「原因は必ずある。探し出せ」は、
全米で大ヒットしたテレビドラマ・シリーズの
「ドクター・ハウス」に登場する診断医グレゴリー・ハウスが、
部下となった研修医たちに言うセリフです。
白衣は着ない、診察嫌い、皮肉屋で偏屈という型破りな医師ハウスは、
慣習にとらわれない思考、天才的なひらめきで、
病に苦しむ患者さんたちの難問を次々と解決していきます。
病気の原因を見つけられない周りの医師たちが口にするのは、
「異常ありません」という言葉。
患者さんが病気になっているのですから、
必ず病気の原因となる異常があるはずです。
異常がないのではなく、異常を見つけることができないだけなのです。
ハウスは、病気の原因が見つかるまで、決してあきらめません。
もう少しで患者さんが命を落とすというギリギリの状況で原因が解明される
といった展開に、ハラハラドキドキさせられます。
「腰痛は気のせい？？？」
昨今、「腰痛の９割は明確な原因がなくて、
心の中の不満や悩みが腰痛として現れている」
といったことが、テレビ番組などでたびたび言われるようになりました。
「ペットを飼うようになったら腰痛が治った例がある。
趣味や生きがいを持つようになったら腰痛が治った例もある。
だから、原因のはっきりしない腰痛は、体の問題で起こるのではなく、
心の問題から生じている」
だいたい、そういった主旨だったと思いますが、
この報道にはいくつかの問題があると私は考えます。
１） こういうことが言い出されたきっかけが、
腰痛に抗うつ剤が効くということでした。抗うつ剤には、鎮痛作用があります。
ペットや趣味、生きがいなどにも強力な鎮痛作用があります。
心理的なものが効くからといって、心に問題があるとは限りません。
原因を見誤りやすくさせます。
２） 腰痛をもった人が、周囲から「心に不満や悩みを抱えている」、
「原因もないのに大げさだ」、「痛いのは気のせいだ」といった
誤解をされやすくなります。
３） 本人自身が「リハビリをしてもむだ」と思い違いし、
体の治療を受ける機会を失いやすくなります。
腰痛の９割は、明確な原因がないのではなく、
レントゲンなどでは原因を明らかにできないだけなのです。
腰痛にも必ず原因があります。
ほとんどは、腰の捻挫や挫傷が原因です。
ペットや趣味で痛みが緩和されることもありますが、
体の治療もしたほうがいいです。
一緒に腰の痛みの原因を探し出して、治しましょう。
寺田接骨院 寺田弘志
