感じも伝わってきて、アニメーターさんたちが雪を熟知しているなと感心した。

みっつめ。シスターフットの話と考えるにはキャラクターの描き方がけっこう浅い。不登校の京本は、学校から帰ってくる藤野を食らいつくような勢いで待っている(しかも毎日)はず。自分がおいそれと入っていけない世界に軽やかに入っていく藤野を心から尊敬しているはず、人が怖くて絵の世界に没頭している(これは何度も何度も描かれていた)京本が、背景画というジャンルを知り美大で背景画を学びたいと強く願い、「人見知りだけどこれからがんばる」「ひとり暮らし努力する」という告白の重みがずしんと響くはずなんだけど、そういう心理って映画の画面上からあんまりよくわからなかった。

よっつめ。長さがちょうどいい。60分を切るのがとてもいいと思った。

いつつめ。短めの映画なので、安くしてください。

漫画家さんて、ほとんどの時間を背中だけ見せてるんだなって思いました。集中力、没入力、すごいや。