お宝映画・番組私的見聞録 -56ページ目

特別機動捜査隊(71年)

引き続き「特別機動捜査隊」だが、71年に突入する。相変わらず三班体制である。1月~4月にかけては新メンバーは登場していない。
整理の意味で出演者を並べると波島進(立石主任)、中山昭二(藤島主任)、青木義朗(三船主任)の三主任を始め、伊沢一郎(関根部長刑事)、南川直(橘部長刑事)、岩上瑛(荒牧刑事)、轟謙二(桃井刑事)、滝川潤(岩井田刑事)、伊達正三郎(笠原刑事)、北原隆(森田刑事)、巽秀太郎(内藤刑事)、高島新太郎(山崎刑事)、吉田豊明(石原刑事)、山口暁(山口刑事)、宗方勝巳(畑野刑事)である。この時期は主任共演はなく、誰がどの班と固定されず、基本は六人体制となっていた。
異色だったのは三船班エピソードで、486話は三船、関根の二人だけ。491話はその二人プラス山崎の三人だけ。山崎の三船班出演はこれが初だったのだが、この一時期だけ妙に目立っていた。演じていた高島新太郎はデビュー当時は勝新太郎に容姿が似ていると言われており、芸名もそれに肖っていたと思われる。しかし、後に英志郎→弘行と改名し、そして再び新太郎に戻していた。勝新と違って痩せていたのだが、この頃は太ってきており、体形まで勝新に似せるのかなと思ってしまった。
さて、番組の方はこれからは青木の三船主任を中心にしていく方針が固まっていたが、功労者である波島を降ろす気はなかったようである。しかし難色を示した波島が自ら降板を決めたという話が一般的だ。実際のところは、以前より波島は会社経営を行っており、番組の方針転換を機に降板を決めたという話もある。中山もそれに続くことにしたのかもしれない。
こうして500話を目前にした497話が藤島班最終話、498話が立石班最終話と決まった。ちなみに最終メンバーだが、497話が藤島、橘、笠原、桃井、森田、内藤で、498話が立石、橘、荒牧、桃井、森田、香取だった。出演最終話だからと言って特に何かあるわけではなく、ごく普通のエピソードであった。見ている方は、まさかこれで立石、藤島両主任の最終エピソードだとは思っていなかったのではと思われる。ちなみに、綾川香(香取刑事)は約1年ぶりの出演だったのだが、それがこの回だったのである。
降板は両主任だけではなかった。第1話から出演してきた橘、桃井を始め、荒牧、内藤といった古参メンバーも降板している。そして山口、499話には出演している山崎も500話以降の出演はなかった。
記念の500話だが、残留メンバーである三船、関根、笠原、畑野、岩井田、石原という布陣。この回で最後となったのが二代目係長の鈴木志郎(西本係長)である。61~62年からのレギュラーはみんな降板したので、45話から登場した(らしい)彼もということになったのかもしれない。もっともこれ以降、鈴木志郎はたまに市井の人として顔を出したりするのである。
本作降板後の波島進はそのまま俳優業を引退。以前から行っていた事業に専念したようである。

 

特別機動捜査隊(69~70年)

「特別機動捜査隊」が69年に突入。前回書いたように立石、藤島の両班がほぼ交互に登場するようになった。しばらく大きな変化はなかったが、390話を過ぎたあたりから立石班六番目の男であった松原光二(松山刑事)が出番が極端に少なくなったと思いきや、やがて姿を消してしまう。これは、以前ここでも取り上げた「プロフェッショナル」というアクションドラマ出演のためだと思われる。主演扱いだったので、そっちを選ぶのは当然だったかもしれないが、半年足らずで終了してしまい、結果的には裏目に出たということになるかもしれない。
それに伴い、主に北原隆(森田刑事)が立石班としての出演が多くなったが、他メンバーもシャッフル状態になり明確な区分けが無くなって行った。
また、この時期には石山克己(石山刑事)、住吉正博(住吉刑事)、石山雄大(神谷刑事)らが新顔として登場しているが、いずれも1~2回のみ出演であった。事情はわかるはずもないが、新レギュラーとして定着させる気はなかったようである。
大きな出来事といえば、何と言っても満八周年記念として放送された413話。青木義朗(三船主任)の登場である。この回は波島進(立石主任)、中山昭二(藤島主任)も登場し、唯一三人の主任が顔を揃えたエピソードでもある。三船班として出動したのは南川直(橘部長刑事)、綾川香(香取刑事)、北原隆、滝川潤(岩井田刑事)の既存メンバー、そしてやはり初登場の吉田豊明(石原刑事)である。番組後期の顔となる三船、石原は同じ回からの登場だった。吉田豊明は第10期東映ニューフェイスで、同期は小林稔侍、池田駿介。しかし、それ以前には大阪テレビ放送の「赤胴鈴之助」(57~58年)で、主役の鈴之助を演じていたのである。ただ関西圏でのスタジオ生ドラマなため、映像は残っていないと思われ、見ていた人も限られるだろう。

立石、藤島は部下に対しても紳士だったが青木義朗演じる三船主任は、一切甘い顔をしない鬼主任だった。実は次の三船主任の登場は三カ月後となり、その間に宗方勝巳演じる畑野刑事が登場している。
その三船の二度目の登場が70年の年明け一発目だった。70年代は三船主任中心で行こうというメッセージのようなものかもしれないが、相変わらず出番は少なく1月半に一度というペースでの登場であった。メンバーも伊沢一郎(関根部長刑事)は、藤島班との兼任スタイルでほぼ固定となったが、畑野や石原はこの時点では三船班に定着はしておらず、岩井田や笠原あたりが多かった。新メンバーとしては山口暁演じる山口刑事が登場。初登場は三船班だったが、三班全てに登場している。この時は約一年で姿を消したが75年になって神谷刑事として再登場することになる。
474話になって姿を消していた松原光二が再登場。古巣の立石班ではなく藤島班での出演だったが、完全復帰とはいかず二度だけの登場にとどまっている。
三班体制となった70年だったが、まだ中心は立石班と藤島班で、三船主任の登場は9回にとどまっている。

 

特別機動捜査隊(67~68年)

引き続き「特別機動捜査隊」(61~77年)である。同じネタが続くと見ている方は飽きるかもしれないが、書く方はラクなのである。
67年に突入すると、カラー放送が始まった。この年の出来事といえば、まず293話に番組スタートメンバーであった巽秀太郎(内藤刑事)が突然に復帰する。 82話以来の登場となるが、同じ役名で登場したのはこの番組では異例かもしれない。しかし、多少太ってしまったせいか「ナショナルキッド」をやっていた二枚目ヒーロー感は消えていた。ちなみに、立石班ではなく藤島班での復帰であった。
その藤島主任役の中山昭二だが、「ウルトラセブン」(67~68年)でキリヤマ隊長をやることになり、こちらに顔を出せなくなったため、捜査二係の係長に就任したという形がとられた(たまに出演はしている)。この時期は藤島班が無くなったことになり、菅沼正(南川部長刑事)は姿を見せなくなる。同時期に伊達正三郎(笠原刑事)も「ジャイアントロボ」で東局長を演じることになり、しばらく姿を消すことになる。蛇足だが、「ウルトラセブン」でマナベ参謀を演じた宮川洋一が変わりに?田宮刑事役で二回のみ出演している。また、北原隆(森田刑事)は、「セブン」にシャプレー星人の役で出演している。
68年に入り335話に三人の新刑事が登場。伊沢一郎(関根部長刑事)、綾川香(香取刑事)、生井健夫(佐久間刑事)で、珍しく劇中でテロップ入りで紹介された。この三人に轟謙二(桃井刑事)、巽秀太郎、そして波島進(立石主任)で立石班Aとすれば、立石班Bは波島、南川直(橘部長刑事)、岩上瑛(荒牧刑事)、滝川潤(岩井田刑事)、松原光二(松山刑事)、北原隆となり、波島はフル出演だがこの二班が交互に出演するようになる。森山周一郎の大村刑事は姿を消すことになったが、森山自体はほぼラストまで色々な役(主に悪役)で出演するようになる。
伊沢一郎は1912年生まれで、ずんぐりした小柄なおじさんに見えるが、戦前は主役も演じたスターであった。当時既に56歳で文句なしにレギュラー陣最年長だが、番組ラストまで出演し続けることになる。綾川香は字面だけ見れば、女性を連想させるが普通に男である(カオリではなくコウと読む)。香川県綾歌郡の出身なので、こういう芸名なのだろう。NHK「事件記者」の浅野記者役で知られていた。芸名は後に綾川志剛という男っぽいものに変更している。生井健夫は1930年生まれ。「戦友」(63年)という東映のドラマでは主役の軍曹を演じていた。「戦友」には伊沢や伊達も出演していた。特捜隊は半年ほどの出演であったが、数年後に一度だけ同じ佐久間刑事役で出演している。
364話になって中山昭二が特捜隊主任に復帰。藤島班が何事もなかったかのように再スタート。立石班は以前の六人体制(立石、橘、荒牧、桃井、岩井田、松山)に戻り、藤島班は藤島、関根が固定で残る四枠を森田、内藤、香取、復帰した笠原、山崎で争うようになった。山崎刑事役の高島英志郎は高島弘行に改名。この時期は二つの班がほぼ交互に登板するようになっている。

 

特別機動捜査隊(65~66年)

「特別機動捜査隊」が65年に突入。さほど大きな動きのなかった年ではあるが、新キャラとしては181話の藤島班回に柴田秀勝(小杉刑事)が登場。小杉という役名は三島耕であったが、何故か佐伯刑事に変更になっていた。柴田秀勝といえば、声優のイメージが強いと思うが本格的に声優を始めたのは69年になってからで、その際に青二プロの設立に参加している。この回は森山周一郎(大村刑事)も出演しており、渋い声の共演が見られた。この小杉刑事の出番は190話との二回だけで、その190話には木川哲也が約1年ぶりに登場。役名は久保田刑事から佐野刑事に変更になっていた。
東映チャンネルでの放送だが、この辺はまだ欠番回も多くわからない部分も多いのだが、資料どうりであれば65年に藤島班は8回しか登場していない。あくまでも立石班の五人(波島進、南川直、岩上瑛、轟謙二、滝川潤)が中心というスタンスだが、見ている方としては藤島班の登場を望むようになってしまった。放送上は三島耕3回、木川哲也3回、柴田秀勝2回、亀石征一郎2回の登場だが、前回触れたとおり亀石は+2回、そして高津住男も2回特捜隊刑事として登場した(らしい)。
206~207話は両班合同の前後編であったが、藤島班のメンバーは中山昭二(藤島)、菅沼正(南川)、森山周一郎(大村)、伊達正三郎(笠原)、北原隆(森田)というお馴染みのメンバー。後編のゲストは千葉真一で正体不明の容疑者の一人であったが「俳優の千葉真一です」という本人の役であった。
66年に入り大きな動きがあった。立石班6番目の男・松原光二(松山刑事)の登場である。松原は新東宝末期の主演俳優だが、新東宝倒産によりスターになりきれなかった。しかし、地味メン揃いの立石班においては一気に目立つ存在となった。ただ、正確な初登場回は不明である。239話~248話が欠番となり249話の時には既にいたのである。まあ資料では239話に松原光二の名もあるので、そこから登場した可能性が高い。別役で出て、数話後にレギュラー入りというパターンもあるけれども。
一方の藤島班だが、実は213~237話までは欠番となっており、66年分の前半はほぼ未放送なので出演メンバーは不明であある。こちらの第6の男となるのは高島英志郎(山崎刑事)である。第5期東映ニューフェイスで梅宮辰夫、滝川潤、小嶋一郎などは同期になる。「風雲黒潮丸」(61~62年)では主役に抜擢されており、この66年当時も「アタック拳」というコメディアクションドラマの主演をやっていた。相方はこっちでも同僚の伊達正三郎だ。ちなみに高島は新太郎→英志郎→弘行→新太郎と何度も芸名を変えている。
また、この時期は立石班の回でも藤島班メンバーが数人応援で登場したり、両班のメンバーをシャッフルしたような回もあった。たとえば261話は中山、南川、轟、滝川、北原、高島で、262話は波島、菅沼、岩上、伊達、北原、松原という編成になっていた。まあ、すぐに元に戻ってしまうのだけれども。

 

特別機動捜査隊(63~64年)

前回の引き続き「特別機動捜査隊」(61~77年)である。放送開始から2年が過ぎた63年末の事件といえば、中山昭二演じる藤島主任の登場である。その初登場は112話(+115話)だったらしいが、前回も書いたとおり2~117話は放送されず、その詳細は不明だったのだが、当時の新聞などを使って調べた人がおり、出演者から次のように判断している。
中山昭二(藤島主任)、南川直、轟謙二、滝川潤、伊達正三郎(笠原刑事)となっている。波島進のスケジュール都合による代役だったようなので、中山だけかもと思っていたが伊達正三郎もという、新東宝コンビの登場はこの回からだったようである。
また、その前後の回である111話、113話の立石班メンバーにも変化があったようで、出演マンバーは波島進、岩上瑛、菅沼正(南川部長刑事)、高津住男(松井刑事)、亀石征一郎(久保田刑事)となっていたようだ。高津住男は資料に名前が挙がっていたが、東映チャンネルでの放送では登場せず、欠番回での出演が考えられていたが、やはりそうだったようだ。菅沼正はこの後、藤島班の部長刑事として長く活躍するが、初登場は意外にも立石班だったようである。亀石征一郎はこの次の登場が1年以上先になっており、役名を久保田刑事としたが、別の名前だった可能性もある。それから約10年を経て矢崎主任として登場したのは周知のとおりだ。
この後、半年間はいつもの五人体制(立石、橘、荒牧、桃井、岩井田)に戻り、たまに小嶋一郎の村上刑事が加わる以外に変化はなかったので、この時点では二班体制にするつもりはなかったようである。
そして141話になって、藤島班が再登場。メンバーは中山昭二、菅沼正、伊達正三郎、三島耕(小杉刑事)、木川哲也(久保田刑事)であった。菅沼正は詳しいプロフィールは不明だが、中山の映画デビュー作「アナタハン」で共演している。三島耕は1期しかない太泉映画ニューフェイス出身なので、年齢は三島が若いが波島進、南川直は同期ということになる。三島は短期間に太泉(東映)を皮切りに、松竹、日活、東宝とわたり歩いており、この時点ではフリーだったようだ。木川哲也は第4期東映ニューフェイスだが、同期に山城新伍、室田日出男、曽根晴美、水木襄などがおり、彼らに比べれば影がうすい。彼の役名が久保田なので、前述の亀石征一郎は違うかもしれないとしたのである。二本撮りのようなので144話もこのメンバーなのだが、初期の藤島班は登場頻度が低かったのである。不定期なので役者のスケジュールの関係もあり、中山、菅沼以外のメンバーは登場ごとに変わっている。同じ役者なのに役名が変わったり、同じ役名を違う役者が演じたりすることが多々あった。三島と木川は次に登場したときには役名が変わっていた。
藤島班の次の登場は154話、155話の前後編。単独ではなく初の両班合同捜査だった。立石班はいつもの五人に対して藤島班は中山、菅沼、伊達、小嶋、森山周一郎(大村刑事)という布陣。小嶋が藤島班扱いで出演。森山は当時30歳だったが、既にあの渋い声である。間を置かず157話が藤島班回だったが、三島耕の役名が佐伯刑事に変わり、北原隆(森田刑事)が初登場。北原は日活ニューフェイスの1期生だ。番組に長く登場することになる伊達、北原、森山らはこの時期に顔を揃えていたのだ。

 

特別機動捜査隊(61~63年)

東映チャンネルで放送中の「特別機動捜査隊」(61~77年)が、もうすぐ最終話である801話の放送に到達する。ここでも何度も取り上げているのだが、新情報も含め改めて振り返ってみたい。
そのスタートは61年。主演は東映映画スターの一人・波島進(立石主任)である。スタート時は39歳で、テレビでは「七色仮面」(59年)で仮面のヒーローを演じていた。特捜隊の初代メンバーは以下のとおり。佐原広二(妹尾部長刑事)…佐原健二ではない。第1期東映ニューフェイスで、当時は映画「警視庁物語シリーズ」(56~64年)でも刑事役を演じていた。南川直(橘刑事)…当時37歳。東映の脇役俳優だが東映の前身である太泉映画のニューフェイス出身で、波島はその同期でもある。東映刑事ドラマが大好きな苗字である橘(立花)の第1号だ。轟謙二(桃井刑事)…当時29歳。彼も東映の脇役俳優で元は市川右太衛門の弟子であり、時代劇つまり東映京都で活動していた。巽秀太郎(内藤刑事)…当時24歳の二枚目俳優。松竹ニューフェイスとしてデビューしたが、まもなく東映へ。「ナショナルキッド」(61年)で主人公のヒーローナショナルキッド(二代目)を演じていた。以上の五人が特捜隊立石班の初代メンバーである。その上司が神田隆(金子係長)で、悪役のイメージが強いと思うが、前述の「警視庁物語シリーズ」では、ほぼ全作で捜査主任を演じていた。
東映チャンネルでは第1話が放送された後、一気に118話まで飛ばされている。原版の不良または不明によるものだ。フィルムはただ保管しておいても溶けてしまうことがあるらしい。ゆえに、その間のことは資料に頼るしかないが、20話にて佐原広二が降板。事情は不明だが、どうやら俳優そのものを引退してしまったらしい。正確な年齢も不明だが、見た感じは30代半ばくらいではと思われる。翌21話からやはり東映の脇役俳優である岩上瑛(荒牧刑事)が登場する。実は第1話にも警官役で出演していた。佐原、南川、岩上、轟は波島主演の「七色仮面」でも刑事役などで出演しており、地味ながら刑事っぽく見えるメンバーである。空席となった部長刑事にポジションには24話より橘が昇格したとある。
ここからは新情報だが、この2~117話の空白期間を当時の新聞縮刷版などで調べた人がいるのだ。その書き込みによれば、26話で降板したと言われていた係長役の神田隆は43話までは出演しており、45話から鈴木志郎(西本係長)が登場したらしい。有名俳優だった神田から失礼ながら無名ともいえる鈴木への交代は、主役以外は地味な俳優で固めたいという意向があってのことかもしれない。鈴木志郎のプロフィールは不明だが、意外と若かったのではと思われる。髪を白くしたり老けメイクをしていたように思える。
東映チャンネル放送上では122~124話他に欠席者が出た時などイレギュラー的に登場する小嶋一郎(村上刑事)の初登場は78話だという。小嶋は第5期東映ニューフェイスで、前述の初代ナショナルキッドでもある。番組途中で巽秀太郎に交代となったのは、ヒーローっぽい明るさに欠けていたからということらしい。その因縁の相手でもある巽と数回ではあるが、同じ特捜隊刑事として共演となったわけである。ちなみに82話の出演メンバーは、波島、南川、巽、小嶋、滝川潤(岩井田刑事)となっておりナショナルキッド共演が見られたようだ。104話までと思われていた巽の出演はこの82話までのようで、後任の滝川もこの回からの登場だったようだ。ちなみに滝川は小嶋と同じ第5期東映ニューフェイスであり、後に登場する高島新太郎(山崎刑事)も同期である。

 

火曜日のあいつ

「ベルサイユのトラック姐ちゃん」(76年)とほぼ同時期にやっていた、もう一つのトラック野郎ものが「火曜日のあいつ」(76年)である。こちらの方が1週だけ早く始まっている。制作は東宝で、タイトルは火曜日に放送されていたからだろう。「月曜日の男」とかと同じパターンである。
この番組は何故か再放送がほとんどされていないイメージがある。終了して数年はされていたのかもしれないが、少なくとも今世紀に入ってからはCSでも放送されていないはずである。個人的には本放送以来見た記憶はないので、内容などは全く覚えていない。ただ、当時は結構見ていたような気がする。正直ウィキペディアくらいしか資料がないのだが、大筋は中原運送という小さな運送会社に勤める二人のトラック運転手の物語で、毎回のように事件が起きる。
主演は小野寺昭(風間圭介)と石橋正次(水島辰也)で、「太陽にほえろ」の島刑事と「夜明けの刑事」の池原刑事の共演であった。小野寺は両番組の掛け持ちであったが、石橋は「夜明けの刑事」を降板していた(「新夜明けの刑事」で復帰)。二人は本作のために大型免許を取得したという。
ヒロイン役は由美かおる(中原章子)で、父が急死して中原運送を継いだという設定。その父親に世話になっていたというのが辰也で、その辰也とのトラブルが縁で圭介が仲間に加わる。他のレギュラーだが、まず鈴木ヒロミツ。彼は「夜明けの刑事」との掛け持ちだった。章子目当てで、仕事を回してくる元受け会社の専務という役どころ。章子の弟が新井つねひろ。「ずうとるび」の新井康弘の弟である。後に加わる辰也の後輩が福崎和宏(五郎)。青春ドラマでよく生徒役をやっていたが、個人的には「ハレンチ学園」のイキドマリのイメージが強い。石橋正次の相棒で五郎といえば「アイアンキング」の浜田光夫を思い出すが、その浜田も17話にゲスト出演している。
トラックは「バッファロー号」という愛称がついているが、派手なデコトラではない。その行く手には落石やら崖崩れやら落ちそうな橋を渡るとか危険な道中が多い。その場面はミニチュア等を使用した特撮が行われているが、その担当は「マッハバロン」等を手掛けた日本現代企画。その「マッハバロン」で主演だった下塚誠もレギュラーだか準レギュラーだからしいのだが、詳しいことは不明だ。

前述のとおり、ソフト化もされていないし、あまり語られることもないので知る人ぞ知る作品になりつつある。今放送してまずい部分もないと思うし、人気がなかったわけではないと思われるのだが今後どうなるだろうか。

ベルサイユのトラック姐ちゃん

女性の集団が活躍するアクションドラマは意外と少ない。その代表格は言わずと知れた「プレイガール」だが、続く「プレイガールQ」が終了したのが76年3月。局は違うがその1カ月後に同じ東映が制作したのが「ベルサイユのトラック姐ちゃん」である。探偵でも保険調査員でもない、もちろん秘密諜報機関でもない花屋の店主と店員たちが様々な事件を解決していくというお話である。タイトルから想像がつくと思うが「トラック野郎」と「ベルサイユのばら」が流行っていた頃である。店の車が派手に飾ったデコトラである。個人的にはOPのみ見たことがあるといった感じで、10年ほど前にCSでも放送されているようだがしっかりと中身を見た記憶はない。
主演は浜木綿子で当時40歳だった。演じるのは「ベルサイユ花店」の店主である花村夕子。その父親・勘治が田崎潤で、元刑事という設定。その縁から事件に首を突っ込んでいくようだ。
花屋の店員たちは中村晃子(川本蘭子)、木原光知子(岡野小百合)、田坂都(山田藤子)、ホーン・ユキ(原菊江)という面々で、それぞれ柔道やら空手やらの心得があるという設定で、やることは「プレイガール」等と変わらないようである。
他のレギュラーは、花屋のアルバイト女子高生が山本由香利。スナック「ジョーズ」のマダムが五月みどりで、そのバーテンが五十嵐守、ホステスが中島ゆたかである。3話から登場の藍とも子もスナック側のメンバーと思われる。
中村晃子、藍とも子は「プレイガールQ」のレギュラーで、五月みどりも準レギュラー的に出演していた。ゲストにも森田日記、渡辺やよい、西尾三枝子といった「プレイガール」メンバーの名がある。
山本由香利は当時17歳。前年にアイドル歌手としてデビューしているが、所属は東映芸能であったため、清純派を売り出すための作品が中々なかったらしい。その後、山本ゆか里と改名し、長く女優を続けている。五十嵐守は本作くらいしか出演記録はなく詳細不明だが、バーテン姿が似合っていた。
第3話はゲストが宍戸錠、葉山良二、玉川良一、水木襄、速水亮、キラー・カーン、峰岸徹と妙に豪華だが、注目は峰岸徹。藍とも子もこの回から登場となっており、これが出会いかもしれない(二人は翌年に結婚)。
木原光知子は、元オリンピックの水泳選手。女優業もやっていたが、タレントのイメージの方が強い(私見)。宝塚の男役のような感じに思える。07年に59歳で亡くなっている。田坂都は、青春ドラマのイメージが強く、東映のアクションドラマに出ていたイメージがなかったが、調べるとゲストではあるが意外に出演している。90年代末に引退したようだが、その後は消息不明状態に。13年頃既に亡くなっていることが明かになったが、正確な没年はわからず12年頃ではと言われており、60歳よりは前(52年生まれ)だと思われる。

 

ミラクルガール

丸1年続いた「ザ・スーパーガール」(79~80年)の後番組が「ミラクルガール」(80年)である。出演者が変わっただけで、七人の女探偵というのは前作と同じである。
主演は由美かおる(桂未知子)で、当時29歳。前作の野際陽子からはずっと若返ったわけである。父の遺志を継ぎ探偵事務所「オフィスミラクル」の所長になったという設定だ。OP、EDとも彼女が歌っている。サブリーダー格が藤田美保子(松原加奈子)で、当時28歳。まだ「Gメン75」の女性刑事のイメージが強かった頃だ。元々未知子の父の助手だったという設定。
他のメンバーだが、まず伊佐山ひろ子(石田好枝)で、当時28歳。日活ロマンポルノ出身だが、70年代中盤から一般作でも活躍。ナンシー・チェニー(樋田アンナ)は、当時22歳。日米のハーフで、この前年に松田優作主演の「探偵物語」にレギュラー出演していた。ホーン・ユキ(ジュン)は、当時29歳。彼女のみ役名のフルネームが不明。70年に4人組のアイドル「ザ・シュークリーム」のメンバーとしてデビュー。この前年に俳優の入川保則と結婚している。彼女も日米のハーフだが、ナンシーとは逆に東洋人色が強い容姿である。
残る二人は「スーパーガール」からのスライド組で、樹れい子(峯百合子)と日向明子(相沢珠美)である。単純に人気があったから継続出演となったのであろう。で、前作で言う谷幹一に相当するのが岡田真澄である。
以上の布陣で始まった本作だったが、出演者同士のトラブルが絶えなかったと言われている。まず、一番クセのありそうな伊佐山ひろ子がわずか4話で降板。余程現場が合わなかったのであろう。翌5話から代わりに登場したのは水原ゆう紀(春乃ひかり)で、当時26歳。元々はタカラジェンヌであるが、79年に日活ロマンポルノ「天使のはらわた」で主役の名美を演じて注目を浴びていた。
13話を持って今度はホーン・ユキが降板。由美かおるとは同い年ではあるが、芸歴は由美の方が長い。いかにも気の強そうな(私見)二人が早々降板ということは、他に原因があるということで、出演者に絞ると由美かおるか藤田美保子が気に入らなかったという説に行き着くが、特に彼女らに悪い噂を聞いたことはない。ちなみに、後任は藤枝亜弥(麻香マキ)というJAC出身の若手だった。彼女の詳しいプロフィールは不明だ。
新顔を迎えたのもつかの間、由美かおるが降板を申し出、番組は19話で終了することになった。ラスト回まで彼女が出演していたかどうか記憶にない(資料もない)。CSで一度放送されたような気がするが、いずれにしろ十数年は経っていると思う。
わずか6回で番組終了となってしまった藤枝亜弥だが、90年くらいまでは出演記録がある。二時間ドラマへの出演が多かったようだ。ナンシー・チェニーは翌81年までは芸能活動をしていたが、その後はすっぱりと引退してしまったようだ。樹れい子も本作の後、出演記録はなく、人気の中引退してしまったようだ。その後は、結婚してハワイで生活しているというような情報を聞いたが定かではない。日向明子は、順調に女優としてキャリアを積んでいたが11年に急性骨髄性白血病にて死去。56歳であった。

 

ザ・スーパーガール その2

前回の続きで「ザ・スーパーガール」(79~80年)である。ちなみに「ザ」をつけないで検索すると米国のドラマシリーズが先頭に検索される。2015年、結構最近に始まった、まあスーパーマンの女性版といえばわかりやすいだろう。
さて、シリーズ後半二人のメンバーが加入する。まずは新藤恵美(早川紀子)。「美しきチャレンジャー」(71年)のヒロインから約8年、彼女も30歳になっていた。番組で共演した長谷川明男と結婚し、この前年に離婚したばかりであった。演じる紀子は元特捜課という設定だ。もう一人が日向明子(水城真弓)。当時24歳で、この79年に日活ロマンポルノからデビューしたばかりという中での大抜擢であった。79年だけで10本以上のロマンポルノに出演しており、本作と平行していたものと思われる。演じた真弓は元スケ番でヌードダンサーという設定。万引きで紀子に捕まったことがあり、警察嫌いである。
唯一の男性レギュラーが谷幹一(駒田警部)。野際陽子演じる悠子の元上司で、たびたび彼女たちの協力を仰いだりしている。
全体的には、やはりアクションのできる牧れい、樹れい子辺りが主役となる回が多い感じがする。樹は当時、志穂美悦子のようなアクションもできる女優になりたいとインタビューで語ったりもしていた。新OPでは柔道をやっている彼女だが、実際にやっていたようである。お色気は「プレイガール」に比べれば、かなり控えめな印象。やはりロマンポルノ出身の泉じゅんや日向明子、そして樹あたりが担当という感じだった。
丸1年続いたので、番組人気はあったと思われる。樹れい子と日向明子の二人は次番組である「ミラクルガール」にも継続して出演することになる。
日向明子は翌年には「三年B組金八先生」の生徒の姉役で出るなどドラマ女優の道に入っていくが、泉じゅんは逆に戻った形でロマンポルノに多数出演している。それなりに女優として地位のあった新藤恵美も80年代に数本のロマンポルノに出演したりしている。ところで、泉は数年後に16歳上の料理人・結城貢と結婚。いかにも頑固親父といった強面の風貌で「オールナイトフジ」等の料理コーナーで女子大生を叱りつけていたオッサンとの結婚にはみんな驚いたと思う。
田中なおみはクラリオンガールという肩書はあるが、このメンバーの中ではパッとしない存在に思えた。実際に女優としては本作が最初で最後のレギュラー作品となってしまったようだ。80年代半ばに数本のドラマにゲストで出演した記録がある(同姓同名でなければ)。「太陽にほえろ」の最終話(86年)に1シーンだが出演していたようだ。いつしか芸能界から姿を消したが、06年に48歳の若さで亡くなったという。