とても怖くて怖くてたまらなかったですが、間違いなく反応する時期になったので、妊娠検査薬をしてみようと決心しました。


正直、検査薬を買いに行くだけでも抵抗がありました。
とても、いけない事をしているようでした。

が、そんな事を言うよりも何よりも、ハッキリさせないといけない事だと、十分頭ではわかっていたはず…。

私は一回用の検査薬を一つ買いました。



そして自宅で、旦那のいない時間を狙って検査薬を取りだしトイレへ…。




検査が終わり、検査薬にキャップをして、1分くらい待ちました。



そのまま見れず、裏返しにして、なかなか表にできなかった…。




色々な不安と気持ちが入り交じっていましたが、決心して、判定を見ました。



裏返すと、反応は『陰性』。



妊娠していませんでした。



私は安心して、全身の力が抜け、頭の中がカッと熱くなる感じでしたが、反面…「できてなかった…」と、彼との『ゆるぎない永遠』をなくしてしまった様な感覚を感じていたのも、正直ありました…。

私は涙が止まらず、いつも色々相談し、私のすべてを知っている男友達に電話しました。


涙で声にならない…。

けど、誰かと話さないと落ち着かない…。
このままじゃ帰れない…。



男友達 「どうしたんか?大丈夫?」

私 「…う…ん…。」

男友達 「何かあったんか?」

私 「あの…ね…。」


と、言って今までの事を話しました。


男友達と話した事で、落ち着いてどうにか涙も止まった私。



モヤモヤの気持ちを隠しながら、思いを殺しながら、何もなかったような顔をして自宅に戻りました。



その日、みんなで食事に行っても全然美味しくなく、誰とも話をしたくなく…。

何を考える訳でもなく、私の心はいっぱいでした。



いつも強気で、あまり物事を深く考えない私。

人間って、気持ちが絡むとこんなにも、もろいもんなんだ・・・・・。

私は、自分の気持ちの行き場の無さに、呆然としていました。



しかし、2児の母であり、嫁である私は毎日を何も無かったように、生きていかなければなりませんでした。


朝、誰よりも早く起き、朝ごはんの準備・・・・・・・お弁当を作り・・・・・旦那を送り出し・・・・・・子供を幼稚園に送って行く・・・・・・。

家事をし、買い物に行き・・・・・・・子供と旦那が帰ってくるのを待つ・・・・・・。

仕事が入っている時の方が、気が紛れてよかった・・・・・。




一日、一日を必死に過ごしていたある日・・・・・・。


頭の中では、いつも考えていた『妊娠』・・・。

そろそろ、『妊娠検査薬』を、使える時期にきたと思い、とても怖かったけど、検査をしてみようと決心しました。

そんな毎日の中、私に追い討ちをかけたのは、旦那の両親からの電話でした。



うちは、下の子供と旦那が同じ月に誕生日なんです。



下の子の時にあんな言い方をされたので、私は旦那の誕生日を祝うつもりはありませんでした。



で、その日は旦那の誕生日。

私は夕方まで仕事でした。

そして帰りの車の中で、何も知らない旦那の両親からの電話を受けたのですが・・・・・。




義母 「今日は○○(kat旦那の名前)の誕生日だから、どっかに食事にいかない?」

私 「あ…はぃ…。」

義母 「じゃ、7時に家に来て、一緒に行こうね。」

私 「わかりました。」


返事をしながら、涙が溢れて、溢れて…止まらなくなってしまった私。




私の心の中は、『なんで、旦那の誕生日がみんなで出来て、子供の誕生日ができないの?』で、いっぱい。。。。。

2歳くらいの子供って、ケーキのろうそくを消すだけで、大喜びするんですよね。。。。




この時、『誰が何て言おうと、下の子の誕生日をすればよかった。』と、後悔ばかり。

自分に悔しいのと、下の子にしてやれなかった申し訳なさと、旦那への期待の裏切りが、一気に押し寄せてきました。



そして、彼がいない…。
逃げ場もない…。
私を見守ってくれる人がいない…。
支えてくれる人がいない…。
黙って抱きしめてくれる人がいない…。



私は、どんどん・・・・・どん底にはまっていきました。

彼とはそこで終わってしまいました。


彼は、妊娠について何も話さず離れて行き、私も妊娠について彼に話さず離れました。


もし、妊娠していたら、その時に考えよう。
遅いかもしれませんが、その時の私はそう思っていたんです。



それから当たり前に、彼からの連絡はありませんでした。





普通の生活に戻ったそんな中、私の下の子の誕生日がやってきました。

毎年、祖父母を自宅に呼んでは、誕生日会を開いていましたが、旦那と関係がおかしくなってからは、全くそんな事はしていません。

上の子は何度もお誕生会をしてもらってるけど、下の子は・・・・・。

私と旦那の都合で、それはあんまりだ・・・・。と、思った私は、旦那に相談してみました。


私    「あのさ、下の子の誕生日会を、前みたいにしたいんだけど・・・。」

旦那   「はぁぁぁ~!?もういいよ。俺、大体あんなの嫌いなんだよね。」

私    「・・・・・・・・・わかった。」


たった、これだけの会話で終わり。

「子供のために」と言う気持ちが全然見えない旦那に「別居までしたのに、何も変わってないな。」と悲しくなり、私はそれ以上何も言いませんでした。


たかが・・・?って思うかもしれませんが、この事で私はどん底。

彼がいてくれただけで、心の支えになっていた事を、今更ながらに感じていました。



私は、こうやって何かあるたびに、彼の事を想いだして、泣くだけ。。。。。。



彼のいない生活がこんなに苦しいとは思いませんでした。

私は、何度も携帯に手を伸ばしました。

彼の番号を出しては・・・・・消し・・・・・。

彼のアドレスを出しては・・・・・・・消し・・・・・・。

何か、いつもと違うって事だけは感じたのですが、それが何かわかりませんでした。



一日中迷いましたが、結局電話もメールも出来なかった私。


もし、電話していたら・・・・・奥さんが出ていたでしょう。。。。。

もし、メールしていたら・・・・・奥さんが読んでいたでしょう。。。。。。



今、考えると・・・・・怖いです・・・・・。



そうして、心の中に引っかかる気持ちを抑えていた所に、1通目の彼からの『嫁にバレタ』と言うメールがきたと言う訳で、話は最初に繋がっていきます・・・・・。






彼は「二度と会えない。」と、私にハッキリ言いました。

私もこうやって崖っぷちにくると、やっぱり家庭を壊せないんです。


私は涙しか出ませんでした。

けど、家族の前では泣けない・・・・・。

誰にも言えない・・・・・。

苦しくて、苦しくて、たまらなかった・・・・・。




結局、今回の件は私の家庭まで話がくる事はなく、彼が全部かぶってくれた事で終わりました。


奥さんは、どうにか私の事を調べ上げて、私の旦那に全部話したかったようですが、彼は絶対に口を割らず私を守ってくれました。

そのおかげで、私の家庭は波風立つことなく、平凡な普通の日々が過ごせました。



彼   「今まで楽しかったね。」

私   「うん・・・。」



ここで、私と彼は終わりました。




しかし、私の心の中は・・・・・・・。

まだ考えなければいけないことが残っていました。


「妊娠」


この二文字が頭の中をグルグル回りながら、彼の事を想いだす毎日が続きました。

日曜日から月曜日にかけて、寝ずにずっとこの話を奥さんとしたそうです。



奥さんは大泣きし、取り乱していたと、彼から様子を聞きました。。

今までのすべての、彼の行動が繋がっていく。。。
あの時も…。
この時も…。
全部、女だったんだ。
私を、家族を裏切って、女がいたんだ。

奥さんの心の中は、そんな事でいっぱいだったはずです。


泣きながら、「どんな旦那でも、他の女に取られたくない。」と、彼に訴えたみたい。
奥さんは、まだ彼の事を愛していたんでしょう。
「離婚は絶対にしない。」と、ある意味「浮気」を認め、許さないと旦那とは一緒にいれない…みたいな所があったんじゃないかな?と、思います。



さっきも言いましたが、この話に彼のお父さんもいたようですが、それはそれは怒っていたらしい。
殴られはしなかったけど、散々言われたみたいです。
それはそうですよね。
我が息子が、 目の前で嫁を泣かし・・・その原因が浮気・・・。

孫の事を考えると・・・・。って感じだったんでしょう・・・・。



朝まで、お父さんと奥さんに色々と聞かれ、奥さんはそのまま仕事に出かけたそうです。

お父さんは、奥さんが仕事に出たのと同時に自宅へ戻って行ったらしく、彼はその時やっと気が抜けて、そのまま寝てしまったようでした。。。。。





しかし、この時点は何も知らない私。

「自分からは連絡を取らないようにしよう・・・。」とそればっかり考えていたけど、あまりにも連絡がなかったので、

「月曜日の昼間なんて、奥さんは仕事に行ってるし、彼は自営だから時間なんて自由になるから、メールしてみよっかな?電話してみよっかな?」・・・・・と段々思ってくるようになりました。



その日は、彼の奥さんが携帯を持って行ってる事なんて、全く知らずに・・・・・・・・・・。

彼  「全部、バレタ。」




私  「いつバレたの?」



彼  「オマエと最後に会った日。」



私  「色々、証拠並べられたの?」



彼  「うん。あの日、嫁が俺の後をつけてきてた。」











彼の奥さんは、あまりにもひどく、毎日に近いくらいの旦那の外出に女だと、確信したのでしょう…。





あの日、彼が出てきた後ろをこっそりつけて来て、私の車に乗り込む彼を、しっかり見ていたらしい…。









彼  「あの車の人誰?って言われた。しらない、わからないで通そうかと思ったけど、結構押さえられてたから、ごまかすのをやめた。」




私  「じゃ、奥さん、相手は私ってわかったんだ。」




彼  「ううん。お前の事散々聞かれたけど、それだけは・・・って思って言ってない。」




私  「よく、それでごまかせたねぇ。」




彼  「嫁さんも、車のナンバー押さえてやろうって思ってたんだって。ナンバーから、どうにかしてお前の事を調べ上げようと考えてたみたい。けど、夜中って事もあって、車と色はわかったけど、ナンバーまでは見えなかったって言ってた。」




私  「そうだったんだ・・・・・。」






誰も、何も言わないから・・・・・・。


私は仕事で毎日に近いくらい、実家に帰るから・・・・・・・。


彼は、その時自営で、時間は自由になるから・・・・・・・。




私たちは、周りが全く見えてなく、自分たちの思いのままに行動していました。


バレテ、当たり前です。。。。。








奥さんは、彼のお父さんに、この事を相談していたようで、お父さんもこの話し合いに来ていたらしいです。




話が始まったのは、日曜日の夜・・・・・。


奥さんの「話がある。」という、一言から始まりました。




そして、後をつけて行った事。


車の色を我が子に聞いて、(前に一緒に遊んだ事があった)同じだったから、確信した事。


電話代が急激に上がった事。


夜になったら、何かと理由をつけて出て行く事。


メールの数が増えた事。


携帯にセキュリティーが掛かっている事。




などなど、言い訳が出来ないくらい、固められたそうです。






そして、奥さんは「どこの誰?相手は結婚してないの?何で知り合ったの?」と、私の事を色々と聞いてきました。


が、彼はただ「同級生。」とだけ答えたみたいです。






私も彼も彼の奥さんも、同級生。


中学はそれぞれ違いますが、同じ区にある学校。


高校は私と彼が同じ。


彼の奥さんは隣の高校。




今、私が地元を離れていても、徹底的に調べられたら、多分私の事はすぐにわかるでしょう・・・・・。








「あんたの家庭まで壊す訳にはいかない・・・・。」と彼は言い、奥さんが泣こうが、わめこうが私の事は一切それ以上口を開かなかった様でした。

そして次の日。

彼からのメールが、パソコンからきました。




多分、嫁の目を盗んで送ってきたんだと思います。


用件だけを単発で伝えるメールでした。


「隠していてもバレると思ったから言った。」

「もう二度と会えない。」



私は「わかった。」と、だけ返事をしました。


心の中で、『終わったな・・・。』と、思いながらも涙があふれて止まらない。。。

彼と過ごした楽しい時間ばかりが思い出されて、たまらなくなりました。


しかし、だからといって自分の気持ちを表に出して、動いてはいけない。。。。。




状況も様子も何もわからないまま、苦しい時間は過ぎました。





そして、何日かたったある日・・・・・。


ちょうど、夕方くらいだったかな!?


いきなり携帯が鳴りました。

着信を見ると、『彼の名前』が出てる・・・・。

私は、ドキドキしながらも電話に出ました。



私  「もしもし?」

彼  「俺。」



ちょうど、奥さんが出かけたようで、電話が出来る状況になった様子。



彼の家は、なぜか携帯が1台。

それを、出かける方が持って行くという、ちょっと変わった家庭。


なぜか、その日は奥さんが携帯を置いて行った様で、チャンスでした。



彼  「元気やったか?」

私  「うん。」


そう伝えるのが精一杯で、私は言葉に詰まってしまいました。



すると彼は、奥さんに全てバレてしまったいきさつを話し出しました。

どこで?

どうして?

何があったの?


何もわからないまま、ただ『嫁にバレタ』・・・・・・・その事実だけが私の頭の中をぐるぐると回っていました。


『もう、二度と会えない。』

当たり前だけど、迷う事なく家庭を取り、家庭に帰って行く彼を見て、現実を見た感じ。


私だって同じ立場・・・。


何度もそう思おうとしましたが、ダメ。

彼に対する想いがあふれてきて、もう、どうにもならない状態でした。



しかし、彼の家が今、どんな状態か全くわからない。

メールをして、見つかったらどんな事になるのかわからない。


私は、心の中を落ち着かせようと、全部知っている男友達に電話しました。


「相手の嫁にバレタ。どうしよう・・・。」


友達は・・・・・。「おとなしくしとけ。いいか、絶対に自分からは連絡すんな!怖いやろう。けどのぉ、お前がしてきた事はこんな事なんぞ!!!いいか、今の気持ちを忘れるなよ。」

と、現実をごまかす事なく、私に伝えてくれました。



私は、友達と話して気持ちを落ち着かせ、涙を拭き、家族の待つリビングへと行き、できるだけいつも通りに。。。。。



自分の妊娠の事も気になりながら、彼とのこれからもわからなくなって、自分自身どうする事もできずに、ただ時間だけが流れていきました。

それから、毎日に近いくらい仕事が入っていたので、私は実家へ帰ってきていました。

相変わらずの、彼の家まで5分というトコロ・・・・。



1年半前は・・・・・「会いたい」の気持ちが、二人ともピークだった様に思います。



私が実家に帰るたびに、メールで約束をして会うという毎日。

「会いたくて、会いたくて」たまらなかった。。。



自宅で家の事をしてから実家に行ってたので・・・大体、実家に着くのが23時過ぎ・・・・。


それから私は、下の子を実家の布団に寝かせ、母に頼み・・・「ちょっと、明日いる物の買い物に行ってくるね。」と言って、実家を出て行ってました。



彼は彼で、「レンタルショップ行ってくる。」とか「コンビニ行ってくる。」とか、その時その時で思いつく事を言って、家を出てきていたみたいです。




毎日に近いくらい会いながら、私たちは、全く周りが見えなくなっていました。


お互いが会いたいから会う。

好きだから、会いたい。


そこにあるのは、自分たちの気持ちだけ。。。。。。




そして、毎日彼に会える中で、私は「もし赤ちゃんが出来てたら、絶対に産もう」と心に決めつつありました。



妊娠検査薬を買ったのはいいですが、すぐには出来ない時期。

まだ、早すぎる。


私の中で、早く結果を出したい気持ちで焦っていました。

「旦那の子供として育てよう。」そう思う自分がいました。





そして、6月のある土曜日。

いつものように、夜中23時過ぎに彼と会うことになりました。


いつものように彼の家の近くまで車で迎えに行って、彼が私の車に乗り込み・・・・そして地元をドライブ。


その日もお約束コースでした。


「妊娠したかも?」と言ってから、体を求めてくる事は全くなかったので、車の中で楽しくお話したり、二人の楽しみのマックのコーヒーを飲んだり・・・・・なんか・・・出会った頃を思い出すようで、とても楽しかった。



そしてその日も、朝方3時ごろ彼は自宅へ・・・・・。

私は実家へ・・・・・。



しかし、こんなに楽しい日々は長くは続かなかった。




次の日・・・日曜日・・・。

昼頃、1通のメールが彼からきました。

「ホームセンターに行ってくる。」



この時の彼は、どこかに行く時などは、必ず私にメールしてくれてました。



私は「いってらっしゃい!」と言って返事。



しかし、その日はこれが最後のメール。


なんとなく嫌な予感が・・・・・・・・。

私は、自分からはメールしませんでした。






そして次の日・・・月曜日・・・。

夜・・・・彼からメールがきました。






『嫁に全部バレタ』






私の頭の中は真っ白になりました。