サンタも働け | tmpブログ

サンタも働け

12/25  ヨコハマ 晴れ

今日は様々な作業が控える中で(現状の作業場は依頼楽器だらけ)段取り上、写真のヤマハのガットのフレット打と仕上げ作業を行っています。

予定通り、緩やかな逆ゾリカーブを描くネックは堅牢そのもの。弦を張ってほぼ真っ平らになる設定です。トラスロッドが入ったガット系もネックの反り修正は可能ですが、こうした木の強度だけで張力に耐えられる設定にした場合は音のレスポンスと太さや響きの深さが優ります。

ここにこの面倒な作り替え作業の最大の意味合いがあります。
コレを読んでる皆さんの認識具合はちょっと分かりませんが、長いギター製造の歴史で解消出来なかった順ゾリのトラブルの心配が無くなったのですから、本来ですと大騒ぎされても何ら不思議はないくらいの改革なんです。
とは言え、たぶん、皆さんはそーは思ってないだろうなあ~
実際コレまでにも何人の方々に説明しても反応が薄いんですよね~ 「はあ・・?」みたいに。

目の前で世界新記録が達成された瞬間に立ち会ったのと同じくらいの感動があってしかるべきなんですけどね~ 何かこうピンと来ない様子なんです。
どーしてこの快挙が分からんかねえ?って、30年程前にサークル・フレッティングを生み出した時も周囲の反応の無さにビックリしましたもん。 なんでこの意味が分からんかねえ??
寂しい話しですが、案外世の中ってそんなもんですから。

もしこのワタシが誰か別の製作家さんがこの技法を確立して問題を解消したと知ったら、このブログ上でその事を賞賛してますね、間違いなく。
そうした事に感動出来ない人間にいい音楽なんて作れる筈が無いとワタシは思ってます。


この個体に関しては古~い量産品ですが、ボディトップはたぶんエゾマツの薄単板で、同じくサイドバックがメイプルの薄単板仕様なので、設計設定さえ良ければ大化け出来るんです。

多分今回の作り替えで出て来るサウンドは50~60万の市販ガットでは太刀打ち出来ない鳴りを示す筈です。まあ、信じて頂けなくても結構です。
それを立証する為に今回あえてこの作業を行ったわけですから。
疑っている方々にこそ是非試奏に来て頂きたい。そして確かめもせずに疑う事の無意味さを知って欲しいですね。

静かにでも歴史の一端が変われば製作家として本望です。

ちなみに今回は見た目の修正にはコストを掛けていませんが、WBH 製のナット&オクターブサドル仕様でペグもゴトー製のより精度の高い新品ペグに付け替えて完成させます。
本体入手価格+作業工賃合計で販売価格は¥185.000+TAXを予定しています。