特捜記者 → 特捜記者犯罪を追え
また記者ものに戻り、今回は「特捜記者」(74年)である。弱小雑誌「たうん」の編集部を舞台に、記者たちが事件の真相に迫っていくサスペンスドラマだ。「たうん」という雑誌名だと「東京Walker」的な雑誌を想像してしまうが、そうではなく「週刊文春」あるいは「週刊実話」的な雑誌のようである。
メンバーは編集長に芦田伸介(安川真之助)、記者に近藤正臣(夏木鋭一)、谷啓(谷口大介)、松山英太郎(丹錬太)、カメラマンに小野伸也(早瀬三郎)、紅一点のデスクに結城美栄子(杉江乃武子)という顔ぶれ。そのまま刑事ドラマのメンバーだといっても不思議ではない。その刑事役として睦五朗が登場するが、役名は「刑事」でしかないようだ。ほとんどの回に登場するようだが、苗字くらい与えても良さそうなものである。
本作における原作は佐野洋、三好徹、生島治郎、結城昌治、五木寛之といった作家の推理小説を用いている。脚本は全26話でありながら佐治乾、池田一朗など15名もが関わっている。ちなみに企画・制作協力は芦田プロダクションズとなっている。
裏番組は老舗の刑事ドラマ「特別機動捜査隊」。時期でいえば5番目の班である亀石征一郎率いる矢崎班が登場する頃である。「特捜記者」第8回放送時の老舗側のサブタイが「ある特捜記者」となっている。偶然なのか意識的なものなのかは不明である。
そうこうしているうちに「特捜記者」という番組タイトルは14話から「特捜記者犯罪を追え」に変更となっている。犯罪とかいて「ヤマ」と読む。普通こういう時はキャストに変更があったりするものだが、それは特になかったようである。地味にナレーターが穂積隆信から黒沢良に変わったくらいである。これによって視聴率に変化があったかどうか不明だが、予定通り?半年で終了したということは、「特別機動捜査隊」には叶わなかったということだろうか。
ゲストに目を向けると伊藤雄之助、池部良といった大物から始まり、珍しい所では坂本九の名がある。こういったドラマのゲストは意外と少ないのである。また谷啓つながりで桜井センリ、芦田つながりで佐藤英夫、天田俊明も出演している。
本作はCSで01年と05年に放送されたので、自分も見た記憶はあるのだが、内容から何からほぼ覚えていない。録画だけして見直さないことも多いので、本作もそのパターンのようである。