15年前「肺腺癌と肺切除術の適応」を言い渡された私。
手術までの2週間「腫瘍を切り取り、早期回復、早期家庭復帰するぞ!!」と、妙に張り切っていました。
「このまま死ねない」「まだ終われない」その思いだけで、毎日を必死に動かしていた気がします。
今振り返ると、あの時の私は"心のケア"を完全に置き去りにしていました。そんな私の「ジタバタ」な手術直前2週間を少し振返ります。
手術を2週間後に控えた私は毎日家事を早くすませ、体力維持のために3Km走り、からだの循環が良くなるようにとストレッチをしたりしていました。早期回復のために、出来ることは全部やって手術に臨もうと思っていました。
また、子どものことも心配だったので、近所のママ友二人にだけ事情を話し「何かあったら、子どもの対応よろしくね。他言無用でお願いね。」と自分勝手なお願いをしていました。(子どもの為にしたことは、これだけです。)
この時期の記憶は、あまり残っていません。
日々気持ちがフワフワしているような、地に足がついていない感覚がありました。
きっと「初めてのがん宣告、入院、手術」で不安がいっぱいだったのだと思います。「これから先何が起こるのか」という漠然とした不安と闘っていたのかもしれません。
この時学んでいたカウンセリングを思い出しセルフケアをしていたら、もっと穏やかに過ごし子ども達の子ども達のために心と時間を使えていたかも・・・と反省します。
セルフケアといっても、そんなに難しいことではありません。
・朝起きたら朝日を浴びる。そして数回深呼吸し、
光を全身にいきわたらせるイメージを作る。
・顔を洗う時、鏡を見て笑顔を作る。
たったこれだけの事なのに、やらないどころか思い出しもしなかった。15年前の私には、そんな余裕は微塵もありませんでした。
それほど「がんの恐怖と不安が強かった」のだと思います。
「生き延びなければ」の思いを強くすることにとらわれてしまい、自分の中にある「生きる力」を信じることが出来なかったのだと
思います。
この時はまだ「生命力カウンセリング」という考えに至らず、
頭の中は「自分のことだけで、いっぱいいっぱい」でした。
手術日が一日一日近づくごとに、高まる緊張感も感じていました。
そんな中、一ヶ月ほど先の抗がん剤治療のことも考えていました。
「副作用強いよね。吐き気がしたり、吐いたりするんだよね。」「髪、抜けるよね」・・・・・と。
当時のことは、「現実には対応しているようだけど先々のことも気になり不安で、実際何から手を付けたらいいのかも判断できていなかった」と振り返ります。
ちゃんとセルフケアをし心を落ち着かせることが出来ていたら、子ども達のためにもっとできることがあっただろうと思います。
そうこうするうちに、入院日当日。
私は夫に送ってもらい、呼吸器外科病棟に入院しました。入院生活・手術に関するオリエンテーション、最終の採血等の検査をうけ、翌日の手術に備えました。
「眠れるかな・・・」と思いながら、消灯。
「teruboさんお早うございます。」の声に「だれ・・・?」と目を開けると、看護師が朝の検温に。
どうやら消灯を合図に、眠りについていたようです。
しかも、大いびきで。
看護師の笑いをこらえた顔が、物語っていました。
その後着々と手術に向けての準備が、進められました。
私は今更抵抗することもできず「うわ~乗っちゃったよ・・・本当に痛くないんだろうね・・・」と思いながら、定刻に手術台に上がりました。
ほどなくして麻酔科の先生が、麻酔のマスクを私に当てながら「深呼吸しますよ~。」と言われました。
これが手術直前の最後の記憶です。
「結局ジタバタしていたなぁ・・・。2週間もあったのに・・・。」が、この時期を振り返っての感想です。
この時のジタバタは、まさに「生きるためのジタバタ期間」でした。「不安と緊張の中で必死にもがいたこのジタバタ」は、「生命力」という考えにつながったのかもしれません。
次章では、手術後の回復期についてお話しします。
次はどんなジタバタを展開するか・・・お楽しみに。