私は、何度も携帯に手を伸ばしました。

彼の番号を出しては・・・・・消し・・・・・。

彼のアドレスを出しては・・・・・・・消し・・・・・・。

何か、いつもと違うって事だけは感じたのですが、それが何かわかりませんでした。



一日中迷いましたが、結局電話もメールも出来なかった私。


もし、電話していたら・・・・・奥さんが出ていたでしょう。。。。。

もし、メールしていたら・・・・・奥さんが読んでいたでしょう。。。。。。



今、考えると・・・・・怖いです・・・・・。



そうして、心の中に引っかかる気持ちを抑えていた所に、1通目の彼からの『嫁にバレタ』と言うメールがきたと言う訳で、話は最初に繋がっていきます・・・・・。






彼は「二度と会えない。」と、私にハッキリ言いました。

私もこうやって崖っぷちにくると、やっぱり家庭を壊せないんです。


私は涙しか出ませんでした。

けど、家族の前では泣けない・・・・・。

誰にも言えない・・・・・。

苦しくて、苦しくて、たまらなかった・・・・・。




結局、今回の件は私の家庭まで話がくる事はなく、彼が全部かぶってくれた事で終わりました。


奥さんは、どうにか私の事を調べ上げて、私の旦那に全部話したかったようですが、彼は絶対に口を割らず私を守ってくれました。

そのおかげで、私の家庭は波風立つことなく、平凡な普通の日々が過ごせました。



彼   「今まで楽しかったね。」

私   「うん・・・。」



ここで、私と彼は終わりました。




しかし、私の心の中は・・・・・・・。

まだ考えなければいけないことが残っていました。


「妊娠」


この二文字が頭の中をグルグル回りながら、彼の事を想いだす毎日が続きました。