ライターじゃない、アイドルだ -14ページ目

3.パチンコ攻略編(9)

【最初から読む】

https://ameblo.jp/tencyou7777/entry-12396112976.html

 

 

新しく店舗にやってきた学生アルバイトIくんに基本的な業務を私が教えることになり、

 

歳が私と近く、しかもパチンコ・パチスロ好きとあって、彼とはすぐに意気投合した。

 

仕事が終われば一緒にパチスロ打ちに行ったり、車で遠出するなど色々と思い出がある。

 

将来Iくんはパチンコパチスロメーカー側の道を歩み、私はパチンコホール側の道を歩むことへ。

 

今やIくんは某メーカーの代表取締役だ。

 

ゆえにその責務の重さや多忙さを想像してしまい、彼には易々と声をかけづらくなってしまったが、

 

少し前、約20年ぶりに二人して大阪まで出かけてパチンコ・パチスロのレトロ台があるゲームセンターにわざわざその為だけに遊びに行ったことがあった。

 

いい歳してこれである。またどこかでバカ話でもしたいものだ。

 

 

まだこの時私は21歳で、パチンコ・パチスロは特に何も考えずに遊び打ちする日々だった。

 

パチンコはエスケープ(大一)、野球拳(三洋)、ブルーハワイ(三洋)、エキサイトジャック(ニューギン)

 

パチスロは初代含めてバニーシリーズ(オリンピア)、ミラクル(尚球社)、スペーススペクター(日活興業)などなど。

 

記憶が曖昧の為、登場時期がおかしい機種があったら申し訳ない。

 

 

そんな折、いつの間にか攻略雑誌にまじめに目を通すことになる。

 

そこではっきりと認識したのだ。

 

パチンコの仕組みを。

 

目が覚めたのだ!

3.パチンコ攻略編(8)

【最初から読む】

https://ameblo.jp/tencyou7777/entry-12396112976.html

 

 

総責任者Zさんの気まぐれなのか、私はハネモノの釘を叩かせてもらうことになった。

 

やってみろと言われてハンマーと玉ゲージを渡されただけだった。

 

どうしたものか・・・。

 

悩んだ挙句、いや大して悩まずに1チャッカーの命釘を触れば良いのだろうと安易に考え1台だけ開けてみた。

 

翌日遅番で夕方に出勤すると、私が釘を叩いた台に打ち止め札が刺さっていた。

 

無制限営業のはずなのに。

 

どうやら開けすぎて2万発くらい出たらしい。

 

これはやりすぎだとなって稼働停止になってしまったのだ。

 

その日以来、釘は叩かせてもらえなかった。

 

詳しく聞かない私も私だが、もっとキチンと教えて欲しかったよZさん!

 

私の黒歴史である。

 

 

今でこそハネモノはTOKIOくらいしか元気がないが、当時は着実な人気を誇るジャンルの一つだった。

 

大抵は3,000~4000玉定量制。

 

規定量の玉を出したら打ち止めされてしまうので、いかに投資を抑えて打ち止めさせるかが肝だ。

 

設置台全てが打ち止めになることは希だ。

 

ゆえに打ち止めさせた時の達成感、征服感、してやったり感は格別のものだった。

 

お金を使って得る成功体験。

 

それこそがパチンコの本質だと私は思う。

 

 

私はマイホにあったぽんぽこ林(平和)が大好きだった。

参考youtube

https://www.youtube.com/watch?v=E0ryqI6RMow

 

このぽんぽこ林は役物に貯玉をしないビックシューターのようなもので、

 

ラウンド継続は打ち出しタイミングを図ってV入賞させて継続させるという比較的ライトな技術介入があった。

 

狙いが上手くキマッてV入賞した時は自分の腕に惚れ惚れする。最高の感覚だ。

 

しかしハネモノは打ち手によって出玉結果が変動しやすく、いつも出している人は出しているし、出せない人は出ない。

 

私は後者だった。

 

ある時、常連の上手なおじさんに、上手くなりたんです教えて下さいと頼んだら

 

「よく鳴く台を打ちなさい」とご教授賜った。

 

するとたちまち私の腕が上がることはなく、別に変わりもしなかった。

 

 

ホール従業員としての私は、釘調整でやらかして、ホールでイタズラはするわ、気分によって職場放棄はするわで

 

相当な問題児とは思うが、40度の熱が出ようが体調不良で仕事を休むことはなかった。

(アホになるかと不安になった)

 

唯一強制的に早退させられたことがあるくらい。

 

左足をケガしてしまった時に両足で歩けないので片足でケンケンすればいけるだろうと思ったら帰らせられた。

 

日本男児たるもの体調不良で仕事は休まないし、無敵の肉体なのだという妙な意地を持っていた。

 

 

ある日店舗に大学生の男子が新しくアルバイトで入ることになった。

 

聞くところによればとある御曹司らしい。

 

気に入らなかった。

 

こっちは食う為、生きる為に必死でやっているんだ。学生がエンジョイ気分なのだろう。何がアルバイトだ。

 

当時アルバイト採用は珍しかった。

 

パチンコ店勤務の厳しさを叩き込んでやる!

 

そして彼Iくんが店舗に配属された。

 

めちゃくちゃ仲良くなった。

3.パチンコ攻略編(7)

【最初から読む】

https://ameblo.jp/tencyou7777/entry-12396112976.html

 

 

これが私にとって初めてのゴト師対応だった。

 

機種は春一番(西陣)

 

大当り中の入賞タイミングを調整することにより、意図的に連荘モードにするものである。

 

リズムを取るためのメトロノームが使用されていたかは定かでない。

 

厳密にいえば、道具を使った物理的な犯罪行為ではない。

 

店側が許容とするか否かの事柄であった。

 

 

春一番の島を観察していると、定期的に大当り中に打ち出しを止めて入賞タイミングを図っている者が現れる。

 

すると私は島の裏側に回り遊技台上部の幕板を押し上げて開ける。

 

そして該当台の玉補給の通り道であるジャバラにスタート札をかまして意図的に補給トラブルを発生させる。

 

玉が出ないとランプで呼ばれるので、遊技者から見えないようにスタート札を外し、

 

すいませんねえとにやけ顔で、サービス玉としてアタッカーに玉をドカドカっと入れてタイミングをぶち壊して攻略阻止!

 

どっちもどっちだが、こうした攻防が繰り広げられていた。

 

何食わぬ顔をしながらホールを巡回している最中に目を光らせること。

 

そんな意識が芽生えていた。

 

 

一般の遊技客と招かるざる客は雰囲気で分かる。

 

雰囲気とは主に目線だ。遊技客はパチンコで遊ぼうとしているので目線は遊技台から下にしかいかない。

 

この時、ナンバーランプは大当り回数の表示などなく、赤く光るだけの呼び出し専用ランプであった。

 

まれに卓球の試合かと思わせるような従業員が手動でめくる回数表示をしている店は存在した。

 

話を戻すと招かれざる客は目線が遊技台より上にいく。

 

防犯カメラの位置を確認したり、視野が広いのだ。

 

実はゴト師でなくても目線が上にいく者もわずかに存在する。同業者だ。

 

試しにパチンコ店で視線を上にやってみて欲しい。

 

鼻の利く従業員がいるお店だと、しばらくマークされるだろう。

(※しなくて良いです)

 

 

それから色々な仕事を覚え、一通りのことができる従業員になった私に総責任者Zさんが言った。

 

「おまえ釘叩いてみるか?ん?」