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仕事始め

0105 ヨコハマ 薄晴れ

今日は仕事始めの予定でしたが、正月に頂いた年賀メールだけでなく、早くも問い合わせやご質問、そして、ワケの分からないイタズラメールも含め、それらの対応で終ってしまいました。

まあ、ここ数年間ずっとワケの分からない理解不明のメールを送り続けて来る方のメールなんて論外なので無視ですが、問い合わせメールの中にはNet上に飛び交う情報や記載内容に関してワタシの見解を求めて来られる方からのメールも有ります。
早い話しが「URL表示 ←ここに書かれている内容に関してマツシタさんはどのような見解をお持ちでしょうか?」と言った様な内容の問い合わせです。

前もって製作家志望の◯◯と申す者です、と ご自分の立場を明かして質問される方に関しては出来る限りお役に立てる様な返答が出来る様に心掛けておりますが、ご自分が単にアマチュアで興味本位で質問されているのか、それともより詳しい知識を得たい同業者さんなのか判断が付かないケースも多々有ります。 出来ましたら、まずその点をハッキリさせて頂きたいですね。

もし単なる興味本位でのご質問でしたら、Net 上の様々な記載内容に関するひとつの判断基準をお伝えしたいと思います。
まず、その情報を発信している方が実際に楽器製作を専門でされている方か否かです。

要するに、その方の発信している内容の信憑性を確かめるには実際にその方の製作された楽器を弾かれてみるのが一番宜しいかと思います。
その方が実際には楽器製作をされて居るのであれば、その方の述べている内容の正否が、その方の製作した楽器に現れている筈だからです。
その楽器がアナタにとって素晴らしいと思えるのであれば、その方の発せられる情報に少なくともアナタには信憑性がある意見と捉えて差し支えが無いと言えるのではないでしょうか?

もし、製作家でも無いにも拘らず、自分の意見や知識を記載している場合はその記載内容自体に裏付けや信頼性は低いと思われても仕方が無いのが通常判断でしょう。
以前にサークルフレッティングを発表した際にも各所から賛否が起こりましたが、その多くが「疑問がお有りなら一度試奏されてみてはいかがですか?」と申しても誰も試奏に来ないんですよね。

それにもし否定するのであれば、自分はその点をどう解消しているのか代替案を提示するのが筋なのに何も出て来ないんです。単に否定だけして来る、これじゃあ話しになりませんよね。

まあ、いかに知識面で楽器に詳しい方であったとしても、その方に素晴らしい楽器を製作出来る実力が実際に無ければ、その方の発する情報には信頼性は低いと考えるべきかと思いますね。 
要は参考に値するか否かの問題ですね。

それとは別に実際には製作家志望で無くて単に知りたかったから、と言う方には
「そんなこと気にしてるより、もっと弾く方の練習をしろ!音楽は知識より実技だ!」と言うのがワタシからのアンサーでございます。

そーんな感じでメール対応で初日が終わってしまったのは残念と言えばザンネンですが、でもこれで頂いたメールには対応出来たので、これもりっぱな初日のお仕事と考えます。

お待ち下さってる方々がいらっしゃいますから明日からは作業だけを進めます。

謹賀新年

2014-0101     新年明けましておめでとうございます。

          本年もどうぞ宜しくお願いを申し上げます。




@ 年賀状をお送り下さった方々、ありがとうございます。御礼申し上げます。

仕事納め

12/28  今年も仕事納めの日がやって参りました。

朝からずっと1人で大掃除をしています。作業場にも感謝しなくちゃね。

今年1年、皆様には誠にお世話になりました。特にお仕事を下さった方々には感謝してます。
読んでるだけの人にも ありがとね。

今年1年を象徴する様な写真を1枚挙げるなら、コレですね。

オールハンドメイドの t.m.p ヴァイオリン1号機。
ベルフィルの奏者さんに目の前で演奏して頂くと言う幸運な機会を得て、自分の作品が独自な設計構造のままに世界に通用するレベルにはたぶん到達出来るだろうと確信出来た出来事でした。
それさえ見えればいいんです。迷いながら進む事が一番辛いですから。

もし◯◯出来たら・・などという、たられば式希望は大人が抱くものではありませんからね。
いつか こうなると いいなあ~ って言い続けてる間に人生はさっさと終って行くのです。

大切なのは夢や妄想じゃなくて目標と手段です。
人は誰しもが戦略的に生きなくては行けない宿命を背負っていると思います。自分をどう成長させて人様に喜んで頂くか、その為に何が自分に必要か、そこが一番大切だと思いますね。

ワタシをご存知の方が、それだけで誇りに思って頂ける様な技術者になれるよう来年も精進して頑張ります。
アナタの側に楽器弾きで大切に思う人がいたらワタシを紹介して下さい。
その人がシアワセになれるように尽くしますから。宜しくお願い致します。

皆さん よいお年を。星空
星空


思わず笑みが

12/27  ヨコハマ 冷たい曇り日です。

冷え込んでます。そろそろこの1年で切り出した材の余り部分(端材)を更に細かくして燃焼ゴミの日に出せる様にしなくてはいけません。作業場にはそんな端材が山積みなのです。

写真は完成させたばかりの大昔のヤマハ製ダイナミックギター(いかにも時代を感じさせるネーミング)です。
オーソドックスなダダリオのプロアルテ弦を張って早速音出し。勿論、数十年も弾かれていなかった個体ですから、すぐに本調子のサウンドが出る筈も無いのですが、そこはたっぷり燻煙処理を施した上に、この設定で鳴らない筈が無いと言う設定に作り替えてありますから、既にただ者では無い反応を示しています。 正直 思わず笑っちゃいました。「キミ・・スゴイね」って。(^o^)

サイド&バック材がメイプル材と言う、通常の手工クラッシックでは単板ローズ材が使用されますから、この個体は素材のとトーン自体がそもそも異なります。
ローズ材のウエットで暗い艶のあるトーンと比べ、フラメンコギターのシープレス材のサイドバックに近いブライトなトーンですが、乾き切ったメイプル材では更にドライなトーンになっていますね。
また今回は張り替えた指板も黒檀では無くローズ指板ですので、よりブルージーなトーンが備わっています。まあ何でもエボニーがいいっって事じゃなくてサウンドのメリハリ感とウッドトーンの違いで本来選択すべきものですからね。

フラメンコ/シープレス材仕様はそもそも低域が出ませんが、この個体はゴリッ!と言った腰のある響きが魅力的です。
弦高もナイロン弦の振幅には最低12フレットで3㍉が必要ですので、今回はその最低弦高である12F/3㍉の低い弦高設定を施してありますが、それでも充分にローに張りとパワー感が在ります。
たぶん、録音したら150~200年前の状態の良いギターのサウンドの様に音録り出来る筈です。
さあ、大ざっぱに説明しますと以上の様な感じですが、とにかく良質なガットギター・サウンドをお探しの方は試奏に来てみて下さい。

ぶっちゃけた言い方をすれば、20万以下の販売価格などで手に入る様な楽器じゃないです。
先程のローズ材仕様とのウッドトーンとは異なるトーンの個体とは言え、これほどの鳴り方をする100年以上昔の手工楽器ですと、通常は150万円前後はしています。

[ 主な作業スペック ]
□ ネックにインサートブロック加工を施した上での逆ゾリ指板張り替え&リフレット
□ 指板ナット部の幅設定を52㍉から50㍉幅設定に変更済み
□ ネックグリップ形状変更&リフィニッシュ(ヘッド形状もt.m.p 仕様に変更済み)
□ 弦長設定を650㍉仕様に弦長変更 及びペグ全体のロケーション変更と新品ゴトー製ペグに変更
□ WBH製のナットとオクターブサドルに変更
□ ブリッジ台座テールピース部分にブラックパーシモン材にて形状変更

出荷ご案内 調布市のN さん

12/26  ヨコハマ 曇り空

冷えますね。
一夜明けて 街では今年もクリスマスならではの幾つもの物語があったのでしょうね、きっと。

N さんに決まったTB-5P/プロトタイプベースが本日ご希望の日時での出荷です。
心より演奏を楽しんで頂きたいと願っております。お楽しみにお待ち下さい。

作業の多くが塗装の硬化待ちだらけになっています。セットアップ作業は新年明けからの予定でおります。取り敢えず新年の営業開始(似合わないね~)は5日からです。
まあ、実際には作業してますけど、そこはじっくり静かに行いたいと思っております。

来年もですが、たらればの考えだけは持たずに頑張りたいと思っております。
もし◯◯が◯◯だったら・・◯◯がこうなったら・・って考え方です。

それってもし自分に翼が生えていたら空を飛ぶんだ!って夢見ている様なもんですから。
現実の自分は空を飛べなくても大地の上を歩けるんですから、その大地での歩き方を考えるのが人間てもんでしょう。

ワタシの場合でも、ファクトリーは持てなかったけど、じゃあ現状でどうやってベストの結果を仕事で出して行くか、ワタシのテーマはそれが前提で、そうして行くしかないのですから。
それ以外を夢見て、もし◯◯が◯◯したら◯◯しよう!なんて発想は中学生あたりで卒業してなくちゃね。自分の進歩を止めているのと同じですから。

写真のおんぼろギターが素晴らしい音色を奏でたら、なんて素敵だろう!
それを夢見てるんじゃなくて実現させる為に何をすればいいか、それを叶えられる自分になる事だけを考えます。もしかするとそれは世界中で自分にしか実現出来ない事かも知れないのです。

アナタの家族を幸せに出来るのは他の誰でもないアナタであるべきなのと同じ様に。

サンタも働け

12/25  ヨコハマ 晴れ

今日は様々な作業が控える中で(現状の作業場は依頼楽器だらけ)段取り上、写真のヤマハのガットのフレット打と仕上げ作業を行っています。

予定通り、緩やかな逆ゾリカーブを描くネックは堅牢そのもの。弦を張ってほぼ真っ平らになる設定です。トラスロッドが入ったガット系もネックの反り修正は可能ですが、こうした木の強度だけで張力に耐えられる設定にした場合は音のレスポンスと太さや響きの深さが優ります。

ここにこの面倒な作り替え作業の最大の意味合いがあります。
コレを読んでる皆さんの認識具合はちょっと分かりませんが、長いギター製造の歴史で解消出来なかった順ゾリのトラブルの心配が無くなったのですから、本来ですと大騒ぎされても何ら不思議はないくらいの改革なんです。
とは言え、たぶん、皆さんはそーは思ってないだろうなあ~
実際コレまでにも何人の方々に説明しても反応が薄いんですよね~ 「はあ・・?」みたいに。

目の前で世界新記録が達成された瞬間に立ち会ったのと同じくらいの感動があってしかるべきなんですけどね~ 何かこうピンと来ない様子なんです。
どーしてこの快挙が分からんかねえ?って、30年程前にサークル・フレッティングを生み出した時も周囲の反応の無さにビックリしましたもん。 なんでこの意味が分からんかねえ??
寂しい話しですが、案外世の中ってそんなもんですから。

もしこのワタシが誰か別の製作家さんがこの技法を確立して問題を解消したと知ったら、このブログ上でその事を賞賛してますね、間違いなく。
そうした事に感動出来ない人間にいい音楽なんて作れる筈が無いとワタシは思ってます。


この個体に関しては古~い量産品ですが、ボディトップはたぶんエゾマツの薄単板で、同じくサイドバックがメイプルの薄単板仕様なので、設計設定さえ良ければ大化け出来るんです。

多分今回の作り替えで出て来るサウンドは50~60万の市販ガットでは太刀打ち出来ない鳴りを示す筈です。まあ、信じて頂けなくても結構です。
それを立証する為に今回あえてこの作業を行ったわけですから。
疑っている方々にこそ是非試奏に来て頂きたい。そして確かめもせずに疑う事の無意味さを知って欲しいですね。

静かにでも歴史の一端が変われば製作家として本望です。

ちなみに今回は見た目の修正にはコストを掛けていませんが、WBH 製のナット&オクターブサドル仕様でペグもゴトー製のより精度の高い新品ペグに付け替えて完成させます。
本体入手価格+作業工賃合計で販売価格は¥185.000+TAXを予定しています。


経過報告 MNさん Retoro City

12/24 クリスマスイブ 皆さんはいかがお過ごしでしょうかね?

マツシタは家族が風邪をひいてしまっているというので会いには行かずに仕事してました。
風邪うつされてもマズイですしね。プレゼントも宅急便で送る事にしました。

まあ、クリスマスはクリスチャンではないので冬の国民イベントみたいなもんですからね
それぞれ穏やかなひと時であれば充分でしょう。

MN さんのRetoro City のネックの仕上げが本日終わり、最後のコーティングを済ませました。
メイプル指板のネックはフレットの擦り合わせや整形も終らせてから最後に一回だけコーティングをするのがマツシタ流なのです。ボディは相変わらず塗膜の硬化待ちです。お楽しみに。

処分販売 TB-5Pプロト

本日2件目は緊急処分販売品のお知らせです。

写真のtmp製5弦ベースのプロトタイプ(オーダーの際の価格は45万)を¥198.000+TAXにて
現状渡し/処分販売致します。ユーズド・ソフトケース付き

この個体は以前の所有者の方との間に誤解(借りたつもり/売却扱いのつもり)がありまして、今回引上げさせて頂いた個体でして、決してクレーム品では有りませんし、全体に小傷はありますがサウンドは折り紙付きです。

@ちなみにt.m.p では当初からモニター契約をしているミュージシャンは存在しておりません。

いつも通り、ご連絡の早かった方に決定です。二度と無いこの機会をお見逃し無く。

@この個体は調布市のN さんに決まりました。ありがとうございました。
 その他のお申し込み下さった方々には申し訳ない。m(u_u)m 次の機会をお楽しみに。


ベリー クルシミマス

12/23  ヨコハマ 曇り空 冷えます。

巷は連休ですが、作業は続いています。
昨日CCR の設定変更ネックに最後のコーティングを済ませています。



その他カスタム系は全て塗膜の硬化待ち。作り替えまくっているヤマハのダイナミックギターも塗膜の乾燥を待って、次の行程ではフレット打ちになります。



他の製作家さんの段取りは別としてワタシの段取りでは指板接合の際には12フレット以降だけ接合前にフレットを打ち込んで、指板接着します。こうすればボディへのフレット打ちによるダメージが無くなります。
その他のフレット打ちは最後の行程に段取ります。ネックと指板が一体になった状態で指板の上面状態を確認しながら、その上でしっかりとフレットを打ち込む事がベストだからです。

フレットのプレスイン方式ではフレットがプレスインし易くする為に溝が広く深目に設定されますので指板の上面強度が落ちる為にワタシはそれを一番嫌っています。
音が甘くユルくなりますし波打ちが起き易い状態になるからです。
そうした要因は排除したいのです。

世の中は必ず楽に形に出来る方向に流れ易いのであります。楽に出来るのはコスト削減にもなりますしね。でもサウンドを最重要視しますと段取りは大幅に手が込んだものになります。
面倒ですが、でもそれが重要なんです。 よいクリスマスを (^ε^)クリスマスツリー

よかった

12/21  ヨコハマ 快晴

いや~晴れてくれましたよ。気温も上がって。

助かりました。カスタム製作中の2本まとめて追加コーティング出来ました。
やはり寒い冬場は目痩せも出易いのです。でもこれで大丈夫でしょう。

ガットのチューンも元が薄汚いルックスでしたから全体をコーティングしてあげました。

まあ、この個体はある種のサンプルギター(ロッド無しでも順ゾリし無いネックは製作可能だと言う内容の)ですから、フルにリフィニッシュするまでコストは掛けられませんから大ざっぱなフィニッシュですが、これでもだいぶ見栄えは違う筈です。

たぶん世界中にネックが順ぞって弾かれなくなったクラッシック系ギターが山程有る筈です。
もしコスト(状態/チューン内容次第:16万~)が掛けられるのであれば、生涯反りの心配なく、弾き易いネックグリップで、弦高も低めの設定も可能です。

世界中に溢れかえる程のギターが有りますが、ベスト設定で作られている楽器は極々僅かなのだという事をお分かり頂きたいです。その為にワタシは部分的な作業であるリペアーではなくて、作り替え前提の t.m.p チューンナップ作業を推奨しております。

チューンナップは リペアー以上に高度なノウハウと技術が必要ですから設計と製作の専門家以外には出来ない作業です。
将来的に t.m.p はカスタム製作を終了して、チューンナップ専門の工房にするつもりです事をお伝えしておきます。