ハッチャキ!マチャアキ
実は正月の時点では、堺正章シリーズでいこうと思っていたのだが、何故か大橋巨泉に話題がいってしまった。というわけで、堺正章に話が戻るが、彼の公開形式バラエティといえばやはり「カックラキン大放送」という人が多いだろう。しかし、それ以前にも彼がフィーチャーされた公開バラエティには「ハッチャキ!マチャアキ」「マチャアキ・前武・始まるヨ!」」「マチャアキのシャカリキ大放送」「マチャアキのカンバレ9時まで」など、いろいろあったりするのである。正直「マチャアキ・前武~」なんて聞いたこともないし、他もタイトルをなんとなく覚えている程度で、内容の区別など困難極まりない。
今回はこの中から「ハッチャキ!マチャアキ」(72年)をピックアップしてみる。改めて調べてわかったことといえば、まず「ハッチャキセブン」のコーナーがある。大晦日に取り上げた「~ドラマが3つも」にはカンチョーマンが登場するが、こちらは番組タイトルと一致しているのでわかりやすい。また番組は「やってやれないことはない。やらずにできるはずかない」という口上?で始まる。実はこの口上はしっかりと覚えている。正直、どの番組で誰が言っていたのかは全く覚えていなかったのだが、私もこの番組を見たことがあると判断していいのではないだろうか。
そしてマチャアキ以外のレギュラーはゴールデンハーフ、殿さまキングスなど。72年ならゴールデンハーフは四人組(エバ、ルナ、マリア、ユミ)だったはずである。翌年、ユミが抜けて三人となり、「8時だよ!全員集合」にも三人で出ていたので、その印象が強い人も多いだろう。しかしレコードデビュー時は五人組で、結成時は六人だったことを知っている人はあまりいないだろう。殿さまキングスもまだお笑いをやっていた頃である。「なみだの操」の大ヒット以降、歌手活動に専念するようになってしまったので、お笑いをやっていたことを知っている人も少なくなったかもしれない。まあ面白かったという印象はないけれども。
お笑い頭の体操
ついでなので、前項の続きで「こりゃまた結構」の後番組である「お笑い頭の体操」を取り上げてみよう。いや正確にはこの間に「新春グランド歌合戦」という1ヶ月で終わったつなぎ番組があったのだが、そんな番組を覚えている人はまずいない。スポンサーもこの1ヶ月だけはロート製薬の提供ではなかったそうである。準備期間だったかどうかは知らんが、満を持してスタートした「お笑い頭の体操」は68年~75年、全414回のロングラン番組となった。タイトルの「頭の体操」は当時大ヒットしていた多湖輝のクイズ集からだが、こちらは今だに発売されており、24集くらいまで出ている。ちなみに私は全部読んでいる(と思う)。
しかしよく考えてみると、この番組で私が覚えていることといえば、巨泉の司会、月の家円鏡のダジャレと横森良造のアコーディオンくらいしかない。まあ小学生が楽しみにするような番組ではなかったし、71年には裏番組で「仮面ライダー」がスタートしたのも大きかった。必然的にそちらに目を奪われ、先の三人以外誰が出ていたとか全然記憶にないのである。で調べてみると、どうやら毎週でていたのは円鏡くらいで、後は俳優やら歌手やらタレントやらが入れ替わりで出ていたようだ。判明しているところでは、宍戸錠、高島忠夫、三波伸介、佐良直美、山本リンダ、由紀さおり、松岡きっこ、左とん平、せんだみつおなどで、意外なところでは沖雅也も数回出演しているようだ。個人的にはドラマ以外で沖雅也を見た記憶がないのだが、バラエティにも結構でていたようである。
落語や歌舞伎の世界では襲名というものがあり円鏡も82年に橘家圓蔵(8代目)となってしまい、テレビではほとんど見かけることはなくなった。最近、こぶ平が正蔵になったり木久蔵が木久扇になったり違和感ありまくりである。その名前で定着しているのをわざわざ変えることはないだろうと思うのは私だけではあるまい。もっとも月の家円鏡という名も5代目だったそうで、既に6代目が活躍しているようである。見たことはないけれども。
こりゃまた結構
前項の続きである。「窓からコンチワ」の後番組はやはり大橋巨泉主役の「こりゃまた結構」(67年)という番組である。巨泉は占い研究所の所長という役柄で、他にレギュラーはやはり前作から引き続きの左とん平と由美かおるで、後は毎回のように豪華ゲストが訪れるという具合である。その豪華ゲストには、有島一郎、由利徹、藤村有弘、ミヤコ蝶々、フランキー堺、十朱久雄、玉川良一、大原麗子、青島幸男、河津清三郎、伴淳三郎、ザ・ドリフターズなどである。
ところで、この番組そして前作もTBS系の土曜19時30分からの放送である。提供は「窓からコンチワ」はハウス食品だったのだが、本作よりロート製薬の提供時間帯となった。ちなみにこれまでのロート製薬の時間帯には「青島幸男のおお!ながら君」という番組が放映されていた。いかにタレント兼放送作家が人気だったかがわかる。「こりゃまた結構」は1クールで幕を閉じ、翌68年に始まったのが「お笑い頭の体操」である。自分が巨泉を認識したのは「お笑い頭の体操」だったと思う。巨泉もこのあたりからほぼ司会業がメインとなっていく。この後番組が「クイズダービー」なので、つまり大橋巨泉はTBSの土曜19時30分という時間帯に20数年居座り続けていたのである。
TBS土曜夜の顔は19時半が大橋巨泉、20時がザ・ドリフターズ、21時が丹波哲郎というのが長い間、固定されていたのである。私自身も子供の頃は19時からのアニメ「ど根性ガエル」、22時からの「必殺シリーズ」など(当初はTBS系で放映されていた)、土曜の夜はずっとHBC(北海道放送:TBS系)にチャンネルを合わせていたものである。
窓からコンチワ
前項で大橋巨泉が、「おはよう」以前にもドラマに出ていたと書いた。64年くらいからドラマにも顔を出し始めているようだが、なんと主役に抜擢されたのが「窓からコンチワ」(67年)である。この頃の巨泉の位置づけがはっきりしないが、ドラマの主演になるほど人気を得ていたとも思えないのだが。
それはさておき、本作は下町を舞台にしており、マージャン仲間の独身男四人を中心に描かれている。まず大橋巨泉(住職の息子)、左とん平(ラーメン屋の息子)、林家こん平(そば屋の息子)、三遊亭歌奴(現・円歌:豆腐屋の息子)といった面々である。他の出演者も結構豪華で、それぞれの親に田武謙三、武智豊子、江戸家猫八などで、有島一郎(テーラー店主)、その娘が由美かおる、三木のり平(銭湯店主)、その息子が蔵忠芳、小杉義男(古本屋店主)、その息子が橋幸夫、他にも伴淳三郎、ミヤコ蝶々、山田太郎、沢田雅美などである。
この中では小杉義男に注目したい。個人的は「七人の侍」の侍をスカウトする百姓の四人組の一人のイメージが強いが、東宝特撮にも結構出ており、「モスラ」や「地球防衛軍」、そして幻の作品となってしまった「獣人雪男」などにも出演しているが、テレビドラマでは見た記憶がなかった(「ウルトラQ」とかにも出ているのだが)。それもそのはずで、小杉はこの翌年(68年)に亡くなっており、おそらくこの「窓からコンチワ」が遺作となったと思われる(違うかもしれない)。
さて、巨泉ドラマだが本作の後番組である「こりゃまた結構」も彼の主演である。というわけで続く。
おはよう
「お早よう」だと小津安二郎の映画だが、今回取り上げるのはテレビドラマの「おはよう」(72年)で、前項の「はーいただいま」の後番組になる。つまり水曜劇場で、久世光彦も演出にかかわっている作品だ。
主演は先日、夫である黒川紀章を失った若尾文子である。「おはよう食堂」を一人で切り盛りする美人だが、若い頃はスケバンだったという設定である。若尾文子(当時39歳)の若い頃って50年代か。スケバンなどという言葉はなかったと思うのだが。で、若尾の夫役を演じるのが大橋巨泉だったりする。巨泉が役者をしている姿なんぞまったく見た記憶はなく、実際調べた限りでは、役者大橋巨泉としての出演は本作が最後のようである。しかし、本作が初めてというわけではなく、60年代には何本かドラマに出演しているようである。青島幸男といい、前田武彦といい当時の放送作家はスター揃いだったといえる。そして巨泉の弟役は後藤明という人で、番組の主題歌も歌っていたようだが、この人については詳細は不明である。
他にも研ナオコ、津川雅彦、小坂一也、藤竜也、加えて水曜劇場の顔である堺正章は当然のように登場し、天地真理、西真澄と「時間ですよ」トリオでの出演であった。
まあ巨泉が出演しているというだけで、貴重なドラマであることには違いないと思う。
はーいただいま
新年になってしまった。今年も今までと変わらぬ調子でやっていく所存である。
というわけで、新年といえば「新春かくし芸大会」、「新春かくし芸大会」の顔といえば堺正章。と強引にこじつけたところで、堺正章の話題からスタートしたい。その堺が吉永小百合と、なんとニセ夫婦役で共演したのが「はーいただいま」(72年)である。これは、「時間ですよ」の第2シリーズの後番組にあたり、鹿児島から出てきた女と青森から上京してきた男が夫婦と偽って旅館で住み込みで働くというストーリーだ。薩摩女が吉永で、津軽男が堺ということだろう。他に森川信、藤間紫、奈良富士子、長山藍子、そしてドラマ初出演という由紀さおりといったメンバーが登場する。
毎度のことながら、見たことがないので他に書くこともないなと思ったら、68年にも同じタイトルのドラマが存在していた。主演は同じ吉永小百合で、ナショナル劇場の「ナショナル・ゴールデン・スペシャルシリーズ」の第5回として単発で放映されている。脚本が同じ井出俊郎なの でその原型となったドラマかもしれない。共演は石坂浩二で今回の堺にあたる役柄と思われるが、似ているところといえば痩せているところくらいか。他には山口崇、梓英子、桑山正一、細川ちか子、角梨枝子などである。
いずれにしろ、そんなに面白そうな設定とは思えないがどうだったのであろう。吉永、堺の人気者コンビとはいえ、「時間ですよ」の後では苦しかったのではないだろうか。実際15回で終了しているし(予定どおりかもしれないけれども)。
マチャアキのテレビはこれだ!ドラマが3つも
堺正章がその昔、カンチョーマンというのをやっていたのを覚えている人もいるのではないだろうか。私も「カンチョーしちゃうから」というセリフのみ記憶にあったのだが、それが登場したのが「マチャアキのテレビはこれだ!ドラマが3つも」(71年)という番組で、そのタイトルどおり60分間を3本のドラマで構成された珍しい形の番組だ。
内容は第1部が「ばか殿漫遊記」。タイトルどおり堺がばか殿に扮して諸国を漫遊するというもの。共演が石立鉄男、岡崎友紀の「おくさまは18歳」コンビに高橋元太郎など。第2部が前述の「大活劇カンチョーマン」で、大まかには坂上二郎扮する怪盗リュックサックとカンチョーマンが対決するというもの。変身はトイレで行うらしい。第3部は「ぼくの女房は8つうえ」という下町人情喜劇で、共演が三ツ矢歌子、坂本スミ子、名古屋章などで、他にもどこに出たのかは不明だが、品川隆二、西村晃、松岡きっこなどが出演していたようだ。とにかく、カンチョーマンのインパクトが強く、他の2つは全く記憶にない。おまけに予定どおりか打ち切りかは不明だが、わずか10回で終了した番組なので、「カンチョ-マン」という番組が存在したと思っている人もいるかもしれない。真のタイトルである「マチャアキの~」を覚えている人はそういないであろう。久世光彦も監修という形で関与していたようだ。
今年も月半分の更新というペースはほぼ守ることができた。ネタに苦しむことも多いが来年も同じペースで頑張る所存である。
読者登録、ペタ、コメントなど、この場を借りてまとめてお礼申しあげます。結果的に無視する形になってしまうことが多いのでお詫び申しあげます。
時間ですよ(第1シリーズ)
松原智恵子が出演したテレビドラマで、すぐ思い浮かぶのは「時間ですよ」ではないだろうか。超有名なドラマで、70~73年にわたり計3シリーズが放映されており、レギュラー陣もほぼ不動だが、ここではまだモノクロ放送であった第1シリーズ(70年)を取り上げる。
あえて説明の必要もないかもしれないが、松の湯のおかみさんに森光子、その旦那の船越英二。当時はまだテロップに(大映)が付いていた。その息子が松山英太郎、その嫁が松原智恵子なのだが、第1話~7話までは大空真弓だったのである。しかし妊娠のため降板し、松原の登板となったのである。何故彼女がとも思うのだが、松原の実家は銭湯なのだそうである。ある意味うってつけの人材で、抵抗感もなかったのかもしれない。従業員トリオに当時はまだスパイダースのメンバーであった堺正章、まだ悠木千帆だった樹木希林。例の婆ちゃんメイクではないが年よりはずっと老けてみえるタイプだ。内田裕也のカミさんと知った時は思わず似合わないと思ってしまった。そしてもう一人はシリーズごとに替わったが、初代は川口四兄弟の紅一点川口晶である。他に江戸家猫八、左とん平、紀比呂子、大辻伺郎などがレギュラーで、ゲストではまだ三人とも健在だったてんぷくトリオ(三波伸介、戸塚睦夫、伊東四朗)や、中村玉緒、石立鉄男、「太陽にほえろ」より前の小野寺昭、下川辰平などが登場していた。
ところで脚本は橋田壽賀子が1~4話まで担当して降板。以降は一度も書いてない。理由は不明だが、演出の久世光彦とケンカでもしたのではと想像してしまう。いかにも相性が悪そうだし。実際これ以降、久世のドラマで橋田は脚本は書いていないようだし(書いていたらすいません)。あくまでも想像だけども。
颱風とざくろ(映画版)
「颱風とざくろ」だがテレビ版より遡ること2年、67年に日活ではなく東宝で映画化されており、私は知らなかったのだが、こちらの方は結構有名な作品であることがわかった。何故有名かといえば、主演の星由里子がヌードになったこと、プラス星に加えて桜井浩子、菱見百合子(現・ひし美ゆり子)の集団シャワーシーンがあったりするからに他ならない。
星由里子といえば「若大将シリーズ」の澄ちゃん、というか個人的にはそれ以外のイメージが思い浮かばないのだが、その同時期にヌードを披露していたのに驚いた(現代ならさほど驚かないと思うが)。それに「ウルトラマン」のフジ隊員(桜井)と「ウルトラセブン」のアンヌ隊員(菱見)が共演した上にシャワーシーン(どの程度見えるのかは知らないが)があるとなれば、特撮ファンの間では話題騒然であろう。しかも67年といえば「ウルトラセブン」が放映されていた時期である。ついでに中山仁のヌードもおがめるそうだ。これは若い女の前でも何も隠さずにシャワーを浴びるような男という設定があるからだろう。
本作は出演者が中々豪華である。中山仁の弟に黒沢年男、妹にいしだあゆみ、両親に清水将夫、高峰三枝子、星由里子の弟に田村亮、内田善郎、両親に宮口精二、京塚昌子、他にも森光子、伊志井寛、南原宏治、池内淳子などが出演している。テレビ版と対比すると星由里子=松原智恵子、中山仁=緒形拳、黒沢年男=石坂浩二、いしだあゆみ=榊原るみとなるのだが、原作には映画版のキャストのほうがイメージに近そうである。個人的には松原>星だが、テレビ版では松原がヌードになるシーンなどはなさそうだ。いずれにしろ見てみたい作品には違いない。
颱風とざくろ
現在CSで放送中で、注目のドラマといえばやはり「颱風とざくろ」(69年)であろう。台風ではなく颱風でなくてはならない。「さぼてんとマシュマロ」とか最近でいえば「ハチミツとクローバー」みたいな種類のタイトルつけかただが、これは「青い山脈」で有名な石坂洋次郎が原作で、ちゃんと深い意味もある(らしい)。監督の藤田繁矢は藤田敏八のことで、脚本は倉本聰、制作は日活というドラマである。で、ヒロインは日活の人気女優である松原智恵子だ。女子大生である彼女の前に現れたテニスのコーチが緒形拳だが、彼女は次第に緒形に惹かれていくのだが、彼は谷川岳で遭難死してしまう。
ここまでが第4話なのだが、テレビドラマデータベースなどでは第2話で緒形が死ぬことになっている。これは私も持っている「夕焼けTV番長」という本の解説を元にしていたからだが、ようするに間違っていたのである。確かめようがなかったので、緒形は2話までが通説になっていたが、今回の放送により真実が明らかにされた。で、その後を継いで登場するのが緒形の弟である石坂浩二だ。似ても似つかぬ兄弟だが、今後は松原と石坂の関係を軸に描かれていくのは素人でも想像できる。この兄弟の妹役が榊原るみだが、これが彼女のデビュー作になるらしい。松原の両親には河野秋武と坪内美詠子。河野秋武は最近このブログへの登場率が高い。弟役に(大映)付きの酒井修。勝新の子分的存在だったが、何故か日活ドラマに登場。他にも吉田日出子、加藤武、園井啓介、岡崎二朗などお馴染みの顔ぶれも多い。ちなみに石坂浩二という芸名は石坂洋次郎プラス鶴田浩二で考案したのは女優の大空真弓だそうだ。
全13話だが11話は欠番となるらしい。これは単に原版不良ということで深い意味はないという。まあ確かめようはないのだけれども。