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本当にすべき仕事とは

0828   ヨコハマ 小雨

写真は本日指坂修正&リフレットが終了した70's 初期のフェンダー・ジャズベースのボディとネックです。既にリフィニッシュが終了していたボディが久々にネックと一緒になったショット。

この写真を見てお気付きでしょうけど、ボディのネック仕込みは接ぎ木加工中です。

これはネックの荒れた指板面を修正時に0.5 ㍉ほど落とした事と、塗料が乗っていたボディのネック仕込み部分の精度出しをした結果、理想的な指板高設定(ボディ上面から指板センター上面の高さ差)から1㍉低い設定に結果的になってしまったので1㍉の接ぎ木をして設定修正を行なっている為です。

たぶんリペアーショップでこの手の作業はリフレットの度に行なっている事は殆ど無いはずです。
それは認識の問題なのです。
たとえ、リフレットや仕込み部の精度出しの結果、指板高設定が変わってしまっても、そのままセットアップされて「はい完成です」とお客さんの手に渡っている事が殆どでしょう。

でもそれではリペアーに出したらセッティングが変わって戻って来たのと同じなのです。
確かにフレットも指板面もピカピカになってるけど、なんか鳴り方がゆるく変わっちゃったんだよな~、って経験をされた方も多い筈です。

指板高が1㍉違ったら、仕込み角が0.5 度違ったら、それはもう別の設定の楽器になってしまうのです。それを作業者が認識していないとしたら実は大問題なのです。

鳴る楽器とはどういう状態なのか、その為にはどこがどうなっていなくてはならないのか、それを充分理解し、鳴りをコントロール出来るノウハウと技術を駆使して対処する。
その技術が無い人間は手出ししてはいけないのが、楽器なのです。

たぶん、ユーザーさんはぜんぜんベストでもない状態で、これでいいのだと思い込んでる方の方が圧倒的に多いでしょうね。 リペアーマンですらそのレベルの方が存在しますからね。
ワタシの経験から申せば、市販品のままの状態では、本来の引き出せる筈のポテンシャルの6割程度ですね。これでいいのだと。これはオールドの楽器でも然程変わりません。

ホンモノの楽器にするのであれば、お客さんに指示されなくとも、面倒な作業であっても、こうしてたかが1㍉の作業を行うのです。
プレイヤーを感動させる、それが製作家の仕事だからです。


経過報告 その他

0827  ヨコハマ 曇り空

なんだか夏が去って行ったことを感じさせる日です。
毎度毎度 この時期はふと寂しいくなってしまうワタシです。冬は長いのに夏は短いなあ~

写真はカスタム製作中のCCR で本日は直接ボディに設定図を書き込んだ通りに加工を済ませたところです。まだバックのコントロール・キャビティやSWボックスの加工はコレからですが、済ませたらそのまま燻煙処理を1セットだけ行ないます。

写真の5弦ベースは何年か前にこの55B-5と言うモデルを設計した時に実際に形にしてみたサンプルボディです。この個体は2ピックアップ仕様でしたが、今回トリプル J 仕様に変更して完成させてあげようと思っています。ネックはまだ半加工状態のままですから完成は11月くらいかな?

プレイヤーさんや現場スタッフさん達から「世界最強の5弦ベース」の称号を頂いてるモデルですが、今回は長年埃を被っていたサンプルボディですから通常オーダー価格よりも12万程値引きして(本体のみ/34万+TAX )販売するつもりです。超お買い得ですね。

最後のネックは70'S初期のオールドジャズベースのもの。フレット溝が埋められていた個体です。本日やーっと溝修正が終了しました。この段階で通常の指坂修正&リフレットがとっくに終了しているだけの手間隙が掛かっています。しかもフレット打ちはこれからですから、このネック1本には2本分の費用が掛かっている事になります。しめて10万円。

しかもボディは埋木加工を加えてのリフィニッシュ塗装ですから、この費用を含めると既にこのジャヤズベースには17万もの投資をしていることになります。それには燻煙処理の費用は含まれてませんからね。
頂き物ではありますが、決しタダとはいかず、元手に23万は掛かる計算になりますのです。
ヽ(*'0'*)ツ




@5弦ベースは I さんに売約となりました。

個別報告 ギタリストのHさん

0826  ヨコハマ 曇り空

本日はHさんオーダーのカスタムストラトの作業でピックガード製作及びピックアップ・キャビティ加工です。
量産現場ではピックガードは別の下請け業者さんから納入されたものを本体に他のパーツと共にマウントされますが、カスタム製作では全てが手作りで進められますので、本体に切り出したピックガード板を仮セットして、ネックを取付け、その状態からピックアップ位置を設定して最後に穴開け加工を行なって行きます。

こうする事で有り合わせのパーツをマウントするだけの作業から、きっちり狙った設定に確実に持ち込む精度出し作業としていくわけです。 Hさん、お楽しみに。




8/25 # - 2

本日2回目のブログは写真の55Hzパワーサプライ

55Hzへの周波数変換機の2台目のプロトタイプ。
もう随分昔に作ったモデルで数々の試聴会などに持ち出した為に外見はボロボロですねえ。

関西のエレクトロニクス系の某企業さんが電源周波数55Hz効果に興味を持たれているという事で先方の検証試験の為に貸し出しする事になりました。

送る前に久~しぶりに音出しチェック。久々に55Hz変換した電源でステレオを鳴らしましたが、通常電源の時の奥行きの無さや分離の悪さが消え去り、音楽がスッと前に出て来ます。

実際にこれまでにかなりの人数の方がこの55Hzの電源周波数での試聴チェックに立ち会っています。(その中にはワタシの実の母親もおります。ウチの母親は80才くらいでしたが何度やっても55Hz電源のサウンドがいい!と言って何度も違いを聴き分けていましたよ)

この違いに気付かなかった人は今のところ居ないので、たぶん今回もその有効性は確認して頂けるものと思われます。
とは言え、ワタシにしてみれば30年前に判り切った内容の試験ですけどね。

日本の電源周波数が55hzで統一される事を未だに望み続けております。

確認願います。

0825  ヨコハマ 曇り

ハッキリしない天気です。

今日はHさんからのオーダーでカスタムストラトのネック仕込み設定です。
トレモロをフローティングさせアームアップ設定前提で指板上面高を設定し、それに合わせた仕込みポケットのディープとアングルを決定して行きます。
一旦、ネックをボディに仮セットして全てのパーツ配置を確認して行きます。

今回のオーダーはPSH(P-90+S+Hum)システムなので、ピックガード作成とPUキャビティ加工を進める準備が必要ですので、
Hさん、ピックガードをどのタイプにするのかを、そろそろ指示を下さいませ。
*プライ数やカラーなど

またリヤーのハムもカバードのリヤー専用パフタイプにするのか、リヤーハム専用のRHR ハムにするのかをご指定ください。ご連絡をお早めに。それまで作業は保留状態となります。


個別報告 CCR-L/WH-TO

0823  ヨコハマ 雨のち晴れ

今日のメニューは写真のCCR です。
まず、ネック仕込み加工、そして材に直接設定図を書き込んで今後の加工に備えます。
センター出しもある程度ネックの塗装膜を与えてから現物合わせでの設定を行ないます。

これは生地ネックでボディとのセンター出しを行なうと後でネックに加わる塗装膜の厚さ分センターズレを生じるのを防ぐ為でもあります。
今回はロングスケールでのチューン0ブリッジ&テールピース設定ですから治具も用意出来ていないので完全に単品製作方式です。

1弦側の角部分にトグルSW を配してツインハムのMV+MT+2LCVコントロール仕様です。
明日は一旦、同じくカスタム製作中のストラトのネック仕込み加工を済ませます。

興味あります?

0822  ヨコハマ 晴れ

まだ暑いままですね。このまま海に行かずじまいか・・

今日はオーダー頂いたカスタムストラトのボディワーク。

FBにこうした加工経過ショットを載せてみたりしましたが、皆さん興味無さそうなので、このブログでだけにしました。 どーやらグルメな写真の方が皆さんには喜ばれるみたいだし。

まあ、こんな手作業を何百本やって来たでしょうね、これまでに。まあ、それも終わりに近づいて来てるので気持ち入れてやってますよ。



経過報告 Hさんのカスタムストラト

0821  ヨコハマ 夏日

今日もあっついですね。作業してますとすぐに汗だくになります。

今日はそんな中、写真のストラトの外周切り出し加工を済ませております。
明日からは外周の R 面取りとエルボーカット、バックコンターの加工を行なう予定です。
ネックは既に完成済みですのでボディワークに集中します。

終了報告 その他

0820  ヨコハマ 夏日

夏も終わりに近づいて来ましたね。既に少し寂しい気分になります。

写真はセットアップ&最終調整全てが完了した白金台の I さんのジャズベース。
まだ組み上げたばかりで寝ぼけてはおりますが、それでも既に弾き込まれたCS製のジャズベース程度には鳴ってます。
皆さんの感覚では木が弾き込まないと鳴らない、と言った認識はお持ちでしょうが、ハードウェア、にも言えるんです。特にプレートブリッジにはそれが顕著と申したら驚くかな?

プレートブリッジはボディ面に平面接地なので新しい金属プレートの響き方をしていますので、こなれるまである程度の弾き込みが必要なんです。これはプレイヤーのお仕事ですね。
I さん、お待たせを致しました。新しい相棒を可愛がってあげて下さいね。

あとはカスタム製作中のCCR のネックの下地処理も進んで、今日はロゴ入れまで終了しております。まだまだ作業は山積みですので頑張りますね。お楽しみに。


経過報告 2件

0819  ヨコハマ 夏日

今日は白銀台の I さんのジャズベースのセットアップ。あとはピックアップをマウントして、WBH ナット加工と調整のみの段階まで来ています。
とは言え、1日数百本生産されているモデルですから様々な部分に誤差が出ています。

この個体はボディ仕込み位置に対してピックアップ位置が5㍉近くズレていました。今回はネックの仕込み位置を修正してピックアップのロケーションを問題無く仕上げてあります。
このボディ個体は素晴らしい当たり材です。だから採用したんですけどね。

明日は外出予定が入っておりますので完成は21日予定です。

カスタム製作中のストラト用の最高レベルのヒガツラ材をこの炎天下の最中、厚さを落とす作業。
分厚い板材を仕上げ厚に近い数値まで削り落としていました。
全身もう超汗だく。たぶん痩せたんじゃないかなあ~

この状態から次は形状加工へと移行して行きます。お楽しみに。