※本ブログ記事はネタバレを含みます。
いま話題の映画、『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』を見ました。
原作漫画を読んだことがなく、内容もまったくまったく知らなかったのですが、劇場版に登場するセイレーン役の声優・鈴木みのりさんがInstagramで予習動画を紹介していたので、その動画を見てから映画を見に行きました。
ちいかわは、ゆるキャラっぽいキャラクターですが、毎日広場で仕事紹介を受けて働くところが斬新です。
それだけではドヤ街の労務者のようですが、仕事を学んで熟練すると資格を得たりします。
ある意味、私たちの日常社会を投影したところがあります。
劇場版では、鳥さんが運んできたチラシを見て、ちいかわの登場人物たちがチャンスを求めて南の島に行き、そこで現地の原住民の交流やセイレーンとの格闘をするという内容です。
詳細は公式サイトをご覧ください。
今回は内容の全体に触れるつもりはありません。
気になったことだけにとどめます。
まず、セイレーンとは、古代ギリシアの詩人ホメロスによる叙事詩『オデュッセイア』に登場する海の魔女で、美しい歌声で船乗りたちを魅了させ、海に引きずり込んで殺すという魔女です。
上半身が人間の姿をしており、下半身は鳥の姿をしているとされていますが、『映画ちいかわ』では人魚として登場します。そして3人の子どものセイレーンを連れており、その3人の子どものセイレーンが原住民に殺されて食べられたことから、犯人が見つかるまで原住民を殺して食べているというものです。
この点では、『映画ちいかわ』に登場するセイレーンは、少しだけ鬼子母神を思わせます。
鬼子母神(ハーリーティー・訶梨帝母)は、ヒンドゥー教では豊穣、多産、安産の神とされています。だが仏教では、さらに別の意味を持ちます。
鬼子母神は500人もの自分の子どもたちを育てるための栄養を付けるために人間の子どもをさらって食べていたが、お釈迦様が鬼子母神が最もかわいがっている末っ子のビンガラを托鉢の鉢に隠したところ、鬼子母神が半狂乱になってビンガラを探し、見つからずに嘆き悲しんでお釈迦様に助けを求めたところ、人間を殺さないことと三宝に帰依することで、お釈迦様は隠していたビンガラを鬼子母神のところに戻すというお話があります。そして仏教でも鬼子母神は安産や子供の成長を見守る存在となっています。
『映画ちいかわ』は、可愛いゆるキャラの物語ということで、家族連れで見に行く人が多く、その内容にショックを受ける人が多いです。私は平日に見に行ったので、周りは学生らしき若者ばかりでしたが、映画が終わったあと「怖い」という声が聞こえてきました。
私の場合は、大航海時代以降の歴史をたどれば現実の方がよほどエグいというのもあり、普通に物語として面白く楽しめました。
エグい内容という点については、『映画ちいかわ』が始まる数週間前にYouTubeで原一男監督が奥崎謙三を追ったドキュメンタリー映画『ゆきゆきて、神軍』が無料配信されていたので見ています。
その中では、第二次大戦中、ニューギニア戦線の旧日本軍では食糧不足で飢餓状態に陥ったことから食人行為を含むおぞましい事件が続々と起きていたことが明らかにされています。
他方、米軍は途絶えることなく戦闘食(レーション)が供給がされており、完全に国力の差を感じさせます。
それに昔、雑誌の企画で南洋諸島などでの食人族や食人の風習について調べていたことがあります。
またウガンダの「食人大統領」イディ・アミン大統領、中央アフリカ帝国の「食人皇帝」ジャン=ベデル・ボカサ皇帝などの話もあります。
さらに、子供の頃は冒険物の芝居や物語では、必ずといっていいほど「優しい原住民に助けられたら、とっても怖~い食人種でした」と縛られて焼かれそうになるシーンが登場するのは定番でしたから。
そのうえで、『映画ちいかわ』を見ましたので。
映画は食人行為を扱ったものではなく、正義とはなにか考えさせられるというものですが、一般市民よりはかなりの耐性があるので、まあ普通に面白く見ました。
もうひとつ気になるのは、実は映画のラストで明らかにされる、「人魚を食べると永遠の命が得られる」と信じてセイレーンの子どもを殺して食べた島民の夫婦は、身体が電池式になることですね。
「永遠の命」を得た島民の夫婦は、単三電池を入れると動き、電池を外すと生命機能が停止してしまう。
「永遠の命」とは、身体のパーツが古くなったらパーツ交換を続けて永遠に生きられる人工生命体であった。そうした設定は、『銀河鉄道999』の機械化人から、『攻殻機動隊』の草薙素子が脳と脊髄の一部を除き全身を人工身体化したサイボーグという設定を彷彿させます。
古来より多くの権力者が「不老不死」を追い求めて、そこから医食同源、漢方薬による薬学が発達した側面はありますが、有機生命体はテロメアの限界により必ず寿命が来ますから、不老不死や「永遠の命」はありえません。
そのため、「永遠の命」は人工生命体として表象されることになるのでしょう。
また、脳だけが有機生命体の脳のままというのも、脳細胞のテロメアの限界がありますので、精神や記憶も記憶媒体に移植しなければならない。そうして誕生した生命は、「永遠の命」を望んだ自分自身とは別人格の人工生命体にしからないでしょう。
入場者特典のうさぎのキーホルダーです。
この映画を見た日の夜、『みのりダイアリー』で『映画ちいかわ』とセイレーンなどのグッズ、コラボグルメなどを取り上げており、私もセイレーンのグッズが欲しくなりました。
また赤魚といえば、西京漬けしか食べたことがありませんが、赤魚の煮付けは食べておこうと思いました(笑)






























