ピクルス卸問屋のブログ

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エレキ、音楽、無線関係など、日々の出来事を思いつくままに…。

「完結編」と言うほどの内容ではありませんが、お盆休みということもあり、残りの作業を終わらせました。

 

前回はボディのザグリ部分に導電塗料を塗りました。

 

今回はまずはピックアップ取付用のオニメナット埋め込みから。

 

「メンテナンス その1」で書いた通り、当初は全てのオニメナットを抜き、新しいものに交換しようと思いましたが、オニメナットの規格が旧JIS規格のM3ネジ(ピッチ0.6mm)であるため、新たに入手することも難しく、ピックアップマウント用のネジも交換する必要があるため、オリジナルのオニメナットを再度使うことにしました。

 

当初埋め込まれていたオニメナット。経年変化で先端部分が飛び出てしまっており、ピックアップの高さ調整をしようとするとナット自体が上がってきてしまう状態でした。

以下、既にご紹介した穴の補修の様子。

 

 

導電塗料を塗り直してオニメナットを再度打ち込み。

 

素人の作業にしては良い感じです(いつもの自画自賛)。

 

続いてピックガード用のネジ穴の補修です。

当時のピックガード材にはセルロイドが使用されていたため、経年変化による収縮でネジ穴がこのようにずれてしまっていました。

これも既にご紹介した通り以下のように穴を補修。

 

 

ピックアップを取り付け、ネック、ブリッジなどがピックガードの穴の位置と一致することを確認し、養生用テープでピックガードを固定します。

この状態でドリルで穴を空けて行きます。

 

穴を空ける深さに気を付けて作業を進めます。

 

穴あけが完了し、ネジを取り付けたところ。問題ありません。

 

この部分のピックガードの「浮き」はどうしようもなく、このままにしました。

 

以降、電気部品取り付けなどの作業を進めます。

ブリッジアース、ポットアースも元の穴にネジ止め。シールド効果も問題ないでしょう。

 

ボリュームなどのポットは問題なさそうなので、接点復活材を噴霧。

出力ジャックはスイッチクラフト製の新しいものに交換しました。

 

取付完了。何故かメンテ前よりも綺麗になったように見えます。

この状態でギターアンプにつなぎ、各ピックアップ、スイッチ類の動作が問題ないことを確認し、最後に弦を張ります。

 

弦はこれまでも使用実績のある、アーニーボールの008~040がベースとなったセット。

12-STRINGS SLINKYです。

 

最後の最後に重労働。

とにかく12弦ギターは弦の張替えが面倒です(;^_^A。この作業が一番疲れたかも(笑)。

 

弦の張替え完了。音出しも問題なし。

 

扱いが難しいところもありますが、やはりこのギターは他のエレキとは違う、独特な雰囲気を持っています。

 

ということで4回に亘ってSG-12Aのメンテナンスの様子をお届けしました。

古い楽器であるが故に情報も限られており、ご紹介したメンテ方法は強引かつ、力技的な作業がほとんどですが、何らかの参考になればと思います。

                        ~以下次号~

今回は5月の釜石漁業用海岸局(JFT)に続く漁業無線局シリーズ。
神奈川県三浦市にある三崎漁業無線局(以下JFC)です。

過去にJFCを見学した人の記事がネットにアップされていたため、同局に問い合わせてみたところ、現在は見学は受け付けていないとのこと。
であれば、送信所近くで強電界受信を楽しもう!ということで行ってきました。
 

JFCの通信所は、三浦半島の南端に位置する城ケ島大橋の近くの三浦水産合同庁舎にあり、ここから遠隔操作にて2kmほど離れた送受信所の機器をコントロールしているとのこと。

同局については、神奈川県のホームページに詳細が記載されています。

 

以下、ここから引用させて頂きながらご紹介。


今回はJFCのアンテナに近い宮川公園の駐車場に車を停め、折り畳み自転車(ダホン)にて細かく攻める作戦を立てました(笑)。


宮川公園と通信所の距離は約2km。

16時を過ぎていたとは言え、気温は恐らく35℃越え。

炎天下でのサイクリングは堪えましたが、他に車を停める場所も無さそうだったので頑張って通信所へ。


通信所近くの道路に案内板があり、「漁業無線局」の表示があります。この坂を左に行くと三浦水産合同庁舎があります。


三浦水産合同庁舎。門標に「漁業無線局」の表示があります。


屋上の鉄塔の様子。
後ほど触れるアンテナ群は中波帯用と思われるため、恐らく27MHz帯と40MHz帯はこのアンテナから送信されているのではないかと推測。


通信所を確認した後は来た道を戻る形で、アンテナ群のあるバイオマスセンター近くまで移動します。
再び炎天下を約2kmのサイクリング。坂も多いのできつかったです。

 


宮川公園を少し過ぎるとアンテナ群が見えてきます。


バイオマスセンターの脇道を入っていきます。

※JFC関係者の方へ:
Google Mapにアップしている方がいること、「立ち入り禁止」の表示が無かったことからこの先に進みましたが、もしNGのようであればお手数ですがコメント欄からその旨ご指示頂ければ写真削除します。


アンテナ鉄塔が近付いてきました。


「神奈川県水産技術センター 大乗送信所」の看板があります。


写真では見えにくいですが、3本の鉄塔の間に、ダイポールアンテナが2セット張られています。JFCで使用されている中波帯(1,728.5kHz、2,205kHz、2,520kHz)の送・受信用であると思われます。


一番大きな赤い鉄塔の上部には4方向にそれぞれダイポールアンテナが設置されています。
通信所鉄塔のアンテナが27MHz帯と40MHz帯の送信用だとすると、これは受信用でしょうか。


総務省公開情報より、JFCに割り当てられた周波数。

同局はかつて短波帯で電信(A1A/モールス)通信も含めて運用していましたが、無線機の部品入手が困難になったなどの理由で、現在は中波・超短波帯のみとなっています。


アンテナ群を見学した後は宮川公園に戻りました。この公園内には風車が2基建っています。


公園の海側には小さな展望台もあり、美しい景色を楽しむことが出来ます。遠くに見えるのは大島でしょうか。左手にはJFCのアンテナ群も見えます。


この暑さではさすがに宮川公園には人がおらず、貸切状態(笑)。
園内の東屋をお借りして、17時からの定時放送のワッチ体制に入ります。
JFCの定時放送については、放送時間と周波数が公開されています。(上記ホームページ参照)


今回はICOMのIC-R30とアルインコのDJ-X100を持参。
IC-R30で中波帯を、DJ-X100で超短波帯を受信しました。

 


中波帯はもちろんのこと、超短波帯もメリット5で問題なく受信。
夜間なら中波帯は自宅(多摩地区)でもかろうじて聴こえますが、超短波帯は昼夜問わず受信不可。
ここはアンテナから至近距離なので当然ですが、雑音の無い受信はやはり気持ちがいいもの。

個人的には漁業無線局の受信の楽しみは、送信所近くでの、特に超短波帯のワッチではないかと思っています。(普通の人にはどうでもいい話ですが…(笑))


帰り支度をしながら、せっかくなので18時30分の定時放送も…と車でワッチ。
宮川公園を後にしました。


三崎と言えば鮪!ということで、三崎漁港近くの「さくらや」さんで「鮪とくとく御膳」を食べました。これは美味しかったです。

以上、JFCの通信所・アンテナ群見学の様子でした。
次回は三崎漁港近くに一泊し、食も楽しみながらゆっくり過ごすのも良いかなと感じました。
                                   
~以下次号~

ネジ穴の補修から実に1か月以上が過ぎてしまいました。

そろそろ元のギターの形に戻してあげないといけないので、次のステップへ。

 

今回はボディのザグリ部分の導電塗料を塗布します。

これまでにもご紹介しましたように、元の導電塗料は経年劣化でこのような状態。

今まで特にノイズが問題になっていたわけではないのですが、この機会に塗り直すことにしました。

 

使用したのはこれ。サウン○ハウスさんで購入しました。

 

まず、ネックポケットに塗料が流れ落ちないようにマスキングテープを貼り付けます。

 

既にネックポケットに付着している塗料は最初から。他の部分も含めて結構雑な塗り方です。

 

1回目の塗装。

説明書きによると、シールド効果を高めるために2度塗りせよとあります。

ベランダは暑いので、風呂場で換気扇を回して作業。

塗り終えたら3時間ほど乾かします。

 

2回目の塗装。(写真では1回目と2回目の違いは判りませんが…)

ボディにはマスキングテープを貼らなかったため、塗料がはみ出てしまってますが、ピックガードで隠れる部分なので良しとします。

 

2回目を終えたら3~4時間ほど乾かし、その後、24時間以上そのままにします。

 

この塗料は水溶性のため、塗り終えた筆は水道で洗えます。これは便利。

 

ボディにはみ出た部分はあるものの、それなりの厚さで塗れているようです。

 

ジャズマスターの導電塗料の様子。これに近い仕上がりになりました。

 

塗装前→塗装後。

1週間ほどしたら、次は新しいネジ穴を空ける作業です。

                             ~以下次号~

先日中古の電鍵を入手したので、「モールス練習機」を作ることにしました。

 

これが入手した電鍵。ハイモンド社製のHK-3となります。

結構古いものですが、状態は良いです。台座は大理石で、結構な存在感です。

 

というわけで、いきなりお約束の「完成形」~。

手持ちの部材で製作しました。

 

仕様的には基本的に市販されている練習機と同じで、キー入力用のジャック、ボリューム(SW付き)、スピーカ内臓、となっています。

 

内部の様子。発振回路基板、アンプ回路基板、電池ボックスなどを配線しただけの作業。

 

電池ボックスが基板や部品に接触しないようにレイアウトしました。

中々綺麗にまとまっています(いつもの自画自賛(笑))。

 

発振回路基板は、秋月さんの「マルチ周波数オシレーターキット」。

実験用に以前購入~組立ててあったものです。(写真はお借りしました)

 

555を使用したタイマー回路。モールス練習機では、「EXT-C1」の部分に追加のコンデンサを取り付け、発振周波数を600Hz辺りにしています。

 

発振回路の出力側にはこのアンプ回路を接続。

かつて「エレキット」で「386アンプ」として販売されていたものです。ジャンクボックスに転がっていました。

 

回路図。今となっては懐かしささえ感じるオペアンプ回路。

 

スピーカは使わなくなったノートパソコンから外したリサイクル。

これでも結構な音量が出ます。

 

ケース裏面の様子。ダ○ソーのクッションゴムを貼り付け。

 

電鍵が加わり、ごちゃごちゃ感が増してきたシャック。良くない流れです(笑)。

 

「船舶時計」を投稿した時の写真。

この時計を購入する時点でおかしいのですが、当時は無線機回りもスッキリしていました。

 

地元のSさん曰く、「徐々に漁業基地局化している」とのこと。

どこまで行ってしまうのか…(笑)

いずれにしても、3アマ保持者なので、まじめにモールスを練習してみようと思っています。

                             ~以下次号~

これまでいくつか作ってきたアンテナチューナーですが、懲りずにまた新しいものを製作。

 

2月に秋葉原のラジオデパートで購入したケースを使いました。

(下記記事ご参照)

 

 

過去に製作した左のものと同じタカチ製のサイズ違いです。

 

後ろ側はアンテナ端子。新作(右)は真ん中にスルースイッチを取り付けました。

 

内部の様子。

新作は水道工事用の配管(径18mm)を利用した中空コイルにしました。

回路は基本的には「BCLアンテナカップラの製作」のものと同じです。

 

 

旧作(バリコンを変更してます)。これとほぼ同じ回路です。

 

新作はタップの切り替え機能は排除。ポリバリコンは270pFと35pFの並列接続で、スイッチの切り替えで35pFに微調整の役割を持たせています。

 

受信範囲は4.5~10MHzぐらい。

8MHz帯の漁業無線も良く聴こえます。ちゃんと使えます。

 

実は完成するまで、色々な機能を盛り込もうとして試行錯誤。失敗の連続でした(笑)。

 

結局ここに落ち着きました。やっぱり回路はシンプルが一番。

(自分の能力の無さを棚に上げて…)

 

ケースが格好良いので、中々雰囲気出てます(笑)。

 

一方、こちらは旧作のアンテナ直結タイプ。

トロイダルコアを変え、7.5~42MHzをカバーするようになりました。

 

海ほたるで使用している様子。

 

神戸港で使用している様子。

 

枕崎(鹿児島県)で使用している様子。(IC-R30のカタログっぽい写真(笑))

 

南房総市(千葉県)で使用している様子。

 

持ち運びに便利なので、結局これが一番活躍していますね。

このサイズでもっと低い周波数もカバーさせたいのですが、これ以上色々と盛り込むのは難しそうです。

 

アンテナチューナばかり増やしてどうするんだ?との声もあると思いますが、作る楽しみもあってついつい…。

                             ~以下次号~

前回の続きです。

 

 

購入したスタンドマイクのインピーダンスが40Ω、アルインコの144/430トランシーバーDR-635に付いていたマイクEMS-61のインピーダンスが600Ω。

この違いのせいなのか、スタンドマイクの音量がやたらと小さいので、マイクアンプを内蔵することにしました。

 

回路はこんな感じです。

2SC1815を使用したアンプ(ほぼ完全にパクりです)の回路に、マイク、PTTスイッチ、マイクコネクターを追加しました。

コネクターのピン配置はアルインコのものですので、参考にされる方はご注意下さい。

 

スタンドマイク基台の内部の様子。

追加した回路、PTTスイッチ(2回路2接点)が見えます。

真ん中にあるのは元々付いていた板バネ式のPTTスイッチ。これはそのままにしてあります。

 

手持ちの部品をかき集めて作った割には上手く出来ました(自画自賛)。

 

ダミーロードを使い、近くに置いた受信機で音を確認したところ問題なし。

付属のマイクEMS-61との音量差も感じませんでした。めでたしめでたし。

                              ~以下次号~

またまた無駄なお買い物…(;^_^A

フリマサイトで無線機用のスタンドマイクを購入しました。

 

これがそのマイク。年代は不明ですが、結構古そうです。

「HITACHI」の銘板が貼ってあり、「HITACHI DENSHI LTD.」とあります。

日立電子と言えば2000年(平成12年)に国際電気、八木アンテナと合併し、現・日立国際電気に商号変更しているので、この製品は24年以上前に生産されたものだと思われます。

 

下面パネルにSM-6/1AKの型名表記がありましたが、ネットでは情報を得られず。

 

ネットからお借りした写真です。

「スタンドマイク」で検索したところこれがヒット。形・デザインがほぼ同じです。

JRC(日本無線)のCHG-43という型名でいくつかヒットしますので、もしかしたら今回購入したマイクはJRC製で、日立電子向けにOEM生産したものなのかも知れません。(あるいはその逆かも…)

 

「このマイク、見覚えがあるな…」と思っていましたが、

何と、先日見学させて頂いたJFT(釜石漁業用海岸局)で使われているものと同じタイプでした。

 

 

JFTのマイクをよく見ると、基台部分にトグルスイッチが付いているのが判ります。

手前にプッシュスイッチ(グレーの部分)が付いていますが、今回購入したものはこのスイッチが板バネの接点式で、経年劣化でかなり傷んでいるように感じました。

推測ですが、このトグルスイッチは恐らく後付けで追加されたものではないでしょうか。

 

ということで、推測の域を出ないまますかさずトライ(笑)。

今回購入したマイクは、銘板の横に通話中表示のLEDが取り付けてありましたが、この機能は必要ないので取り外し。

 

LEDの穴が手持ちのトグルスイッチにピッタリ。加工することなく取付完了。

 

中々存在感のあるマイクです。シャックの雰囲気が変わります。(雰囲気は大事(笑))

マイクのインピーダンスが40Ωと小さいため要改善ですが、テストレベルでは送信可能で改造成功。

 

今までハンドマイクのPTTスイッチしか使ったことが無かったのですが、スタンドマイク+トグルスイッチでの送受ON/OFFは楽で便利そうです。インピーダンス対応が終わったら実戦で使ってみようと思います。

                          ~以下次号~

昨年4月に、元・寺内タケシとブルージーンズ(第1期)の岡本さんのギターレッスンの動画をアップしました。

 

その第2弾を先ほどアップさせて頂きました。

お題は「蒼い星くず」。「夜空の星」と並んで若大将自ら作曲したエレキ歌謡ナンバーです。

 

もう細かいことを書いても無駄なので、ぜひ動画をご覧下さい。

やっているパターンはシンプルなのですが、やはり難易度は高いです。

「カッティング職人」と言っても良いでしょう。

 

 

前回はスタジオのレンタルギター(ストラト)、今回はご本人持参のモズライト。

まったく違うサウンドのギターなのに、カッティングサウンドが全く同じ。

この辺も前回と今回とで比べてみて下さい。

これが「弘法筆を選ばず」の境地なのでしょうか…。

                                ~以下次号~

約2週間ほど前、勤務先の応接室の飾り棚に、松下電器(現パナソニック)が1980年代初期に創業50周年を記念して発売した復刻版AMラジオ R-1が置いてあるのを発見。
このラジオは昔持っていて紛失してしまった経緯があったため、社長に頼み込んでゲットしてしまいました!(笑)


これがゲットしたR-1。中々きれいな状態です。


本体裏面の様子。
このラジオは販売もされていましたが、「ラジオ生産50周年記念」として取引先にも
配られていたようです。昭和56年4月(April 1981)と記されています。
 

40年以上前の製品であり、応接室にずっと置かれていた割には受信感度も良く、ラジオとして普通に使える状態です。工業製品としてちゃんと作られたものであることが判ります。
50周年記念という重大な節目で販売するからには、松下電器としても中途半端なものは
出せなかったはず。検討に検討を重ねて販売に至ったものと思われます。

さて、「復刻版」となるとそのオリジナルがどんなものだったかが気になるところ。
調査の結果、秋田市在住のKさんの「続・真空管ラジオ修復記」に貴重な情報がありました。

ナショナル当選号ラジオ (fc2.com) ←ここ


Kさんの投稿記事より引用。(このポスターもお借りしました)
「ナショナル(松下電器製作所)の当選号ラジオR-1ってご存じでしょうか?当時、電源を電灯線から取ることができるエリミネーターラジオとして、東京中央放送局(現NHK)が昭和5年にラジオセットのコンクールを開催し、見事に1等に当選した松下電器で発売された最初のラジオです。昭和56年に、レプリカとして同じ形のトランジスターラジオが販売されています。」

まさに当時のポスターに描かれているものと復刻版は同じ形です。
オリジナルは真空管ラジオでした。
ポスターが昭和7年とのことなので1932年。今から90年以上前になるのですね。


これがオリジナルのR-1。ラジオというよりも木工家具。妙に気品があります。

(Kさんの記事からお借りしました)
 

Kさんの記事を読み進めると、「ついに修理する機会が得られました。」とのコメント。これを修理??
それもそのはず。Kさんは専門誌への執筆も多い真空管ラジオの専門家だったのです。
当選号修復記 (fc2.com)


「ナショナル「当選号」修復記」からの写真。先ほどのものよりも色が濃い感じです。


これも「ナショナル「当選号」修復記」からの写真。

90年以上前のものとは思えない完成度の高さ・設計思想。Kさんの修理記から当時の技術者のレベルの高さを感じます。
以前のゼロ戦の投稿時にもコメントしましたが、若い人たちにはこのような素晴らしいものにもっと触れ、モノづくりへの興味を持って欲しいです。

海軍零式艦上戦闘機五二型 | ピクルス卸問屋のブログ (ameblo.jp)
 


オリジナルのR-1と復刻版のR-1を並べたところ。
復刻版はオリジナルのミニチュア版といった感じです。

(「ナショナル「当選号」修復記」からの写真)


冒頭に記しました通り、このラジオは当時持っていたのですが、かろうじて箱だけ写っている写真がありました。

コレクションしていた真空管ラジオなどと共に、右上にR-1の箱が見えます。
白黒ですが、1982年頃の写真です。

今となっては貴重なラジオが並んでいますが、全て手放してしまいました…(;^_^A。


R-1の箱の前に置いてあるのは、12チャンネルタイプの受令機です。これで警察無線をよく聴いてました。


今やラジオもラジコのようにネットで聴くことが当たり前になってしまい、若い世代ではラジオさえも持っていない人がほとんどではないでしょうか。
しかも中波放送局は一部を除いて廃局の方向にあります。
せめて自分が生きているうちは数局でも存続し続けて頂き、ラジオを聴く楽しみを味わせて欲しいものです。

最後に、改めてKさんのホームページをご紹介。

続、真空管ラジオ修復記 (fc2.com)
R-1だけではなく、数多くの真空管ラジオの紹介・修復記が掲載されており、そのボリュームと知識・経験に裏付けられた解説内容にただただ脱帽。
日本の工業製品の記録としても極めて貴重な資料だと思います。ぜひお読み下さい。
Kさんには、このブログへの引用をご承認頂きましたことにつき改めて御礼申し上げます。

                                   ~以下次号~

前回はSG-12Aの分解作業の様子でした。

メンテが終了するまでにはまだ時間がかかりそうですが、今回はネジ穴の補修の様子をお届けします。

 

フェンダーのオールドでもあることなのですが、このギターもセルロイド製のピックガードが経年変化で縮み、ボディのネジ穴とピックガードのネジ穴がかなりずれている状態です。

 

座右の書である、「ギター・マガジン メインテナンス・ブック」に記されている通り、ネジ穴を大きく広げ、木材を埋め込んでから再度ネジ穴を空ける、という方法を採ります。

これは過去に他のギターも実施済みですが、久しぶりの作業です。

 

 

今回メインで使うもの。ノミ、ノコギリ、ハンドドリル、丸棒、ウッドパテ。

 

まず、スカスカになったネジ穴を、丸棒の直径5mmに合わせて広げます。

 

鬼目ナットが付いていたピックアップ取付用の穴も広げます。

 

ドリルの脇に写っているこの赤いモノ。名前は忘れましたが、これを取り付けることにより、必要以上に穴を深く空け過ぎないようにするためのものです。

 

広げた穴にはウッドパテを充填し、φ5mmの丸棒を埋め込みますが、極力ギターのボディにウッドパテが付かないようにポンチで穴を空けたマスキングテープを使います。

 

こんな感じです。

 

穴にウッドパテを充填、ラミンの丸棒を埋め込みます。ハンマーなどで軽く打ち込みます。

 

施術完了。

ネック側の取付穴は「オールドギターあるある」。ザグリの際(きわ)まで穴が空けられてました。

 

その後はノミで仕上げてご覧の通り。

 

使用前・使用後的に並べると…。

意外と綺麗に仕上がりました。

 

次は新たなるピックガードの穴あけとなりますが、それを実施する前に、ザグリ部分の導電塗料の補修をする必要あり。

色々と調べて、これが良さそうだったのでゲット。

次回はこの辺の作業の様子を…。 

                   ~以下次号~