お宝映画・番組私的見聞録 -26ページ目

藤岡弘の出演映画 その5

まだ引き続き藤岡弘の松竹時代である。
67年3月の「あゝ君が愛」はいかにも松竹メロドラマという感じ。ヒロインはデビューしてまもない(おそらく2本目)当時19歳の生田悦子であった。その相手役は 山口崇で外科医と看護婦という関係だ。生田の姉が桑野みゆきで、山口の姉が小川真由美。桑野はボクシングジムで働いており、その経営者夫婦が交通事故死。その夫婦が生前ジムを継がせたいと思っていたのが藤岡弘である。他に田村高廣、尾崎奈々、倍賞千恵子などである。
その2週間後に公開されたのが「宇宙大怪獣ギララ」だ。松竹唯一の怪獣映画として知られる。「ゴジラ」「ガメラ」など怪獣ブームであったこともあろうが、製作のきっかけは東映の「大忍術映画ワタリ」だったと当時の「松竹タイムズ」には記載されている。また「松竹タイムズ」では出演者に木村功の名があるが、出演していない。ハリウットで合成特殊技術を学んだ二本松嘉瑞が監督を務めた。主演は和崎俊也、原田糸子で、他に柳沢真一、岡田英次、園井啓介、北竜二、フランツ・グルーベル、ペギー・ニールなど。
藤岡弘はポスター上は3番手に名前があるが、月ステーションの通信員Aという役で大して出番もない。大部屋役者がやってもいいような役だが、無理にでも出てもらいたかったということなのだろうか。博士役フランツ・グルーベル(グルーバー)は、「キイハンター」「ザ・ガードマン」などアクションドラマの悪役外国人としてよく登場していた。
ここから半年以上、藤岡の映画出演記録はない。何故かは不明だが、この間に初のテレビドラマ出演があったようである。
久々の映画出演となったのが10月公開の「また逢う日まで 恋人の泉」である。これは三田明のシングル曲のタイトル二つを繋げたもの。つまり三田明本人が主演の歌謡映画である。「また逢う日まで」といえば、尾崎紀世彦の大ヒット曲を思い浮かべる人が多いかと思うが、こちらとは同タイトルの別曲である。
竹脇無我、三田明、和崎俊也、砂塚秀夫、藤岡弘が演じる勤労青年五人組のバンドが「ザ・ファイブ・ドリンカーズ」である。五人で買った宝くじで二百万(当時としては超大金)があたり、仲たがいが起こり、和崎、砂塚、藤岡が去り、竹脇と三田だけが残る。二人は別々に知り合った鮎川いずみに恋をするが、それを知った鮎川は二人の前から去ろうとするが二人は引き止める。そんな時、砂塚がヤクザとのケンカで重傷を負い、他の四人が駆け付けるが彼は息を引き取った。残った四人はバンドを再結成する、というようなストーリーのようだが、当時のポスターでは三田の両側に鮎川と早瀬久美で、「恋人が二人⁈ 三田・早瀬・鮎川の初恋騒動」というコピーが添えられている。あらすじでは早瀬久美(の役)に関しては書かれてないし、三角関係になるのは竹脇・三田・鮎川である。どっちが正解?という感じである。他の出演者は尾崎奈々、西尾三枝子、松山省二、園井啓介、石山健二郎、寺尾聰が在籍したザ・サベージなどである。この時期だと寺尾は脱退していると思われる。
67年は本作で終了。全部で5本の出演だが主演作はなかった。にしても竹脇無我の主演作が多いという印象である。
 

藤岡弘の出演映画 その4

引き続き松竹時代の藤岡弘である。
66年は前回挙げた他にもまだ出演映画がある。「熱い血の男」はアクション映画。主演は竹脇無我で、大雑把に言えば竹脇が悪党と戦う話。その仲間とのなるのが内田良平と藤岡弘である。内田の妹役が香山美子。敵役となる兄弟を演じるのが南原宏治と長谷川竜男である。長谷川竜男とは竜雷太のことで、元々は松竹の役者である。この直後に東宝の青春ドラマ「これが青春だ」の主役に抜擢され竜雷太となる。悪役の竜雷太は珍しいのではないだろうか。他に木村功、加藤嘉、花沢徳衛、近藤宏、木村俊恵など。
「スチャラカ社員」は当時人気だったコメディ番組の映画化作品である。テレビで主役は社長役のミヤコ蝶々だが、ポスターではトップに部長役の長門勇の名がある。テレビレギュラーでは他に中田ダイマル・ラケット、東山明美が出演。映画用のキャラとしてルーキー新一、ビンボ・ダナオ、南道郎、都はるみ、新藤恵美、そして藤岡弘などが出ている。他にも夢路いとし・喜味こいし、かしまし娘、若井はんじ・けんじといった漫才師も登場する。ダイマル・ラケット含めて全組実の兄弟(姉妹)である。藤岡の役柄はライバル会社の若手有能社員といいたところだ。
「かあちゃんと11人の子ども」は、タイトル通り11人の子供を持つ母親を描いた作品で、原作は吉田とらという人。劇中の主人公もそのまま吉田とらで、左幸子が演じる。他の吉田家の人間が実名かどうかはわからないが、夫役は渥美清。11人の子供たちを演じるのは男子は内藤武敏、近藤洋介、佐藤英夫、工藤堅太郎、田村正和、藤岡弘で、女子は久我美子、稲野和子、十朱幸代、倍賞千恵子、左時枝である。
実年齢で言えば、両親役の渥美清(当時38歳)、左幸子(当時36歳)に対し、長男役の内藤は40歳、長女役の久我は35歳で年齢感がわからなくなるが、回想シーンが多いということであまり年配の役者を両親役にはできなかったのだろう。末っ子役の左時枝は左幸子の妹だが、当時19歳ということで親子といっても違和感はない。ちなみに、左幸子は八人兄弟の長女で、時枝は五女である。
年が明けて67年の正月映画が「シンガポールの夜は更けて」である。タイトルは橋幸夫の85枚目のシングルからで、つまり本人出演の歌謡映画だ。ヒロイン役は当時16歳の由美かおるで、橋とはこれが初共演となる。歌謡映画というとのんびりムードの明るい作品を想像するが、異母妹の死など本作はサスペンス要素を含んでいるようだ。他の出演者は菅原謙二、藤村有弘、金子信雄、園井啓介、ロミ山田、園江梨子、待田京介などで、藤岡は「陳」という役で異国人なのだろうが、その役柄は不明。菅原文太も異国人のバーテン役らしいが、ポスターに藤岡の名はあるが、文太の名前はない。
同じ1月に公開されたのが「宴」。タイトルからは想像できないが舞台は35~36年で、料亭の娘・岩下志麻と陸軍青年将校・中山仁の悲恋メロドラマ。226事件が関わっている話である。他の出演者は高橋昌也、川辺久造、進藤英太郎、藤間紫、早瀬久美、軍人役で志村喬、田村高廣、江守徹、菅原文太、岡田英次などが出演。藤岡は小三郎という役名だが軍人ではないようだし、やはり役柄は不明だ。

藤岡弘の出演映画 その3

引き続き、松竹時代の藤岡弘である。
66年に入っても、藤岡の出演作は結構多い。まずは「日本ゼロ地帯 夜を狙え」である。新東宝あるいは東映のイメージが強い石井輝男監督のアクション作品で、主演は竹脇無我だが、石井作品御用達という感じの吉田輝雄が準主役。やはり新東宝時代からよく起用していた三原葉子、そして大御所・嵐寛寿郎も出演している。他に香山美子、杉浦直樹、待田京介、永井秀明、藤木孝、真理明美、清水まゆみなどで、田中邦衛や由利徹がチョイ役で登場。悪役は山茶花究で、元々はあきれたぼういず(第2次)のメンバーで芸人であった。藤岡は古豪ヤクザのアラカンに付いている若衆といったような役である。
「涙の連絡船」は都はるみの大ヒット曲を元にした歌謡映画。藤岡のデビュー作「アンコ椿は恋の花」も彼女の歌謡映画であった。主演は香山美子、宗方勝巳で連絡船の船長役は長門勇。都はるみは長門の妹役である。「七人の刑事」でお馴染みの天田俊明が珍しく悪人役で、他に大辻伺郎、松山英太郎、菅原文太、宗方奈美などで、藤岡は「鈴木正太」という役名だが、その役柄は不明である。
「雨の中の二人」は橋幸夫のヒット曲を元にした歌謡映画。橋の曲を題材にした映画は多く、橋自身が主演を務めることがほとんどだが、本作は田村正和と中村晃子が主演で、橋は本人の役で出演している。田村正和は弁当屋の店員で、その同僚が藤岡弘、新藤恵美、田中晋二、曾我廼家一二三、林千鶴(高林由紀子)などで、他に葵京子、佐藤英夫、大泉滉。藤岡と新藤は駆け落ちしてしまうという役柄でポスターにもその顔がある。
「天下の快男児」は主演が竹脇無我で、そのライバルが倉丘伸太郎で、その妹が香山美子である。やはり香山は竹脇を愛しているという設定だ。本作は倉丘に加え、平井昌一、和崎俊哉、松山容子といった日本電波映画のドラマで活躍していた面々が揃って参加しているが、本作の制作にその社長である松本常保の名がある。他に田村正和、中村晃子、かしまし娘、河野秋武、内田良平など。藤岡の役名は「ゴン」となっており、小瀬朗が「ギン」なので、多分コンビだろう。語感から悪役のような気がする。
とまあ、66年はここまでは大した役がなかったが、5月14日に公開された二作品はいずれも藤岡が主演で、相手役は共に新藤恵美である。前述の「雨の中の二人」でも二人で駆け落ちする役だったので、二人を定番コンビにしようとしていたのかもしれない。
その1本「東京無宿」は、前回取り上げた「ヤサぐれの掟」の続編的な作品といえようか。高宮敬二が同じ銀二郎という名で登場する。初名美香、滝まり子も同じ役名なので「ヤサぐれの掟」と同一なのだろう。しかし藤岡、新藤、松岡きっこは違う役のようだ。他に吉田義夫、諸角啓二郎、伊沢一郎、笠置シヅ子など。
もう1本は「風にきけ雲にきけ」で、正確にはその前に「青春の言葉より」というのが付くようだ。こちらは明朗な青春映画で、藤岡は医大生、新藤は女子高生という設定。勝呂誉、田辺靖雄、沢ひろ子、太田博之、桑野みゆき、宗方勝巳、望月浩、木の実ナナ、高石かつ枝などが出演している。

藤岡弘の出演映画 その2

デビュー時の65年、安藤昇主演の「血と掟」に出演した藤岡弘だったが、シリーズ第2弾「ヤサぐれの掟」にも出演している。
安藤は今回は主役ではなく名前がトメ(最後)にくる立場のようだ。ちなみに歌手の役だ。主演となっているのは高宮敬二である。新東宝のハンサムタワーズ(菅原文太、吉田輝雄、寺島達夫、高宮)では、新東宝時代に主演作のなかった高宮が大抜擢である。ちなみに高宮は安藤昇の出演交渉に参加していたという。ポスター上は高宮の次に藤岡の名前があるが、ワルである高宮の弟分とかではなくバーテン見習いという役柄のようだ。ストーリー的に高宮と共に中心を担う不良少女たちとして登場するのが初名美香、藤江リカ、新藤恵美、松岡きっこ(当時は紀公子)、滝まり子だ。藤江リカは東映のニューフェース(8期)だが、既に東映は退社していたようだ。新藤恵美は70年代から登場したようなイメージだったが、64年に15歳でデビューしている。松岡きっこは劇団若草出身で子役から活動していた。他に「七人の刑事」の美川陽一郎、城所英夫が本作でも刑事役で登場している。
続く「青雲やくざ」だが、安藤昇ものではない。主演は竹脇無我で、内藤武敏と兄弟という設定だが、親子にしか見えないと思う。実際18歳離れているし。藤岡は「早川」という役だがどんな設定かは不明だ。他に香山美子、真理明美、内田良平、石山健二郎、菅原文太、高宮敬二、松本朝夫、三上真一郎、丹波哲郎などである。
「続・青雲やくざ 怒りの男」はタイトルどおり続編で、竹脇無我が主演。竹脇と香山美子、菅原文太、松本朝夫などは前作と同じ役のようだが内田良平は違う役で、藤岡も「良太」となっており違う役と思われるが判断はつかない。他に長門裕之、二本柳寛、菅原謙次、大木実、嵐寛寿郎などである。
やくざ映画への出演が続いた藤岡だったが、65年の最後は歌謡映画「さよならはダンスの後に」である。倍賞千恵子が歌った大ヒット曲の映画化だ。本人も出演しているが主役は桑野みゆきで、藤岡はその弟である。倍賞は桑野の親友だ。他に沢村貞子、沢本忠雄、市川瑛子、柳沢真一、宗方奈美、宮口精二など。沢本は日活のイメージだが、この時点では既にフリーだった。
話は逸れるがこの「さよならはダンスの後に」の作曲者は小川寛興。「月光仮面」「隠密剣士」「仮面の忍者赤影」などの音楽を担当していることで知られる。二十数年後の大人気アニメ「美少女戦士セーラームーン」(92年)の主題歌「ムーンライト伝説」が「さよならはダンスの後に」と酷似していることに小川が気付き、JASRACを通して交渉し、著作権使用料の一部を小川に分配することで和解したというエピソードがある。実際聞いて見ると似ているのがわかる。ムーンライト伝説の作曲者は小諸鉄矢(小室哲哉のパロディだろう)名義になっているが、正体は吉江一男という作曲家、音楽プロデューサーである。
 

藤岡弘の出演映画

今回からは、藤岡弘である。正確には「藤岡弘、」だが文章にすると変な場所に句点がついているようにしか見えないので省略する。
藤岡弘と言えば、やはり自分の世代では仮面ライダー1号・本郷猛の人だったりする。そのせいか本作がデビュー作と思っている人もいるかもしれないが、デビューは65年であり、ライダーは71年スタートなので既に約6年のキャリアがあったわけである。
松竹のニューフェイスであり、デビュー当初から準主役的な役も多く、松竹青春スターの一人だったりする。それなりにネームバリューもあったと思うが、視聴者は基本的に子供だし、そんな過去は知らない人が大半だったと思う。
藤岡は64年に愛媛から上京し劇団NLT俳優教室に入所。NLTは三島由紀夫らによって、この64年に結成されたばかりの劇団であった。その同期に2号ライダーを演じることになる佐々木剛が居たのは有名な話だろう。ライダーマンを演じた山口暁や小野川公三郎、夏夕介なども時期は違うが同教室で学んでいる。
翌65年に松竹入社。デビュー作となるのは歌謡映画「アンコ椿は恋の花」である。都はるみの大ヒット曲の映画化である。本人も出演しているが、主演は香山美子である。都はその妹役で、香山をめぐり竹脇無我と勝呂誉が競う。藤岡は都のボーイフレンドという役柄で名前を「猛」という。字も同じなので、猛に縁があるようだ。藤岡はポスターに顔は出ていないが名前はちゃんと出ている。他に西村晃、沢村貞子、大辻伺郎、松山英太郎、三井弘次など。
続いて「若いしぶき」。藤岡は高校生役だが、ストーリー上はほぼ主演であると言えそうだ。ただ、主演扱いはその先生役である倍賞千恵子で、園井啓介が続き、藤岡は三番手となっている。藤岡が愛するのが関根ゆり子だが、出演作が二本ほどしかなく詳細は不明である。逆に藤岡を好きなのが梓英子。役名も梓英子なのだが、この役名をそのまま芸名にしたというパターンである。デビューは俗に言うピンク映画なのだが、間もなく一般映画に転身し、ドラマ「どてらい奴」で西郷輝彦の妻を演じたのが有名ではないだろうか。彼女の名はポスターにはないようだ。他に進藤英太郎、加藤嘉、高津住男など。
この65年、松竹は安藤組の元組長である安藤昇と出演契約を結んだ。ちなみに表向きの肩書は東興業の社長であり、安藤組というのは俗称である。64年に解散したとはいえ、大物ヤクザの映画出演は今では考えられないであろう。
安藤の自叙伝である「地と掟」が主演第1作として公開され、ヒットした。丹波哲郎、菅原文太、高宮敬二、城実穂、江畑絢子、細川俊夫といった元新東宝勢が顔を揃え、稲垣隆、津崎公平といった馴染みの薄い役者の名もある。藤岡の役柄は未見なので不明だが、多分若い組員といったところではないだろうか。

篠田三郎の出演映画 その4

もう1回、篠田三郎である。
大映が倒産し、72年は「熱血!猿飛佐助」などテレビが活動の中心となった篠田だが、映画にも出演している。72年はATGの「哥」の主演を務めている。ATGはアート・シアター・ギルドの略。まあ低予算で芸術性の高い映画を作ることを目指した会社という感じであろうか。「哥」は「歌」の異体字なので、「うた」と読む。監督はウルトラマンシリーズでもお馴染みの実相寺昭雄。「ウルトラマン」では「怪獣墓場」「空からの贈り物」、「ウルトラセブン」では「狙われた街」「第四惑星の悪夢」といった他の回とは違った演出、妙なアングルで子供心にも強い印象を残した個人的に好きな監督だった。
篠田が出演していた「シルバー仮面」でも監督を務めていた。桜井浩子、岸田森、原保美なども「ウルトラシリーズ」や「怪奇大作戦」といった実相寺関わった円谷プロ作品に出演していたメンバーだ。他にも篠田が大映時代によく共演していた八並映子や田村亮、内田良平、東野英心、毛利菊枝、そして嵐寛寿郎などが出演している。
そして篠田は、73年「ウルトラマンタロウ」の主演・東光太郎役に抜擢された。これはプロデューサー(橋本洋二)繋がりだといえる。自分は子供の頃から何故か子供に媚びた作品が嫌いで、タロウもあまりにも子供向け過ぎると思い好きにはなれなかった。やたらとウルトラ兄弟が登場したイメージもある。篠田は黒部進、森次晃嗣、団次郎、高峰圭司といったウルトラマン役者とは違い、後続のウルトラシリーズに客演したことが一度もない。別に黒歴史化しているわけではなく、「よき思い出としてとっておきたい」との考えから出演しないそうである。年齢を重ねた光太郎は見せたくないということろうか。ただ「タロウ」に関するインタビュー等には普通に答えている。
「タロウ」に続いて「若い!先生」(74年)でも主演の高校教師を務めた。「刑事くん」2部と3部の間に放送された30分ドラマだが、一度も見たことがない。水沢アキ、坂口良子、小坂一也、名古屋章、中条静夫、小林千登勢などが共演者である。
この頃、出演した映画が「あさき夢みし」。「哥」と同じく制作はATGで監督は実相寺昭雄である。今回の篠田は「庶民の男」役なので、顔見せ的な出演のようだ。主演はジャネット八田、花ノ本寿で、他に寺田農、岸田森、丹阿弥弥津子、原知佐子、小松方正、毒蝮三太夫、三条泰子、天田俊明、高野浩幸、広瀬昌助、柴俊夫といった実相寺作品にはよく出演している顔ぶれが多い。

篠田三郎の出演映画 その3

引き続き篠田三郎である。
71年になり「高校生ブルース」で共演した関根恵子(高橋惠子)とコンビで主演となったのが「高校生心中・純愛」である。この頃の大映の高校生ものと言えば、篠田も出演していた「高校生番長シリーズ」のような不良が中心で、「軟体動物シリーズ」や「ジュニアセックスシリーズ」のような際どい性を描いたようなものばかりだったが、本作はタイトル通り悲劇の純愛ものである。
篠田と関根は恋人同士であったが、篠田の兄(金子研三)がその父(美川洋一郎)を殺害するという事件を起こす。参院選出馬を控えている関根の父(加藤武)は二人の交際を禁じる。篠田の母(竹里光子)も心労から急死。両親のお骨を持って郷里の信州へ帰ろうとする篠田を関根が追いかけて汽車に飛び乗る。二人で長野での生活を送ることになるが、関根の捜索願が出され篠田は誘拐犯として逮捕される。というような絵にかいたような悲劇が続き、ラストに二人は…といったお話だ。
これが好評だったのか、翌月には同じ篠田・関根コンビによる「樹氷悲歌(エレジー)」が公開されている。関根が同タイトルの主題歌を歌っている。こちらも純愛ものだが、大映時代の篠田の相方的存在だった小野川公三郎が加わる。松坂慶子が芸者をしている彼等の同級生という役。他に近藤宏、三崎千恵子そして伴淳三郎が関根の父役で登場する。伴淳の同僚として登場する三夏伸は痩せた勝新太郎のような風貌で、チンピラのような役も多いが、れきっとしたニューフェース(15期)である。実際「座頭市物語」のロングショットの場面で勝の代役を務めたこともある。
そして、四カ月ほど空いての同コンビによる三作目が「成熟」である。これは山形県鶴岡市が舞台で「神輿流し」という実在の行事の言い伝えをきっかけに、違う高校に通う篠田と関根が付き合うようになる。言い伝え自体が創作かどうかは不明だ。この二人に八並映子、菅野直行が絡んでくる。まあ本作は悲劇ではなく、ハッピーエンドに終わるようである。
他に小野川公三郎、早川保、赤座美代子、近藤宏、木田三千雄、青空はるお・あきお、そして伴淳三郎。本作で伴淳は篠田の父役だ。ちなみに、伴淳の大映出演作は少ない。
この二カ月後、大映は倒産することになるので、篠田だけでなく関根、小野川なども本作が大映最後の出演作品となった。それぞれテレビが活躍の中心となっていくのである。
篠田はこの71年に宣弘社製作の高校野球ドラマ「ガッツジュン」にレギュラー出演。主演は藤間文彦で、そのナインを小野進也、畠山麦、日吉としやす等が演じた。篠田も13話よりサードの進藤役で登場。
そして、その同じ枠(タケダアワー、TBS系日曜19時)において後番組の「シルバー仮面」に春日光三役で引き続き出演し、ある程度お茶の間にも顔が知れたのではないだろうか。

篠田三郎の出演映画 その2

前回に続き篠田三郎である。
70年は「高校生番長」シリーズに全4作に出演。篠田の他に小野川公三郎、八並映子も4作すべてに出演しているが、毎回違う役である。
1作目は前回取り上げたので、2作目「高校生番長棒立て遊び」。主演扱いは1作目と同じく南美川洋子で、篠田はその恋人である優等生役。八並映子と八代順子は南美川の友人で、小野川と若倉慶がメイン男子生徒で、「番長」はいないようだが、小野川は応援団長役で八並に惚れている役。炎三四郎(速水亮)は応援団のOB役である。若倉慶もこのシリーズは全作に出演しているが、詳細は不明である。
炎三四郎は第20期のニューフェースで八並が同期である。芸名は永田秀雅副社長に勝手に付けられたもので、嫌でしょうがなかったという。篠田より後輩だが、ちゃんとした役が付いたのは彼の方が早かった。その後、短期間で豊田正文、三崎玲資と芸名を変え、「仮面ライダーX」(74年)で主演に抜擢された際、速水亮と名付けられた。これも自分にはカッコ良すぎると思い、また変えることになりそうだと思っていたという。
第3作は「高校生番長深夜放送」。本作では八並がトップクレジットになり、篠田、小野川が二番手三番手となっている。E.H.エリック、住吉正博、松坂慶子がラジオ局の人間を演じている。
第4作は「高校生番長ズベ公正統派」。前述の三人に加え松坂慶子が(新スター)付で二番手にクレジットされている。二三作目はタイトルに反して「番長」がおざなりになっていたが、本作では八並が「ズベ公番長」で小野川が「番長」と明確に設定されている。篠田は学校一の優等生だが、最終的に番長になるというお話。他の出演者は早川雄三、仲村隆、梅津栄など。松坂慶子は元々子役として活動していたが、大映にスカウトされ、この70年に入社している。映画よりも「おくさまは18歳」「なんたって18歳」といった大映テレビ室のドラマの方が中心だった。ちなみに高校は篠田と同じ日大二高(篠田は中退)だ。
ちなみに、一二作目の主演だった南美川洋子は4作目と同時期に公開された「皆殺しのスキャット」を最後に芸能界を引退(後に一時復帰している)。本作の主演は大映にレンタル移籍中だった松方弘樹だった。
南美川は際どい内容の映画に出演していたが、「清純派」でありセクシーシーンなどはなかったのである(あっても吹替え)。それが前回紹介した「高校生ブルース」では渡された台本を読むと全裸シーンや男優との絡みもあり、自ら本社に赴き出演を断ったという。それで冷遇されるようになり、引退にも繋がったという。

篠田三郎の出演映画

70年代青春スターシリーズ。今回は篠田三郎である。「ウルトラマンタロウ」「二人の事件簿」など主演ドラマも多く、テレビでの印象が強いと思うが、元々は大映の第18期ニューフェイス出身である。
本名は大塚晴生で、アニメーターの大塚康生とよく似ているが特に関係はない。65年、高校在学中に大映と東宝のニューフェースを受け、東宝は落ちたが大映には合格。高校(日大二高)は学校の方針もあり中退となり、16歳で大映の養成所に入所した。同期は笠原玲子、津山由起子、福原真理子、水木正子など。
翌66年、若尾文子主演の「雁」で映画デビュー。役柄は「酒屋の小僧」で、同期の笠原、津山、福原も出演していた。60年代は大部屋俳優として過ごし、端役ばかりであった。「赤い天使」(66年)、「砂糖菓子が壊れる時」(67年)、「不信のとき」(68年)はいずれも若尾文子の主演で、篠田はホテルのボーイ、社員といった具合だ。
70年、江波杏子主演の「女賭博師壺くらべ」で(おそらく初めて)役名のある役を貰っている。なお、本作には丸山明宏(美輪明宏)や園井啓介なども出演している。
そして「高校生番長」で、初のメインキャストとなっている。約4年に及ぶ下積みがあったわけである。タイトルである「番長」が篠田なのだが、クレジット順は4番手で、主演扱いは南美川洋子である。新人の成瀬亜紀子、八並映子が続いている。成瀬と八波は大映では最後となる第20期のニューフェイスだ。
他に小倉一郎、小野川公三郎、笠原玲子などである。篠田は全日制の番長だが、小野川は定時制の番長格という役柄だ。小野川は後に「トリプルファイター」のレッドファイター役で知られるようになる。なお、本格デビュー前の関根恵子(高橋惠子)がノンクレジットで顔を見せている。
以降の篠田は高校生シリーズのメインとして活躍するようになる。
「十代の妊娠」(70年)も主演は南美川洋子で八並映子、八代順子が同級生の役。篠田はガリ勉の役だが、ヒロインである南美川を乱暴して妊娠させてしまうという役だ。他に川崎あかね、青山良彦、小野川公三郎、伊吹新吾(伊吹剛)、丘夏子といった若手に加え、加藤嘉、田武謙三、伊達三郎、木村元といったベテラン勢も登場する。
ちなみに、青山は16期、八代は19期、川崎と丘は京都5期(19期と同期)、伊吹は京都6期(20期と同期)のニューフェイスだ。伊吹は後に「Gメン75」で有名となるが、篠田は直ぐに終わった「Gメン82」に出演している。
「高校生ブルース」(70年)は、前回も少し触れているが、主演予定だった南美川洋子が降板したことから中学を卒業して入社したばかり(つまり15歳)の関根恵子が代役主演に抜擢され、衝撃的なデビューを飾ったのである。相手役が内田喜郎で、篠田は不良の役。八並映子、小野川公三郎、成瀬亜紀子らが同級生役で、堀雄二や伊藤幸子なども出演している。松坂慶子がノンクレジットで出演しているという情報もある。

水谷豊の出演映画 その2

前回に引き続き水谷豊である。
70年はもう一作映画に出演しており、それが大映の「新・高校生ブルース」である。タイトルに「新」と付いているということは前作があるわけだが、その「高校生ブルース」と主演が同じ関根恵子(現・高橋惠子)と内田喜郎という以外、ストーリーなどに関連性はない。その関根恵子は当時15歳にしてヌードを披露するという、現在なら無理であろう衝撃デビューを飾っている。
この「新」の方では、内田に加え、菅野直行そして水谷豊が「童貞トリオ」と呼ばれる恋愛青春映画である。水谷が映画では初のメインキャストの一人を演じた作品であると言える。内田喜郎も水谷同様に劇団ひまわりの出身で、当時は大映の専属であった。大映倒産後はジャニーズ事務所に所属した時期もある。個人的にはドラマ「新十郎捕物帖・快刀乱麻」(73年)の主題歌「少女ひとり」を歌っていたことが印象に深い。現在も俳優活動は続けているようだが、シャンソン歌手としての活動がメインのようだ。菅野直行はダウンタウンの浜田雅功に似ていると話題になったことがある。
さて、水谷豊だが当時18歳で高校卒業を控え、この時点では俳優で生活していくことを考えていなかったため、劇団ひまわりを退団し、二年近く芸能界から離れているのである。
カムバックしたのは72年、中山仁主演の青春ドラマ「泣くな青春」の不良生徒役だった。「新・高校生ブルース」で共演した関根恵子が生徒会長役で出演。「バツグン女子高生そっとしといて16才」で共演の柴田侊彦が本作では先生役で出演していた。他に三ツ木清隆、武原英子、渥美国泰そして二谷英明などが出演していた。
そして「太陽にほえろ」の第1話(72年)に犯人役で出演。この時、萩原健一と初共演するのだが、これが後の「傷だらえの天使」(74年)に繋がっていくのである。
さて、映画の方は森田健作の時に紹介した「ひとつぶの涙」(73年)、中村雅俊の時に紹介した「想い出のかたすみに」(75年)といった松竹映画にいずれも主人公の友人と言った役柄で出演。そして東宝の「東京湾炎上」(75年)となる。マンモスタンカーがテロ集団にシージャックされるというパニック映画だが、水谷はそのテロ集団の一人を演じている。これは脚本を読んで彼自身が予定の役柄ではないテロ集団役を希望したという。
出演は丹波哲郎、藤岡弘、宍戸錠、内田良平、金沢碧、佐藤慶などで、水谷以外のテロリストはケン・サンダースやウィリー・ドーシーなどが演じていた。
そして映画初の主演となったATGの「青春の殺人者」(76年)。やはり初監督だった長谷川和彦は「傷だらけの天使」を見て、水谷の主演を決めたという。水谷演じる主人公が大きな理由もなく両親(内田良平、市原悦子)を殺害してしまうというもので、実際の事件が元になっているという。恋人役の原田美枝子は当時17歳。過酷な撮影だった本作が嫌で一度も見ていないという。彼女も関根恵子同様に16歳でヌードシーンを披露したりしている。他に桃井かおり、地井武男、江藤潤、白川和子など。水谷は本作でキネマ旬報主演男優賞を受賞している。