韓国映画「哀しき獣」を観ました。
哀しき獣 ディレクターズ・エディション [DVD]/ハ・ジョンウ,キム・ユンソク,チョ・ソンハ ¥3,990 Amazon.co.jp 2010年の韓国のサスペンス映画です。「チェイサー」の監督さんが、脚本・監督を務めています。ワタクシの「チェイサー」の感想です良かったら。↓チェイサー 「チェイサー」で犯人とデリヘル・マネージャーやってた二人が、それぞれ主役とヒールで再共演してます。お話はですねえ。中国の国境辺境にある「朝鮮族自治州」でタクシー運転手をやる、朝鮮族のグナム。嫁は韓国に出稼ぎに行ったきり音沙汰なし。闇社会で作った嫁の偽就労ビザの代金が、まだ返せてない・・・とうとうグナムは、嫁にも会いたいし金も必要だし、ってんで、食犬ブローカーのミョンから、危ない仕事を請け負う。それは、韓国に密入国して、限られた滞在期間中に、「請負殺人」をやることだった。いやコレねえ。面白かったですよ・・・アッサリ。何がどう面白かったかと言うと。グナムが「請負殺人」をしに、ターゲットのマンションに行くと。既にそこには別の「請負殺人」グループがいて、ターゲットをグナムの目の前で、アレヨアレヨと殺しちゃうんだね。急いで「殺した証拠の親指」を、カットしに行くグナム。そこで、別グループの刺客がまだ生きていて、お互い顔を見られた・・・つうんで、やりあいになる。と、とーぜん警察がファンファン集まってくる。もう絶対絶命・・・・なのに、グナムは、家ん中から窓を伝って、奇跡的に逃げる訳だね。警察は、とーぜんグナムが殺人犯と睨んで指名手配する。で、そっから、実際に殺した方の「請負殺人」グループが、いったいアイツ(=グナム)を使わしたのは、誰だ?こっちの弱みを握られたんじゃないのか?メンドクサイから消してしまえ。・・・みたいな理由で、グナムとその「請負殺人」の犬商人のブローカーを、追い掛ける訳ですよ。で、最終的には、グナムは警察はもちろん、彼らと、自分を雇ったはずの犬ブローカーからも、なぜか追われる身に。んな絶対絶命の中、嫁の居場所を突き止めるグナム。会おうとするに、どうやら嫁は、韓国人の男がいて、そいつに殺されそうになっていたらしい・・・という、サスペンスのお手本みたいな追いかけっこの矢印が、どんどん交錯します。んでもって、わざわざ「朝鮮自治州」出身者を主人公に据えた理由が、段々明らかになる訳で。このグナムも、犬商人も、彼らはどっちつかずの出自から、中国でも韓国でも、差別される立場な訳です。貧困というのもその根っこにある。んでもって、このグナムも犬商人も、なんつーかもう、人間臭いんだけど根性がターミネーター並みにタフなんですわ。やってもやっても生き返ってくる。更に、もう一組の請負殺人グループの親玉を演じた、韓国の実業家の社長さん役のヒト(説明長い・・・)。この俳優さんが、物凄い良い味を出していたわ・・・。自分の手下に嫌味を言いまくる冷酷な社長のカオ、犬商人を殺そうとして逆に相手が強過ぎて形勢逆転されたときの「俺やっちまったかも・・・」のカオ、愛人とやりまくるオスのカオ、犬商人から逃げようと往生際悪く、死が袂を分かつまで抵抗しまくる、「ザ・窮鼠猫を噛む」のカオ・・・。スゴイ!!この俳優さん。一人の脇役を、ここまで深く演じられるとは。それもほぼ顔面演技で・・・。主役でもヒールでも無いのに、ものスゴイ存在感で、でも出過ぎる訳でもなく、最高の助演男優でしょう彼は。んで、最終的には、みんな男たちは死んじゃうんですけども。グナムの嫁も、「請負殺人」の理由を作った女どもは、みんな生きてる。つー、オチです。この最後の嫁のショットは、ちょっと分かりにくかったなあ・・・・。韓国の方なら、見分けがつくのかもしれないけど、初めて見る女優さんたちだし、女性のカオが似過ぎてて、ぱっと見で誰か、よく分からないんだよ・・・。もう一人の女性役の方と、髪型をストレートとパーマとか、ロングとショートとかって分けて欲しかったです演出的に。とはいえ気になったのはそれくらい。アクションのキレもサスペンスのこじれ具合も、俳優さんたちの演技も、実にエンターテイメントでした。映画としての「絵」も決まってるし、演出もカッコいいし、何しろアクションが面白くて面白くて。個人的には、食ってた肉の骨で、人を殴り殺すワイルドさがツボでした。正直、「チェイサー」ほどの衝撃は無かったですが、今の韓国のアクション・サスペンス映画のレベルが非常に高い。つーことがよく分かるエンターテイメントでした。これもハリウッドがリメイク権を買ってるらしいですね。ぜひハリウッド版も観てみたいです。韓国版にくらべ、ちょっと軽くしてるけど、クールさは増してる、みたいなリメイクになるんじゃなかろーか。んで、主役のハ・ジョンウさん。「情事」のカレも、このヒトなんだよね・・・・。感想はこちら ↓情事 もう全然同一人物に見えん!!「チェイサー」の犯人役とも思えない。全く違う俳優さんの映画を3本観たくらいの印象。恐ろしやカメレオン俳優。千の仮面をもつ少女(@ガラスの仮面)の、三次元韓国男優版って感じです。