お宝映画・番組私的見聞録 -54ページ目

流星人間ゾーン その2

前回に続いて「流星人間ゾーン」(73年)である。
この番組で最大のゲストと言えば、ゴジラである。ゴジラの登場は番組最大の目玉だったと言えよう。ゾーンがピンチに陥るとどこからともなくゴジラが現れるのである。もちろん毎回現れるわけではなく全部で5回登場する。他もにキングギドラやガイガンなど東宝特撮映画の怪獣スタアが悪役として登場する回もある。
ちなみに本作では怪獣ではなく「恐獣」と呼ぶ。ゴジラやキングギドラも恐獣である。前年の「ウルトラマンA」では超獣と読んだりして怪獣との差別化を図ろうとしていた。ゾーンとウルトラマンAのスタッフは結構かぶっていたりするせいか、両者の頭部は若干似ていたりする。
ゴジラ登場回は相手も複数の恐獣であることが多い。初登場の4話を例にすると、ほぼワルギルガーという恐獣が暴れるのだが、かなり終盤になってからスパイラーという恐獣が出現しゾーンがピンチに陥る。するとゴジラが現れゾーンに加勢するのである。二体とも倒されるが二匹目のスパイラーに関しては五分程度の出番しかなく、随分贅沢に使っているなあという印象を受ける。
人間のゲストに目を向けるとこれといったビッグネームはいなかったりするが、しいて言えば佐々木孝丸、大泉滉あたりであろうか。他に「キレンジャー」こと畠山麦、古くは「矢車剣之助」で後には「ワイルド7」の八百役の手塚茂夫、後におニャン子クラブの一員となる子役時代の内海和子や後のジャズシンガーとなる阿川泰子も出演していたようだ。阿川は本名の佐藤康子名義で二度登場している。翌年の「ウルトラマンレオ」には麻里とも恵名義で出演していた。
番組視聴率は回が進むに連れて下がる一方だったこともあり、26話での終了が決定した。その最終話だが、特に最終回感のない普通のエピソードであり、ガロガとの最終決着もつかないまま「ガロガはあなたの隣にいるかもしれない」といったナレーションで終了する。唐突な打ち切りで間に合わなかったのかもしれないが、既に撮影したエピソードをそのまま使ったという感じである。いずれにしろこういった特撮ドラマでは異例な最終話だった気がする。どうせなら1つ前の25話なら再生恐獣が4体登場し、ゴジラも登場するので、こっちを最終話にすれば良かったのではないかと思った。
さて、前回主演の三兄弟を演じた三人はこの数年後には引退したと書いたが、青山一也は実家の海苔問屋を継ぎ現在はその社長のようである。北原和美は中村ブン(中村俊男)と結婚したという。中村は同時期の「ジャンボーグA」でPATの風間隊員を演じていたが、7~8回の出演で降板している(任務の失敗で更迭されたという設定)。個人的には「高校教師」(74年)の番長役が印象に深い。実は青山と北原は番組終了後に結婚したという情報もあったりするが、誤情報の可能性がある。本当だとすれば後に離婚して、北原は中村と再婚したということになるが、真相はいかに。
 

流星人間ゾーン

長いこと刑事ドラマが続いたので、目先を変えて特撮作品から「流星人間ゾーン」(73年)である。東宝系の特撮作品は東映や円谷プロの作品と違ってマイナーなイメージがある。記憶では再放送もほとんどなかったし、スカパーでの放送も一度やるとそれっきりというパターンが多い。本作もスカパーでやったのは10年以上前だったと思う。本作に関するムック本のようなものは存在しないようだし、忘れかけていたが、たまたま録画しておいたDVDが出てきたので、数話見直してみた。
「流星人間ゾーン」は東宝映像が初めてテレビ向けに製作した特撮ドラマである。東宝映像は東宝本社がら映像製作部門が分社化された会社であり、初代社長に就任したのは東宝特撮映画や黒澤映画を手掛けた大プロデューサー田中友幸である。本作でもトップに監修としてクレジットされている。監督も本家ゴジラ映画の監督でもある本多猪四郎、福田純も参加している。変わったところでは東宝クレージー映画や若大将シリーズで知られる古澤憲吾の名もある。古澤は東宝時代は特撮を嫌っていたらしく「青島要塞爆撃命令」(63年)の撮影では特撮監督の円谷英二に「迫力がないから特撮は使わない」と主張し、単独で撮影に入ったという。しかし、結局はうまくいかず円谷に詫びを入れ特撮をお願いしたというエピソードがある。
さて、本作の内容だがピースランド星が侵略者ガロガの攻撃を受けて壊滅。逃げ出した中の1ファミリー六人が地球に漂着し、日本で防人(さきもり)一家として生活するようになった。しかしガロガは次の攻撃目標を地球に定める。迎え撃つ防人一家ことゾーンファミリーとガロガとの闘いを描いている。
主演は青山一也(防人光/ゾーンファイター)は当時21歳。71年にソロ歌手デビューし、数枚のシングルを出した後、本作に抜擢された。北原和美(防人蛍/ゾーンエンジェル)について正確な年齢は不明だが、設定どおり高校生くらいの年齢16~18歳くらいと思われる。前年の「超人バロム1」にも猛の姉・紀子役で出演していた(戸島和美名義)。佐藤賢司(防人明/ゾーンジュニア)は当時10歳の子役である。三人とも76~77年あたりには引退してしまったようである。
後はベテラン勢。中山昭二(防人陽一郎)。三人の父親役である。「ウルトラセブン」のキリヤマ隊長が有名。上月佐知子(防人月子)三人の母親役。「ミラーマン」でも主人公・京太郎の母親役だった。宝塚歌劇団出身で、夫は南原宏治である(後に離婚)。天草四郎(防人雷太)。三兄弟の祖父である。大胆な芸名と思いきや本名が天草紫郎で、出身もあの天草四郎と同じ熊本ということで芸名は四郎にしたらしい。天草四郎時貞といえば美男の代名詞のようになっているが、こちらは悪役顔のオジサンである。祖父役だが、当時56歳で中山とは10歳しか違わなかった。
地球人役のレギュラーは小原秀明(城タケル)のみである。一家と協力してガロガと闘う青年。小原は「泣くな青春」「われら青春」など青春ドラマの生徒役で知られる。「おばら」ではなく「こはら」と読むらしい。他に幸田宗丸が毎回クレジットされているが、ガロガの親玉(ゴールドガロガ)の声を担当している。声の出演とはなっていないのでわかりづらい。次回に続く。、

走れ!熱血刑事

「爆走!ドーベルマン刑事」の後番組になるのが「走れ!熱血刑事」(80~81年)である。ここで取り上げるのは二度目になると思うが、内容は以前と大して変わらないかもしれないので(見直さないで書いている)、そこは御容赦。
主演は松平健。そうあの「暴れん坊将軍」なのである。当時27歳で将軍に就任の前かと思いきや、「暴れん坊将軍」のスタートは78年であり、二年以上経過していたわけで、松平健もかなりの人気を得ていたと思われる。「暴れん坊将軍」は12シリーズ存在するようなのだが、その第1シリーズは78年から82年まで続いていたのである。つまり「走れ!熱血刑事」はシーズンインターバル時の作品ではなく、松平は掛け持ちで時代劇と現代劇の主演を務めていたことになる。掛け持ち自体は珍しいケースではないが、撮影場所は恐らく京都と東京(近郊)と思われるので、かなりハードだったであろうことは予想できる。
舞台は所轄の愛住署。解説には「急増する少年犯罪に立ち向かう様を描いた」とあるのだが、少年課ではなかった気がする。大雑把にしか見たことがないのだが、普通に捜査一課と思って見ていたので、自分の勘違いかもしれない。
松平が演じるのは山本大介刑事。前項の加納錠治みたいないかにもヒーロー風な名前ではなく、あえて平凡な名前にしているようだ。ちなみに「仮面ライダーアマゾン」の主人公の名も山本大介だったりする。
他のレギュラーメンバーは以下の通り。荒木しげる(速水刑事)は「特捜最前線」を降板してまもなかったが、再び刑事役を演じることになる。83年からは「暴れん坊将軍」にレギュラー入りし、お庭番才蔵を5年に渡り演じることになる。余談だが荒木といえば「仮面ライダーストロンガー」。引退後一時期消息不明だった「アマゾン」の主役岡崎徹をイベントに招いたのは荒木だったという。阿部敏郎(佐々木刑事)は当時27歳。松平と同い年で、当時の本業はシンガーソングライターであった。ゆえにドラマ出演などは本作以外にはほとんどない。現在は著作家として活動しており、多くの著書を出版している。渡辺千恵乃(秋元婦警)は詳細不明。本作以外に出演記録はないようだ。
後はベテラン勢。竜崎勝(戸塚警部補・主任)は当時41歳。第5期日活ニューフェイスだが、数本脇役で出演した後、俳優座養成所へ。花の15期生の一人となる。84年に44歳の若さで亡くなった。娘はフリーアナウンサーの高島彩。宍戸錠(岩下警部・課長)は当時47歳。第1期日活ニューフェイス。アクションドラマへの出演は多いが、意外とレギュラーで刑事役というのは少ない。他に「熱中時代・刑事編」(79年)くらいだろうか。本年(20年)の1月に86歳で亡くなった。坂上二郎(中村刑事)は当時46歳。「夜明けの刑事」「明日の刑事」で約5年に渡り鈴木刑事を演じており、まだその印象が強い時であった。
刑事ドラマの車両といえば、なんとなく日産自動車というイメージが強いが本作は三菱自動車である。
全26話。2クール分を松平は演じきったが、現状有名な番組であるとは言い難い。ゲストもあまり大物俳優は見当たらず、最終話の川地民夫が目立つくらいであろうか。

爆走!ドーベルマン刑事

「鉄道公安官」の後番組となるのが「爆走!ドーベルマン刑事」(80年)である。「少年ジャンプ」に連載されていた漫画を原作とし、EDにも原作として武論尊、平松伸二の名がクレジットされているが、中身は全く別物でありキャラクターの名前(二名のみ)を使用しているだけである。
晴海分署の白バイならぬ黒バイ部隊の活躍を描く。捜査にはいつも警察犬を従えている。だからドーベルマン刑事なのかというと違っており、登場する警察犬は一般的なシェパードである。ドーベルマンの警察犬も存在するらしいが、あまりいないようだ。ドーベルマン刑事というのは主人公・加納錠治の渾名のようなものである。
その加納隊長を演じるのは黒沢年男(現・年雄)で当時36歳である。以下のメンバーは名高達郎(矢部刑事)。この時芸名を達朗から改めたばかりであった。これは大友柳太朗や里見浩太朗と逆のパターン(郎→朗)である。ちなみに現在は達男である。「鉄道公安官」から続投の星正人(酒井刑事)。「大都会partⅢ」「鉄道公安官」から本作と続くOPで三番目の男である。当時は「ずうとるび」のメンバーだった新井康弘(加山刑事)。ちなみに「ずうとるび」は「笑点」のちびっ子大喜利から誕生した4人組ユニットである。神保美喜(白鳥刑事)は当時20歳。15歳でアイドル歌手としてデビューしたが、シングル3枚のみで女優へと転向した形になっている。歌っていると歯茎がよく見えていた印象がある。矢吹二朗(平田刑事)は当時31歳。個人的には千葉治郎の方が馴染みがあるが、76年に主演映画「ラグビー野郎」の役名を新芸名にしている。この2年後には引退してしまうのである。
彼らの上司となるのが荒井注(森警部)。ドリフ脱退から6年目の頃である。本名は荒井安雄なので、新井康弘と「アライヤス」まで一緒である。そして、晴海分署の署長に夏木陽介(西谷署長)。署長だが、黒バイ隊と一緒にバイクを乗り回したりしている。「西谷」という役名は原作でも加納の上司である西谷課長から取ったものである。荒井注を除いて、全員実際にバイクに乗れる役者を集めたという。そしてもう一人、警視庁サイドの志穂美悦子(五十嵐刑事)。もちろん彼女もバイクに乗れる。二回に一度の登場のようだ。当時24歳と若いのだが、既に「大非常線」や「明日の刑事」で刑事役の経験があった。
ゲストでは、第8話に江藤博利、池田善彦という新井のいた「ずうとるび」のメンバー二人が出演している。ちなみに、ずうとるびは82年に解散し、池田も芸能界を引退したという。
放送期間は7か月間あったが、特別番組による休止が多く全22回である。ちなみに、映画版(77年)では加納は千葉真一が、Vシネマ版(96年)では竹内力がそれぞれ演じている。

鉄道公安官

「新幹線公安官」の終了から半年、「鉄道公安官」(79~80年)がスタートした。前作は舞台がほぼ新幹線に特化していたが、本作では特急電車なども舞台になっている。東京鉄道公安室ゼロ課の活躍を描く。
主演は石立鉄男(榊大介主任)で当時37歳。ユニオン映画のホームドラマや大映ドラマが中心で東映制作のドラマへの出演は珍しかった。三橋達也(瀬川浩三室長)は当時56歳。彼も映画界では松竹、日活、東宝と渡り歩いており、東映への出演はあまりなかった。「土曜ワイド劇場」の初代十津川警部となるのは、本作の後である。中条静夫(本間国雄)は当時53歳。基本は大映/大映テレビの人で東映作品にはゲストで顔を出す程度だった(後に「あぶない刑事」で課長役がある)。石立とは「気まぐれ本格派」「事件狩り」などでの共演があった。
以上ベテランの三人に対して、後は二十代の若手ばかりである。紅一点の五十嵐めぐみ(八木和子)は当時25歳。森田めぐみ名義でデビューしたが、ポーラテレビ小説「さかなちゃん」のヒロインに抜擢された際に五十嵐となっている。本作では髪型がショートでパーマががっており、アフロの石立とよく似た感じに見えた。加納竜(星野一)は当時23歳。アイドル歌手としてデビューしたが、まもなく俳優活動もスタートさせている。80年には「西部警察」でも刑事を演じることになる。赤木良次(古賀隆太)は当時21歳。彼も歌手として77年にデビュー。芸名は何故か王貞治の命名だという。まもなく役者に転向し、本作への出演となっている。82年には「大戦隊ゴーグルファイブ」で主演のゴーグルレッドを演じたりしているが、88年には引退してしまったようだ。以上のメンバーでスタートしているが、22話より二代目「刑事くん」の星正人(小林健二)が加わっている。当時25歳である。その他セミレギュラーとして、夏目雅子(島村泉)が、カメラマン兼ルポライターとして出ていたようだ。
OPはサーカスの「ホームタウン特急」で、大ヒットした「アメリカン・フィーリング」のB面であった。ただし12話までで、以降は番組テーマ曲に切り替わった。
ゲストに目を向けると「新幹線公安官」の藤巻潤や大坂志郎が出演しているが、もちろん別の役である。目立ったゲストとしては16話のアグネス・ラム。当時はすごい人気だったが、ドラマのゲストというのはあまりなかったようである。20話の坂上二郎と石立と言えば「夜明けの刑事」を思い出す。33話の宝田明や40話の梅宮辰夫などが目を惹く。
放送期間はほぼ1年(正確には50週)であったが、全42話である。これはモスクワオリンピックや特別番組で休止が多かったせいである。
 

新幹線公安官

「鉄道公安36号」の終了から丁度10年、鉄道公安ものが復活した。「新幹線公安官」(77~78年)である。基本的には、新幹線車内で起こる事件に鉄道公安官の活躍を描いている。当時から鉄道マニアと言われる人たちは結構いたと思うが、彼らには需要のある番組だったかもしれない。
主演は西郷輝彦(久我明)で、当時30歳.レギュラー陣は結構豪華で、中谷一郎(乾信三主任)、大坂志郎(桐山俊作)、三ツ木清隆(高木健彦)、竹村洋介(佐々木弘)、そして山村聰(芝辻啓介室長)。ヒロイン役が坂口良子(丸山梢)で、篠ヒロコがその義姉・年子役である。ちなみに山村は1910年生まれ、大坂は20年生まれ、中谷は30年生まれと丁度10歳ずつ違う。竹村は20代前半と思われる若手俳優だが詳細はわからなかった。個人的には山村と中谷が一緒だと「助け人走る」を思い出す。
第1話では、葉山良二演じる丸山公安官が殉職。その妹が婦警であった梢で、一緒にいながら犯人を逃した久我を非難するが誤解もあり、まもなく和解。梢も婦警から鉄道公安官へと転職してくる。実年齢で言えば当時、葉山は45歳で、坂口は22歳だったので親子設定だと勘違いしていた。ちなみに、当時の鉄道公安官は警察組織ではなく、国鉄の職員という扱いである。ゆえにまず国鉄に採用される必要があったようだ。
予定通りだったと思われるが、77年の放送分は全11話で終了しており、半年間のインターバルを経て、第2シリーズがスタートしている。放送日も火曜から月曜へと移っている。東映チャンネルでの放送は第2シリーズの1話を第12話として連続放送し全37話としているが、実は11話と26話に分かれていたのである。
そのため12話(2シリーズ1話)からOPが変更。役者の画像に合わせて名前もクレジットされる形式から、ひたすら新幹線が走行する映像に名前のみクレジットされる形式に変更されている。出演者はほぼ一緒だが、三ツ木清隆が姿を消し、「ザ・ガードマン」でお馴染み藤巻潤(黒田巌班長)が加わった。藤巻も当時42歳で、西郷が全然若手だったのである。あと、篠ヒロコが篠ひろ子表記に変更となっている。ヒロコ時代は陰のある雰囲気であったと思う。
目を惹くのは通算28話(第2シリーズ17話)で、ゲストが天知茂だ。宮口二朗、北町嘉朗の天知軍団も出演しておる。天知、宮口、そして山村聰といえば「非情のライセンス」の特捜部である。それを意識してかサブタイトルも「非情の捜査線」となっている。

鉄道公安36号(JNR公安36号)

「特別機動捜査隊」がスタートした翌62年から、東映のほぼ同じスタッフが制作していたドラマが「JNR公安36号」である。このタイトルだとわかりにくいが、後に「鉄道公安36号」に改題されており、鉄道公安官を描いたドラマであることがわかると思う。
5年にわたり放送されていたにも関わらず、個人的には一度も一場面すら見たことがない幻の番組なのである。東映チャンネルでの放送もされておらず、昔出ていた東映ドラマのOP集にも収録されてはいなかった。フィルムの所在が不明なのか、はたまた原版不良で放送不可なのか定かではないが、視聴困難作品であることは間違いない。
「JNR公安36号」(62~63年)のタイトルで放送されたのは43話。その後、3カ月インターバルがあって「鉄道公安36号」(63~67年)のタイトルで198話が放送されている。「特捜隊」は警視庁の協力(500話まで)で制作されていたが、こちらは国鉄の協力があったようだ。
レギュラーとして判明しているのは、影山泉(北村主任)、梶健司(宮本公安官)、鳴門洋二(国枝公安官)、須藤健(高木公安主任)らが「JNR」時代からのレギュラーと思われる。主演の影山がらして地味な存在で、「特捜隊」で一度ゲスト出演していたのを覚えているが他の番組では見た記憶はない。梶は宮園純子の旦那で、専ら悪役。鳴門は新東宝出身で、その末期には主演も務めた。「特捜隊」の中井義プロデューサーは本作のプロデューサーでもあり、新東宝の出身なので、鳴門はその縁での出演だろう。須藤は映画「警視庁物語」シリーズでは渡辺刑事役であった。
「鉄道」になってからレギュラー入りしたと思われるのが三田村元(杉山公安官)や千葉真一(早川公安官)である。三田村は57年にミスター平凡に選ばれたのを機に大映入りしたが、あまり役には恵まれず63年に大映を退社したところだった。千葉はおそらくだが、53話より参加。監督の一人である奥中惇夫によれば千葉の出演により視聴率も上がったとのこと。ウィキペディアなどを見ると4回しか出ていないようにも解釈できるが、奥中の記録からは1年弱はレギュラーだったように思える。真偽はわかるはずもなく、毎回出演かどうかは不明だがレギュラー期間は9カ月程度だったと勝手に予想する。
公安官は警察ではないので刑事も登場する。レギュラーとして名が挙がっているのが「刑事くん」でも先輩刑事役だった守屋俊志(当時俊男:守谷刑事)と新東宝出身の若杉英二(若杉刑事)である。他にも亀石征一郎や小笠原弘らがレギュラーだった可能性がある。確認しようはないけれども。
ゲストに目を向けると同じ中井Pとおうこともあってか特捜隊メンバーも結構おり、伊沢一郎、水木襄、菅沼正、巽秀太郎などの名が見えるが目立つのは伊達正三郎だ。「特捜隊」でも長期間レギュラーを務めているが中井Pのお気に入りなのだろうか。また、中村竜三郎、沼田曜一、江見俊太郎、阿部寿美子、高倉みゆきといった新東宝出身者もよく出ていた。レギュラー陣は地味だったが、鉄道を利用した地方ロケなどで人気を得ていたようである。
それにしても、1話だけでもいいから見てみたいものである。

刑事くん(第4部)

「刑事くん(第3部)」が終了して、また約半年のインターバルを経て、「刑事くん(第4部)」(76年)がスタートした。しかし、今までの桜木健一の三神鉄男ではなく、星正人演じる勝山剛刑事に主役が代わったのである。桜木も28になり、いつまでも新米刑事ではないということであろうか。
星正人は当時22歳。前年の映画「青春賛歌暴力学園大革命」で主演デビュー。続く「男組」でも主演であった。東映の不良映画で売り出した星であったが、打って変わって刑事役を演じることになったわけである。いかにも芸名っぽい名前だが、本名だそうだ。
桜木はゲストとして第1話に登場。個人的には3部も4部も未見なのだが、三神は移動か退職かで城南署の刑事ではなくなったということだろう。主役は代わったのだが、他の刑事課のメンバーは3部と同じである。宮内洋(風間刑事)、新井春美(林婦警)、守屋俊志(島崎刑事)、名古屋章(時村係長)という顔ぶれだ。
勝山の周辺の人として登場するのは西川和孝(勝山の弟三郎)と浅野ゆう子(ガールフレンドの白石香織)だけである。浅野ゆう子は大人びて見えるが当時16歳なので(設定年齢は不明だが)、「恋人」ではなく「ガールフレンド」なのだろう。浅野は14歳の時「太陽にほえろ」に刑事部屋の事務員役として出演したが、1クールで降板。これは「警察が中学生を働かせていいのか」というような視聴者の指摘があったからだと言われている。
西川和孝は「子連れ狼」の大五郎役として知られる子役だった。高校卒業と共に芸能界を引退しており、28歳の時には新潟で市会議員に当選している。しかし金銭トラブルや女性問題などがあり次の選挙には出馬しなかった。その後、雀荘の経営に乗り出したが資金難に陥り、32歳のとき知り合いの金融業者を殺害し金品を奪うという事件を起こしている。逃走の末、一月後に逮捕され、無期懲役となっている。
話がそれたが、ゲストに目を向けると第7話に志穂美悦子、黒部進、中田博久が揃って出演。ウルトラマンもキャプテンウルトラもこの頃は悪役である。17話に桜木と風見章子、佐野伸寿という三神ファミリーが登場。サブタイが「パリより友情をこめて」となっているのだが、三神ファミリーはパリにいるのだろうか。20話には高峰圭二と沖田駿一。「ウルトラマンA」の北斗星司と山中隊員である。
1部から3部は全て放送期間は約1年と1か月だったのだが、この4部は丁度半年の26話で終了となっている。あまり支持を得られなかったのかもしれない。第5部は制作されず「刑事くん」シリーズはこれにて終了となったのである。
1期のみで「刑事くん」を終えた星正人だが、この後「大都会PARTⅢ」(78年)「鉄道公安官」(79年)「爆走!ドーベルマン刑事」(80年)と立て続けに刑事役を演じることになるのであった。

刑事くん(第3部)

「刑事くん(第2部)」が終了後、間に篠田三郎主演の「若い!先生」を半年挟んで「刑事くん(第3部)」(74~75年)がスタートした。
2部との大きな違いはないが、やはり出演者が一部変わっている。まず桜木健一演じる鉄男のライバル刑事は宮内洋(風間刑事)が演じる。宮内の方が年上っぽく見えるが桜木とは同学年である。宮内はこの時期、「仮面ライダーV3」でヒーローとなり、初の松竹出演となる必殺シリーズ「助け人走る」に出演し終えたタイミングである。この第3部は中身を見たことはないのだが、やはりクールでキザな感じのキャラなのかなと予想する。
婦警も毎シリーズ交代するポジションのようで、今回は新井春美(林婦警)である。新井は当時21歳だが、女優としては5年のキャリアがあった。後の「大都会闘いの日々」でも婦警ではないが、刑事部屋の事務員という今回と似たような役を演じている。
名古屋章(時村係長)と守屋俊志(島崎刑事)は不動。鉄男の周辺の人々では、風見章子(母)は不動だが、弟の次郎は佐野伸寿という子役にチェンジ。この役は毎シリーズ代わっている。佐野は後にカザフスタン大使館勤務を経て、映画監督になったという。母の美容室で働く友里役が小川順子。「じゅんこ」ではなく「よりこ」と読む。同時代に「夜の訪問者」でデビューした歌手の小川順子とは別人だ(こっちは「じゅんこ」である)。個人的には後者の方だと思ってしまった。歌手の小川順子は3年ほどで引退しているが、女優の方は現在も小川よりことして活動しているらしい。
OPのみYouTubeにあったのだが、主題歌は「星を追う」に変更。歌唱はもちろん桜木だが、作詞は前2作の佐々木守から長坂秀佳になっている。動画は第5話のもののようなのだが、ゲストで河合弦司がピンでクレジットされていたことに驚いた。相馬剛三や五野上力と並び東映のザ・脇役という感じの役者で、4~5人くらいでクレジットされるのが普通なので、非常にレアなケースに思える。
ゲストに目を向けると、16~20話にかけて荒川務、浅野ゆう子、麻生よう子、林寛子、城みちると当時のアイドル歌手が連続して出演。39~42話にかけては谷隼人、志穂美悦子、倉田保昭と東映のアクションスターが続く。そして40話に豊川誕、49話におりも政夫、北公次、50話に江木俊夫とジャニーズアイドルが続いている。フォーリーブスの残る一人、青山孝の名はリスト上にはないが、出演していないのだろうか?
この第3部は全54話という、またしても半端な回数で終了。これにて桜木健一が主役の「刑事くん」は終了となった。総回数は166話に及んだ。しかし「刑事くん」自体はまだ終わらなかったのである。

刑事くん(第2部)

「刑事くん(第1部)」(71~72年)から半年間をおいてスタートしたのが「刑事くん(第2部)」(73~74年)である。1部終了時点で2部を制作する予定だったかは不明だが、番組が好評だったことは間違いない。実は1部の最終話は未見なのだが、桜木健一演じる鉄男はは父を殺した犯人を逮捕し、警察を退職したようである。故に刑事ではない状態から2部はスタートしている。刑事に復職するのが第1話である。
レギュラーメンバーは一部変更がある。ライバル同僚刑事として三浦友和(宗方刑事)が登場。三浦は当時21歳で、明らかに桜木(当時25歳)より若く見えるのだが、役柄は後輩刑事ではなくタメ口だし対等の立場にあるようだ。婦警も中山麻里(吉本婦警)に変更。中山は桜木と同年齢ではあるが、かなり上に見えるタイプでフレッシュさは感じない。後に三田村邦彦と結婚する。名古屋章(時村係長)と守屋俊志(島崎刑事)は不動である。
鉄男の周辺の人々だが、風見章子(母)は変わらないが、弟の次郎は山崎亮一という子役にチェンジ、そして近所の生花店店員として関かおりがレギュラー入り。関かおりは前年の「ウルトラマンA」に高峰圭二と共に変身するヒロインに決まっていたが、直前に骨折して星光子に替わった経緯がある。
OPも「母さん辞令だ、刑事になったよ」から「母さん、行ってきます」に変更。歌も「コンクリート・ジャングル」からズバリ「刑事くん」というタイトルの歌に変更になった。個人的には「コンクリート・ジャングル」しか聞いたことがなかったので、主題歌は変わらないと思っていたのだが、シリーズごとに変わるようである。
そのOPで目を惹くのが軽トラックで現れる篠田三郎である。別に本作のレギュラーではない(第17話にゲスト出演)。これはおそらく前シリーズと本作の間に放送された「熱血猿飛佐助」で、佐助は桜木、霧隠才蔵を篠田がやっていた関係からだろう。加えて同時期にスタートした篠田が変身する「ウルトラマンタロウ」とのコラボ的な意味合いもあったのかもしれない。
ゲストに目を向けると3話に郷ひろみ、4話に森昌子と山口百恵、5話に麻丘めぐみとアイドルが縦続けに出演する。他にも西城秀樹、岡崎友紀、西崎みどりなども登場。10話に出てくる「必殺仕掛人」の主題歌を歌っていた山下雄三は唯一のドラマ出演なのかもしれない。また、中山麻理の兄であるマイケル中山(中山エミリの父)も16話に」出演している。
また、千葉真一は前作と同じ本庁の矢吹刑事役で1話および38話に出演。「キイハンター」繋がりで言えば大川栄子も28話にゲスト出演している。ちなみに「キイハンター」は、この「刑事くん(第2部)」が始まる前の週に5年間に渡る放送を終了している。
1部は全57話だったが、この2部は全55話で終了。1年ぴったりの52話でないのが変っている気がする。