お宝映画・番組私的見聞録 -62ページ目

TOKYO DETECTIVE 二人の事件簿 その2

前回の続きである。欠番扱いとなっている第7話「戦後30年の逆さ吊り」もそうだが、「二人の事件簿」(75年)は、結構気になるサブタイトルが多い。
第1話「野獣、雪山に死す」に始まり、第2話「少女架刑」、第3話「金色に輝く死の踊り」と気になるサブタイが続く。第5話「狼はランを抱いて死ぬ」のゲストは柴俊夫に夏純子。この二人と篠田三郎は「シルバー仮面」(71年)で主役兄弟を演じた間柄である。特に柴と篠田は現在に至るまでずっと親交が続いているという。
この後も第9話「仏罰」、第10話「騎兵隊、暁に死す」など興味を惹くのが個人的にはうまいと思った。注目すべきは第31話「のらねこ作戦」。これはサブタイトルはどうということもないが、ゲストの顔ぶれがハナ肇、谷啓、犬塚弘、桜井センリ、安田伸なのである。早川係長役の植木等と合わせてクレージーキャッツのメンバーが全員集結したのである。
71年を最後にクレージー映画が制作されなくなり、石橋エータローがグループを脱退。メンバーも個々で活動するようになり、全員が集結するのは難しくなっていた時代と思ってたが、実はこの時点ではクレージーキャッツの冠番組が存在していたのである。「クレージーの奥さ~ん」(73~76年)というミニ番組である。「おとなの漫画」(59~64年)は結構知られていると思うが、「奥さ~ん」もその流れを汲んだ5分番組、実質3分程度のミニ番組である。この番組を見たことがないという人は多いかもしれない。なにせ時間帯が15時55分から16時までというものなのである。フジテレビなので「3時のあなた」の終了後に放送されていたのだ。この時間帯だと会社員や高校生あたりは難しいし、小中学生は時間的に可能かもしれないが、見ようと思う人は少なかったのではないだろうか。
まあ一番見やすかったのは主婦であろうし、タイトルの「奥さ~ん」も主婦層を意識したものであろう。この番組が76年3月に終了した後は、冠番組はなくなりグループとしての活動もほぼなくなるのであった。バラエティ番組などでは集結することもあったかもしれないが、ドラマや映画での集結は「会社物語」(88年)まで待つことになる(石橋も出演)。
話が大幅にそれたので「二人の事件簿」に戻るが、クレージーのメンバーが集結したドラマというのは非常に貴重だったということである。詳しい部分は忘れてしまったが、ゲストの5人は植木演じる早川係長の知り合い(友人)である。映画でもよくあったが、役名はそれぞれの名前にちなんでいてハナ肇だったら花村(花山かも)、安田伸だったら安井(安川かも)となっていた。なのでハナ肇が植木を「早川」と呼ぶのに違和感を感じてしまった、という記憶はある。
全35話というテレビ的には半端な話数で終了したが、この8カ月後に第2シリーズが製作されるくらいなので、評判は良かったのであろう。

 

TOKYO DETECTIVE 二人の事件簿

コンビ刑事ものというのは結構あると思うが、若手刑事二人となると意外と少ないかもしれない。「あぶない刑事」のように中堅刑事コンビとか「華麗なる刑事」のようにベテランと新米コンビの方が多いかも。
若手刑事コンビドラマで思い出すのはまず「二人の事件簿」と「俺たちの勲章」である。実は共に75年4月スタートの番組であるが前者は4月1日、後者は4月2日のスタートということで1日の差で前者の勝ちである。というわけで正確なタイトルでいうと「TOKYO DETECTIVE 二人の事件簿」を取り上げたい。10年くらい前にも取り上げたと思うが、その時と似たような内容になるかもしれない。その辺は長い目で。
「俺たちの勲章」が松田優作、中村雅俊という目立つコンビなのに対して、こちらは篠田三郎(当時25歳)と高岡健二(当時24歳)という人気俳優ではあったが地味目に感じてしまうコンビである。篠田演じる宮坂刑事は裕福な家庭で育ち捜査でもオープンのスポーツカーを乗り回す。目立ち過ぎだと思わずツッコミを入れたくなる。対照的に高岡演じる真樹刑事は不幸な家庭で育っている。学生時代からのライバルであり、共に緑橋署捜査課に配属されているという設定。
彼らの上司が植木等演じる早川係長である。先輩の丹羽刑事に大石悟郎、当時28歳なので彼らより少しだけ先輩ということになる。そしてベテランの白井刑事。演じる近石真介は初代マスオさんであり顔よりも声の方が有名かもしれない。この時点ではまだマスオさん役は近石である。三杉婦警には番組主題歌も歌う牧美智子。ものすごくハイトーンの綺麗な歌声が特徴だ。他にも木島進介(伊東刑事)、坂口俊介(河村刑事)がいるのだが、その他扱いで目立つことはない。どちらも30代くらいだろうか。また特別出演扱いで竹脇無我が風間署長を演じている。
刑事ドラマとしては以上のメンバーで成り立つのだが、あくまでも主役は篠田と高岡の二人なので、恋人、友人など彼らの周囲の人間が多く登場する。篠田サイドでは土田早苗、真夏竜、島村美輝などで高岡サイドでは高橋悦史、ジュディ・オング、森大河など。いらないよなあというキャラも何人かいると思う。当時は気にしてなかったのだが、篠田三郎と真夏竜ってウルトラマンタロウとウルトラマンレオの共演だなと今さらに思った。
実は当初近石真介ではなく大坂志郎演じる島中刑事がレギュラーであった。しかし、わずか7話(6話?)にて降板。可能性は薄いが予定通りなのか、スケジュールの都合なのか体調不良だったのか謎である。6話?と書いたのは10数年前にCSで放送されたのだが、第7話は飛ばされたのである。そして8話では白井刑事に代わっていたので降板話数は断定できないのだ。欠番扱いになっているケースは現在では放送に適さない、問題があるといった場合がほとんどだ。そのサブタイは「戦後30年の逆さ吊り」となっており内容が推測できない。判明しているゲストは宍戸錠、神田隆、桑山正一、谷村昌彦といったベテランぞろい。かつての戦友とか大坂志郎が主役になりそうなメンバーに思える。脚本も佐々木守だし問題作ではありそうだ。

 

トリプル捜査線

「兄弟刑事」「おやこ刑事」を紹介したが、それ以前には「双子刑事」が登場するドラマも存在した。それが「トリブル捜査線」(73年)である。40年以上前に12話だけ放送され、ほとんど再放送もされず、話題になることもない番組の1つなので、知らない人が大半ではなかろうか。個人的にも薄っすらと見たような記憶があるのみで、タイトルも忘れていたくらいである。
舞台は東京の下町で所轄署の名前とかは不明である。そこに勤める双子刑事・大山一郎/二郎を大和田伸也が一人二役で演じる。今なら本当の双子を使いそうだが、当時は適した双子役者などいなかったか、どうしても大和田伸也を使いたかったのかもしれない。実弟の大和田獏はそこまで似てはいないし、デビュー自体がこの73年なので、デビューしていなかったのかもしれない。アクションシーンなど二人同時に画面に必要な時は、公募したそっくりさんの小島茂という人が起用されたという。
これだけなら「ツイン捜査線」なのが、もう一人スケ番あがりの婦人警官・星川花子が加わり「トリプル」になるようだ。演じるのはビーバー(バービーではない)である。その容姿や芸名からハーフと思われがちだったが、普通に日本人である(本名・伊藤マサ美)。実は黒澤映画「赤ひげ」(65年)で内藤洋子が演じた役に当初選ばれたのが、当時高校生だった彼女だったという。背が高い等の理由で内藤に変更されたが、高校卒業後モデルとして活動する。そのモデル時代にニッポン放送の「ザ・パンチ・パンチ・パンチ」のパーソナリティオーディションに高橋基子(モコ)、シリア・ポール(オリーブ)と共に合格。三人で「モコ・ビーバー・オリーブ」として活動し、レコードデビューも果たしている。バービーというのは中学時代のあだ名をそのまま芸名にしたものだという。それまでは川口まさみ名義で活動していたようだ。72年くらいから女優としても登場し始めたところであった。
この主役三人?は何となく覚えていたのだが、他のレギュラーメンバーは忘れていた。改めて調べると中々豪華なメンツなのである。川津祐介(夏木刑事)、長門勇(伴野部長刑事)、草刈正雄(水木刑事)、黒沢年男(佐々木警部)となっている。草刈はこれがほぼドラマデビューであり、黒沢はまだ29歳だったが警部の役なのである。当時の番線広告には何故か川津の姿はなく同じ署の同僚かどうかは不明だ。大和田も合成することはなく一人しか写っていない。
ゲストでは第1話に先ごろ亡くなった宍戸錠の名がある。第4話の河原崎健三、最終話の木の実ナナは共に二役を演じていたらしく、二役(双子)がポイントの番組であったといえよう。
40年以上目にする機会がないが、また見てみたい番組の1つである。

 

おやこ刑事

「兄弟刑事」とくれば「おやこ刑事」(79年)である。こちらの方は普通に「でか」と読む。原作は77~81年にかけて少年サンデーに連載されていたマンガである(作・林律雄、画・大島やすいち)。自分は80年代に少年サンデーを買っていた時期があり「おやこ刑事」も当然目にしたことはあるのだが、正直好みの作品ではなかった。キャラは覚えているのだが、ストーリーはほぼ覚えていない。まあ全25巻も出ているのだから人気はあったはずである。親が殉職したので、その息子が意志を継いで警察官になるというパターンのドラマは良くあるが、親子が同じ署で共に刑事をやっているという設定は意外となかったりすると思う。
ドラマそのものを見た記憶はないのだが、キャストは何人かは覚えていた。新聞か何かで見た記憶はあるのだ。
なるべく原作のキャラのイメージに近い役者をキャスティングしようという意図は窺えるが、あまりにもマンガチックなキャラ(ポパイ、タレ、大仏など)は苦労したように思える。
まず主人公である柴田親子。息子・文吾には普通に二枚目の名高達男。父・勘太郎は子供のように小さく書かれており、ハゲてはいないのだが金子信雄である。個人的には原作のハート型のような奇妙な髪型が好きになれなかった紅一点の大西操に服部まこ。当時まだ18歳であった。アフロにサングラスがトレードマークの「タレ」こと垂水二朗刑事に村野武範。今なら具志堅用高か松鶴家千とせがピッタリだと思うが何故か村野がズラで(おそらく)対応していた。
あのポパイそっくりに書かれ原作の中では(絵柄的に)違和感を感じるキャラだった「ポパイ」こと瀬良満刑事(ポパイザセーラマンということだろう)には二瓶正也。一瞬似てるような気もするがポパイのイメージではない。原作では殉職するキャラである。岩(ガン)さんこと岩田実刑事には伊東平山。原作がどんなキャラだったか忘れているのだが、割合普通な見た目だった気がする。伊東平山は本名で悪役のイメージが強いのだが「ジャッカー電撃隊」ではダイヤジャックを演じていた。現在は吾羽七朗と改名しているらしい。川上課長役は金井大。特に違和感はないが、金井大は部長刑事あたりのポジションが似合っている気がする。そして、一番無理のあるキャスティングなのが「大仏」こと大仏(おさらぎ)竜之介刑事の丹古母鬼馬二である。どう見ても刑事には見えないし、原作ではとてつもなくデカイ大仏刑事に対し、丹古母は165cmと小柄なほうである。柔道の山下泰裕あたりがイメージに合いそうだが、意外とそういう役者は見当たらない気がする。ちなみに、丹古母は当時29歳、名高は当時28歳である。
マンガの実写化は文句の出ることが多いが、当時の原作ファンはどう思ったのであろうか。その後、あまり話題になることもない気がするので好評より不評だったのではなかろうか。

 

兄弟刑事

「華麗なる刑事」の後番組なのが「兄弟刑事」(77~78年)である。7年ほど前にここでも取り上げているが、それからCS等で放送されることもなく、一度も見たことがないという状況は相変わらずなので、当時と同じことを書くかもしれないがそこは長い目で。ちなみにタイトルの刑事は「デカ」ではなくそのまま「け‍いじ」と読むのが正解のようだ。
岡本富士太(葉山隆一)と篠田三郎(葉山健二)は共に八名川署に勤務する兄弟刑事。彼らの異父兄が警視庁捜査一課の黒沢年男(明石鉄平)で、彼らの母が奈良岡朋子(葉山志津江)である。父親は共に死亡しており、五十嵐めぐみ(葉山都史子)演じる妹がいる。鉄平は志津江に捨てられたと思っており、彼女をお母さんとは呼ばない。そんな鉄平に葉山兄弟は反発するというのが大筋。本庁と所轄というだけでも対立しそうだが、プライベートな面でも対立構造が事件そっちのけ(かどうかは不明)で生まれるわけである。
にしても刑事役ではお馴染みの顔ぶれが揃っている。岡本富士太(当時31歳)と言えば「Gメン75」で津坂刑事を丸2年演じていた。他の役も演じてみたいと77年5月に殉職という形で降板。しかし、その半年後に再び刑事役が巡ってきたわけである。この後、さらに「大空港」(78~80年)でも立野刑事を演じることになる。篠田三郎(当時29歳=本作の放映開始日12月5日が誕生日)と言えば「二人の事件簿」シリーズ(75~77年)で宮坂刑事を演じていた。篠田も「新・二人の事件簿」が終了して約半年後の本作である。この後も「Gメン82」(82年)や「新・部長刑事アーバンポリス24」(90~92年)でも刑事役を演じることになる。黒沢年男(当時33歳)は、この時点ではレギュラーでの刑事役というのはありそうでなかったようである。しかし、この後「大空港」に79年より菊池刑事役で加入し、岡本富士太と再び共演することになるが最終回では黒沢と岡本が揃って殉職してしまう。そしてその2週間後にスタートした「爆走!ドーベルマン刑事」(80年)で主役の加納隊長を演じている。
奈良岡朋子は刑事ドラマに関係なさそうに思えるかもしれないが「太陽にほえろPART2」(86年)を忘れてはいけない。石原裕次郎降板後の篁係長を演じたのは彼女である。
本作は東宝の製作で、黒沢は東宝の出身だが、篠田は大映の出身。岡本は東映ドラマでの活躍が多く、奈良岡は民藝なので日活作品への出演が多い。
他のレギュラーだが、藤岡琢也(室田課長)、夏八木勲(長嶋係長)、古沢カズオ(石本刑事)らは恐らく本庁ではなく葉山兄弟の同僚・上司であろう。もう一人、坂口良子(橘佳代子)の立ち位置はよくわからない。順当に考えると篠田の恋人役かなと思うのだがどうだろうか。

出演者は豪華なのだが、全15回ということもあってかあまり語られることのない番組である。

 

華麗なる刑事

前々回の「刑事物語・星空に撃て」(76~77年)の後番組だったのが「華麗なる刑事」(77年)である。同じ枠で引き続きの刑事ドラマだが、制作は大映テレビから東宝に代わっている。
主演は草刈正雄(当時24歳)と田中邦衛(当時44歳)。実年齢と同じく設定でも20歳年齢差があるコンビものである。よく考えたら若大将(三代目)と青大将(初代)のコンビであり、有島一郎(初代若大将の父)も署長役で出演している。
草刈演じる髙村一平は新米と言ってもロス帰りという設定で結構何でもできるスーパー刑事。田中演じる南郷五郎は鹿児島から転属してきた中堅刑事で射撃の名手。田中邦衛本人は岐阜の出身である。老けているという表現は違うと思うが、ハーフとはいえ草刈正雄は当時から顔が完成されすぎており、そこまで若くは見えない。逆に現在(67歳)は、ずっと若く見えるけれども。
個人的には見たことのある番組ではあるが、しっかりとは見ていなかった。内容はもちろん二人以外のキャラもほぼ記憶にない。実質見ていなかったようなものである。というわけで、今回も情報や資料などから。
二人が勤務する南口署は都心の新宿や渋谷を管轄しているという設定。他のレギュラーだが、ヒロイン役の壇ふみ。少年課の婦警だが、その名も蒼井そらならぬ青井空だ。佐野浅夫(上条課長)は東大出のエリートという設定らしいが、佐野はエリートっぽくない。「刑事物語85」でのような万年ヒラ刑事の方が似合っている。新克利(田島刑事)は当時37歳、気さくな中堅刑事である。加納竜(真田刑事)は当時21歳。草刈よりも年下の新米刑事。資生堂MG5のCMキャラクターは二代目が草刈で、三代目が加納である(初代は団次郎)。沢たまき(園山部長刑事)は、署長も課長も一目置く存在。「プレイガール」のオネエだけあって当時40歳だが貫禄がある。他にも同僚はいるようで、安田憲史(林刑事)、萩原伸二(西沢刑事)、大塚悦子(婦警)、永田裕子(婦警)など。萩原伸二は「特別機動捜査隊」で矢崎班の岩本刑事役だった萩原信二と同一人物かどうかは不明。後者の登場は75年なので、同じ刑事役で同じ読みの名前なので同一人物の可能性は高い気がする。婦警役だった大塚悦子は今の草刈夫人である。10年近い交際を経て結婚したのは88年だそうだ。
セミレギュラーとしては、梶芽衣子(三杉刑事)…終盤に登場する城西署の女刑事である。梶の刑事役はありそうでほとんどなかったと思う。岸田森(神来署長)…南口署のライバル北口署の署長。上条課長と同期のライバルという設定だが、佐野と岸田では14歳もの年齢差があり、どう見ても同期には見えない。中井啓輔(瀬川刑事)、畠山麦(山口刑事)…北口署の刑事。前述の有島一郎(遠山署長)も登場回数は多くないようだ。
あと、草刈の歌うED「センチメンタル・シティ」が結構ヒットしている。このEDは自分も記憶に残っていた。全32回という微妙な話数だが、26回予定が若干延長されたのかもしれない。

 

刑事物語85

前回の「刑事物語・星空に撃て」(76~77年)とは、何の関係もないがタイトルつながりで「刑事物語85」(85年)である。80年代以降の作品をここでは、滅多に取り合げないのは「つい最近の作品」という感覚が個人的にはあるからなのだが、気が付けば2020年になり、30年以上は経過しているわけで最近とも言えなくなってきたことに今更気づいた。
さて「刑事物語85」の主演は渡瀬恒彦。「刑事物語・星空に撃て」とは何の関係もないと書いたが、こちらの主演である江藤潤とは「戦国自衛隊」や「南極物語」などで共演し、以降もずっと親しい間柄であったという。江藤の役名は星日出夫であったが、「刑事物語85」での渡瀬の役名は本庄日出夫といい、偶然なのか意図的なものかは不明だ。制作は前者は大映テレビ&フジテレビで後者はユニオン映画&日本テレビなのでつながりもなく偶然であろうか。
渡瀬演じる本庄は山手署捜査課のナンバー2的な存在だが、階級は警部補ではなく巡査部長だったようだ。役者と設定年齢はほぼ一致しており、本庄も当時の渡瀬と同じ40~41歳という設定であった。同世代の水田部長刑事に川谷拓三。実年齢は渡瀬より3歳上。OPでは最後にクレジットされる。八島刑事課長に中条静夫(当時59歳)で、この後「あぶない刑事」でも課長役を演じることになる。八島と同世代の大ベテラン宇田川刑事に佐野浅夫(当時60歳)。昇進試験を一度も受けていない現場一筋のヒラ刑事という設定。30代の中堅どころ木沢刑事に柄本明(当時36歳)、大坪部長刑事に萩原流行(当時31歳)、そして配属されてまもない新町刑事に堤大二郎、青木刑事に船越英一郎で共に当時24歳である。真面目な新町に対し、ちょっと軽い青木というキャラ。基本、本庄と新町がコンビで活動するため青木は影が薄い(主役回もある)。当時の船越はまだまだ若手の二世俳優であった。他のレギュラーは本庄の婚約者に萬田久子、新町の恋人に安田成美で、中々豪華なメンバーが揃っている。
全25話にフル出演したのは渡瀬と堤だけで、メンバー全員揃ったのは4~5回しかない。基本的にはアクション控えめで、地味目なストーリーが多い。しかし、監督の名を見ると石井輝男、長谷部安春、小澤啓一とアクションイメージの強い人が多い。石井は渡瀬のデビュー作「殺し屋人別帳」(70年)の監督でもある。
1年間放送の予定でスタートしたというが、当時は派手なアクションドラマの方がウケが良かったこともあり、地味目でリアル路線だった本作は半年で打ち切られることになった。派手なアクションドラマといえば渡瀬の兄・渡哲也主演の「大都会」「西部警察」が思い浮ぶが、85年当時渡が出演していたのは「私鉄沿線97分署」であり、人情派路線の刑事ドラマだったが、こちらは約2年続いている。長谷部や小澤はこちらでも監督を務めていた。
「刑事物語85」は個人的には好きな番組だったので、打ち切られたのは残念であった。

 

刑事物語・星空に撃て その2

前回の続きである。「刑事物語・星空に撃て」(76~77年)は当時ほとんど見ていなった気がするので、内容はほぼ覚えていないのだが、サブタイとゲストのリストは載っているので、そこから気になる箇所を拾っていく。
サブタイで目を引くのは「高校生」というワード。全25話なのだが、なんと4回も使われているのだ。ちなみに「女子高校生」と「花の高校生」が二回ずつである。第1話のサブタイトルも「知りすぎた女子高校生」である。ゲストは村地弘美、豊川誕。当然村地(当時17歳)が女子高校生の役だろう。龍角散トローチのCMで記憶に残るがいつしか姿を見なくなった。どうやら81年に結婚して引退したらしい。お相手は堀越高校の同級生だったという棋士・小林覚九段である。豊川誕は当時のジャニーズアイドルだ。誕生日の「誕」なので「たん」としか読めないはずだが、強引に「じょう」である。第2話のゲストもフォーリーブスの北公次である。
第15話「消えた女子高校生」のゲストは三木聖子、加納竜、レモンパイとなっており、アイドル祭りである。石川ひとみでヒットした「まちぶせ」を先に歌ったのは三木である。沢田研二主演の「悪魔のようなあいつ」で沢田の妹役を演じるなど印象深い活動をしていたが、実は活動期間は2年余りと非常に短かったのである。加納竜も元々はアイドルとしてデビューしているが、この76年から俳優活動も始めている。この後「華麗なる刑事」「鉄道公安官」「西部警察」と刑事役を演じることになる。レモンパイは当時のアイドルグループ。フォーリーブス的なイメージだったがバンドだったという。演奏している姿を見た記憶はない。
勿論、アイドルばかり出ていたわけではない。第14話には金子刑事役・山城新伍の妻である花園ひろみがゲストで登場したようだ。花園は基本時代劇の人であり、現代劇自体の出演は少ない。第9話「犯人は私の息子だ」のゲストはハナ肇、星正人。この二人が親子の役なのだろう。星正人はこの番組の主役でもおかしく名前の持ち主。非常に芸名っぽいが本名である。実は星はこの時期「刑事くん(第4部)」で既に主役を演じていたのである。1部~3部までは桜木健一が主演だが4部は星だったのである。この後「大都会PART3」「鉄道公安官」(加納竜と共演)「爆走ドーベルマン刑事」と刑事役を演じることになる。
この星正人と伊達刑事役の織田あきらはイメージがかぶる。似ているという意味ではなく、俳優としては共に順調に活動していたように見えたが、共に80年代の後半には姿を消しているのである。星は体調不良による引退だったそうだが織田の方は不明である。

 

刑事物語・星空に撃て

新年特に関係なく今回は「刑事物語・星空に撃て」(76~77年)である。当時、それほど見ていたわけではないのだが、本放送以来みかけたことがない番組の一つである。タイトルからして「太陽にほえろ」を意識していることが丸わかりである。
主人公・その名も星日出夫を演じるのは江藤潤(当時26歳)である。他のレギュラーメンバーは織田あきら(伊達浩介)、地井武男(高津功一)、渡辺篤史(矢田勲)、江幡高志(出目海信)、山城新伍(金子信吾)、高松英郎(松井巌)という面々。それなりにネームバリューのある役者が揃っているが、何故か地井と高松のことは忘れていた。
織田あきらは「新幹線大爆破」(75年)で犯人役の一人を演じるなど、当時は勢いのあった若手俳優。江藤と同じくらいのイメージだったが当時29歳で、渡辺篤史と同い年だった。渡辺は「特捜最前線」、地井は前述の「太陽にほえろ」で後にレギュラーとなる。この中で一人異質なのは江幡高志だろう。悪役というか小悪党ならこの人という江幡の刑事役は珍しい。役名も見たまんまという感じの出目刑事。まあ、出目昌伸という映画監督もいるくらいなので、普通の苗字かというとそうでもなく、苗字研究サイトによれば国内に5世帯しかないらしい。
山城新伍は、当時「独占!男の時間」を皮切りに司会業にも乗り出していた頃である。映画ではやくざ役が多かった頃でもある。本作は大映テレビ、フジテレビの制作だが、大映出身なのは高松英郎だけである。リーダー役は高松だが、75年に3話放送された「七人の刑事」の特別編でも係長役は高松で、地井はメンバーの一人であった。
ウィキペディアによれば、所轄ではなく警視庁の捜査一課であるらしい。高松は「ガンさん」と呼ばれており、役職ははっきりしないが、まあ係長か主任、階級でいえば警部か警部補ということになると思う。江幡は「デメ長さん」、山城は「ネコ長さん」と呼ばれたらしいので、二人とも部長刑事ではないかと推測する。このパターンは「特別機動捜査隊」と一緒で、各班の部長刑事は一律に「長さん」なのだが、二人以上が登場すると関根部長刑事(伊沢一郎)なら「関長さん」、松木部長刑事(早川雄三)なら「松長さん」と呼び分けされていた。もっと古くは「事件記者」でもヤマチョウさん、ムラチョウさんといように呼ばれていたようだ。
ちなみに主役である星刑事は「ヒデ坊」と呼ばれていたようだ。業界でヒデ坊というと和田浩治(本名・愷夫=ひでお)のことを指すことが多い。
話がそれたが、第1話は当時見た記憶がある。初回で誰かが殉職するというパターンは割合あるような気がするのだが、本作でも山口崇(だったと思う)演じる先輩刑事が殉職したように記憶している。前後のシチュエーションなど忘れてしまっており、これといった資料もないので記憶だけで書いている。ゆえに間違っていることもあるけれども。

 

2019年回顧録 その2

年明け最初の更新である。連休で曜日感覚がわからなくなっており、通常更新より遅れてしまっている。
新年最初と言いながら、前回の続きである。2019年中に亡くなった人を振り返ってみたい。カッコ内の数字が亡くなった年齢である。
まずは、市原悦子(82)。若い頃からあまりイメージの変わらないタイプだったと思う。ちなみに本名は塩見悦子。あの志穂美悦子と同じ読みである。高島忠夫(88)は新東宝スターレット1期生。天知茂、松本朝夫、久保菜穂子らが同期であった。58年には東宝に移籍している。近年、重度のうつ病を発症したことは知られているが、70年代には糖尿病、アルコール依存症にもなっていた。うつ病が改善して芸能活動を再開したが、パーキンソン病を発症、さらに不整脈から心臓にペースメーカーを取り付けたりしているが、死因は老衰であった。弟・弘之の娘が高嶋ちさ子である。東映ニューフェーイス梅宮辰夫の同期だった高島新太郎は本名が高島弘之で、一時期本名で活動していたが別人である。
織本順吉(92)は、現代劇から時代劇までとにかく多くの作品に顔を出していた。深作欣二監督作品に最も多く出演した俳優だという。山本昌平(81)は、見るからに悪役といった風貌だが、実は浅草でコメディアンをしていたこともある。60年代は主にピンク映画に出演しており、一時期俳優を離れている。復帰したのは74年であり、そこから悪役人生がスタートしたのである。一方で、前述のようにコメディアン経験もあったせいか、バラエティー番組にも出演することが多かった。原口剛(80)は、風貌は二枚目だが悪役が多かった。しかし「冒険ファミリーここは惑星0番地」(79年)では、主役であるファミリーの父親を演じたこともあった。読みはずっと「たけし」だと勝手に思っていたのだが「ごう」が正解だったようだ。本名では「つよし」と読むらしい。
中山仁(77)。デビュー時は梶原仁だったが、まもなく本名(中山仁平)に近い中山仁となった。67年頃から映画でもテレビでも主演作が多くなったが、この人のイメージはやはり「サインはV」(69年)の牧コーチだろう。石田信之(68)と言えば、やはり「ミラーマン」(71年)である。数年前にがんであることを公表していたが力尽きた。
2019年もベテラン声優の訃報が相次いだ。白石冬美(82)、井上真樹夫(81)、中村正(89)、川久保潔(89)、有本欽隆(78)、藤本譲(83)、島香裕(70)などである。「巨人の星」では、明子姉ちゃん(白石)と花形(井上)は夫婦になった。中村は川上監督の役であった。
あくまでも個人的にだが、失礼ながら今年(19年)だったのかという人もいる。ケーシー高峰(85)、安部譲二(82)、田辺聖子(91)、竹村健一(89)などである。
新年早々だが、合掌。