お宝映画・番組私的見聞録 -58ページ目

いろはの”い”

70年代の新聞記者ドラマに「いろはの"い”」(76~77年)というのがある。
城西署記者クラブの4社8人の新聞記者たちの活躍を描く。かつての大ヒット作「事件記者」を彷彿させる設定となっている。
城西署と言えば渡哲也、石原裕次郎主演の「大都会シリーズ」で使用された署名だが、本作はその第1作「大都会 闘いの日々」の後番組であり、プロデューサー(企画)が同じ岡田晋吉である。そんなこともあり、前番組の「大都会」と同じような役柄で出演している役者もいる。
出演者だがメインとなる記者クラブの面々は東洋新聞が竹脇無我(神谷章)、金子信雄(神谷達吉)という親子記者コンビ。そういえば金子は名高達郎と「おやこ刑事」というのもやっていた。東洋新聞というのは「大都会」でも使用した新聞社名だ。竹脇の役名の神谷章は人気声優と同音(神谷明)だが、当時すでに活躍しており、第2次声優ブームと言われる時代でもあった。
中央新報は黒沢年男(本郷鍈次)の何故か一人だけ。役名は本を取ったら郷鍈次=郷鍈治になってしまう。タイムスは三人体制、キャップの藤岡琢也(鬼頭隆一)に寺尾聰(小泉明夫)、神田正輝、(奥田次郎)。寺尾と神田は前番組で裕次郎の部下の新聞記者だった。大都日報は森本レオ(菊池秀夫)、三景啓司(杉浦昭平)。三景啓司はこの中では一番若く(当時24歳)知名度も低いと思われるが、実は子役から活動しており、この時点で17~18年くらいのキャリアがあったのである。岡田晋吉ドラマでは「これが青春だ」(66年)にも白田和男名義で出演するなど(生徒役)、結構顔を出していた縁での出演であろう。80年代の半ばには引退してしまったようだが。
他に城西署の面々として高品格(大森部長刑事)、寺田農(野々村刑事)、片岡五郎(松本刑事)、柳生博(清水広報課長)、戸浦六宏(鑑識係長)がいる。その他にも津島恵子、中田喜子、ホーン・ユキ、井原千寿子、高城淳一などが出演していた。
岡田によれば、内容は良かったのに視聴率が振るわなかった原因として、そのタイトルにあるのではないかと語っている。確かに「いろはの“い”」ではなんのことだかわからない。これは通信において聞き間違いを防ぐための和文通話表の「い」を表しており、「朝日のあ」「桜のさ」「保険のほ」など決まった形があり、「ん」に関しては「おしまいの“ん”」となっている。まあOPで竹脇が「“え”じゃないよ。いろはの“い”」と言っているので何となくわかるが。また、この時代になると新聞記者は「昔と違って警視庁の発表をそのまま記事にするだけだ」と言われたらしい。既にドラマにしにくい時代になっていたようである。

 

特捜記者 → 特捜記者犯罪を追え

また記者ものに戻り、今回は「特捜記者」(74年)である。弱小雑誌「たうん」の編集部を舞台に、記者たちが事件の真相に迫っていくサスペンスドラマだ。「たうん」という雑誌名だと「東京Walker」的な雑誌を想像してしまうが、そうではなく「週刊文春」あるいは「週刊実話」的な雑誌のようである。
メンバーは編集長に芦田伸介(安川真之助)、記者に近藤正臣(夏木鋭一)、谷啓(谷口大介)、松山英太郎(丹錬太)、カメラマンに小野伸也(早瀬三郎)、紅一点のデスクに結城美栄子(杉江乃武子)という顔ぶれ。そのまま刑事ドラマのメンバーだといっても不思議ではない。その刑事役として睦五朗が登場するが、役名は「刑事」でしかないようだ。ほとんどの回に登場するようだが、苗字くらい与えても良さそうなものである。
本作における原作は佐野洋、三好徹、生島治郎、結城昌治、五木寛之といった作家の推理小説を用いている。脚本は全26話でありながら佐治乾、池田一朗など15名もが関わっている。ちなみに企画・制作協力は芦田プロダクションズとなっている。
裏番組は老舗の刑事ドラマ「特別機動捜査隊」。時期でいえば5番目の班である亀石征一郎率いる矢崎班が登場する頃である。「特捜記者」第8回放送時の老舗側のサブタイが「ある特捜記者」となっている。偶然なのか意識的なものなのかは不明である。
そうこうしているうちに「特捜記者」という番組タイトルは14話から「特捜記者犯罪を追え」に変更となっている。犯罪とかいて「ヤマ」と読む。普通こういう時はキャストに変更があったりするものだが、それは特になかったようである。地味にナレーターが穂積隆信から黒沢良に変わったくらいである。これによって視聴率に変化があったかどうか不明だが、予定通り?半年で終了したということは、「特別機動捜査隊」には叶わなかったということだろうか。
ゲストに目を向けると伊藤雄之助、池部良といった大物から始まり、珍しい所では坂本九の名がある。こういったドラマのゲストは意外と少ないのである。また谷啓つながりで桜井センリ、芦田つながりで佐藤英夫、天田俊明も出演している。
本作はCSで01年と05年に放送されたので、自分も見た記憶はあるのだが、内容から何からほぼ覚えていない。録画だけして見直さないことも多いので、本作もそのパターンのようである。

 

検事霧島三郎

「赤かぶ検事」はその本名(柊茂)を知っている人は少ないと思われるが、架空の検事で最も知られている名前と言えば「霧島三郎」ということになるののではないだろうか。高木彬光の原作によるシリーズで何度かドラマ化もされている。
その第1作である「検事霧島三郎」は69年に放送された1クールのドラマで、主演つまり霧島役は平幹二朗であった。その婚約者は弁護士の竜田恭子で大空真弓が演じている。その父(芦田伸介)も弁護士だが、彼に殺人容疑がかかり行方不明になる。無実を証明しようと霧島が奔走するというのが大まかなストーリーで、他の出演者が栗原小巻、龍崎一郎など。このドラマで分かっているのはこれだけである。
次のドラマ化はその十年後。横溝正史、森村誠一がブームとなり、それぞれ「横溝正史シリーズ」「森村誠一シリーズ」としてドラマ化されたが、それに続いたのが「高木彬光シリーズ」(79年)であった。ここで「検事霧島三郎」は3つの話を17回に渡って放送しているが、個人的には全く記憶にないというか見ていなかったようである。この後に放送された「白昼の死角」なら見ていたけれども。
さて、こちらで霧島を演じたのは竹脇無我で、婚約者の恭子は多岐川裕美が演じた。その第1部(全7回)は、前述のものと同じストーリーで、恭子の父(高橋昌也)に殺人容疑がかかるというものである。霧島は職責と愛情の板挟みとなり森検事正(三船敏郎)に辞職願いを出すが、逆に森は霧島を担当検事に任命する。本作は三船プロダクションが製作に関わっており、三船社長の登場となったようだ。他の出演者はあおい輝彦、岡江久美子、森本レオ、中島ゆたか、中尾彬などである。第2部は「炎の女」というサブタイトルが付いて全5回。ゲスト出演者は野際陽子、津川雅彦など。ある男(おそらく津川)が愛人(おそらく野際)と共謀して妻を殺害するが、その愛人が何者かに襲われ顔に大やけどを負うという話。第3部は「密告者」というサブタイで全5回。ゲスト出演者は小野寺昭、岸田森、松原智恵子、風吹ジュン、片桐夕子、観世栄夫など。職を失ったサラリーマンが権力によって殺人犯に仕立てられるというストーリー。そのサラリーマン役はおそらくだが小野寺昭だろう。
90年代になると「火曜サスペンス劇場」(94~99年)の枠で北大路欣也が霧島役を7回に渡って演じている。恭子役は黒田福美である。
ちなみに初代は映画版(64年)での宇津井健である。

 

赤かぶ検事奮戦記 その2

前回の続きである。「赤かぶ検事奮戦記Ⅱ」まで紹介したが、それから約10か月後の83年1月からスタートしたのが「赤かぶ検事奮戦記Ⅲ」である。全14回で、前作までの岐阜県高山市から山口県萩市に舞台は移っている。そこは原作に沿っているが、かなり設定が変えられているらしい。
主人公・柊茂のフランキー堺、その妻春子に春川ますみの二人は不動だが、赤かぶの新相棒となるのは笛吹事務官で演じるのは森田健作である。そう、森田は前作までの榊田警部補から役柄のみチェンジされての登場。役どころは赤かぶの相棒なので、前作まで見ていた人はまた榊田だと思ってみていた人もいたかもしれない。ちなみに原作での笛吹は萩署の警部補である。
娘の葉子役は和泉雅子にチェンジ。敵役である敏腕弁護士の泉憲正に荻島真一で、泉と葉子は結婚しており、子供もいるという設定になっている。他のレギュラーでは裁判長役はⅡと同じ永田光男で、松崎刑事役に田中弘史が扮している。田中弘史も田中浩もタナカヒロシで、年齢も1歳違いでどちらも悪役だが、田中浩の方が強そうだ。いずれにしろ田中弘史の刑事役は珍しい。
Ⅲから役二年半を経て再開したのが「赤かぶ検事奮戦記Ⅳ」(85~86年)である。今回は全10回と短めだ。今回はドラマオリジナルで舞台は静岡県浜松市へ。娘の葉子役は星野知子にチェンジしており、再び独身に戻っている。離婚とかではなく、Ⅲでの既婚子持ちという設定はなかったことにされたようだ。その葉子が所属する浜松弁護士会を束ねるのが大久保弁護士で、内田朝雄が演じている。内田朝雄だと悪徳弁護士にしか見えないのがご愛敬だが。
赤かぶの相棒だが、今回は森田健作ではなく、小倉一郎(本多事務官)と竹内力(水野刑事)である。竹内力は当時22歳の若手俳優であり、勿論Vシネマの帝王になる前である。

他のレギュラーだが、田中弘史(西尾捜査課長)、芝本正(大島事務長)、須永克彦(鷲津署長)、溝田繁(裁判長)などである。田中が別役だが捜査課長に昇進。芝本、須永、溝田はすぐに顔は思い浮かばないが、「必殺シリーズ」等時代劇ではよく見る名前である。
以下は90年代になってからも「火曜ミステリー劇場」枠でのスペシャル3本、「赤かぶ検事の逆転法廷」(92年)へと続いていき、フランキーの赤かぶ検事は終了するのであった。

 

赤かぶ検事奮戦記

検事ドラマと聞かれて、まず思い浮かびそうなのが「赤かぶ検事奮戦記」(80~92年)ではないだろうか。とはいうものの個人的には見事にスルーしてきたドラマなので、主演がフランキー堺で、何シリーズか存在しているということぐらいしか知らないという具合なのである。
改めて調べたところ 、フランキー堺主演でのシリーズは6シリーズ存在しているようだ。その後も橋爪功、中村梅雀と主演を変え、続いているようだ。いずれも見事なまでにスルーしているのだが、もちろん頑なに見ないと決めていたわけではない。個人的に興味を惹かれる機会がなかっただけである。今回はフランキー堺主演のシリーズを対象に取り上げて見たい。
全シリーズを通じて固定されているキャストはフランキー堺(柊茂)と妻役の春川ますみ(柊春子)だけである。娘の葉子は弁護士で、親子での法廷対決が見どころの一つであるが、葉子役はシリーズごとに違う女優が演じている。二人以外は同一キャラでもシリーズごとに違う役者が演じているのが特徴でもある。
80年の第一シリーズは全5回というショートシリーズ。娘・葉子役は倍賞千恵子で、赤かぶの相棒となる榊田警部補に森田健作、敵役と言える法眼正法弁護士に沖雅也というキャスティング。他のレギュラーとして山本紀彦(岡田警部)、久保にしき(吉沢事務官)、江見俊太郎(裁判長)など。ちなみに久保にしきは今出川西紀のこと。
和久峻三の原作どおり舞台は岐阜県高山市。プロデューサーは山内久司、制作は朝日放送、松竹というのは「必殺シリーズ」と同じである。沖雅也や今出川西紀はそのラインからの起用であろう。
そこから丸一年を経て第二シリーズ(81~82年)がスタートする。今回は全13話である。フランキー、春川、森田は引き続きの登場だが、葉子役は片平なぎさに、法眼弁護士は勝野洋にチェンジ。他のレギュラーも早崎文司(岡田警部)、永田光男(裁判長)、美鷹健児(吉沢事務官)となっている。早崎文司は「3年B組金八先生」の野村教頭役で知られるようになった役者だ。永田光男は専ら時代劇の悪役、美鷹健児は顔を特定するのは難しいが、「必殺シリーズ」等時代劇ではよく見る名前だと思う。大雑把に言えば斬られ役の人である。にしても吉沢事務官は前作の女性(久保にしき)から男性へとチェンジ。その久保は今回、今出川西紀に名前を戻してゲストで出演している。また、ストーリーには直接関係ないだろうが、赤かぶの通う喫茶店のウエイトレス役で桂木文がレギュラー出演している。
ゲストに目を向けると志賀勝、江幡高志、高峰圭二、剣持伴紀、大竹修造、出水憲司など「必殺シリーズ」でよく殺されていた面々が出演している。

 

捜査検事

ここ数回は「ザ・ガードマン」以降のTBS系金曜21時枠について辿っていたが、今回はその逆でその前番組である「捜査検事」(64~65年)について触れてみたい。ちなみに、一度も見たことはない。ネット上にもこのドラマについて触れているサイトが見当たらない。唯一の資料が85年発売の雑誌「テレビジョンドラマ」の「大映テレビドラマの世界①」だけである。そこでも1ページ取り上げているだけなのだが。
検事と言えば、弁護士ドラマでは敵役だったりする。ドラマとしても多分、弁護士が主人公のドラマの方が作りやすいと思うので検事ドラマというのは弁護士ドラマに比べれば数は少ないはずである。特にこの60年代あたりだと刑事よりも冷酷な感じ、というイメージで捉えられていたようだ。時事ネタになるが、最近検事といえば一騒動あったりしたが、普段はそれほど注目している存在ではないような気がする。
原作は高木彬光の小説で、検事は捜査に関して司法警察職員と協力し、必要と認められるときは自ら捜査することができる、という点を大いに生かしたドラマだったようだ。出演者だが、まず大映の若手スター三人。藤巻潤(本多明検事)、藤由紀子(野村知子検事)、本郷功次郎(石黒亮二検事)で、先輩のエリート検事に小林勝彦(中井三郎検事)、ベテラン検事に根上淳(近松幸太郎検事)、彼らの上司である北沢彪(河合副部長検事)というのがレギュラー陣である。
北沢以外は当時はまだ大映の映画スターというイメージの顔ぶれが揃っている。
藤巻潤はこのまま「ザ・ガードマン」にスライド出演し人気を得るが、本郷功次郎は大映倒産後はあまり見かけなくなったイメージがある。「特捜最前線」で息を吹き返したという感じだ。
何と言っても藤由紀子。田宮二郎のカミさんとして有名かもしれない。当時22歳だが、実はこの番組が終了した直後の65年5月に田宮と結婚し、引退したため本作が最後のドラマ出演だったと思われる。テレビドラマ出演自体が少ないので貴重な一作といえるかもしれない。61年、18歳で松竹に入社したがテレビドラマの出演を巡って会社と対立したことから1年で松竹を退社し、数か月後に大映から再デビューしたという経歴がある。
小林勝彦は当時28歳。藤巻、本郷同様大映ニューフェイス出身だが、準主役といった感じのポジションが多かった。大映倒産後は多くのドラマで主に悪役として活躍したが、個人的にはパッと顔が思い浮かばない役者の一人である。何故と問われても困るのだけれども。根上淳は50年代初頭から君臨した大映スター。この65年にペギー葉山と結婚している。北沢彪はピンと来ない人も多いかもしれないが、戦前に東宝の前身であるPCLに入社。戦後、北沢が主宰した「やまびこ会」から発展したのが「テアトル・エコー」である。朝の連続テレビ小説第1作である「娘と私」(61~62年)の主演が北沢だったりする。彪(ひょう)は芸名だが(本名・菅野義雄)、意外と聞かない名前だと思う。

 

燃える兄弟

「シークレット部隊」(72年)の後番組になるのは「燃える兄弟」(72~73年)である。
引き続き主演は宇津井健で役名は大和孝といい、前作から大和の名を引き継いでいる。父親である松村達雄演じる善作はベテラン刑事であり、孝も刑事で警部の職に就いている。孝の弟は若林豪演じる勝と、河原崎次郎演じる明だ。大和家は父と男三兄弟の四人暮らしだった。
ある日、父・善作が死体となって発見される。殺人事件と断定されるが捜査は進展せず事件は迷宮入りとなる。孝は警察を退職し、自らの手で真犯人を捕まえようと決意し調査機関「ヤマトリサーチ」を設立し、犯罪に立ち向かっていくのであった。勝は孝に協力して調査にあたるが、明は「仇討ちなど古い」と協力を拒む。調査を進めるうちに父はどうやら汚職事件の秘密を知ったため、その組織に消されたのだということが分かってきた。孝と勝がピンチに陥った時、彼らを救ったのは明であった。明は口では否定していても黙って見ていることが出来なかったのである。こうして三兄弟は力を合わせその組織に立ち向かっていくのである。というのが大まかなストーリーであり、ジャンルで言えばサスペンスであり、探偵ものということになるのだろうか。
若林豪は当時33歳。既に「ゴールドアイ」や「ターゲットメン」といったアクションドラマに出演経験があった。宇津井とは恐らくこれが初共演だったと思われる。河原崎次郎は当時31歳。俳優座花の15期生の一人である。彼も宇津井とはこれが初共演だったと思われる。兄は河原崎長一郎で弟は河原崎建三。この二人よりは地味目な存在に映る。ちなみに、建三は本名だが、長一郎は統一、次郎は労作というのが本名である。
他のレギュラーだが、「ヤマトリサーチ」の事務員となるのが香山美子(松本愛子)。未亡人という設定で、孝に気を寄せている。ヤマトリサーチに出入りする若者が三浦友和。役名は実相寺念蔵といい、彼も「シークレット部隊」での役名である念蔵を引き継いでいる。元は大泥棒という過去を持つスナックマスターに中条静夫(中村晴男)。宇津井以外の「ガードマン」メンバーがいないのかと思いきや中条がいた。他のメンバーはゲスト出演もないようである。善作に恩があり、大和兄弟にも協力する。そのスナックで働くのが当時17歳の西真澄(古荘悦子)である。「時間ですよ」の二代目お手伝いさん役でデビューしている娘だ。ちなみに初代は川口晶、三代目は浅田美代子である。
このドラマも再放送などには恵まれず、忘れている人も多いと思われる。自分も当時はほぼ見ていないはずである。近年CSで放送されたのは1話のみ(だったと思う)なので、結末とかは全然知らないのである。

 

シークレット部隊 その2

「シークレット部隊」(72年)の続きである。OPナレーターはいつもの?芥川隆行ではなく若山弦蔵だった。「大都会は犯罪のジャングル」という若山の声の後に「俺たちは闘うぞー!」というメンバーの声。以下、掛け合いが続く。「どこから来た?」「それは言えない」、「どこへ行く?」「それも言えない」、「お前たちが死んでも?」「誰も…泣かない」といった具合。ちょっと滑稽な感じもしたのだが、制作者もそう感じたのかどうかは不明だが、1クールくらいでこの掛け合いナレーションはなくなってしまい音楽だけになっている。
初回のゲストを見ても気合が入っていたのはわかる。有島一郎、岡田真澄、ジュディ・オング、井上孝雄、中尾彬、岸部シロー、そして川口厚の次兄である川口恒(兄弟の絡みはなし)、加えて萩本欽一という顔ぶれ。岡田、ジュディ、井上が悪役だが、萩本はその手下。コメディリーフとかではなくふつうに悪役なのである。おそらく欽ちゃん唯一の悪役だと思われる。正直、怖さは全く感じないのだけれども。そういえば、ジュディの悪女役もあまり見かけない気がする。
制作が大映テレビになり、各映画会社も倒産や専属制の廃止などで「ガードマン」には出演していないゲストも多数出演している。佐藤允、黒沢年男、浜田光夫、川地民夫、森次浩司、園井啓介、峰岸徹などである(全350回をくまなくチェックしたわけではないので出演していたかもしれない)。この中で峰岸徹(当時は隆之介)は大映の役者であったが「ガードマン」には出演していないようだ。
力が入っており、若いキャストを揃えたのは番組の長期化を狙ってのことではと思えるのだが、視聴率は芳しくなかったようで、半年で番組は終了することになった。
宇津井健はこの後も、この時間帯(金曜21時)の顔でい続け、新人だった三浦友和もスター俳優へとなっていく。本作では扱いの低かった津川雅彦も大御所といわれるような俳優になって行く。その中で川口厚はこの後、「アイフル大作戦」「バーディ大作戦」と長期レギュラーが続き順調かのようにおもえたが、76年頃には裏方へと転じており、78年には三浦友和が所属するプロダクションのマネージャーに就いている。三浦友和とは同い年ということもあり、かなり親しかったようである。しかし、この年大麻及び麻薬取締法違反で兄の恒、姉の晶と共に逮捕されてしまう。逮捕された時の厚の肩書は三浦友和のマネージャーと報じられた。恒は執行猶予の判決を受け芸能界を引退した。晶は不起訴となったが、数年後に彼女も表舞台から退いた。厚は逮捕→引退ではなく、既に俳優には見切りをつけていた状態だったのである。
350回に及んだ「ザ・ガードマン」の後継番組だけに26回では失敗臭がしてしまう。そのせいか、なぜかカルトな雰囲気を感じてしまったりするのである。 

 

シークレット部隊

「ザ・ガードマン」(65~71年)終了から三カ月、「24時間の男」を挟んで、満を持して始まった後継番組が「シークレット部隊」(72年)であった。
主演はもちろん宇津井健で、レギュラーに藤巻潤、中条静夫、セミレギュラーに神山繁、稲葉義男、倉石功というように川津祐介以外のガードマンメンバーが顔を揃えている。今回の職業はチェックマン。間単に言えば、ブレインリサーチ社に所属する保険調査員である。保険調査員といえば当時人気のあった「プレイガール」が思い浮かぶが、それの男性版ということになるのかもしれない。
チェックマンの大和キャプテンが宇津井健で、リーダー格の関に藤巻潤。以下、目黒祐樹(秋田)、津川雅彦(赤城)、大門正明(東)、川口厚(三吉)、そして見習チェックマンに三浦友和(念蔵)というメンバー構成。他に経理マンとして中条静夫(飛田)、同社社長が北村和夫である。
宇津井は40歳、藤巻も36歳となりアクション主体のドラマであることから若手主体となっている。津川は32歳だが他は20代である。津川はこういったアクションドラマのレギュラーというのは初めてだったと思われる。「ザ・ガードマン」末期にゲスト出演が多かったことからの流れでの起用であろうか。目黒祐樹は当時25歳だが、もっと上に見える。映画にしろテレビにしろ大映系の作品は本作が初かもしれない。EDから本作では津川より扱いが上のようである。
大門正明は当時23歳。71年の大映映画「遊び」で関根恵子の相手役として映画デビュー。ドラマレギュラーは本作が初である。川口厚は当時20歳。川口4兄弟の末っ子である。子供っぽい見た目で兄(浩、恒)や姉(晶)とは似ていない。最も兄弟全員似ていないと思うが。本作での役名は「みよし」であり「さんきち」が愛称のようなものである。これがデビュー作となる三浦友和も当時20歳.役名の念蔵は下の名であろう。フルネームは不明だが、次番組の「燃える兄弟」では実相寺念蔵という役名である。そういえば、津川雅彦も目黒祐樹も川口厚も芸能一家の生まれである。
中条静夫は当時46歳。「ガードマン」では40代にして、アクションもそれなりに頑張っていたが、今回は経理マンということで基本的には現場に出ないと思いきや、何度か普通に現場に出ていたりもした。北村和夫は「社長」であるが、特に名前は設定されていなかったようだ。
神山繁は黛という新聞記者の役だがほとんど出番はない。稲葉義男(藤井部長刑事)と倉石功(叶刑事)は宇津井演じる大和の元同僚。初回には稲葉の「元警視庁警部の大和キャプテン」という親切な説明セリフがあったりする。彼らもそれほど出番は多くない。5~6回であろうか。
長くなってきたので次回に続く。

 

24時間の男

「ザ・ガードマン」(65~71年)の後番組は「シークレット部隊」(72年)だと思っている人も多いかもしれない。実際自分も長い間そう思っていたのだが、実は間に「24時間の男」(72年)という番組が挟まっているのだ。「ザ・ガードマン」の終了は制作していた大映の倒産という事情もあった。その倒産直前の71年10月に大映テレビ株式会社を発足させ、独立した会社としてスタートさせている。「ザ・ガードマン」までは大映テレビ室(大映のテレビ部門)制作となっていたのが、この「24時間の男」からは大映テレビの制作となっているのだ。
主演は緒形拳、長門勇だ。緒形が演じるのは東和日報社会部の事件記者である北見次郎。長門は城西署のベテラン刑事である吉田哲夫を演じる。記者と刑事という関係だが二人は仲が良く、信頼関係で結ばれている。物語は網走支局に左遷されていた北見が東京本社に戻ってきたところから始まる。
OPで紹介されるのは他に吉田の娘で婦警でもある亜紀子(岡田由紀子)、婦人部記者である秋川京子(大原麗子)、そして北見の上司である沢木社会部部長(山村聰)の五人である。オカダユキコというと、どうしても自殺したアイドル歌手の岡田有希子を思い浮かべる人も多いと思うが、同名異字の岡田由紀子である。詳しいプロフィールは不明だが、恐らく子役として60年代から70年代中頃まではドラマを中心に活躍していた女優だ。「木枯し紋次郎」では、犯された上に射殺されるという悲惨な娘を演じていたが、本作では明るいキャラだ。結構長いこと活動していたわりには検索してもヒットするのは岡田有希子ばかりで、彼女については謎の部分が多い。
他にもレギュラーと思われるのは刑事課長(田島義文)、新田刑事(前田吟)、村山デスク(山波宏)、役名は不明だがカメラマン?の岡本信人がおり、長門の息子役である千々岩靖弘と五人合わせてクレジットされている。田島義文といえば新聞社(雑誌社)のデスク役のイメージが強いが本作では刑事役だ。レギュラーと思われると書いたのは本作に関してはネット上に情報がなかったりする。以前、CSで第1話のみ放送されているが、2話以降についてはわからないのである。予告も流れ2話のゲストが宍戸錠であることだけはわかったけれども。また、昭和に出た雑誌「月刊テレビジョンドラマ」によれば、長門の後輩・神山刑事役として近藤正臣がレギュラー出演するらしいが1話の時点では出演していない。
第1話のメインゲストは天知茂だが、他にも宮口二郎、北真知史朗(北町嘉朗)、弓恵子といったアマチプロゼの役者たちもセット出演。山村聰と合わせて「非情のライセンス」かと思ってしまうような顔ぶれであった。ちなみに「非情のライセンス」は翌73年のスタートだ。
本作は1クールということもあってか、語られることはほとんどない。「ガードマン」に比べれば地味で視聴率も芳しくなかったと思われる。前述のようにウィキペディア項目にもないので忘れられた番組の一つと言えるかもしれない。緒形と山村はこの後「必殺仕掛人」(72~73年)に出演することになる。