お宝映画・番組私的見聞録 -163ページ目

新諸国物語 黄金孔雀城 その2

前項の続きである。沢村訥升と河原崎長一郎の話で終わってしまったが、彼らには妹がおり演じるのは吉川博子で、短期間で姿を消してしまった女優のようである。
あまり華のない三兄弟との評判だったようだが、彼らに味方するのが華のある里見浩太郎であり、山城新伍であった。他にも中村竜三郎、扇町景子、坂東吉弥、そして伏見扇太郎なども彼らの味方である。
また、河原崎演じる火打丸が琉球から連れてきた十三人衆というのもおり、そのうちの11人の名は一郎太から始まり十一郎太まで続く(残る二人は不明)。演じるのは一郎太から順にいくと島田兵庫、牧口徹、若井緑郎、船越正雄、遠藤重栄、春日弘、大城泰、神木真寿雄、西家正光、大月正太郎、坂東京三郎である。個人的に知っているのは「赤影」などに敵役出ていた大城泰くらいで、後は見事に知らん名前が並んでいる。東映の大部屋役者がほとんどだと思うが十一郎太役の坂東京三郎は名前からして坂東吉弥と同じ歌舞伎の人であろう。吉弥は商業演劇を中心に歌舞伎の舞台にも立っていたようだが、京三郎はテレビ時代劇のゲスト出演が多かったようである。前項で沢村訥升と河原崎長一郎が今世紀になって60代で亡くなったことを書いたが、坂東吉弥も04年に66歳で亡くなっている。
悪役の方は柳永二郎、富田仲次郎を親玉に吉田義夫、楠本健二、永井三津子が妖術使いを演じている。ちなみに永井の役名はたたり姫という。吉田義夫は東映の少年向け時代劇には必ずといっていいくらい悪役で登場している。楠本健二はチャンバラトリオのカシラこと南方英二の実兄である。
他にも南郷京之助や和崎俊哉(当時・隆太郎)など顔を見せている。
本作は四部構成になっているが、第二部と第三部は同じ日に続けて公開されたようである。タイトルに「新諸国物語」のついた最後の作品となっている。

新諸国物語 黄金孔雀城

前項の「里見八犬傳」は、東映娯楽版と呼ばれる少年向け時代劇の一つだが、今回もそこから「新諸国物語 黄金孔雀城」(61年)を取り上げてみたい。
「新諸国物語」シリーズはNHKの連続ラジオ放送劇を映画化したもので、東映では「笛吹童子」「紅孔雀」「七つの誓い」そしてこの「黄金孔雀城」があり、タイトルに「新諸国物語」がついている。
東映では四年ぶりの「新諸国物語」で、前作までは中村錦之介や東千代之介がメインだったのだが、本作はほぼ新顔であった沢村訥升と河原崎長一郎が主演となっている。
沢村訥升は前項で取り上げた沢村精四郎の実兄で当時27歳。東映には60年に移籍してきている。ちなみに「とっしょう」と読む(読める人あまりいないのではないか)。ちなみに弟の精四郎は「きよしろう」と読むらしい。
河原崎長一郎は当時22歳で、本作が映画二作目であった。弟の次郎と建三は子役として先にデビューしており、長一郎のみ成人してからのデビューである。しかも次郎が東映入社を嫌がったので、その代わりに望まれて入社したということらしい。
真面目な父親とかサラリーマンといったようなイメージが強いが、デビュー当時は東映でチャンバラをやっていたのである。
この二人、いずれも歌舞伎役者の長男で、なぜか顔立ちもよく似ているが、いずれも弟の方が二枚目だったといえる。本作でも共演の里見浩太郎や山城新伍の方が、どうしても主役のように見えてしまうのである。

沢村訥升は63年には歌舞伎界に戻り、後に澤村宗十郎(九代)となっている。長一郎はチャンバラスターにはならずに65年に東映を退社し、その後の活躍は知ってる人も多かろう。
沢村は01年に67歳で、長一郎は03年に64歳でそれぞれ亡くなっている。
長くなったので次回に続く。

里見八犬傳(59年版) その2

「里見八犬傳」(59年)の役者解説になってしまった前項の続きである。
南郷京之助は、素顔は多少ハンサムな片岡鶴太郎って感じなので、時代劇メイクじゃないと美形には見えないと思う。「少年三国志」や「血斗水滸伝」などでも里見浩太郎や伏見扇太郎と共演しており、大体準主役的な役柄が多かった。映画界にいたのは62年ごろまでで、その後は大衆演劇の方に転向したようである。
山手宏太郎について明確なソースはないのだが、おそらく子役として活躍していた山手弘と同一人物と思われる。恐らくこの映画の出演にあたって、他の七剣士がみんな苗字2文字、名前3文字(下に郎か助がつく)なので、それに併せて改名したと思われる。だとすると当時15歳と最年少だが、デビューは54年で一番早かったりする。山手弘時代には「少年探偵団」(58年)で小林少年を演じていた。宏太郎としてはテレビドラマの「笛吹童子」(60年)に北大路欣也と共に主演し兄弟を演じている。その後は、高校卒業とともに芸能界を去ったようである。
そして伏見扇太郎。八剣士の中では一番のスターだったが、「小天狗霧太郎」(58年)の撮影中に病気で倒れ、代役を演じたのが南郷であった。この「里見八犬傳」は復帰作でもあり、東映では伏見と里見を一線スターとして大いに売り出そうとした作品でもあったようだ。
しかし60年代に入ると時代劇が衰退しはじめ、伏見も脇役に追いやられ60年代半ばには映画界を去っている。以前も触れたことがあるが、この人については現状がはっきりしない部分があるのだが、亡くなったことは確かなようである。
とまあ、本作の八剣士は里見を除いて、五年と経たないうちにスクリーンからは姿を消している(里見も映画出演は70年頃まで)。
さて、映画の内容について全然触れていないが、敵役の「妖怪」を演じているのが阿部九洲男、吉田義夫、松風利栄子などである。他にも赤木春恵、花園ひろみ、子役時代の目黒祐樹(当時・ユウキ)や東映時代の五味龍太郎(当時・勝之介)なども顔を見せている。

里見八犬傳(59年版)

先週だったか、新東宝版の「南総里見八犬伝」である「妖雲里見快挙伝」を取り上げたが、今回は東映版で、ちょうどCSでも放映中だったりする。東映版は54年の五部作と59年の三部作があるが、後者のほうである。
59年の「里見八犬傳」三部作は、一作約60分で第二部は「妖怪の乱舞」、第三部は「八剣士の凱歌」のサブタイトルがつく。
主演のは当時の東映スター(候補)の若手八人で、伏見扇太郎(犬塚信乃)、里見浩太郎(犬山道節)、沢村精四郎(犬坂毛野)、尾上鯉之助(犬飼現八)、南郷京之助(犬村大角)、高島新太郎(犬川荘助)、山手宏太郎(犬田小文吾)、大里健太郎(犬江親兵衛)である。
50年経った今でも活躍している里見浩太郎は説明不要だろう。

沢村精四郎は当時17歳、元々は歌舞伎役者で「紅孔雀」「猿飛佐助」「白鳥の騎士」とテレビでも主役で活躍していたが、64年に歌舞伎界へ戻っており、二代目澤村藤十郎となっている。10年ほど前に脳梗塞で倒れたが08年に舞台復帰したという。犬坂毛野は女装しているという設定だが、元々女形なので劇中でも本人が演じている。
尾上鯉之助は当時26歳とこの中では最年長だ。以前触れたことがあるが、57、58年あたりは主役もあったのだが、60年代には脇役にまわり、後には太りだし悪役に転じている。テレビでも時代劇の悪役が多かったようだが、「怪獣王子」などにも顔を出している。89年に56歳で亡くなっている。
大里健太郎については、正直プロフィールが不明だが、デビューしたのはこの59年のようである。大役を演じることは少なく本作が一番の大役だったかもしれない。前述の尾上鯉之助と「素浪人月影兵庫」で、悪役兄弟を演じていた。70年代の初めまでは映画やテレビの出演記録がある。
高島新太郎も何度か触れたことがあるが、東映の第5期ニューフェース(里見は3期)。61年からはテレビに転じて「雪麿一本刀」「風雲黒潮丸」などで主役を演じている。高島英志郎、高島弘行と名前を変え、「特別機動捜査隊」の山崎刑事役を最後に姿がみえなくなった。里見浩太郎が主任として登場(71年)する前には番組を去っている。
長くなったので、以下事項。

第7の男 その3

前回の続きである。タイトルの「第7の男」であるが、何が第7なのかといえば、率直にいって劇中的には何の関係もないタイトルなのである。この64年にスタートした人気シリーズといえば「007」である。内容もそうだがそれを意識して第7の男というタイトルがつけられたそうである。
ところで、今井健二演じる葵紳太郎だが、職業はコラムニストであり、テレビでコメンテーターも務めるといった設定である。私立探偵でも秘密捜査官でもなんでもないようのだが、毎回事件に巻き込まれ、または自分から巻き込まれていって解決してしまうという無茶なお話である。警察に顔は利くようだが、奪った拳銃で相手を撃ったりしてしまうのだ。
アクションドラマにお約束で、毎回(といっても3回見ただけだが)美女?が今井に絡んでくる。「?」をつけたのは、個人的主観ではあるが、1話の田代百合子、2話の森サカエ、3話の谷内リエとも、いい女という感じではない。森サカエはちょっと前に触れたことがあるが、今も現役のジャズシンガーで、今年でデビュー50周年らしい。谷内リエは全く知らないが、黒人とのハーフのようである。男優陣も現状パッとわかる役者は少なく細川俊夫、武藤英司、浜村純、南広くらいだろうか。南広など普通に悪役で、イメージ的には今井と役が逆転している感じだった。前述のように今井に撃たれてるし。あと3話には近石真介、増岡弘の新旧マスオさんやケンケン神山卓三、ジャイアン立壁和也など声優として名高い面々が出演している。
ちなみに登場する車は、タイアップのフォード車ばかりである。
番組スタートは東京オリンピック閉会式の3日後からであった。全15話と中途半端な回数だが、予定通りか打ち切りかは不明だ。当時としては、アクション場面もよく出来ているのだが、レギュラーが2人だけだと飽きてしまうような気もするのである。

第7の男 その2

前回までと話はガラリと変わるのだが、数年前にここでも取り上げた「第7の男」(64年)の放送が始まっている。以前、取り上げたときは、たまたまテレビドラマデータベースで、タイトルを見つけ、調べてはみたが情報らしい情報はなく、今井健二が主演のアクションドラマらしい、ということぐらいしかわからなかったのである。
しばらくして、「無法松の一生」「戦国群盗伝」そして「第7の男」フィルムが発見されたという記事が発表され、CSファミリー劇場で順に放送が開始されたのである。
現状3回放送されただけだが、ネット上ではほとんど話題になっていないようなので、また取り上げてみたい。
制作は東北新社、フジテレビ。東北新社といっても東北の会社ではなく東京の会社だ。ドラマ、映画、アニメの制作から配給まで手広くやっており、前述の「無法松」「戦国群盗伝」も東北新社の制作である。ちなみにファミリー劇場は東北新社の子会社だ。
主演は前述の今井健二。今でこそ悪役のイメージしかないが、今井俊二名義だったデビューから数年は、二枚目と正義役がほとんどだった。健二と改名後から悪役も多くなり、「第7の男」の頃は二枚目役末期の頃であろう。そういえば「無法松」の主役の南原宏治も同じような道筋を辿っている。芸名も伸二→宏治だし。この会社は悪人顔の二枚目が好きなのだろうか。
その今井が演じる主人公がコラムニストの葵紳太郎である。時代劇で主役になりそうな名前だなあと思ったら、「江戸忍法帖」で山城新伍が演じた主人公は葵悠太郎だった。
その助手・雨宮早智子が三瀬滋子、後の応蘭芳である。レギュラーは基本的にこの二人だけのようである。共に東映ニューフェースの出身だ(今井が2期、三瀬が5期)。そういえば、南原宏治(1期)や「戦国群盗伝」の山波宏(6期)や丘さとみ(2期)も東映ニューフェース出身である。
長くなってしまったので、次項に続く。

修羅桜

中山昭二は59年1月に新東宝を離れ、10月に東映と契約するのだが、その空白期間は主に松竹の作品に出演している。その中の1本が「修羅桜」(59年)だが、これは松竹映画3000本記念作品なのだそうだ。
原作として江戸川乱歩を始め、「次郎長三国志」の村上元三、「伝七捕物帳」の陣出達郎、「どくろ銭」の角田喜久雄、「若さま侍捕物帳」の城昌幸という有名作家五人が名を連ねている。出演者も等ブログ的によく取り上げるメンバーが揃っている。
主役の兄弟に森美樹と松本錦四郎で、ヒロインは桑野みゆき、他にも山田五十鈴、嵯峨三智子の親子や伴淳三郎、近衛十四郎、花菱アチャコ、前項でも触れた小笠原弘(当時は省吾)、そして高橋貞二などである。
森美樹に触れたことはなかったと思うが、字面で女性と思ってしまうが男である。そのままモリミキと読み(本名は森潤)、当時は松竹期待の若手二枚目役者であった。しかし、翌60年ガス中毒により26歳の若さで他界してしまうのである。詳しい状況は不明だが、自殺ではなく事故であったようだ。で本当に自殺してしまったのが、以前ここでも触れた弟役の松本錦四郎である。73年のことで39歳であった。そして、松竹の看板俳優の一人だった高橋貞二は、この59年、飲酒後ベンツを運転していて市電と衝突して死亡してしまう。33歳であった。このように不慮の事故などで若くして他界した役者が顔を揃えている作品でもある。
そして、山田五十鈴と嵯峨三智子。実の親子ではあるが、山田と夫である月田一郎は嵯峨が子供の頃に離婚し、月田もその3年後に病死したこともあり、嵯峨は山田に捨てられたと恨んでいたという。今回のように共演することがあっても「山田さん」と他人のように呼んでいたようだ。
また嵯峨三智子は前述の森美樹と恋愛関係にあったという。森の死後は岡田真澄と婚約したりもしたが、結ばれることなく破局してしまっている。嵯峨はこの後、いろいろトラブルを起こしているが、こういったような背景があったからではないだろうか。嵯峨は92年に母よりも早く他界している。

妖雲里見快挙伝

話は井上梅次のジャズ映画から中山昭二に戻るのだが、専ら正義の人だった中山昭二も年を取ってからは時代劇の悪役などが多くなった。新東宝時代にも結構時代劇に出演しているが、その中から「妖雲里見快挙伝」(56年)を取り上げてみたい。
まあ簡単に言えば「里見八犬伝」なのだが、何故かこういうタイトルになっている。
で、新東宝版の八犬士は若山富三郎(犬塚信乃)、和田孝(犬川荘助)、小笠原竜三郎(犬飼現八)、鮎川浩(犬田小文吾)、沼田曜一(犬江親兵衛))御木本伸介(犬村角太郎)、城実穂(犬坂毛野)、そして中山昭二(犬山道節)という面々である。
新東宝ではスターといえる役者が揃えられているが、この中では小笠原竜三郎について触れたことが無かった気がする。しかしこの名で活動したのは二年弱なので、小笠原弘といった方がわかりやすいだろう。新東宝ニューフェースの1期生で、天知茂、高島忠夫、松本朝夫が同期生である。この中では地味な気もするが、天知よりも早く頭角を現し、ちょうど名前を弘から竜三郎に変えた56年は時代劇で何本か主役を得ている。しかし、翌年松竹に移籍し名前も小笠原省吾に変えている。62年にはフリ-となり名前も弘に戻しており、晩年は中山昭二同様に、時代劇での悪役が多かったようである。
話を戻すが、他の出演者は悪役で丹波哲郎、戦前は大都映画のスターだった阿部九州男、他に坊屋三郎、林寛、宇治みさ子、遠山幸子などである。
本作の脚本はあの川内康範。二部構成になっており、前編が56年の年末に、後編が57年の正月明けに公開されている。

ジャズ娘乾杯!/裏町のお転婆娘

井上梅次のジャズ映画シリーズとでもいうのだろうか。その第3弾は「ジャズ娘乾杯」(55年)である。前二作は新東宝での制作であったが、本作は宝塚映画(東宝)の作品である。
主演は伴淳三郎とその三人の娘で、三人娘を演じるのが寿美花代、朝丘雪路、そして雪村いづみである。寿美、朝丘は宝塚歌劇団の出身で、朝丘はこれが映画初出演だった。新東宝での二作(娘十六ジャズ祭、東京シンデレラ娘)には高島忠夫が出ていたが、こちらには後にその妻となる寿美が出演している。
他にもフランキー堺、ペギー葉山、トニー谷、柳沢真一、そして新東宝から中山昭二が顔を出している。さらに江利チエミが雪村と初共演したのが本作だ。あらすじとか見た限りでは江利はさほど出番のある役ではなさそうだが、詳しい所は不明である(詳しい内容について触れているサイトなどは見つからなかった)。
そして井上梅次のジャズ映画第4弾が「裏町のお転婆娘」(56年)だ。前項で「ジャズ・オンパレード1954年 東京シンデレラ娘」を取り上げたが、本作には「ジャズ・オンパレード1956年」がタイトルの前についている(通常は省略されているようだが)。本作は前作までと違い日活の作品だ。井上が移籍したのである。そのためか主演は今までの雪村(東宝に所属)ではなく江利チエミである。江利も映画はほとんど東宝で、日活は初出演であった。
共演も日活スターが並びフランキー堺(当時は日活)、長門裕之、岡田真澄、芦川いずみ、浅丘ルリ子、桂典子などで、終盤のショー部分では月丘夢路、新珠三千代、南田洋子、北原三枝などが特別出演として顔を出している。よく見ないとわからないけれども。
冒頭部分では、プロレスラーの羅生門がチラッと顔を出している。黒澤明の「用心棒」でパッと見がジャイアント馬場に見える巨体のやくざを演じていた人(羅生門網五郎名義)である。結構彼を馬場と間違えている人は多いらしい(自分もそうだった)。
ちなみに終盤のショー部分の構成は和田肇が担当。後に日活スターとなる和田浩治の父親である。

憲兵/ジャズ・オンパレード1954年 東京シンデレラ娘

「アナタハン」の直後、中山昭二は新東宝に入社し、そこでの初出演作が「憲兵」(53年)という作品で、いきなりの主役であった。
共演も岸恵子、堀雄二、安部徹、小沢栄太郎、江川宇礼雄、そしてウルトラ警備隊では長官を演じた藤田進という蒼々たるメンバーであった。この作品の影響かどうかはわからんが、この後中山は新東宝では「憲兵とバラバラ死美人」や「憲兵と幽霊」など憲兵物には必ず出演していた。
中山の初期の作品で目を引いたのは「ジャズ・オンパレード1954年 東京シンデレラ娘」であろうか。監督は井上梅次で彼が得意とするミュージカル風映画である。井上は邦画六社で監督をしたことでも知られるが、スタートは新東宝である。
主演は井上監督の前作である「娘十六ジャズ祭」(54年)に引き続き雪村いづみで、タイトルどおり当時16才であった。
他の出演者は伴淳三郎、古川緑波、三木のり平、清水金一、岸井明といった喜劇人に加えて、高島忠夫、和田孝、そして中山昭二といった新東宝の若手が顔をだしている。高島と違って、中山にはミュージカルなイメージがないが、実はバレエダンサーとして約五年活動していた過去を持っていたりする。東映の映画「少年探偵団」(57年)に二十面相役で出演したこともある小牧正英のバレエ団の所属していた時期もあったようだ。
話を戻すが、他にも後に俳優としても活躍するシャンソン歌手の高英男、この三年後にハリウッド映画に出演しアカデミー賞を受賞するジャズ歌手兼女優のナンシー梅木、後のナベプロ社長が率いる渡辺晋とシックス・ジョーズ、この時はまだミュージシャンという立場だったフランキー堺なども顔を出している。