華麗なる刑事
前々回の「刑事物語・星空に撃て」(76~77年)の後番組だったのが「華麗なる刑事」(77年)である。同じ枠で引き続きの刑事ドラマだが、制作は大映テレビから東宝に代わっている。
主演は草刈正雄(当時24歳)と田中邦衛(当時44歳)。実年齢と同じく設定でも20歳年齢差があるコンビものである。よく考えたら若大将(三代目)と青大将(初代)のコンビであり、有島一郎(初代若大将の父)も署長役で出演している。
草刈演じる髙村一平は新米と言ってもロス帰りという設定で結構何でもできるスーパー刑事。田中演じる南郷五郎は鹿児島から転属してきた中堅刑事で射撃の名手。田中邦衛本人は岐阜の出身である。老けているという表現は違うと思うが、ハーフとはいえ草刈正雄は当時から顔が完成されすぎており、そこまで若くは見えない。逆に現在(67歳)は、ずっと若く見えるけれども。
個人的には見たことのある番組ではあるが、しっかりとは見ていなかった。内容はもちろん二人以外のキャラもほぼ記憶にない。実質見ていなかったようなものである。というわけで、今回も情報や資料などから。
二人が勤務する南口署は都心の新宿や渋谷を管轄しているという設定。他のレギュラーだが、ヒロイン役の壇ふみ。少年課の婦警だが、その名も蒼井そらならぬ青井空だ。佐野浅夫(上条課長)は東大出のエリートという設定らしいが、佐野はエリートっぽくない。「刑事物語85」でのような万年ヒラ刑事の方が似合っている。新克利(田島刑事)は当時37歳、気さくな中堅刑事である。加納竜(真田刑事)は当時21歳。草刈よりも年下の新米刑事。資生堂MG5のCMキャラクターは二代目が草刈で、三代目が加納である(初代は団次郎)。沢たまき(園山部長刑事)は、署長も課長も一目置く存在。「プレイガール」のオネエだけあって当時40歳だが貫禄がある。他にも同僚はいるようで、安田憲史(林刑事)、萩原伸二(西沢刑事)、大塚悦子(婦警)、永田裕子(婦警)など。萩原伸二は「特別機動捜査隊」で矢崎班の岩本刑事役だった萩原信二と同一人物かどうかは不明。後者の登場は75年なので、同じ刑事役で同じ読みの名前なので同一人物の可能性は高い気がする。婦警役だった大塚悦子は今の草刈夫人である。10年近い交際を経て結婚したのは88年だそうだ。
セミレギュラーとしては、梶芽衣子(三杉刑事)…終盤に登場する城西署の女刑事である。梶の刑事役はありそうでほとんどなかったと思う。岸田森(神来署長)…南口署のライバル北口署の署長。上条課長と同期のライバルという設定だが、佐野と岸田では14歳もの年齢差があり、どう見ても同期には見えない。中井啓輔(瀬川刑事)、畠山麦(山口刑事)…北口署の刑事。前述の有島一郎(遠山署長)も登場回数は多くないようだ。
あと、草刈の歌うED「センチメンタル・シティ」が結構ヒットしている。このEDは自分も記憶に残っていた。全32回という微妙な話数だが、26回予定が若干延長されたのかもしれない。