自宅療養になったものの、
抗がん剤が体の隅々までしみこんでいる感覚があり、
中々調子が戻りませんでした。
吐く息や汗から、クスリのにおいがしていました。
「家事くらいこなせるようになりたい。」と思うけれど、
中々体力が戻りません。
掃除機を使うだけでも息が切れ、
寝たり起きたりしながら家事に取り組む有様。
情けなくやるせない思いが押し寄せ、
「こんな調子じゃ、職場復帰もままならない。」
と、気持ちは焦るばかりでした。
月に一度職場に顔を出し近況報告をしていましたが、
職域病院である職場では、仕事の合間に同僚と話をすることも
ままなりませんでした。
「仕事の役に立つかも・・・」と、病気のことや身体状況を
話そうとしますが、同僚(私)ががん患者になってしまったことで、
みんな「どう接したものか」と、戸惑っているようでもありました。
何となく温度差を感じながら、定期報告に足を運んだなと振り返ります。
職場まで片道1時間。
当時の私にとっては、運転するのも大仕事でした。
抗がん剤の影響で味覚が変わってしまい、
「美味しく楽しく」食事をすることもできませんでした。
何を口に入れても塩味が強く感じられ、舌にヒリヒリとした刺激を感じました。
食事が進まないので必然的に体重が増えず、筋肉も落ちたまま。
どうしたものかと困り果てました。
そんな中、フと思いついたことがありました。
「そうだ!まず身体の中のクスリを排出しよう。」
「身体中に、抗がん剤は十分しみている。
がん細胞にも正常な細胞にもたまっている。
余分なクスリをからだの外に早く出してしまおう。
そうすれば、楽になるはず。」
私は水分摂取を強化し、クスリの成分を
尿として排出することを考え、
毎日3L以上の水分をとるようにしました。
その結果、トイレに通う回数が増えました。
そして尿と一緒にクスリも排出され始めたようで、
身体が少しずつ楽になるのを感じました。
トイレの往復は50歩弱ほどですが、
頻回にトイレ通いすることが、
下肢の筋力を改善する結果になりました。
そうするうちに、過敏になっていた味覚も少しずつ元に戻り、
食事の量も少しずつ増え始めました。
退院後一カ月頃には、掃除機も楽にかけられるようになり、
昼寝はしますが頻繁に横になって休むことはなくなりました。
「人間の身体って凄いな」と体の変化を楽しみながら、
日々過ごせるようになりました。
そうなると、ジタバタteruboが動き出します。
職場復帰するには、3Km走れる体力が必要!!
「よし、まずは散歩から始めよう!!」
久しぶりに近所を歩くことにしました。
「先ずは1Km 歩こう」と、張り切って外に出ました。
ところがなんと、300mほどでギブアップ。
ハアハア言いながら、もと来た道を引き返すことになりました。
何とも情けない・・・。でも仕方ありません。
先ずは庭を歩き回ることにしました。
1週間ほどすると体も慣れてきて、足取りも軽くなりました。
距離も少しづつ伸び、庭を出て近所を歩けるようになりました。
少しずつ距離を伸ばし、1時間くらい歩けるようになった頃
「ちょっと走ってみなさいよ。」と、誰かが耳元でささやきました。
マラソン好きで、毎日昼休みに30分のランニングをしていた私。
自信満々に走り出しました。気持ちは…。
脚が上がらない。体感的にも、走っているとは感じない。
転びそう…。まさかの事態に、ショックを受けました。
忘れていました。
ウォーキングに使う筋肉と、ランニングで使う筋肉は違うことを。
そして筋肉に「走り方」を思い出してもらうために、
超短距離の「小走り」から始めることにしました。
最初は小走りも思うようにできませんでしたが、
回数を重ねると動きは良くなっていきました。
季節は秋を過ぎ、近所を走り回れるようになり、
「職場復帰」を考え始めた頃、事件が起こりました。
続きは
第13章まさかの美人薄命・・・ でお伝えします。
Terubo86、まだまだジタバタしていきます。お楽しみに。
🕊️ teruboのひとこと
この章を書きながら「当時の感情」を再確認しました。
その時は、必死にもがいているだけで気づきませんでしたが、
「どうにかして生きたい。生き延びたい。」「まだ死にたくない。」
という気持ちが、せめぎ合っていたと感じます。
こうやって振り返ると、当時見えなかったものがはっきり見えて
きます。そして改めて「わたし、頑張って生きてきたんだな。」
と思います。
15年目の振り返りは、私にとって必要なことだったのです。
そして今、私は「あの日のジタバタは正しかったし、必要なジタ
バタだった。」と思っています。
不安や迷いの中にいるあなたへ。
「ジタバタしている自分も悪くない」そう思ってください。
そのジタバタこそ、あなたが“生きようとしている”証です。
ジタバタしながらでも「自分の思いを口にして、周りや自分に
伝えていくこと」そして何よりも「それを自分自身が受け止める
こと」が、とても大事なことだと思います。
生命力を改善する方法
自分の気持ちを言葉に出して、からだの外に出しましょう。
そして、そっと自分を抱きしめて「よく頑張ってきたね」と声を
かけてください。
📖これまでの記事
🩺 第1章:告知の日、心が止まったあの日
💧 第2章:手術に向けて、涙と覚悟のあいだで
🌸 第3章:退院の日、思わぬ“自由”の重さ
🔥 第4章:抗がん剤治療に向かうジタバタな日々
🌈 第5章:抗がん剤治療開始の日。心の中で起きた小さな変化
第6章:抗がん剤治療が始まる カーテンの向こうから聞 こえ
たエール
第7章:抗がん剤治療中、隔離される
第8章:つかのまの休息
第9章:2回目以降の抗がん剤治療で砕かれた自信
第10章:家に帰っても続く戦い
第11章:予想もしなかった治療最終日の出来事「予期嘔吐」
第12章 家庭復帰と職場復帰に向けたジタバタ
(↑今ここ)