夏夕介の出演映画 その3
今回も夏夕介である。
73年の映画出演は前回紹介した2本だけだが、10月から「顔で笑って」「ラブラブ・ライバル」という2本の大映テレビ制作のドラマのレギュラーを務めている。どちらも脇役のようだが、翌74年の3月まで続いている。
その74年の映画出演は調べたところ1本もなかったようだが、ドラマのゲスト出演が多かったようだ。そして10月になり「純愛山河 愛と誠」がスタートし、夏は主演の誠役に抜擢されている。愛役は当時15歳の新人だった池上季実子である。高校生役だが、夏は当時24歳で、岩清水役の中島久之も22歳であった。ちなみに、映画版も第1作がこの74年に公開されたが、誠役は西城秀樹で、愛役は役名をそのまま芸名にした早乙女愛が務めている。
ドラマ版の他の出演者は平泉征、高橋昌也、鳳八千代、苅谷俊介、名古屋章、子役だった戸川京子、そして原作・梶原一騎の実弟である真樹日佐夫が特別出演。真樹はケンカシーンの監修も担った。製作はアニメでお馴染みの東京ムービーで、本作が唯一のテレビドラマ製作となっている。2クール26話で終了したが、スタッフへのギャラ未払い騒動などがあったための打ち切りだったという。
75年3月にドラマ「愛と誠」が終了した直後から、前年はゼロだった映画出演が相次いでいる。まずは日活の「襟裳岬」。森進一のヒット曲を基にした歌謡映画である。主演は山口いずみで、その相手役として神有介、そして夏夕介である。夏と字面の似ている神有介だが、映像出演作は多くない。その中では同年の「男組青春大革命」での神竜役が目立つ。専ら舞台方面で活動しており、現在も劇団を主宰したりプロダクションの代表だったりする。他の出演者は天知総子、金田龍之介、ハナ肇、そして森進一が本人役で登場する。撮影は実際に襟裳岬周辺で行われたようだ。
本作は、当時はロマンポルノが主軸となっていた日活の製作配給となっているが、実はたまに一般映画を製作することもあったのである。ただ併映作品が製作中止などで中々決まらず、結局東映が7年前にお蔵入りにしていた「雪夫人絵図」を買い取って上映したという。主演が佐久間良子で、共演が山形勲、丹波哲郎、谷隼人、浜木綿子などであった。お蔵入りの理由は当時の東映はエロとヤクザ映画が全盛で東映調の作品ではなかったから。他社から譲ってくれという話もあったが、佐久間の主演作を他社には渡せないと断っていた。その佐久間が東映を退社したタイミングで日活に売ったため公開まで7年かかったというわけである。良質作の二本立てではあったが、興行的に失敗したという。
次が東宝「お姐ちゃんお手やわらかに」。これはホリプロ15周年記念作品であり、ホリ企画制作の製作となっている。主演は和田アキ子で、夏夕介、鈴木ヒロミツ、森昌子といったホリプロのタレントがメインとなっている。山口百恵も本人役で登場。ちなみに同時上映は山口主演の「潮騒」であった。山口百恵が東宝作品で脇役なのは本作だけだそうだ。他はホリプロのタレントではなく、番組上の繋がりでの出演者もいる。せんだみつお、デストロイヤー、ラビット関根(関根勤)、マジシャンの伊藤一葉などは和田メインのバラエティ「うわさのチャンネル」からの出演だ。他に堺正章、研ナオコ、坊屋三郎、小林亜星、藤村有弘、多々良純、砂塚秀夫、塩沢ときといった面々が出演している。
正直、初耳の作品で恐らくソフト化もされていないと思われる。情報も少ないし、レア度の高い作品ではないだろうか。、
夏夕介の出演映画 その2
引き続き夏夕介である。
71年は、日活の野良猫ロックシリーズ以外にも、松竹の「おんなの朝・あまから物語」に出演している。女性が主人公のようなタイトルだが、主演扱いは加東大介である。その妻が京塚昌子で、その子供たちが森次浩司、尾崎奈々、そして夏夕介である。他に三木のり平、フランキー堺、河内桃子、美川憲一、水前寺清子など。ほとんど東宝の作品のようなキャスティングだが、五者協定が事実上崩壊した頃というのもあるのだろう。ちなみに美川憲一は大映ニューフェイス(17期)に合格していたが入社はしていない。
72年は映画出演はなかったようだが、初のテレビ主演を得ている。それが「突撃!ヒューマン」である。舞台公開形式のヒーローものという斬新なスタイルで、人気絶頂だった「仮面ライダー」の裏番組として放送されたが、受け入れられることはなく1クール(13回)で打ち切られている。自分も子供ではあったが、存在すら知らなかった(実際北海道では放送されていなかったようだ)。再放送は直後に1度だけされたらしいが、その後はソフト化も含め、映像が世に出たことはない。これは収録がVTR形式で行われた為、当時はテープは高価で上書きする慣習があったことから、その上書きにより映像は世に残っていないからだと言われている。
出演は夏のほか、西島明彦、八代駿、キャンディーズのスーちゃんこと田中好子などである。ちなみに、キャンディーズは既に結成されていたが、本格デビューは翌73年のことである。
73年は、まず松竹の「男じゃないか 闘志満々」に出演。これは森田健作の項で書いたと思うが、森田と沖雅也が兄弟の役である。夏の役柄はよくわからないが、どちらかの友人といった感じだろうか。
続いて、松竹「としごろ」に出演。本作はホリプロとの提携作品で同社の歌手・タレントが多数出演しており、主役扱いが和田アキ子そして森昌子である。加えて石川さゆり、山口百恵そして当時はホリプロだった堺正章といった顔ぶれで華やかそうに思えるが、あらすじを見た限りでは暗い映画である(未見なので)。
和田アキ子は中学バレー部のコーチで、その部員が森昌子、石川さゆり、秋谷優子で、山口百恵もバレー部だがストーリーにはあまり絡まない。秋谷は当時16歳だが松竹の女優である。デビュー作は前述の「男じゃないか~」である。
森昌子は進学せず工場勤務となるが、そこで知り合うのが夏夕介である。夏は彼女をかばって大けがをするが、二人は惹かれ合うようになる。一方、秋谷は高校バレー部コーチ(森次浩司)の力添えもあり進学するが、その妻はその関係を良く思わず実家に帰ってしまう。しかも秋谷は足を骨折しバレーを断念せざるを得なくなる。そして石川は不良たちに絡まれレイプされるという衝撃展開(おそらく吹替あり)。そして悩み多き同級生(川口亮)と一緒に心中してしまうのである。川口は後に阿部健太→柴本浩行と名を変え主に声優として活動している。
石川さゆりは森昌子と同い年でこの時点ではデビューしたばかりなのにこの扱い。やはり同い年の山口百恵は歌手デビュー直前で、出番も少ないが、映画タイトルの「としごろ」は彼女のデビュー曲のタイトルでもあるのだ。ただし挿入歌として使われているわけではない。森、山口、石川のホリプロ三人娘で売り出す計画だったそうだが、石川はサンミュージックの桜田淳子にとって代わられ「中三トリオ」として人気になってしまったのである。ちなみに本作での石川の役名は「淳子」だった。デビュー時の石川さゆりは不遇だったのかなと今になって感じてしまう。
夏夕介から大きくそれたが次回に続く。
夏夕介の出演映画
今回からは、「特捜最前線」繋がりで夏夕介である。彼もテレビで専ら活躍していたイメージが強いと思うが、70年代には映画出演も結構あるのだ。
夏夕介は50年生まれで、本名は田浦久幸という。出生地は熊本で、小学校は千葉、中高は大阪と各地を転々としている。大阪で、グランプリーズというバンドでオルガンを担当しており、その時のボーカルが和田アキ子である。69年ホリプロにスカウトされ上京し和田はソロデビューする。その頃、人気絶頂だったGSであるオックスのオルガン担当赤松愛が失踪し、そのまま脱退。その後釜に選ばれたのが夏であった。本名から一文字抜いた田浦幸(ユキ)として参加するが、赤松のファンからは誹謗中傷を受けていた。
70年、オックスに在籍中だったが芸名を夏夕介と改めソロ歌手デビューを果たし、同時に俳優業をスタートさせた。デビュー作となったのが日活の「野良猫ロック」シリーズ第2弾である「野良猫ロック ワイルド・ジャンボ」である。このシリーズはホリ企画つまりホリプロが製作に絡んでいることもあり、ホリプロのタレントが多く出演している。
シリーズ第1作「女番長野良猫ロック」の主演は和田アキ子だし、夏もその流れからの出演であろう。「ワイルド・ジャンボ」はペリカンクラブという不良の若者集団が主役でメンバーが梶芽衣子、藤竜也、地井武男、前野霜一郎そして夏夕介だ。そんな彼らに范文雀扮するアサ子が、とある宗教団体の寄付金・三千万円の強奪を持ちかける。彼女はその教祖の愛人だったのである。その計画にのった彼等だったが、警官隊と銃撃戦となり、ついには全滅してしまうというストーリーである。個人的にも、中学生だか高校生の頃に確か日曜夕方にテレビで放送されたのを見た記憶があるというくらい印象に残っている作品だ。
和田アキ子は特別出演扱いでポスターにもでかでかと顔が載っているのだが、実はほんのわずかの登場で、しかも前作のフィルムの引用だったりする。
続けて夏が出演したのが71年の1月に公開されたシリーズ第5作にて最終作の「野良猫ロック 暴走集団'71」である。今回は不良ではなく、新宿をネジロにするヒッピー集団という設定。そのメンバーが藤竜也、梶芽衣子、地井武男そして夏夕介というワイルド・ジャンボ同様の顔ぶれに加え、常田富士男、司美智子、青木伸子、小磯マリ、高野沙里、そしてリーダー格が原田芳雄である。地井は来海町々長(稲葉義男)の息子であり、町長は彼を連れ戻そうとブラックSSという怪しげな集団(メンバーは郷鍈治、藤木孝、前野霜一郎、安岡力也など)を使う。地井と梶が二人でいる際に襲われ、地井は弾みで力也を刺殺するが連れ去られる。梶が殺人者に仕立てられ女子救護院に送られるが、久万里由香を伴って脱走。梶は単身で来海町に乗り込むが他のメンバーも後を追う。そしてヒッピーグループと町長、ブラックSS団との戦いが始まると言ったストーリーだ。
71年5月にオックスは解散し、夏は役者業に力を入れ始めている。ドラマ「美人はいかが?」にレギュラー出演したり、藤岡弘や佐々木剛も学んだ劇団NLTの研修生になったりしている。
誠直也の出演映画 その3
今回も誠直也である。
73年はファイヤーマンとしてヒーローを演じた誠だったが、東映が絡んでいなかったからなのか、74年になっても東映で誠が出演する映画はヤクザ映画ばかりであった。特にこの年は出演作が多い。
「安藤組外伝 人斬り舎弟」はタイトル通り安藤昇主演で、菅原文太、梅宮辰夫、渡瀬恒彦などが共演。「山口組外伝 九州進攻作戦」は菅原文太が主演で、梅宮辰夫、松方弘樹、渡瀬恒彦に加え、津川雅彦そして志村喬なんかも出演している。「唐獅子警察」は小林旭が主演で、安藤昇、渡瀬恒彦、志村喬などが共演。「暴力街」は安藤昇が主演で、小林旭、夏八木勲、菅原文太、丹波哲郎が共演という、似たような顔ぶれが代わる代わる主役をやっていたという感じ。ちなみに「暴力街」には誠が「ファイヤーマン」で共演した平泉征も出演している。その誠だが、これらの作品では、いずれも組員の一人を演じているようだ。
「任侠花一輪」は藤竜也主演の唯一のヤクザ映画。藤はこれが初の主演作だという。当時、藤竜也が語りだけのレコード「花一輪」を出しており、それを基に映画化したものである。原案の小谷夏とは「花一輪」の作詞者である久世光彦のペンネーム。その久世が演出していた「時間ですよ」の中で、一人シリアスで寡黙な男・風間のイメージで藤は演じているようだ。共演は多岐川裕美、宮園純子、名和宏、梅宮辰夫など。誠の役(高原健太)は未見なので、よくわからないがやはり組員の一人ではないだろうか。
「衝撃!売春都市」はヤクザ映画ではなくアクション映画である。梅宮辰夫が麻薬Gメンで、他に中島ゆたか、山城新伍、白石襄、そして宮内洋の項でも説明したが、三悪追放協会の代表でもある菅原通済が本人役で出演している。白石襄は「ブラバス」のCMなどにも出演していたモデルだが、短期間ではあるが役者もやっていた。「特別機動捜査隊」にも白石刑事としてレギュラー出演していた時期があった。本作では愚連隊のリーダーを演じているが、誠は(予想だが)その仲間の一人ではないだろうか。これも未見なので。
そして何と言っても「仁義なき戦いシリーズ」。誠はそのうちの三本に若手組員役で出演しているのだ。
「仁義なき戦い頂上決戦」で、誠は山城新伍率いる江田組の若衆。「仁義なき戦い完結編」では宍戸錠率いる大友組の若衆。「新仁義なき戦い」では、若山富三郎率いる青木組の組員。八名信夫と共に中谷一郎演じる難波組長を射殺するが、後に殺されるという役だ。つまり三作とも違う役である。
ほぼヤクザ映画に明け暮れた74年であったが、75年になって「秘密戦隊ゴレンジャー」の主役アカレンジャー役に抜擢されたのである。現在も延々と続く「スーパー戦隊シリーズ」の第1作である。これが人気を呼び、誠もすっかりヒーロー役者としてお茶の間に認識されたと思われる。これを境にヤクザ映画に出演することがほぼなくなったのである。そして77年からは「特捜最前線」で吉野刑事役に抜擢。藤岡弘、荒木しげる、夏夕介、三ツ木清隆といったヒーロー役者が集結し「特撮最前線」などと言われていた。誠は8年の間出演し続けたのであった。
誠直也の出演映画 その2
前回に引き続き誠直也である。
72年は「不良番長シリーズ」以外の出演作も何本かある。「まむしの兄弟 傷害恐喝十八犯」は菅原文太、川地民夫による人気シリーズの第4作である。共演が渡瀬恒彦、北林早苗、殿山泰司、北村英三で、悪役が待田京介、天津敏、遠藤辰雄、高宮敬二などで、誠は待田演じる矢東会会長の運転手つまり組員という役柄だ。
「人斬り与太 狂犬三兄弟」も菅原文太主演のバイオレンスであり、こちらの相棒は田中邦衛。三兄弟(もちろん肉親ではない)というから、もう一人は誰かと思えば三谷昇という意外なキャスティング。悪役は今井健二、内田朝雄、室田日出男などで、誠は博という役である。
「狼やくざ葬いは俺が出す」は千葉真一が主演のバイオレンスもの。この時代の東映はこんな作品ばっかりである。「葬い」で「とむらい」と読ませているが国語的には「弔い」。まあイメージとしては「葬い」の方が分かりやすいかも。本作は千葉扮する拳銃密売屋が取引の際に裏切りに合い成田三樹夫演じる刑事に逮捕され、相方の北川恵一は殺される。取引相手だった深江章喜、土山登志幸も諸角啓二郎らによって海に突き落とされる。事件の黒幕は内田朝雄で、出所した千葉は藤竜也、渡瀬恒彦、内田良平、堀田真三、そして誠直也らを仲間にして殴り込みをかけるという話。後に実は生きていた深江、土山も仲間に加わる。敵役の多い深江や堀田が味方側というのも新鮮な感じ。またニューフェイス出身ながら大部屋のような役ばかりの土山や北川(すぐ殺されるけど)が、ポスターに名が載るような役を演じている。
とまあ72年は東映の集団アクションとでも言うのだろうか。そんな作品ばかりに出ていた誠直也に翌73年、転機が訪れる。円谷プロ10周年記念作品「ファイヤーマン」の主役抜擢である。その経緯について誠は円谷粲Pがオーディションで選んだと聞いているが記憶にないと語っている。実の所は円谷が写真を見て決めたらしい。地球科学特捜隊SAFの誠の他は睦五郎(隊長)、岸田森、平泉征(現在は成)、栗原啓子の五人。当時の誠は九州訛りが強く、岸田森に厳しく指導されたという。栗原も新人で誠同様に岸田や睦の厳しい指導があったという。
やはり「ファイヤーマン」で忙しかったせいか73年の出演映画は「番格ロック」の1本だけである。山内えみ子主演のスケ番映画だが、太和屋竺脚本ということもあってか他のスケ番映画とは少し違ったムードになっているようだ。山内が少年院帰りの「番格・音無の由紀子」で、総番長「ハンター朱美」が片山由美子。個人的にはどちらも好きな女優だった。山内のかつてのライバル「アラブの鷹」が柴田鋭子で、恋人だったのが誠直也である。誠はヒーローを演じたばかりであったが、ここではヤクザの三下。兄貴分が鹿内孝だ。柴田鋭子は映画出演は本作含め2本しかないようである。
本作の主題歌はキャロルで、出演もしている。本作は11年にDVD化される寸前までいったが、矢沢永吉の事務所から反対があり、販売は中止となっている。ウィキペディア情報では、主題歌がジョニー大倉のソロパートが多いことに不仲である矢沢が不満を持ち、もめ事を避けたい東映が自主規制をしたのが真相だという。
誠直也の出演映画
70年代青春スターシリーズ。今回から誠直也である。「ファイヤーマン」「秘密戦隊ゴレンジャー」など宮内洋同様テレビヒーロー役者のイメージも強いが、結構映画出演も多い。堅物そうな外見だが、学生時代は破天荒な生活を送っていたようである。
誠直也は48年佐賀県生まれで本名は古川誠剛という。福岡電波高校(現・福岡工大城東)時代はラグビー部の主将として全国大会優勝の経験を持つ。しかし、半月板を損傷しラグビーを断念する。目標を失った形で法政大学に進学したが、ある日スロットゲームの機械を見て、それをリース会社から借りてスナックやバーに置く仕事を始めた。それが大当たりし、学生ながら月収300万を稼ぎ、高級車を手に入れたり、銀座で飲み歩いたりしていたという。そんな生活を4年生になるとピタリと辞めて、卒業にこぎつけた。就職も決まっていたのだが、そんな時に居酒屋で知り合いだった映画関係者にばったりと出会い、役者にならないかと勧められる。ガラじゃないし、興味もなかったが、本人曰く酔った勢いでOKしてしまったという。そして就職はせず、71年に役者としてデビューするのである。劇団はもちろん、演劇部の経験も全くなしでありながら、すぐに仕事に恵まれたという。
デビュー作は東映の「現代やくざ 血桜三兄弟」である。菅原文太主演のシリーズものだ。共演は伊吹吾郎、渡瀬恒彦、荒木一郎、小池朝雄らで、悪役に河津清三郎、名和宏、藤山浩二など。誠直也は三郎という役名だが、どういう役かは未見なので不明である。タイトルは三兄弟だが、設定では文太と伊吹が実の兄弟。あらすじで最後は渡瀬、荒木を加えた四人で殴り込みをかけるというので、三兄弟って誰を指す?と思ってしまった(おそらく荒木以外の三人だろう)。
71年は他にも「不良番長 突撃一番」「新網走番外地 吹雪の大脱走」といった東映の人気シリーズにチョイ役ではあるが、顔を出している。
72年になると前作で顔を出したのが利いたかのかシリーズ14弾「不良番長 のら犬機動隊」では、カポネ団の一人(バクダン)に抜擢されたのである。梅宮辰夫、山城新伍、藤竜也、峰岸徹(当時・隆之介)らに混じった無名の新人といった感じであろうか。本作は後に「仮面ライダーアマゾン」となる岡崎徹の映画デビュー作で、彼もカポネ団員に抜擢されている。ちなみに通称「ゴーカン」である。
続く15弾「不良番長 一網打尽」にも誠は出演。今回は梅宮演じる神坂のダチという設定だが、すぐに殺されてしまうようだ。岡崎は本作でもカポネ団員で、通称は「金庫」である。
宮内洋の出演映画 その4
もう1回宮内洋である。
74年は前項のとおり「助け人走る」に出演していたが、その終了後に公開されたのが「女必殺拳」である。志穂美悦子主演のカンフーアクションだが、元々は主演は香港のスター女優・アンジェラ・マオに決定していたのである。
東映の女番長(スケバン)シリーズにも陰りが見え始め、岡田茂社長は代わりとして「女千葉真一」、つまりは女カンフーアクションのようなものを構想したのである。その千葉の下で修行をしていた志穂美悦子は既にデビューし「キカイダー01」等で活躍していたが、岡田は彼女の存在を知らなかったのである。
「東映女カラテ新路線香港女優で発進」という報道がされると、千葉がその監督予定だった鈴木則文の前に現れ、今度の映画に使ってくださいと志穂美の映像を見せたのである。その身のこなしに驚いた鈴木は「必ず重要な役で使う」と千葉に約束。もっとも千葉は「わざわざ香港から呼ばなくても、志穂美を主役に使えばいい」と思っていたそうだ。しかし、アンジェラが諸事情により参加できなくなり、鈴木は直ぐに志穂美の起用を岡田に進言したのである。こうして、志穂美主演が決定したが、元々予定されていたのは主役を助ける女空手家の役である。役名は早川絵美といったが、そこには菅沢恵美子が起用されることになった。少林寺拳法を特技としており、菅沢は役名をそのまま芸名とした。後に特撮ドラマ「ザ・カゲスター」にベルスター役で出演することになる。ちなみに、今は誠直也の奥さんである。ちなみに、鈴木は脚本のみの参加となり、監督は山口和彦がやることになった。
話が横に逸れたが、宮内の役は志穂美が演じる紅竜の兄であり、香港の麻薬捜査官。ただ行方不明であり、実は悪の組織に捕らわれていたという展開のなので活躍は出来ない。彼女の協力者として、師匠・千葉真一、大堀早苗、前述の早川絵美が登場する。大堀は「プレイガール」に最後の1クールのみメンバーとして出演していた。なお、本作には「プレイガールQ」に中盤からレギュラー入りした山本良々も顔を出している。内田朝雄、近藤宏が珍しく味方役である。悪の親玉は天津敏で、山本昌平、石橋雅史、日尾孝司などがその配下である。
またテレビに目を向けると74年は「刑事くん・第3部」に桜木健一演じる三神刑事の同僚である風間刑事として出演した。番組は1年間続いたが、75年になると並行して「秘密戦隊ゴレンジャー」にアオレンジャーとして出演することになる。主演はアカレンジャー・誠直也で、宮内は当初脇役だと思って断ろうとしたが、宮本武蔵でいう佐々木小次郎のポジションと言われ、出演することにしたという。このように、75年は多忙で映画出演はなかったが、76年はゴレンジャーの劇場版「秘密戦隊ゴレンジャー爆弾ハリケーン」が公開されている。21分というテレビより短い尺ではあるが、オリジナル作品なのである。ちなみに、76年は「トラック野郎・天下御免」にクレジットはされているが、本編には未登場という出来事があった。その辺の事情に関しては不明である。誠直也が出演しているので「ゴレンジャー」人気を意識してのものではあったのだろう。
宮内洋の出演映画 その3
引き続き宮内洋である。
72年はもう1本あり、「麻薬売春Gメン」に出演している。やはり「キイハンター」の先輩でもある千葉真一主演の正統派アクション映画である。千葉はタイトル通り麻薬Gメンの役で、宮内は彼とは別に事件を追う県警の刑事役である。
他には、千葉の妻役に武原英子、宮内とコンビのベテラン刑事が佐野浅夫で、渡辺文雄や戸浦六宏、渡辺やよい、中村敦夫らが出演している。麻薬捜査事務所の所長に河合弦司、県警の刑事役に相馬剛三、日尾孝司、伊達弘といったお馴染みの東映脇役陣が並んでいる。
三悪(性病、麻薬、売春)追放協会が全面協力のキャンペーン映画という側面もあり、その協会の代表である菅原通済が自ら出演している。フィクサーとしても知られるが、小津安二郎のタニマチ的な存在でもあり「彼岸花」「秋刀魚の味」などの小津映画七本に脇役で出演していたりもする。
73年は女番長シリーズの4作目である「女番長(スケバン)」に出演。本作は杉本美樹、池玲子のW主演といった感じであろうか。宮内はかつて池の恋人であり、杉本ともいい関係になってしまうというモテ役柄であるが、結局は池ををかばって命を落とすのである。悪の親玉が天津敏で、杉本と池が共闘して立ち向かう。割合シリアスな展開となるようだ。他の出演者は荒木一郎、衣麻遼子、名和宏、内田勝正、遠藤辰雄、三原葉子、須藤リカ、一の瀬レナ、太田美鈴、丘ナオミなどで歌手の西来路ひろみも杉本の仲間として出演している。
73年といえば、宮内にとって大きな出来事が二つの大きな出来事があった。「キイハンター」の終了と「仮面ライダーV3」の主演抜擢である。オーディションではなく、関係者のリストアップから面接が行われた。面接とは知らずふてぶてしい態度だったというが、逆に気に入られたらしい。伝説にもなっているドアをけ破って入って来たという噂は「私にも常識はあります」と否定している。
ここからヒーロー人生がスタートし、出演作品の傾向も変わっていくようである。この73年「仮面ライダーV3対デストロン怪人」という30分強の映画版オリジナルも製作されている。三人ライダーの共演ではあるが、藤岡弘、佐々木剛は変身後の声だけの参加である。
V3の終了した74年にレギュラー出演したのが時代劇「助け人走る」である。映画テレビを通じて東映以外(松竹)の作品に出演するのは初めてであった。事情により「必殺」の文字はないが「必殺シリーズ」の第3弾である。第20話からの途中参加だが、1クールの放送延長が決まったことによる追加キャストという感じだろう。他の二人(田村高廣、中谷一郎)がベテランということもあり、前作「仕置人」の沖雅也のようなアクションのできる若手俳優として選ばれたのではないどろうか。役名は「島帰りの龍」で髪型は現代そのまんまで空手を使うが、殺し技は相手を持ちあげて脳天から逆さ落しにする「脳天砕き」。特撮ヒーロー同様のクールな正義感を演じたのである。
宮内洋の出演映画 その2
前回に引き続き宮内洋である。
70年はあのシリーズにも出演している。それは「不良番長」シリーズである。まずその第8作である「不良番長出たとこ勝負」。主演は梅宮辰夫で、「キイハンター」の先輩である谷隼人がレギュラーだった。梅宮演じる神坂弘以外のカポネ団はだいたいあだ名で呼ばれ、谷はそのまま「タニー」だったが、谷川武というちゃんとした本名設定もある。山城新伍も毎回登場するが、基本的には同じようで違う役だ。「××五郎」であることが多い(本作ではハクライ五郎)他は流動的なのだが、本作でも団員役である鈴木やすし、安岡力也である率が高い。毎回その助っ人が登場するのだが、本作では待田京介で、デビューまもない渡瀬恒彦もそんな感じの役だ。さて宮内だが「柔道場の警官」というチョイ役である。相馬剛三、関山耕司という東映お馴染みの脇役と一緒に映ったりしている。
そして第10作「不良番長口から出まかせ」にも宮内は出演しているが、本作では団員役に昇格し、タカシこと沢田隆役である。実は谷隼人が前作限りで降板しており、その二枚目枠に宮内が入ったということだろう。谷の降板は「キイハンター」の撮影で時間が取れなくなったということのようだが、じゃあ同じ番組に出ている宮内はという話になる。これに関しては谷は「キイハンター」の正メンバーで出演率は高いが、宮内は「国際警察特別室」という彼らの後方支援的な立場で、この70年の出演回数は16回なので余裕がありそうである。ちなみに、第1話から登場している室長役の仲谷昇は5年間で16回しか出演していない。そういえば宮内は45年生まれであることを自著で明かしているが、谷は46年生まれなので宮内が年上だったことになる。宮内の「不良番長」シリーズ出演は本作以降なく、1回限りのカポネ団員であった。
71年に入っても「キイハンター」の出演頻度は前年とほぼ変わっていない。しかし、映画出演は「現代ポルノ伝 先天性淫婦」の1本だけである。主演はサンドラ・ジュリアンに池玲子で「あの宮内洋がポルノ映画に」と今なら思ってしまうが、まだヒーロー役者になる前だし、東映専属俳優なら出ろと言われれば、出るしかなかったのだろう。当時の本人がどう思っていたかは知らないけれども。サンドラはフランスの女優で東映が招聘し、二作品に出演している。おそらく、彼女主演の洋画が日本でも公開され反響が良かったので呼び寄せたということではないだろうか。宮内をめぐるサンドラ対池玲子みたいな構図があるようだが、そんな単純ではなく、小池朝雄、渡辺文雄、遠藤辰雄(太津朗)といった中年たちが絡んでくるようだ。
72年も池玲子主演の「女番長ブルース牝蜂の挑戦」に出演している。女番長シリーズの2作目である。池が率いるのが「パール団」で、渡辺やよい、杉本美樹らがメンバー。杉本はシリーズ3~5作目では主役に昇格する。対立する「黒ゆり会」のリーダーが風間千代子で、メンバーに女屋美和子など。その風間の恋人が宮内である。風間はモデル出身で、72~76年の期間東映の映画やテレビ作品に出演していた。宮内はグループ間の対立を止めようとしたりする好人物として描かれており、その兄貴分として登場するのが梅宮辰夫演じる自称「不良番長」。設定(台本)上は宮原明という名らしいが、その正体は神坂弘のようである。他に荒木一郎、小山明子、由利徹、小池朝雄、岡八郎、山城新伍などが出演している。
宮内洋の出演映画
70年代スターシリーズ、今回はヒーロー役者と言えば真っ先に挙がるであろう宮内洋である。彼もテレビ中心で活躍しているので、映画出演は少ないのである。
宮内洋は47年生まれ(自著では45年生まれとしている)。出生地は満州で、育ちは千葉の銚子だというが、プロフィールでは東京出身となっているようだ。早くから丹波哲郎に憧れ弟子入りを志願するが「高校を卒業してから来い」と言われたというエピソードから、高校在学中には丹波門下を目指していたようだ。高校卒業後は日本大学に進学。俳優出身者が多い芸術学部ではなく商学部である。その在学中から丹波に師事したようである。
68年に東映ニューフェイス12期生となる。同期は片山由美子、ひろみどり、小林千枝など。片山由美子は「ジャイアントロボ」に出演した後に正式入社した形である。
テレビドラマデビューは69年の「あゝ忠臣蔵」だが、本人は「キイハンター」と言い切っている。師匠・丹波哲郎主演のアクションで、70年の正月放送の92話から登場した。役名の壇俊介は「スパイキャッチャーJ3」(65年)で主役の川津祐介の役名と同じである。無論、師匠である丹波の尽力もあってのレギュラー入りだろう。
映画のデビューも69年である。ウィキペディアでは「夜の歌謡シリーズ 長崎ブルース」が挙がっており、公開時期から言うとこれが映画デビュー作となるようだが、役柄は確認できなかった。まあチョイ役なのだろう。ちなみに「長崎ブルース」は青江三奈のヒット曲で、松方弘樹、谷隼人、梅宮辰夫、大原麗子に加え青江本人も出演している。
「やくざ刑罰史 私刑」は、石井輝男の監督作品。本作で宮内はやくざ一家で菅原文太の弟分のような役を演じている。新吉という役名もあったりする。他の出演者は大友柳太郎、林真一郎、安部徹、大木実、石橋蓮司、高英男、吉田輝雄などで同期の片山由美子も顔を出している。
「組織暴力兄弟盃」も菅原文太主演のヤクザものだが、宮内はここでは「大場組組員」としての出演である。大場を演じるのが安藤昇だ。他の出演だが、待田京介、山城新伍、野添ひとみ、渡辺文雄、嵐寛寿郎、そして宮内の師匠である丹波哲郎などである。「共演」はこれが初となる。また小林稔侍が宮内と同じ「大場組組員」として出演している。
69年はこれらの作品に顔を出し、明けて70年、前述のように「キイハンター」にレギュラー入りしたのである。
それと並行しての映画出演もあった。70年最初の映画出演は「現代任侠道兄弟分」だった。これは菅原文太と鶴田浩二が主演の任侠ものである。共演は待田京介、吉行和子、桑原幸子、砂塚秀夫、渡辺文雄らに加え大ベテランの小杉勇が顔を出して言う。東映出演は15年ぶりくらいで、おそらく本作が最後の映画出演になるのではないだろうか。宮内は「滝」という役名はあるが、詳細は不明である。
「花札賭博 猪鹿三番勝負」は、野川由美子、梅宮辰夫が主演の女博徒もの。未見だが(あらすじを見たかぎりでは)藤純子や江波杏子がやっていたものとはテイストが違い、夜の世界が強めの作風とでも言うのだろうか。三条泰子、橘ますみ、杉本エマ、宮園純子、ピーター、伴淳三郎などが共演。悪役が小池朝雄、遠藤辰雄(太津朗)で、宮内に加え谷隼人も「キイハンター」から出演している。宮内は「藤井」という役名だが、やはり詳細は不明である。