お宝映画・番組私的見聞録 -55ページ目

刑事くん(第2部)

「刑事くん(第1部)」(71~72年)から半年間をおいてスタートしたのが「刑事くん(第2部)」(73~74年)である。1部終了時点で2部を制作する予定だったかは不明だが、番組が好評だったことは間違いない。実は1部の最終話は未見なのだが、桜木健一演じる鉄男はは父を殺した犯人を逮捕し、警察を退職したようである。故に刑事ではない状態から2部はスタートしている。刑事に復職するのが第1話である。
レギュラーメンバーは一部変更がある。ライバル同僚刑事として三浦友和(宗方刑事)が登場。三浦は当時21歳で、明らかに桜木(当時25歳)より若く見えるのだが、役柄は後輩刑事ではなくタメ口だし対等の立場にあるようだ。婦警も中山麻里(吉本婦警)に変更。中山は桜木と同年齢ではあるが、かなり上に見えるタイプでフレッシュさは感じない。後に三田村邦彦と結婚する。名古屋章(時村係長)と守屋俊志(島崎刑事)は不動である。
鉄男の周辺の人々だが、風見章子(母)は変わらないが、弟の次郎は山崎亮一という子役にチェンジ、そして近所の生花店店員として関かおりがレギュラー入り。関かおりは前年の「ウルトラマンA」に高峰圭二と共に変身するヒロインに決まっていたが、直前に骨折して星光子に替わった経緯がある。
OPも「母さん辞令だ、刑事になったよ」から「母さん、行ってきます」に変更。歌も「コンクリート・ジャングル」からズバリ「刑事くん」というタイトルの歌に変更になった。個人的には「コンクリート・ジャングル」しか聞いたことがなかったので、主題歌は変わらないと思っていたのだが、シリーズごとに変わるようである。
そのOPで目を惹くのが軽トラックで現れる篠田三郎である。別に本作のレギュラーではない(第17話にゲスト出演)。これはおそらく前シリーズと本作の間に放送された「熱血猿飛佐助」で、佐助は桜木、霧隠才蔵を篠田がやっていた関係からだろう。加えて同時期にスタートした篠田が変身する「ウルトラマンタロウ」とのコラボ的な意味合いもあったのかもしれない。
ゲストに目を向けると3話に郷ひろみ、4話に森昌子と山口百恵、5話に麻丘めぐみとアイドルが縦続けに出演する。他にも西城秀樹、岡崎友紀、西崎みどりなども登場。10話に出てくる「必殺仕掛人」の主題歌を歌っていた山下雄三は唯一のドラマ出演なのかもしれない。また、中山麻理の兄であるマイケル中山(中山エミリの父)も16話に」出演している。
また、千葉真一は前作と同じ本庁の矢吹刑事役で1話および38話に出演。「キイハンター」繋がりで言えば大川栄子も28話にゲスト出演している。ちなみに「キイハンター」は、この「刑事くん(第2部)」が始まる前の週に5年間に渡る放送を終了している。
1部は全57話だったが、この2部は全55話で終了。1年ぴったりの52話でないのが変っている気がする。

刑事くん(第1部) その2

前回に続いて「刑事くん(第1部)」(71~72年)である。ゲストに目を向けると、まず当時のアイドルたちが目を引く。12話に萩原健一が登場。この時点ではまだPYGのメンバーで、本格的なドラマへの出演は本作が初だったかもしれない。ちなみに役名は井上タカユキだったらしい。もちろんPYGのリーダーだった井上堯之からとったものだろう。PYGといえば32話には沢田研二もゲスト出演している。一応PYGについて説明しておくと、元テンプターズの萩原健一と大口広司、元タイガースの沢田研二と岸部一徳、元スパイダースの井上堯之と大野克夫の六人で結成されたバンドである。72年に萩原の俳優活動が本格化したことにより自然消滅している。萩原の要望で、井上、大野、岸部らが「井上堯之バンド」として「太陽にほえろ」の劇半を担当したのは有名だろう。
話を戻すと33話に小柳ルミ子、34話に南沙織、35話に天地真理と当時の三人娘が立て続けにゲスト出演している。これ以降本シリーズではアイドルといえる人は出演していないようだ。34話には前田通子も出演。新東宝を追われた後は映画だけでなくテレビ出演もままならない状態になっていたが、この72年にカムバックし、「仮面ライダーV3」などいくつかのドラマに出演している。しかし、結局二年足らずで姿を消してしまっている。新東宝繋がりで言えば、10話には戦前からの大スターアラカンこと嵐寛寿郎が出演。場違いのような気もするが、「先生」と言われる立場でありながらも腰の低い人だったという。出演はメイン監督の奥中惇夫が新東宝の出身であることも関係していたかもしれない。
後目立つのは「特別機動捜査隊」のメンバーだ。9話に中山昭二と轟謙二が出たのをきっかけに、岩上瑛、日高晤郎、藤山律子、綾川香、三島耕、刑事ではないが村上不二夫などが出演。三島は桜木健一演じる鉄男の父親役、つまり基本的には遺影としての登場だが、最終の57話には出演しているようだ。
31話には千葉真一が本庁の矢吹刑事として出演。この回には後に殺人事件を起こす藤沢陽二郎も出ていた。矢吹刑事は第2部の初回にも登場する。
脚本に目を向けると最初の5回分は佐々木守が担当しているが、以降の参加は19話と最終話だけである。コンスタントに参加していたのは市川森一だけで、奥中が「誰かいないか」と探していたところに紹介されたのが長坂秀佳だった。まだデビューして数年で、大きな実績はなかったが、とにかく筆が早かったという。早いだけでなく出来栄えも良かったので、あっと言う間にメインライターにのし上がった。17話からの参加でありながら、全57話中の26本を担当している。ちなみに54話は市川森一と桜木健一の連名となっている。どの程度の参加かは不明だが、他に桜木が脚本を書いた作品というのは見当たらないので、原案程度なのかもしれない。
最終話で鉄男は父を殺した犯人を逮捕する。悲願を達成した鉄男は刑事を辞め物語は終了するが、この時点で続編が決定していたかは不明だ。しかし同じ桜木健一主演の「熱血猿飛佐助」(72年)を半年挟んで「刑事くん(第2部)」は復活するのであった。

刑事くん(第1部)

「特別機動捜査隊」が前回でようやく終了したが、続けて長編刑事ドラマをということで「刑事くん(第1部)」(71~72年)である。
実はこの「刑事くん」シリーズは、当時もそうだったがほとんど見ていなかったのである。子供ながらに30分枠の刑事ドラマなんて、とバカにしていたのかもしれない。大人になってからも、さほど興味がわかず、最近になってやっと東映チャンネルで放送しているのを見ているといった感じである。
主演は桜木健一で当時23歳。「柔道一直線」ですっかりお茶の間の人気者になっていた頃である。その「柔道一直線」もそうだったが、桜木が主演のドラマは歌唱力の高い桜木自身が主題歌を歌うのが通例のようになっていた。本作の主題歌「コンクリート・ジャングル」も桜木自身が歌う。ドラマは見ていなかったが、この歌は子供の頃から知っていた。
ドラマは城南署刑事課に三神鉄男(桜木)と大丸四郎(仲雅美)という二人の新人刑事が配属されるところから始まる。二人はライバル関係であるが、いがみ合ったりするわけではない。基本的には仲が良く、大丸も三神同様に正義感の強い真面目な青年として描かれている。三神は父親(三島耕)も刑事だったがある日殉職、その犯人は捕まっていない。その為に刑事になったという刑事ドラマではありがちな設定だったりする。
大丸役の仲雅美は当時21歳。17歳で歌手・東光夫としてデビューして、この71年にロシア民謡のカバーである「ポリシュカ・ポーレ」を歌って大ヒットしていた時である。個人的にも好きな歌だった。「刑事くん」と同時期に始まった「さぼてんとマシュマロ」にも出演しており、桜木に負けないくらい人気があった。顔立ちだけでなく芸名の字面も似ていた沖雅也とは「さぼてんとマシュマロ」で兄弟役を演じており、現場でもよく混同されていたという。ヒロイン役は桜木とのカップルの印象が強い吉沢京子である。
他のレギュラーだが、上司の時村係長に名古屋章。係長とか階級ではなく「時村さん」と呼ばれる。先輩の島崎刑事に守屋俊志。守屋は基本的には悪役で「特別機動捜査隊」にも40回近くゲスト出演している。この二人は第4部までずっとレギュラーである。姫野婦警には森桃江。71~73年くらいしか活動記録は見当たらず短期間で引退してしまった女優のようだ。刑事課は基本的にこれだけだが、たまに土屋刑事(山口暁)が姿を見せることがある。
後は鉄男の関係者で母(風見章子)、弟(三浦康晴)、幼馴染(津山登志子)、その父(牟田悌三)といった顔ぶれがレギュラー。三浦は「仮面ライダー」にも出演していた子役だ。
仲雅美の大丸刑事は30話で降板し、その後任は板垣刑事(立花直樹)。立花直樹は「特別機動捜査隊」でも触れたが、その4年前にも刑事役をやっていたわけである。当時21歳で「ジャンボーグA」をやる前だ。鉄男の後輩ポジションで、今どき(当時)の若者キャラである。

特別機動捜査隊(77年)

「特別機動捜査隊」はとうとう77年に突入。ラストへのカウントダウンが始まった。恐らくこの頃には終了は決定していたと思われる。もちろん、日高班が登場した時にはまだ続けるつもりだったのであろうが、三人の新人刑事が投入された時はどうだったのだろうか。最後のあがきみたいなものだったのかもしれない。
かつでのレギュラーだった森山周一郎(大村刑事)や鈴木志郎(西本係長)は何度も違う役で出演していたが、岩上瑛(荒牧刑事)や轟謙二(桃井刑事)も全く違う役でひっそりと登場。76年末の788話には中山昭二(藤島主任)も雑誌編集長の役で出演している。最後の顔見せ出演のようなものだったかもしれない。
77年の年明けは、三船班の新年会兼一の瀬玲奈(戸川刑事)のお見合いが行われる。相手はミラーマンの石田信之。爆発物処理のエキスパートだ。不発弾処理やら青木義朗(三船主任)が拉致され行方不明になり、葉山良二(日高主任)や伊沢一郎(関根部長刑事)も捜査にあたるなどいろいろ詰め込んだ話であった。日高班からは他に藤山律子(木塚刑事)も登場。緊迫したストーリーでありながら、吉田豊明(石原刑事)と立花直樹(佐田刑事)は、酔っ払い状態で使い物にならないというコミカルな一面もあった。
797話は完全に石原刑事が主役の回で、他のメンバーは三船も含めてセリフもほとんどない。功労者である吉田豊明へのご褒美エピソードだったといえる。初登場は青木義朗と同じ413話。宗方勝巳(畑野刑事)もそれほど差はないのだが、主任以外では石原刑事中心のエピソードが多く、より印象に残っている。
798話は亀石征一郎の矢崎班が半年ぶりに登場。最終回が決ったので復活させたのであろうか。メンバーは池田駿介(入江刑事)に代わって一度だけ出演していた三宅良彦(三宅刑事)が参加。池田の出演は4回のみに終わっている。
799話は日高班の最終エピソード。主役は日高ではなくこの時点での最長レギュラーになっていた関根部長刑事。妻や娘も登場した。これも伊沢一郎へのご褒美エピソードみたいなものだろう。初登場は335話なので、約9年間の出演だった。最高齢(当時65歳)ながらコンスタントに出演し続けていた。最終メンバーは葉山良二、伊沢一郎、倉石功(田坂刑事)、日高晤郎(田代刑事)、藤山律子、森哲夫(御木本刑事)であった。
800話は三船班の最終話エピソードだったが、特捜隊らしくどうということもない話であった。かつて鷲見刑事を演じていた柴田昌宏がゲスト出演(柴田昌名義)。最終メンバーは青木義朗、早川雄三(松木部長刑事)、宗方勝巳、吉田豊明、一の瀬玲奈、立花直樹であった。
801話はついに最終回。普通ならば主軸であった三船班か一番新しい日高班がしっくりくると思うのだが、復活したばかりの矢崎班が最終回担当となった。メインゲストは島崎喜美男。誰?という人も多いと思うが、本作の監督の一人で元俳優である。ある意味特捜隊らしいと言えるが、スタッフが最終ゲストというのは寂しい気もする。最終メンバーは、葉山良二、和崎俊哉(谷山部長刑事)、倉石功、佐竹一男(桂刑事)、山口あきら(神谷刑事)、三宅良彦であった。倉石功は二班掛け持ちのままラストを迎えている。
15年半続いて地味に幕を閉じたが、この翌週からスタートしたのが「特捜最前線」だ。有名(スター)俳優をなるべく使わない方針だった本作から方向転換し、有名俳優をズラリと並べたのだった。
駆け足でやったつもりの「特別機動捜査隊」だったが、14回も費やしてしまった。次回から通常ペースに戻ると思うが、何をやるかは全く考えていない。

特別機動捜査隊(76年2)

76年に入り「特別機動捜査隊」は葉山良二の日高班が登場し、青木義朗の三船班、亀石征一郎の矢崎班と三班体制になり、藤山律子(木塚刑事)、一の瀬玲奈(戸川刑事)の女性刑事二名も加わった。最も登板回の多かったのは三船班だったが、珍しく765~772話まで約二カ月登場しなかったことがある。青木義朗のスケジュールの都合であろうが、764話の劇中で負傷しラスト病院のベッドで「二カ月の入院だ」と言っていたのだが、本当に二カ月出演がなかったのである。
その間は登場してまもない日高班が中心で、合間に矢崎班が登場していた。ただ、三船班のメンバーもずっと休んでいたわけではなくイレギュラー登場している。770話は矢崎班の回だったが、実質的な主役は戸川刑事であった。死体の発見者という、いつぞやと同じパターンで矢崎は戸川を捜査に加える。男しかいない矢崎班のメンバーは彼女を大歓迎していた。続く771話は日高班の回であったが、主役は水木襄の水木刑事だった。流しに扮して自分の新曲を披露する。日高班とは別に動いていたが、途中で伊沢一郎の関根部長刑事と遭遇。関根は「長年、三船班で同じ釜の飯を食っていたた中じゃないか」と正式に日高班に移動していることが明らかになる。まあ番組を見ていれば予想はつくのだが、その辺りは曖昧な番組にしては珍しかった。なお、吉田豊明の石原刑事も登場し、ラストはピンチに陥った木塚刑事を水木と共に救うのであった。
773話で三船班が復活するのだが、今度は前述の770話を最後に矢崎班が登場しなくなるのである。噂では亀石の不倫騒動があったからだという説もあったが、確認はできなかった。しばらくは三船班と日高班の二班体制となるのだが、それに伴い倉石功(田坂刑事)が日高班に加入することになる。逆にあぶれてしまったのが伊達正三郎(笠原刑事)だった。登場頻度はそれほど高くなかったが、775話を持って約13年の出番を終えた。笠達也(片桐刑事)も新米の森哲夫(御木本刑事)に交代となっている。水木襄も780話まで出演していたが、782話より立花直樹(佐田刑事)に交代となっている。水木刑事は約5年半の出演期間であった。また、784話より三宅良彦(三宅刑事)が登場し、若い刑事が立て続けに三人登場したことになる。この回は三船班の回だったが、三宅は終始、和崎俊哉(谷山部長刑事)と行動しており矢崎班からの応援のように見えた。実際に矢崎班復活まで三宅は登場しない。谷山も矢崎班の出番がない分、三船班や日高班に顔を出すようになっていたのである。
森哲夫は「江戸の旋風Ⅱ」に新米同心として出演していた若手俳優。三宅良彦は他の出演歴も見つからないので、詳細不明である。立花直樹は当時26歳。「ジャンボーグA」(73年)で主役の立花ナオキを演じており、和崎俊哉とはそこで共演していた。主人公に芸名を合わせたわけではなく、その逆で役者の名を主人公の名にしたパターンのようだ。「刑事くん(第1部)」でも主人公・桜木健一の後輩刑事を演じていた。
水木襄はこの降板後まもなくして引退。ホテルの支配人やらスナック経営などをやっていたというが、91年に自ら命を絶ったという。53歳であった。現場の自宅には自分の出演した映画ポスターなどで埋め尽くされていたといい、復帰を望んでいたのかもしれない。

特別機動捜査隊(76年)

引き続き「特別機動捜査隊」だが、76年に突入。特に変化はなく萩原信二(岩本刑事)が芸名を萩原伸二にマイナーチェンジ。最年少刑事は普通のドラマでは目立つ存在だが、矢崎班においては目立たなくなる存在。船水進(保田刑事)も船水俊宏と名前を変えた途端、番組から消えてしまったが萩原伸二もまもなく消えてしまったのであった。
750~756話にかけて三船班の連投。何かの前触れかと思ったら、757話にて葉山良二演じる日高主任and日高班が登場した。実は当時、日高班が登場するという新聞記事を見た記憶はあるのだが、結局一度も見ることはなかった。葉山良二は当時44歳。第2期日活ニューフェイスで、入社当時は主演スターでもあった。
日高班のメンバーはまず伊沢一郎(関根部長刑事)。三船班から移動したことが後に明らかになる。伊達正三郎(笠原刑事)。735話に一度登場していたが、高倉班からの移動ということになるのだろう。それにしても初登場が63年なので、息の長いキャラである。笠達也(片桐刑事)も高倉班のメンバーだった一人。約2年ぶりの登場であった。日高晤郎(田代刑事)も高倉班メンバーで約2年ぶりの登場。旧役名はそのまま日高刑事だったのだが、日高主任の登場により田代に変更となっている。つまり新登場刑事の扱いである。主任の名前を変えれば済む話だと思うが、どうやら日高晤郎が出演の予定ではなかったらしい。誰が予定だったかはわからないが、役名も代打だから代田刑事だという話だったところ、日高がそのまま過ぎると訴えひっくり返して田代になったという。そして、特捜隊初の女性刑事として藤山律子(木塚刑事)がレギュラー入り。既に4回登場していたが、ここ1年は出演がなかったのでようやくといった感じである。
日高班初登場の757話だが、いきなり日高主任が霊柩車に銃弾を撃ち込んだりする。葉山が四方刑事役で出演していた「非情のライセンス」でも天知茂(会田刑事)が霊柩車に弾丸を打ち込む場面が存在するが、それを思い出させる。犯人役がその同僚である吉田刑事を演じた多々良純だったというのも面白い。別に日高主任は破天荒なキャラというわけではなく、三船主任に比べればずっと紳士的である。
矢崎班がしばらく登場していないので、日高班にチェンジしたのかと当時の視聴者は思ったかもしれないが、761話にて矢崎班が久々に登場。つまり数年ぶりに三班体制になったということであった。ちなみにメンバーは亀石征一郎(矢崎主任)、和崎俊哉(谷山部長刑事)、倉石功(田坂刑事)、佐竹一男(桂刑事)、名前をひらがな表記にした山口あきら(神谷刑事)、そして前述のとおり萩原伸二に代わり、無名に近い若手ではなく「キカイダー01」でお馴染みの池田駿介(入江刑事)が登場した。池田は当時36歳で、亀石や和崎と2歳しか違わない。もちろん他の三人より年長だが、役柄上は倉石より下のようであった。第10期東映ニューフェイスで、小林稔侍や三船班の吉田豊明(石原刑事)が同期となる。池田の加入により、矢崎班は佐竹以外は視聴者(特に特撮ファン)にはかなり馴染み深い顔ぶれになったといえる。
続く762話では、三船班に日高班に移った関根部長刑事に代わり二人目の女性刑事である一の瀬玲奈(戸川刑事)が登場した。一の瀬は当時24歳。東映のスケ番映画などに出演していたが、「コンドールマン」のレッドバットン/ケムスラー役などで知られる。藤山律子も「レインボーマン」での女幹部オルガや山口が主演の「電人ザボーガー」でのミスボーグ役などで知られ、女性刑事役の二人は特撮においては悪役だったのである。
 

特別機動捜査隊(75~76年)

「特別機動捜査隊」も青木義朗の三船班、亀石征一郎の矢崎班の体制になってから出演者も固定され、交互に放送される状態が74~75年にかけて約1年続いていた。その間に船水進(保田刑事)が 船水俊宏と改名している。688~699話にかけては藤山律子(木塚刑事)が三度登場し、セミレギュラー化したかと思いきやまたしばらく登場しなくなる。エンディングのクレジットでは役名が「木塚刑事」ではなく「木塚」だったり「ユリ」だったりしていた。クレジットといえば、OPでの「谷山部長刑事 和崎俊哉」が一回り大きくて凄く気になったのだが、それはラストまで修正されることはなかった。
変化があったのは75年5月で、703~711話にかけて三船班が連投となり矢崎班のエピソードがなかった。ただ、倉石功(田坂刑事)は、宗方勝巳(畑野刑事)に代わって何度か三船班として登場している。
久々の矢崎班登板となった712話。船水と岩下健(岩下刑事)に代わって、山口暁(神谷刑事)と萩原信二(岩本刑事)が登場した。やはり矢崎班は亀石、和崎、倉石の存在感が強く、他の三人の影が薄かったこともあり、交代となったのだろう。
山口暁は約4年ぶりの特捜隊復帰。その間に「仮面ライダーV3」のライダーマンや「電人ザボーガー」で主役を演じるなど大きく知名度を上げていた。ただ、特捜隊にも何度かゲスト出演しており、直近の709話にも犯人役で出演していた。そのせいか役名も以前の山口刑事から変更となっている。当時30歳で、佐竹一男(桂刑事)とは誕生日が1日違いだ。
萩原信二は当時25歳。見るからに若者でやはり直近の701、704話にメインゲスト的に出演していた。そこからの抜擢だと思われる。
印象に深いのは725話。吉田豊明演じる石原刑事に殺人容疑がかかり、矢崎班はあくまでも容疑者として彼を追う。部下を信じる三船は遂にはその逃走の手助けをする。そんな三船を非難する矢崎に、三船も「杓子定規だ」と応戦する。番組の長い歴史の中で個々での対立はあったが、班同士が対立したのはこの回だけかもしれない。矢崎主任というのは個性に乏しいキャラだったのだが、多少頭が固く、先輩である三船に一歩も引かない人間であることが明らかになった。
735話の矢崎班回には1年半ぶりに伊達正三郎(笠原刑事)が登場。遺体の発見者としての登場だったが「高倉班の笠原」と名乗っており、まだ高倉班が存在していることが明らかになった。矢崎は「まあ頼むよ」と強引に笠原を捜査に加える。以前ならば、何の説明もなく笠原が矢崎班の一員として登場していたパターンだが、珍しく説明がなされていた。
番組は76年に突入。二班が交互ではなく三船班2に対して矢崎班1という割合で放送されるようになり、やはり三船班の方が人気があったのかもしれない。

 

特別機動捜査隊(74年)

飽きている人もいるかもしれないが、引き続き「特別機動捜査隊」で、74年に突入した。三船班は青木義朗(三船主任)、伊沢一郎(関根部長刑事)、早川雄三(松木部長刑事)、宗方勝巳(畑野刑事)、吉田豊明(石原刑事)、水木襄(水木刑事)という不動の六人体制がこれから約2年くらい続くことになる(たまにイレギュラーもある)。水木襄は38年生まれで、吉田豊明(41年生まれ)よりも年長なのだが、役柄上は石原刑事が先輩となっている。部長刑事はどの班でも「長さん」と呼ばれるのが定番だったが、二人いるので松木に関しては「マッツアン」呼びである(生真面目な水木などは「松木さん」呼び)。三船は年上であろうと遠慮せず松木をどやしつけることもよくある(関根にはあまりない)。
吉田豊明以外は一般的にネームバリューのあるメンバーだと思うが、石原刑事が主役といえる回は結構あり、三船に次ぐくらいである。スタッフにも気に入られていたのだろうか。
さて、654話にて高倉班に代わり矢崎班が登場する。メンバーは亀石征一郎(矢崎主任)、和崎俊哉(谷山部長刑事)、倉石功(田坂刑事)、佐竹一男(桂刑事)、船水進(保田刑事)、岩下健(岩下刑事)の六人。今までの班とは違い、全員が新規登場である。亀石征一郎は第6期東映ニューフェイスで、千葉真一、倉岡伸太朗が同期。主演スターのイメージはないと思うが、若い頃は「ゼロ戦黒雲隊」(64年)「空手三四郎」(65年)といったドラマで主役を演じていた。特捜隊には、若手の久保田刑事役で出演したことがあり、約10年ぶりの登場だった。
和崎俊哉はニューフェイスではないが、東映京都出身である。和崎隆太郎の名で時代劇に出演していた。亀石と和崎は共に38年生まれで、つまり水木襄と同じである。三船班で一番若い役の水木と矢崎班で一番上の亀石と和崎が同い年なので、いかに矢崎班の面子が若いかわかるであろう(三船班の年齢が高いともいえる)。ちなみに東映入社は和崎が一番早かったようである。
ナンバー3となる倉石功は当時30歳。大人気番組「ザ・ガードマン」(65~71年)のレギュラーだったこともあり、視聴者的には彼が一番のスターに見えていたかもしれない。他の若手三人は当時はほぼ無名で、存在感が薄かった。大抵の矢崎班回は矢崎、谷山、田坂の三人で話が進み、出演者の格差を感じる班でもあった。そんな中で桂は最終話まで残ったので、三船班でいう石原のような存在といえるかも(主役エピソードはないけれども)。演じた佐竹一男は当時29歳。後に日活ロマンポルノを中心に活動するようになる(役者兼プロデューサー)。
さて矢崎班初登場回に凶悪犯を演じたのは団次郎や杉山元だった。団次郎といえば、やはり「帰ってきたウルトラマン」。ヒーロー役者でありながら、「江戸川乱歩シリーズ」では黄金仮面を演じたり悪役の顔もあった。同時代に亀石は「シルバー仮面」、和崎は「ミラーマン」に出演していた。この二つは裏番組の関係にあり、ライバル関係あったが、結果は「ミラーマン」の勝ち。亀石は自分の子供は父親の番組ではなく「ミラーマン」を見ていたと後に語っている。「ミラーマン」といえば、杉山元も和崎と共にSGMの隊員を演じていた。片方は刑事、片方は犯人として共演したわけである。ここから約1年は、両班がほぼ交互に登場することになる。
661話に藤山律子(木塚刑事)が登場するが、あくまでもゲストであり、後にレギュラーにしようとは当時は考えていなかったのではないだろうか。次の登場は半年後であった。

 

特別機動捜査隊(73~74年)

「特別機動捜査隊」も73年に突入し、600回を超えた。この番組は長い間出ていなかった刑事が唐突に復帰することがあるから油断ができない。居なくなる時も、ひっそりと消えるので後にならないとわからないのである。
610話で最後なったのが、矢吹渡(浜田刑事)と白石鈴雄(白石刑事)。矢吹は約8カ月ぶりの登場だったが、以後登場しなかった。白石は前回596話で最後と書いたが、よく調べたらこの回にも出ていた。615話は里見浩太朗(高倉主任)が14回ぶりに登場したのだが、班のメンバーとして生井健夫(佐久間刑事)が約5年ぶりに登場したのである。以前にも巽秀太郎(内藤刑事)が約4年の空白期間がありながら、ひっそりと復帰したことがあったが、当時はずっと見続けている人でなければ、また新顔の刑事と思っていたかもしれない。ちなみに生井健夫の出演はこの回のみであった。
620話でラストとなったのが北原隆(森田刑事)である。出演期間は約9年で、この時点では伊達正三郎(笠原刑事)に次いで古株だった。
他番組出演のため不在だった水木襄(水木刑事)は徐々に復帰。本格的復帰と言える625話は、青木義朗(三船主任)、宗方勝巳(畑野刑事)と水木の三人のみの出演という異例の回であった。それに伴い倉岡伸太朗(倉岡刑事)は、624話が最後の出演となっている。倉岡は目だってはいたが、約半年の出演であった。長かったり短かったり役者による扱いの違いは本人のスケジュールの都合もあろうが、プロデューサーが気に入るか気に入らないかというのも大きいと思われる。
626話から高倉班に日高吾郎(日高刑事)が登場する。ここから約5カ月間、高倉班がコンスタントに登場するのだが、メンバーもやっと固定されることになる。里見、日高、伊達、柴田昌宏(鷲見刑事)、笠達也(片桐刑事)、早川雄三(松木部長刑事)という面々だ。日高吾郎は大映の出身で、市川雷蔵の弟子だったという。低い声が特徴的だが、ショーン・コネリーの吹替を担当したこともある。ジェームス・ボンドといえば、若山弦蔵のイメージだが、日高が吹き替えているバージョンも存在する。
74年に突入するが、三船班は青木、宗方、水木、吉田豊明(石原刑事)、伊沢一郎(関根部長刑事)の五人体制になることが多かった。暇であれば三船班の早川雄三が高倉班に参加していたからだが、642話から早川が合流し、ほぼ不動の六人組となる。そして、646話が高倉班の最終話となったが特に特別なエピソードではない。それはどの主任も一緒だ。
この降板は完全に里見のスケジュールによるものだ。74年3月から「大江戸捜査網」の主演が決ったからである。「水戸黄門」の助さん役も継続中なので、これ以上は無理だろう。ちなみに、どちらも杉良太郎からバトンを引き継いだものである。里見浩太朗のテレビ時代劇スターとしての快進撃はここから始まったともいえる。
高倉主任としての在籍期間は2年強であったが、登場回数は全部で30回程度であった。高倉班メンバーも早川以外はフェードアウトしてしまうが、しばらくして復活を遂げることになる。

 

特別機動捜査隊(72~73年)

引き続き「特別機動捜査隊」だが、72年に突入する。子供の頃「特別機動捜査隊」の番宣を見た記憶があるが、三船班と高倉班が存在することをその時分から知っていたと思う。実際に見たことがあったのは三船班だけだったと思うが、里見浩太朗(高倉主任)の出番の少なさもあったからだろう。
前回、72年の上半期は一度も出演していないと書いたが、六月に一度登場していた。まあ、二班体制といいながら、ほぼ青木義朗(三船主任)の一班体制になっていた。その間の新刑事といえば、北村晃一(村井刑事)、柴田昌宏(鷲見刑事)が登場していた。柴田は潮万太郎の長男で、姉は弓恵子、弟は柴田侊彦。この一家の中ではあまり役には恵まれず、80年になる直前には引退してしまったようである。
72年において高倉主任二度目の登場となった558話では早川雄三(松木部長刑事)、矢吹渡(浜田刑事)が登場している。早川は基本悪役なので時代劇等では里見に斬られたりすることもあったと思うが、以降高倉班の部長刑事に定着する。それにともない金井大(荒木部長刑事)は登場しなくなる。矢吹渡は本名が浜田柾彦なので、本名が役名となっている。その浜田柾彦名義では、「少年探偵団」(75年)で明智小五郎役を演じている。その妹役が後に特捜隊初の女性刑事役となる藤山律子であった。
里見浩太朗は出演できるときは、一気にという感じで571~575話にかけては4回も高倉班エピソードになっている。メンバーは早川、柴田、滝川潤(岩井田刑事)、北原隆(森田刑事)、伊達正三郎(笠原刑事)などであったが、波島進らと共に降板していた轟謙二(桃井刑事)が限定復活し、3エピソードに出演している。また、73年となり共に降板していた岩上瑛(荒牧刑事)も高倉班メンバーとして589~601話のうちの3エピソードに限定復活している。しかし轟や岩上と同様に10年出演した南川直(橘部長刑事)は別役で一度ゲスト出演。刑事役だったせいか声が別人に吹替られていたりした。橘部長刑事ではないということを明確にしたかったのだろうか。
この辺りでの新メンバーは山口嘉三(椿刑事)、笠達也(片桐刑事)で、笠は専ら高倉班で登場する。山口は直ぐに姿を消してしまうが、前述の矢吹や北村もいつの間にか姿を見せなくなる。定着組では596話を最後に滝川潤や白石鈴雄(白石刑事)が姿を見せなくなる。白石は約2年の出番であったが、滝川は約10年出演していた最古参メンバーだった。
ここで、三船班に目を向けると伊沢一郎(関根部長刑事)、宗方勝巳(畑野刑事)、吉田豊明(石原刑事)はほぼ固定状態であったが、白石が前述のとおり降板。水木襄(水木刑事)も72年前半から73年前半にかけてほとんど出演がない。これは「緊急指令10-4-10-10」(72年)、「魔神ハンターミツルギ」(73年)という特撮ドラマに相次いで主演したためである。
その穴埋めとなったのが早川雄三だった。高倉班の出番が少ないせいもあり、三船班にも顔を出すようになり、関根&松木のW部長刑事体制となる。また倉岡伸太郎(倉岡刑事)も602話から登場。第6期東映ニューフェイスで、千葉真一や亀石征一郎が同期である。まもなく日本電波映画に移り、「姿三四郎」(63年)の三四郎役で人気を得て、同社の「里見八犬伝」(64年)や「武田信玄」(66年)での主演となり、プロマイドの売上が男性俳優部門で2位になったこともあったようだ。