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経過報告 55B4/TJ−FL

10/7   ヨコハマ 曇り空

雨は降っていませんが湿度が高いです。連続して台風が発生している様子ですね。
また被害が出ないといいんですけどね。

写真は湿度が高いからといって、いつまでも作業を停滞させるわけにいきませんからエルボーカットとバックコンター加工を進めている U さんオーダーの55B-4 です。

量産品では機械加工でザックリとカット加工して研磨かけてオシマイという作業ですが、高次元NCルーターマシンを使用しない限りは手加工の微妙な形状処理は再現出来ません。量産品は加工工程を減らす為にマシン加工し易い形状で加工処理されます。
加えて大きな下請け製造メーカーでは何社もの製造を同時に担っている為に、ひとつの工場内にいくつものブランド製品がまるで川の流れの如くに流れています。だから量産品はどれも似た様な面構えをしているのです。

写真の様にヤスリなどは使用せずに全て刃物で加工する事の意味がそこにあります。生地研磨は軽くかけるくらいでOK! と言うレベルまで刃物加工で仕上げるのが本来の手工の基本です。
写真の行程でもノコギリとノミとカンナしか使ってません。

昔からアメリカ人に腕のいい職人さんが少ないのも彼らが刃物の扱いが得意じゃないからです。
ゴリゴリとヤスリで仕上げちゃうのが彼ら流なんです。その結果、手加工に代わる加工機械が進歩したわけです。但し、アメリカ人といってもドイツ系がルーツの人達は刃物の扱いが得意な人が多いですね。

現代ではNCマシンもかなり進歩していまして1台4~5千万はする高精度金属加工用のマシンに木工の刃物を付けてプログラミング加工が可能です。
しかし現代でもローコストモデルの加工は昔のタイプのNCルーターマシン加工で大ざっぱなプログラミング加工がされている場合も多いので、例えばレスポールのボディ形状も美しいラインは出てはいませんね。ラインがよく見ると歪(いびつ)です。

これはフリーハンドでデザインしたラインをR数値に置き換えてプログラミングする際に、フリーハンドの美しいラインをそのまま数値化する場合、少なくともボディの外周ラインだけでも5、60前後のR ラインを繋ぎ合わせないとスムースなラインにはならないのですが、量産品ではその1/4 程度の数のライン数値入力しかされていないプログラムで加工をされるのでオリジナルな美しいラインは再現出来無いのです。

ワタシが今でも昔ながらのテンプレートのなぞり加工を行っているのもデザインに忠実なラインで加工が可能だからです。
まあ、高価なマシンなど買えないってのもありますが。(/ω\) 

「楽器は手で作るもんなんだよ、バカやろ」と言う心の声が聞こえる (^o^)


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経過報告 55B4/TJ−FL

10/5  ヨコハマ 雨降り

塗装も燻煙処理も行えない日々が続いています。困ったな。

写真は U さんのカスタムベース用のフレットレスネックで、指板上面高を上げながら通常と変わらないダイナミクスを得る為に端末厚を高めたネック端末部のショットです。

グリップも手に吸い付く様な非対称スムースグリップで仕上げます。
t.m.p のネックグリップってホントに最高ですね!って、よ~くプレイヤーさん達にお褒め頂いてます。 そーでしょ! (^ ^)v

2枚目は半加工のボディにチョイとネックを乗っけてみたショット。頭の中で響いているサウンドが
これで確実に得られると確信しながら作業してますよ。U さん、今後もお楽しみに。

最後の1枚は空き時間を利用して作業を進めている Retro City-LS です。ボディの切り出し加工を行った後です。素材はカナダ産のバスウッド材。
このモデルの基本 PU システムはP-S-P です。
フロント&リヤーがt.m.p製のP-90でセンターが S-70と言うt.m.p 製のストラト・シングル。

コントロールは 5WAY-SW で t.m.p の基本回路であるMV+LCV+MTの3コントロール。このコントロールシステムの評判も非常に高いです。シンプルながら音作りの幅が非常に豊かです。

この Retro City-LS にはゴトー製t.m.p 仕様の2点支持トレモロがマウントされます。
別称は「GROOVE MASTER」ストラトよりも低域が出る本体設計です。
ストラトの様にWカッタウェイ形状であり、エルボーカットもバックコンターも施されていながら、殆どテレキャスターと変わらないレンジ特性を備えさせています。
ここがこのモデル設計のミソ。

そして別バージョンで t.m.p 製のハードテール・ブリッジ仕様も製作可能です。
そのモデルの別称は「Cutting Master」 グルーブ感ノリノリのカッティング命のプレイヤーさんに贈り物みたいな気持ちで設計してます。*西薗マリさま 完成したら弾きにおいでよ(^ε^)

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経過報告 55B−4−FL

10/4  ヨコハマ 曇り空

薄暗い日です。今日の報告はベースの U さんオーダーの55B-4/TJ-FL のネック加工。

フレットレスはフレットの無い分1ミリ程ネックの端末厚を厚く設定するのがワタシ流設計ですのでそれに従って作り替えてます。
今回はエボニー指板のフレットレスなので折角だから接ぐ板も縞黒檀。

現在は予定通り、お客様の依頼品だけでなくRetroCityのロングスケールモデルとRetroCity-Bassも開発中。
頭の中では既に完成しているので、後はテンプレート用板に直接ラインを引いて各種テンプレートを作成試作加工の準備をしています。

とは言っても、これらの作業は各種以来作業の接着硬化待ち時間ですとか、チューン作業でも段取り上の空き時間に行っています。そうでないとお客さんに怒られちゃいますからねえ。

でも作業に追われている中で何で新たな楽器を作っているのかと申しますと・・
これだけはワタシ自身の精神的な安定感を取り戻す為です。

ご存知の通り、ワタシは残念ながらファクトリーを所有していません。ハッキリ言えば、こんな狭い場所で作業なんかしたくない!ってのが本心です。塗装も燻煙も屋外でしなくてはいけませんから大きな作業上のロスがしょっちゅう生まれます。それらは当然ストレスになります。
また、エレキだけでなくアコースティックもガット系とフォーク系それぞれオリジナルで製作もしたいと言う気持ちは持ち続けていますので、時々ふつふつとその思いが沸き上がるんですね。

製作出来る人間が事情で製作出来ない作品がある、って言うのもコレで充分ストレスになります。

実際、アコギ系の製作を行う為には更に広い作業場と各種素材や工具も必要になり、更には作業出来るのはワタシのみですから、アコギの製作を行う為にはエレクトリック系の作業がストップする事になります。
そうまでして製作してもオールハンドメイドのアコースティックギターは70万以下で製作するのは非常に困難です。たっぷりtmpの製作ノウハウを注ぎ込んで作るのでそれ以下の価格での製作はほぼ不可能なんですね。

そーなると皆さん、今時70万をアコギに出せます? そーとういい楽器としても、その金額は簡単には捻出出来ませんでしょ? それが分かっているから、ずーっとワタシはアコギ系の製作を行って来なかったんです。
ヴァイオリン系も技術面での習得が出来たのでそれで良しとしてますが、作るよりも販売する方が大変なんです楽器は。ワタシには古典楽器の販路が無いですから商売として成り立たせるのが難しいんです。

作るより売る方がたいへん。これが現実。
だからエレキを犠牲にしてまでアコギ製作には手は出せないんです。余程資金力があれば別なんですけどね。
そこで「アコギ作りたい!」って言う気持ちを自らねじ伏せる為にアコギのチューンナップを時々行っているのです、実のところ。

ワタシは自分で避けている部分もあって、市場へのアプローチ(広告宣伝/モニター品出しetc)を一切行っていません。それは仮に広く存在を知られたところで多くはアマチュアプレイヤーさん達の対応に追われるという事になるので、それは出来れば避けたいのが本心だからです。

所有欲から楽器が欲しいだけの人に楽器を製作するって言うのは、たぶん皆さんには想像外でしょうけど、けっこうヘビーな事なんですよ、製作家からしますと。
相手が音楽家では無い人に楽器を1から作るって、依頼者本人にも正解が見えてないですから作り手には相当なストレスを感じながらの製作になるからです。
幸い t.m.p にオーダーされる方々はプロであったり真剣に音楽活動されている方が多いので、その意味では有り難いのですが、それでもオーダー品はワタシの自由に作れるわけではありません。

絵描きに例えると分かり易いでしょう。オーダー品は「こんな風な絵を描いて欲しい」って依頼されるわけですから、自由に描いているのとは根本的に違うのです。

そんな内情ってのがありましてね、時々自分の作りたい楽器を作ってストレスから自らを解放してあげるんですわ。この方法以外に製作家のストレスの解放手段は無いんですねえ。

そもそもお決まりの定番楽器を何本も何本も作る事ですら即ストレスを感じてしまうよーなワタシですから、数を売る商売には全く不向き。

もし皆さん自身が自分で自由に楽器を製作出来るのだったら、どんな楽器を作りたいと思うのでしょうかね?  ワタシとてそこが原点でしたからね。
ギブソンもフェンダーもマーチンもいいけど、自分ならこういう楽器を作りたい、って素人の時点でイメージ出来たから「じゃ、自分でやってみよう」って思っただけですからね。

プロと言ったってね、アマの延長ですから誰しも。作りたい奴が作ればいいんです、何でも。

ワタシの密かな願いは、ワタシの様な人間を見て知って「自分もやってみたい!」って人間が沢山出て来て「日本って国はカスタム製作家が沢山いてスゴイんだよ!」って世界中のミュージシャンが 純正 Made in Japan の楽器で演奏してくれる事です。

皆さんはもしかして考えた事も無いかも知れませんが、日本人が外国製の楽器に憧れている姿を見て何とも思わないですか? だとしたら、その人はあくまでユーザーにしか成れないでしょうね。

若き頃からワタシはそんな日本人の姿がとても残念でしたし悔しかったですね。
たぶんそんな日本人だけが世界と勝負出来るんだと思っています。今でもね。




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終了報告 ベースの U さん

10/3   ヨコハマ 蒸し暑い晴れ日

TVのニュースなどを観ていると最近の天候を異常気象として扱ってますよね。
それって扱い自体が違うんじゃないかなあ、と思います。
従来の天候パターンと比較すると最近の天候は異常である、となるだけで、既に地球の環境自体が変化している上での現在の天候なので、その意味ではこれが正常なんだろうと思いますね。

捉え方を誤ると対応判断も誤る恐れがありますから要注意ですね。

本日完成したのは Uさんご依頼のフェンダーCS製ジャズベで加工にt.m.p チューン済みの個体。
今回は電装系パーツを総交換し、WBH ナット交換を済ませてのオーバーホールでした。
たかだか、あの細っこいナットが骨から角材になったところで、そんなに変化する筈は無いだろうとU さんも思っておられた方です。

そこを「そー思ってるでしょうけど、明らかな違いが出ますよ。骨付けてるなんてバカらしくなりますよ」ってワタシがお薦めした結果、U さんご決断。 大正解です。
この音を聴いたら納得しますよ。(^ε^)

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ちなみに、
このブログで報告させて頂いている方々のとは別に、公開を望まない方々の作業も行っておりますので、ブログ上での公開作業が t.m.p に於ける全ての作業ではありません事をご理解下さいね。
プレイヤーさんがメーカーからモニター支給された個体の作業などは一切公開していません。

 経過報告2件

10/02  ヨコハマ 小雨

今日も湿度が高いです。
本来ですと、オーダー下さった Uさんの55B-4/TJ のボディにエルボーカット/バックコンター加工をするつもりでしたが、これだけ湿度が高い時に生地加工する気にはなれませんでした。

作業を変更してO さんの依頼でチューンド・ストラト(かなり前のチューン品)のオーバーホールを兼ねてWBH ナット交換を終了させましたが、来客やら何やらで出荷は出来ませんでした。

同時にU さんのフェンダーCS製のジャズベもWBH ナット交換及び電気系パーツ総交換作業をスタートさせています。
この個体は以前にチューン済みの個体ですし、ピックアップやブリッジもt.m.p仕様となっておりますので、やはりナットもWBH ナットじゃなくちゃーね、と言う事でお預かりしています。

しかし、このMACの言語ソフト「ことえり」ってホントにアホなソフトで困ります。
今時、この学習能力の低さ、変換能力の酷さのたるやホントにビックリしますわ。
まるで東電の汚染水処理の酷さに匹敵します。 

原発再稼働だって?! 
廃棄物の処理も出来ない、汚染水すらまともに処理出来ない 
そんな実情で再稼働何て常識的に有り得ない。

人は自分の手に余るものに絶対手を出してはいけないのです。

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終了報告 白銀台の I さん

10/1 #-2  

本日2件目はネックの作り替えを行っていた I さんの CCR-312。

取り敢えず作業自体は終了しておりますが、 I さんは深夜の自室で生音でギターを弾いておられる様子で、その中での生音に関してご不満をお持ちだったので、このギターのチェックにはアンプ出力時のサウンドでは無く、深夜周囲がひっそり寝静まってから生音のチェックする予定です。

お話を伺うと、ピックアップのスプリングが共振して起こる僅かな歪み音とかもかなり気になるそうなので、その点も踏まえてチェックする予定です。
多少の事は気にしない方の方が全体的には多いのですが、ギタリストには神経質な方も結構いらっしゃいますので判断基準は神経質な方から見てどうか、と言う視点が製造の基本ですのでそれに従います。

とは言えアコギではありませんから、エレキでこうしたアンプに音で出て来ない場合はクレーム対象にならないのが通常ではありますが、I さんは生音で弾く事が殆どだという事なので今回は特別に対応させて頂いています。

また既にこれでOK が出ない場合は最初から作り直すと、ご本人にはお約束をしております。
完成時にはお気に入り頂いて気持ち良くお支払いも頂きましたが、その後数ヶ月が経過して以上の点が気になるとのお話で、ご本人が納得出来ない以上は返金もしくは最初から作り替えるかのいずれかを選択して頂きます。

勿論、個人的には楽器に何の問題も感じませんが、こうしたケースで難しいのは第三者に正解が見えない事です。あくまで判断は所有者/依頼者さん側でありますので、正解をご存知なのはご本人さんだけだからです。 

まあ、受注した以上はまな板の上の鯉になったつもりで審判を受けます。

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終了報告 岡山市のOさん

10/1  ヨコハマ 曇り

湿度が高いです。作業段取りが狂います。

写真の旧CCR はOさんの個体で先程作業全て終了しております。
みごとに鳴りまくってます。

他にも同時にO さんから送り込まれた楽器があるので、まとめ出荷したいのですが、現在工房内がそれぞれが作業の段取りや進み具合が異なる楽器で溢れかえっておりまして、仕上がった楽器から発送なり受け取りに来て頂かないと狭過ぎて作業がし辛い状況なんです。

取り敢えず、Oさんの楽器も仕上がった順に発送するしかない状況ですのでその点をご了承下さいませ。

また白銀台のI さんのネックの作り替えも本日完成させる予定で進めておりますが、本日の受け取りはご勘弁下さいませ。しばらく様子を見させて下さい。

以上、宜しくお願い致します。

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9月ラスト

9/30   ヨコハマ薄曇り

今日は湿度が高めです。
写真は先に終了した某メーカー製の個体で、今回はWBH ナット交換とフレットファイリングのみの作業でした。
先日の解説にも記載したことですが、この個体は設定上オーバー・テンションの為に倍音が少なく、抑揚も付けにくい設定でしたが、WBH ナットにした影響で以前よりは倍音が増えておりますので、多少表情が付き易くなっております。また弦はロトサウンドを使用してます。

本日出荷致しますので明日の最終便でお受け取り下さいませ。

@現在 依頼作業で目一杯状態です。
 作業ご希望の方は申し訳ないですが来週以降の到着でお願い致します。m(u_u)m

 

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 経過報告 U さんの55B−4改 FL/TJ

9/28   ヨコハマ 晴れ

写真はベースのUさんからオーダー頂いている55B-4/FL です。
前回は同じトリプル・J のフレッテッドでしたが、今回はフレットレスのトリプル・J 仕様。
ご本人がアップライトも弾かれる方なので少し形状設定にアレンジを加えてラウド気味に特性シフトしてます。カラーリングもtmpお得意の4トーンサンバーストの予定。

本日オーダー要望に合わせてセレクトしたカナダ産のライトアッシュ材から外周切り出しとキャビティ加工の一部を済ませております。
またブリッジもゴトー製を t.m.p 仕様に変更する為にプレート厚をフライス加工し、サドルのアジャスターもサイズ変更の為の加工も同時に進行させています。

今回も既製品そのままで使用するのは電装系パーツとペグくらいなもので、その他の殆どがカスタム製作品です。

これからはエルボーカットとバックコンター加工などを進め、生地の完成を目指します。

サンプル音源も頂いてますし打ち合せでオーダー内容も明確に把握出来ていますので安心して進められます。
U さん、お楽しみに。その他細部のご要望が決まり次第連絡を下さいませ。

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 確認 岡山市のO さん

9/27 #-2

本日2件目は岡山市のO さんへの確認です。
写真のCCR と同じくtmp製ストラトがWBHナット交換依頼で承っておりますが、使用弦が同梱されておらずご指定も頂いておりませんので至急ご指定を。

既に写真の旧CCR は各オーバーホール/リセットアップを済ませWBH ナットもセット済み状態です。既にご報告済みのギブソン335の確認事項共々、弦のご指定も頂かないと先に作業が進みませんのでご連絡を宜しくお願い致します。

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