ホーチミン市(旧サイゴン)在住・証券アナリストのタイ株、ベトナム株、日本株ブログ -2ページ目

ホーチミン市(旧サイゴン)在住・証券アナリストのタイ株、ベトナム株、日本株ブログ

ホーチミン市(旧サイゴン)在住の証券アナリスト・竹内浩一が、ベトナムを中心に世界の金融市場を見渡すブログです。

 本日12日、タイの代表的な株価指数であるSET指数は前日比28.76ポイント(3.64%)安の760.90ポイントで取引を終了しました。10日の軍とUDDの激突による政情不安の過激化を懸念したものです。

 私もファンドマネジャー経験があるのでわかるのですが、こういう材料がでると(特に日本の)ファンドマネジャーとしてはタイ株の比率を下げざる(タイ株を売却する)を得ないのです。特に、日本の投資信託の場合は受益者が多数存在し、販売会社の証券・銀行の支店に「なんでタイ株の比率が高いんだ!」という顧客からの問い合わせが来ることが予想されます。もしかしたら、本日は、販売会社用のタイ株式事情のレポートに追われたファンドマネジャーやマーケティング担当者もいたかもしれません。仮に、ここでファンドマネジャーが頑張ってタイ株があがったとしても下がった場合のリスクに比べれば大したことではないのです。将来、仮に下げが持続した場合を考えると、ファンドマネジャーとしてはどうしても売らなければならないわけです。

 というわけで、本日の投資家別売買動向をみると、案の定、外国人投資家は21億バーツの純売り超となっています。

 外国人機関投資家が保有しているのは大型優良株です。例えば、かつてはタクシン銘柄だったアドバンスドインフォ(ADVANC)本日配当落ち日でしたが、配当利回りも高く長期保有しても良い銘柄だと思われます。

 ちょっと話はそれますが、2009年度の日本の税収は39兆9000億円、2010年度予算は92兆円、累積赤字は2010年度末予想で973兆円です。そして、2012年以降、自慢の個人金融資産1400兆円は減少に転じるそうです。ドルも弱いが、円も弱くなる要素が結構ありますね。相場はタイミングが肝心なので注意深く売買しなければなりません。安きを買い、高きを売るです。
 

 
 ベトナムの通信インフラ普及率について書きます。

 ベトナムの携帯電話加入者は1700万人超で、携帯電話普及率は20%超とされます。その内93%がGSMの2G(第2世代)携帯で、残り7%がCDMA2000の3G(第3世代)携帯です。まだまだ伸びる余地は十分すぎるほどあります。

 また、インターネット利用者数は2009年に人口の18.5%に当たる1550万人に達しています。内、ADSLなどブロードバンド利用者は524万人(6.2%)でほとんどはダイアルアップ接続です。
 インターネットのコンテンツについては「.vn」のドメイン名で登録されているサイトが9万個ありますが、ベトナム語で登録されているコンテンツは4000個強に過ぎません。

 インターネットユーザーは(ベトナムでは)大半が若年のため、高価なパソコンを購入できる層が限定的なこと、アクセス回線のインフラ整備の遅れから、ベトナムには個人契約ユーザーよりもインターネットカフェ利用者が多くなっています。ベトナムにはインターネットカフェは約2万店舗あるといわれています。いずれ、ベトナムの普通の若者がノートPCを持ち歩く光景を見る日もそんなに遠い未来ではないと思います。

 東南アジアのインターネット普及率は、シンガポールが74%(ブロードバンド普及率70%)、タイが20%(同5.2%)でベトナムを超えます。一方、マレーシアは14%(同5%)です。参考までに、韓国のインターネット普及率は76%(同30%)、台湾は44%(同28%)、中国は19%(同16%)となっています。

 余談ですが、ベトナムの若者の「三種の神器」「携帯電話、パソコン、スクーター」だそうです。ホンダの新型高級スクーター「SH125」にソニーのノートPC「VAIO」を積んで、アップルの3G携帯「iPhone」を片手に運転(現実にはベトナム人の真似をして危険運転してはだめ)すれば、「羨望の眼差し」を受ける(現実には金持ち外国人だと思われてボラレまくられる)ことは間違いありません(!?)。

 わざわざ書いたのは、ベトナム社会は(現在の)日本社会以上に「他人からどうみられるか」を気にする「村」社会だからです。「お隣さんが携帯電話を買ったなら私も買う」という発想です。高度成長期1960年代後半の日本も典型的な「村」社会でした。

 日本の一人当たり国民所得は1966年に1000ドルを突破しました。ベトナムは昨年1000ドルを超えています。ちなみに、中国は2001年に1000ドルを超えました。
 プノンペンのゴールドタワー42(総工費3億ドル)は、2011年10月までに完成予定です。同ビルは韓国系のディベロッパーが計画・投資・施工しています。地階部分の建設は終了、これまでのところ42階のうち15階部分辺りまでの工事が完了しているといいます。

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 昨年11月の時点で住居部分、オフィス部分の100%、モール(店舗)は60%が既に売約済みと発表されています。プノンペンはもともと、外国人用の住居が乏しかったため、グレードの高い住居用ビルの空室率は非常に低いといわれています。私の印象では、住居用ビルだけではなく、オフィス用ビルの需要も高いのでは、と思います。但し、家賃設定が需給を反映しすぎて高すぎるという気もします。

 ゴールドタワー42はモニポン通りとシアヌーク通りの交差点にあり、非常に好立地です(写真左はモニポン通りです)。
 以下、転載記事です。

タイ騒乱で死者20人に、外務省がロイター記者死亡で調査要請

[バンコク 11日 ロイター] タイの首都バンコクで10日に起きたタクシン元首相の支持派団体「反独裁民主統一戦線(UDD)」と治安部隊との衝突は、11日までに死者が20人に上り、負傷者も800人を超えた。

 日本の外務省は、ロイターの東京オフィスに所属するカメラマン、村本博之さん(43)が取材中に銃で撃たれて死亡した事件について、タイ政府に調査を行うよう求めた。

 一方、デモ隊は引き続き、タイ政府に即時解散・総選挙を求める構えを崩しておらず、アピシット首相の国外退去も要求している。

 政府側は、事態収束に向けて首相補佐官をデモ隊との交渉担当に任命したが、デモ隊が交渉に応じる様子はみられていない。


 デモ隊とは、集団・群集心理のために暴力性を内包するものです。死亡した村本さんは8日に東京からバンコクへ派遣されたようです。果たして、ロイター・ジャパンはカメラマンの生命のリスクを考慮していたのでしょうか。ロイター・ジャパンはタイ政情の分析を毎日行っていたのでしょうか。タイを代表する株価指数であるSET指数は4月8日に3.53%下落していますが、その理由を考えたことはあるのでしょうか。

「一発狙い」の個人で活動するカメラマンならリスクを自らとっているので「ここが限界」というところの判断が付きやすいのでしょうが、ロイター・ジャパンのカメラマンは果たしてこうした取材に慣れていたのでしょうか。死者は20人以上に上っているようです(ただの推測ですが、死者に村本さん以外の一般市民はいないと思います。つまり、政府軍とタクシン軍の市街戦です)。政府側は国際世論を考えて死者・怪我人は決してだしたくなかったはず。しかし、集団・群集というものはいったん騒動になるとコントロールが効かなくなるものなのです。

4/8  SET指数が3.53%下落
4/9  アピシット首相が「デモを終わらすためにあらゆる手段をとる」と宣言
4/10  3時過ぎに政府側が放水、催涙弾で強制排除。UDD側も応戦。死傷者多数。
(昨日の続き)

(4)取得可能な農業・林業用地、ただし将来は不可能(?)

 カンボジアの農地耕作、植林事業推進の特権(Economic Land Concession, ELC=経済的土地コンセッション)は農林漁業省が付与しています。近年では中国、韓国、ベトナム企業などによる積極的なELC取得が目立っています。特に、最近では中国やベトナムの企業による10万ヘクタール規模でのゴム農園用地確保などが急増しています。こうした、政府による経済的土地コンセッションの付与があるのはカンボジア以外ではラオスだけで、近隣のタイやベトナムにはありません。

 最長99年のリース権とコンセッション権(土地整地・耕作・植林の権利)は登記可能で、借入の担保として金融機関へ差し入れることも転売することも可能です。カンボジア政府にとってはELC(経済的土地コンセッション)を与えることは、高度な技術と多額の初期資本投下が必要な集中的な農・林業活動を海外投資家に開発してもらうわけで、農村地区における雇用増加と、土地使用料、税金その他の関連サービス料を通じて政府、州、村落の収入を創出することにつながります。

 ところが最近では、企業が全く開発を行わない場合や、雇用を全く生み出さない場合などには、コンセッションの取り消しも行われるようになってきました。2008年11月末時点で、65の私企業に対して912,275ヘクタール(約95.51平方キロ)の農業・林業用地がELCコンセッションとして認可されていますが、その多くは土地を得て、ただ樹木を伐採するだけとの批判もあり、ほとんど雇用を生み出していないことから、新規コンセッションの付与、特に外国からの投資に対してコンセッションを認可することを止め、取得済み企業に対しては、土地の開発を強制して従わない場合には権利の没収に踏み切ることを求める意見も多くなってきたようです。

 2012年からは、カンボジア領海(タイ湾)の海底油田で石油生産が始まります。海底油田によって将来的には2009年度の国家予算約17億ドルに匹敵する石油収入が発生することもあって、カンボジア政府としても、ELCコンセッションを付与して付随収入を期待する必要性が薄らいでくるものと思われます。

 中国、韓国、タイ、ベトナム、カタール、クウェートなどが大々的に土地を囲い込んでいることや、今年2月には、オーストラリア前財務大臣、ピーター・コステロ氏が6億米ドルの巨大な農業ファンドを立ち上げ、カンボジアの最低10万ヘクタール(約31.6平方キロ)の農地で、チーク材、パームオイル、サトウキビ、コメ、バナナなどを栽培し、15万人の雇用を生み出すと発表しています。

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 ところが、日本はカンボジアのODA最大援助国でありながら、FDI(海外直接投資)はほとんどないのが現状です。日本には戦略的な食糧確保計画が全く存在していないのが厳しい現実のようです。日本人は日本に固執してビルの中でトマトなどを栽培している場合ではないと私は思います。いかが思われますか?

(付記)
 今回のカンボジアの資料は宮内敬司氏(元マルハンジャパン銀行頭取)から提供していただきました。宮内氏は北海道拓殖銀行出身でスキーの名手。寒い北海道から暑いカンボジアにきて世の中の動きに適応(adopt)していらっしゃいます。同氏は、「これからの日本の若い世代は海外にでていくべき」と強調しておられました。

 こういう時代が来るのは、数十年前から判っていたはず。しかし、例えば、現実には英語のできる日本人の若者は少ないです。日本の英語教師はいままで何をやっていたのでしょうか。安定した給与と年金、そして長い休暇、または最終的には国から葬式費用まで捻出してもらっている教師は結果的には英語のできる日本人の若者をほとんど作り出していません。例えば、文部省はTOIECで少なくとも860スコア以下の(スコアの)英語教師には辞任(英語教師補助に回るとか)していただくとか、日本の将来のために厳しい市場原理を導入してみるのはどうでしょうか。外務省もカンボジアにお金をばら撒くのを仕事にするのではなくて、民間資金をカンボジアに導入することを仕事にしてもらいたいものです。
 本日は、カンボジアの農業について書かせていただきます。

(1)気象条件が良く、豊かな水があり、天災の無いカンボジア

 カンボジアには日本と異なって地震、津波、台風、大洪水などの天災はほぼありません。気候帯としては、カンボジアは熱帯モンスーン気候に属しています。つまり、大まかに言って、季節は5月~10月の雨季と11月~4月の乾季に分かれ、3月~5月の最も暑い時期には最高気温は40度にも達します。雨季というと日本人は日本の梅雨を思い浮かべるでしょうが、熱帯モンスーン気候の雨季とは、スコール(日本でいう夕立のようなもの)が日中の一定時間に30~60分集中して降り、それ以外は太陽が燦燦と降り注ぎます。冬がないため、植物、樹木の成長は極めて早く、首都プノンペンでは、街路ごとに異なる樹種の花が1年中楽しめます。日本のサクラもプノンペンの街路に植えられており、年中温暖にも関わらず、なぜか日本のサクラとほぼ同じ時期に開花するそうです。

 地理的には、国土の中央をメコン、トンレサップ、バサックの3大河川が流れ、雨季には増水したメコン川の水がトンレサップ川へ流れ込んで有名な逆流を引き起こし、逆流した水が上流にある東南アジア最大のトンレ・サップ湖へ流れ込んで、湖の面積は2,600平方キロから13,000平方キロへ約5倍に拡大します。そして、乾季にはトンレ・サップ湖の水が引いたあとの場所は肥沃な土地となります。

 カンボジア人の気性は一般に穏やかと云われていますが、これは凍死するリスクもなく、いくばくかの田んぼと椰子とマンゴーの木がそれぞれ1本あれば生存できる、と言われるほど恵まれた風土に由来するもののようです。

(2)豊富な農業・林業用地と若い農村人口

 首都プノンペンを少し離れて郊外に出てみると、地平線まで続く広大な農地の拡がりに圧倒されることがあります。カンボジアの国土面積は181,035平方キロで日本の国土面積の約半分ですが、国土の20%を農地が、また60%を森林(野生のトラ、象、ワニなどが若干数ですが生息)が占める農業・林業用地が極めて豊富な国です。

 人口は約1,340万人(2008年人口センサス)で、1平方キロメートル当たりの人口密度は75人(日本は336人)と少なく、国民の80%以上が農村に居住している農業国です。しかも国民の半分以上が25歳未満と、若くて活力にあふれた国でもあります。

(3)低い農業生産性

 カンボジアの農業人口は全労働力の60%(2008年)で、GDPの約34%を産出しています。但し、他国に比べると農業生産性はいまだ低いのが問題点です。しかし、灌漑による適切な水管理と良質な種子の供給・営農指導や道路インフラの整備、輸出仕様化のための資金供給などを加速することによって、生産性はまだまだ向上するものと思われます。カンボジアを訪問する際に、(飛行機で)プノンペンやシェムリアップに到着する直前に(飛行機の)窓(上空)からカンボジアの土地をみてみると、この国では水の確保さえ効率化すれば農業用地は急激に増えるだろうことが実感できます。

 近年は、中国、韓国、ヨルダン、イスラエルなどが自国の食糧安定確保を目指してカンボジアの農業分野へ積極的に投資しています。2009年のカンボジア経済は、世界経済危機の影響を受けて欧米向けアパレル製品輸出に急ブレーキがかかり、IMF、世銀、アジア開銀なども最悪マイナス2.5%のGDPを予想していたのですが、結果的にはプラス0.1%とわずかですが、水面上へ浮上したようです。政府による灌漑設備拡充への地道な取り組みなどが奏功して、農業分野の順調な拡大がアパレル輸出急落を補ってカンボジア経済を下支えしたわけです。

(明日に続く)
 ベトナムの日めくりカレンダーの写真です。これは、テト(旧正月)14日の翌2月15日にニャチャンのレストランで撮影しました。

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 日本と同じ、ベトナムの日めくりカレンダー。

 テトは2月14日でしたが、有名なタイの新年ソンクラーン(水掛け祭り)はもうすぐ(4月14日)です。場所によっては一日早く4月13日が新年とされる地域もあるようです。4月14日がアジアで最後の「2010年の新年」になります。

 ソンクラーン(水掛け祭り)の時期は灼熱の「暑期」で、特に今年は晴天が続いてアジアは暑くなっています。タイのソンクラーンは楽しいですが、毎年酔っ払い運転など危険運転も非常に多いのでタイに旅行に行く人は注意が必要です。特に、若い人にはソンクラーン(水掛け祭り)は楽しいんじゃないかな、と思います。
 本日は、実はカンボジアの農業について書こうと思って考えていたのですが、インターネット不通など色々とトラブルが発生したため、サラリと書かせていただくことにします(カンボジア農業については近々書きます)。

 本日は、最近発表されたベトナムの証券会社の「売買シェア・上位10社ランキング表」です。

(ベトナムの証券会社、売買シェア上位10社)

順位証券会社2010年第1四半期 (%)2009年通年 (%)
ナンバー1タンロン証券9.379.13
ナンバー2サイゴン証券8.47 8.26
ナンバー3ホーチミン市証券7.09 5.63
ナンバー4サコムバンク証券5.69 7.77
ナンバー5アジア商業銀行証券4.77 4.37
ナンバー6FPT証券4.10 3.84
ナンバー7バオベト証券3.07 3.37
ナンバー8VNダイレクト証券2.81 N/A
ナンバー9キムエンベトナム証券2.76 3.40
ナンバー10VI証券2.40 2.59


 タンロン証券が2009年通年、2010年第1四半期でナンバー1の売買シェアを占めています。第2位はサイゴン証券(SSI)、第3位はホーチミン市証券です。第1位のタンロン証券は今年中にホーチミン市場上場予定です(大型上場ですね)。

 2009年通年で9位だったベトコムバンク証券が2010年第1四半期の上位10社入りならず、代わりにVNダイレクト証券が第1四半期の8位となっているのが目立ちます。

 ベトナム株を取引する証券会社を選択する場合には、どれだけの情報を提供してくれるかで判断するのが得策だと思います。そして、購入した株式は原則として長期投資を前提とするのが理想です。
 ベトナムではダラット産の野菜はブランド野菜です。通常の野菜よりも高い値段で販売されており、なかにはダラット産ではないにも関わらず、ダラット産と称して販売されるケースも多々あるようす。

 実際に食したところ、ダラット産野菜はやはり旨い。野菜本来の味がします。野菜を上手に栽培するには朝露が必須とのことです。熱帯でも海抜1500メートル弱の高原に位置し、涼しいダラットならではの野菜の味でしょう。

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 写真はダラットのレタス。レタスのほかにも春菊などさまざまな野菜が栽培され、野菜市場で売られている。思わず、野菜だけ「お代り目」してしまった。
 先週土曜日にプノンペン・ノロドン通りのマルハンジャパンバンクのCD(ATMと表示されているが実際にはキャッシュディスペンサー)でお金を引き降ろそうとしました。しかし、不幸にもカード磁気情報にトラブルがあるようで引き降ろすことができず、月曜日に再度、マルハンジャパンバンクへ行きました。

 その窓口で会ったのが日本人カスタマーサービス担当の日本人女性・山崎さんです。山崎さんは大西頭取と同じ東京スター銀行の出身で、学生時代に数年間カンボジアのNGOに関わっていた縁でマルハンジャパンバンクに勤務することになったそうです。今後は、山崎さんがいらっしゃるので英語に不安がある方でも日本語だけでマルハンジャパンバンクに口座開設ができると思います。

 現在、マルハンジャパンバンクの日本人顧客口座開設数は約200口座。日本の金融機関ではないために、日本国内での口座開設勧誘は禁止されています。日本はお役所のパターナルな保護が強いのです。山崎さんによると、現在のマルハンジャパンバンクの米ドル建て一年定期金利は6.0%とのことでした。この金利は、決してカンボジアのカントリーリスクではなくてカンボジア国内でのドルの需給によって決定しているものです。

(以前、私は見学したことがあるのですが)マルハンジャパンバンクでは2万ドル以上の預金を維持している顧客用にVIPルームを開放しています。現時点では主にカンボジア人富裕層のPB(プライベートバンキング)の一環として利用されているようです。カンボジア人の国民性として、閉鎖された特別室に通されるというのは非常に「受ける=評判が良い」ようです。

 参考のために書きますと、カンボジアから日本への送金に上限はありません。但し、100万円以上の送金は税務署への報告が必要なようです。また、日本への回金にも上限はありません。但し、カンボジアの中央銀行への届出が必要なようです。

 私自身の感想は、現在のマルハンジャパンバンクは業績が素晴らしいし、マルハン本社も非常に安定しています。問題は出金です。出金するのにわざわざプノンペンまで出向かなければならないのは大きなネックになっています。

 せめて、PLUSやVISAなどをキャッシュカードにつけてもらえればと思うのですが、今しばらく実績を積む必要があるようです。それに対して、同社では今年初めに2-3年後を目処にインターネットバンキングを実施する計画を策定したようです。

 ところで、月曜日夜にはマルハンジャパンバンク元頭取の宮内敬司氏にご一緒させていただいてプノンペン市内の比摩人(ひまじん)という和食レストランで夕食しました。そこを出るときに、バッタリと比摩人でコンパ中の山崎さんにお会いしてしまいました。非常に笑顔の良い女性なので、プノンペンに行かれた時はぜひマルハンジャパンバンクの受付にいかれてはいかがでしょうか。それにしても、プノンペンの日本人コミュニティというのは非常に小さいようです。