哀しき獣 ディレクターズ・エディション [DVD]/ハ・ジョンウ,キム・ユンソク,チョ・ソンハ
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2010年の韓国のサスペンス映画です。

「チェイサー」の監督さんが、脚本・監督を務めています。


ワタクシの「チェイサー」の感想です良かったら。↓


チェイサー



「チェイサー」で犯人とデリヘル・マネージャーやってた二人が、それぞれ主役とヒールで再共演してます。



お話はですねえ。

中国の国境辺境にある「朝鮮族自治州」でタクシー運転手をやる、朝鮮族のグナム。

嫁は韓国に出稼ぎに行ったきり音沙汰なし。

闇社会で作った嫁の偽就労ビザの代金が、まだ返せてない・・・

とうとうグナムは、嫁にも会いたいし金も必要だし、ってんで、食犬ブローカーのミョンから、危ない仕事を請け負う。

それは、韓国に密入国して、限られた滞在期間中に、「請負殺人」をやることだった。



いやコレねえ。

面白かったですよ・・・アッサリ。

何がどう面白かったかと言うと。


グナムが「請負殺人」をしに、ターゲットのマンションに行くと。

既にそこには別の「請負殺人」グループがいて、ターゲットをグナムの目の前で、アレヨアレヨと殺しちゃうんだね。


急いで「殺した証拠の親指」を、カットしに行くグナム。

そこで、別グループの刺客がまだ生きていて、お互い顔を見られた・・・つうんで、やりあいになる。

と、とーぜん警察がファンファン集まってくる。


もう絶対絶命・・・・なのに、グナムは、家ん中から窓を伝って、奇跡的に逃げる訳だね。

警察は、とーぜんグナムが殺人犯と睨んで指名手配する。


で、そっから、実際に殺した方の「請負殺人」グループが、いったいアイツ(=グナム)を使わしたのは、誰だ?

こっちの弱みを握られたんじゃないのか?

メンドクサイから消してしまえ。

・・・みたいな理由で、グナムとその「請負殺人」の犬商人のブローカーを、追い掛ける訳ですよ。


で、最終的には、グナムは警察はもちろん、彼らと、自分を雇ったはずの犬ブローカーからも、なぜか追われる身に。



んな絶対絶命の中、嫁の居場所を突き止めるグナム。

会おうとするに、どうやら嫁は、韓国人の男がいて、そいつに殺されそうになっていたらしい・・・



という、サスペンスのお手本みたいな追いかけっこの矢印が、どんどん交錯します。



んでもって、わざわざ「朝鮮自治州」出身者を主人公に据えた理由が、段々明らかになる訳で。

このグナムも、犬商人も、彼らはどっちつかずの出自から、中国でも韓国でも、差別される立場な訳です。

貧困というのもその根っこにある。


んでもって、このグナムも犬商人も、なんつーかもう、人間臭いんだけど根性がターミネーター並みにタフなんですわ。

やってもやっても生き返ってくる。


更に、もう一組の請負殺人グループの親玉を演じた、韓国の実業家の社長さん

役のヒト(説明長い・・・)。

この俳優さんが、物凄い良い味を出していたわ・・・。


自分の手下に嫌味を言いまくる冷酷な社長のカオ、

犬商人を殺そうとして逆に相手が強過ぎて形勢逆転されたときの「俺やっちまったかも・・・」のカオ、

愛人とやりまくるオスのカオ、

犬商人から逃げようと往生際悪く、死が袂を分かつまで抵抗しまくる、「ザ・窮鼠猫を噛む」のカオ・・・。


スゴイ!!この俳優さん。

一人の脇役を、ここまで深く演じられるとは。

それもほぼ顔面演技で・・・。

主役でもヒールでも無いのに、ものスゴイ存在感で、でも出過ぎる訳でもなく、最高の助演男優でしょう彼は。


んで、最終的には、みんな男たちは死んじゃうんですけども。

グナムの嫁も、「請負殺人」の理由を作った女どもは、みんな生きてる。

つー、オチです。


この最後の嫁のショットは、ちょっと分かりにくかったなあ・・・・。

韓国の方なら、見分けがつくのかもしれないけど、初めて見る女優さんたちだし、女性のカオが似過ぎてて、ぱっと見で誰か、よく分からないんだよ・・・。

もう一人の女性役の方と、髪型をストレートとパーマとか、ロングとショートとかって分けて欲しかったです演出的に。


とはいえ気になったのはそれくらい。


アクションのキレもサスペンスのこじれ具合も、俳優さんたちの演技も、実にエンターテイメントでした。

映画としての「絵」も決まってるし、演出もカッコいいし、何しろアクションが面白くて面白くて。

個人的には、食ってた肉の骨で、人を殴り殺すワイルドさがツボでした。


正直、「チェイサー」ほどの衝撃は無かったですが、今の韓国のアクション・サスペンス映画のレベルが非常に高い。つーことがよく分かるエンターテイメントでした。


これもハリウッドがリメイク権を買ってるらしいですね。

ぜひハリウッド版も観てみたいです。

韓国版にくらべ、ちょっと軽くしてるけど、クールさは増してる、みたいなリメイクになるんじゃなかろーか。



んで、主役のハ・ジョンウさん。

「情事」のカレも、このヒトなんだよね・・・・。


感想はこちら ↓


情事


もう全然同一人物に見えん!!

「チェイサー」の犯人役とも思えない。

全く違う俳優さんの映画を3本観たくらいの印象。

恐ろしやカメレオン俳優。

千の仮面をもつ少女(@ガラスの仮面)の、三次元韓国男優版って感じです。