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考える道具を考える

The instrument which I think

築山節先生の「脳と気持ちの整理術」(NHK出版生活人新書250)は、私自身が何かに迷った時に開く大切な一冊になっている。

特に「気になっていることリスト」の作り方は、とても役に立つ。

    ‥問題を「見える化」するもっとも初歩的な技術は、紙に書き出すことです。

To Doリストですね。これが初歩的とは言え、最も合理的で効率的な問題解決の方法のような気がしていますね。

    ‥特に、思考の整理は引き算で考える。

紙に今とても気になることをリストとして書き上げたら、今度はそれを消しこんでいく。その判断基準はこんな考え方で進めていくといい、と築山先生はいっています。

    1. 重要度・緊急度が低い問題を消す
    2. 「後で解決したいリスト」を作成する
    3. 今すぐ解決できる問題は、解決して消す
    4. 特に重要な問題を選び、赤ペンで囲む
    5. 人に任せられる問題を選び、青色のペンでしるしをつける

なーんだ! そんなこと、いつもやっているさ! と思ってはいけませんね。
素直になって実践あるのみです。

仕事をしていると、毎日が問題解決の連続ですね。漠然と、あれもしなければ‥これもしなければ‥と思っているだけでは問題解決はしない。確かに。

そこで思いつくままに、気になることを箇条書きしていくというこのベーシックな方法論は、実は機能的で機動的。電車の中でも書き上げられるし、何処でも消しこみができる。

とても便利な方法論なのですね。

そして最大のメリットは、気になることが「消えていくこと」です。心の健康にとてもよいのです。


北京五輪。
男子100mで9秒69。200mで19秒30。

この二つの世界記録がジャマイカのボルト選手によって達成された時、世界中のTV視聴率はどの程度のものだったか? サッカーのワールドカップが90%の視聴率に近いものとなるのと同じくらいだったでしょうね。とにかく歴史的快挙を見る瞬間に立ち会えたのはよかった。

カリブ海の人口270万人の小国。秋田県ほどの広さの国。
今年の五輪の陸上短距離は、男女とも黄色い旋風が巻き起こっている。
(私は、パウエル選手の100mの優勝を予測したが、残念ながら実現しなかった。)

ジャマイカの短距離選手の強さの秘密を解説するコメントがいくつか寄せられている。
曰く、国産のヤムイモと天然の水のお陰だなどの不思議な解説も飛び出しているが、どうやら国民の9割を占める西アフリカからの奴隷の子孫達の潜在的な運動能力に、科学的なトレーニングとサポート体制がジャマイカ国内で整ったのが最大の要因だろうという見方が正しいようだ。(これまでは世界からやってくるスカウト達の手によって才能が国外に流出していただけ?)

もともと、小さい頃から山道を走って生活することを余儀なくされているジャマイカの生活環境が高い潜在能力を開花させるという指摘も恐らく正しいでしょうね。黒人選手の骨格と筋肉の能力は、恐らく地球上で最も優れた体形を授かっているのではないか?
短距離だけでなく、中長距離のアフリカ、ケニアやエチオピアの選手達の能力が図抜けているのを見ても、そもそもの器と潜在能力の違いは歴然だ。

思えば、長く陸上王国を誇ってきたアメリカもほとんどが黒人選手だ。能力を発揮できる環境がアメリカでは早くから整っていたというに過ぎないのかもしれませんね。

既に陸上競技では、20年前からその競技の上位を占めるのは黒人選手になるだろうと指摘されていた。それが今開花しているだけのことなのかもしれない。

それに比べて日本の陸上界は惨敗。戦前から予測はされていたが、日本のトップアスリート達の能力が低いとは思えない。何が違うのか‥‥。つくづく考えさせられるのは‥

   物質的に豊かになるということが、本当に人間にとって幸福なことなのか‥

ということだった。貧乏が良いといっているのではないが、豊かになることで失われる大切なものが確かに在る‥‥これがジャマイカ旋風に見る啓示のような気もします‥。

どうでしょうね?


ざっくり日本史
斉藤孝先生の「ざっくり!日本史」(平成19年12月 祥伝社刊 写真)が面白いよ! 私の友人が「何も言わずに読んでみろ!」と持ってきました。

友人曰く。
NHKの大河ドラマ「篤姫」を見ていて、尊皇攘夷だの、公武合体だの開国だのと言葉は沢山出てくるけど、時代的に誰が何をどんな風な立場で何をしたのかの構図が良く分からない。明治維新という政治的革命の何が日本人の心を引くのか整理しようと思って読んだのが、この本だ!

私曰く。
海外からの列強の侵略という時代的背景の中にあって、300年間の鎖国で自国だけの内政で秩序を保っていた(いられた)時代が終わり、転換期という歴史的事実と、その時に、古い体制を変革することと国際政治の世界へ歩むことと、国という概念を転換させる必要性と‥そんな慌しい時代だから、まぁ、学習するのにはもってこいの教材なのではないかな‥

友人曰く。
斉藤孝さんはね、歴史の見方というものは、「文脈を見つけていくことだ」と定義していますよ。いわば歴史的事実の意味を考えることとは、つまりは文脈の中で語ること。日本人が日本の歴史について外国人に語れないのは、この文脈力がないからだということだね。その一つの見方が、この本の中に書いてあるんだ。だから、面白い。

私曰く。
歴史認識なんて、その時代の中のご都合によって変わるわけでしょ? 本当のところは分からない。だから歴史を語る人の意図が反映されて、歴史から何を学ぶかを議論することが歴史の意味を理解することでもあるのかな?

友人曰く。
要は、尊皇攘夷という意味とそれを使った一群の人々の目論見が分かっただけでも、この本の「読み物」としての価値はあると思う。文脈で見るとは、時間の流れの中で人々がどのように関連づけられていたかということを読み解くことだからね。
でも、この時代、一国一城の主である地域の殿様が、明治新体制の中央集権化に反乱も起さずに従った理由はわかっている?

私曰く。
海外からの侵略に対抗するには、小さなことには拘っていられなかったからでしょ?
日本という国の全体の概念が、初めて出来上がったのが、明治維新だったのでしょうね。
でも、国民の心から、「お上」の意識がなくなったわけではない。今でも「会社」という藩の中で自分の生き方を求めようとするサラリーマンが多いわけだし。「会社」という単位のお殿様は社長であり、藩の大きさは会社の規模で決まっている。

友人曰く。
そして、現代の日本人の最大の問題は、日本人がずっと心の支えとしていた「城」と「お殿様」が、どこかにいってしまったことでしょうね。

    ‥この話、長すぎません?

文脈とは、関係性。でもそういう問題意識に刺激を与えるという意味では、この本は面白いのかも‥。


稲盛和夫さん今日はビジネスのお話。

アメーバ経営で有名な京セラの稲盛和夫さんの著書「稲盛和夫の経営塾 Q&A 高収益企業のつくり方」(日経ビジネス文庫 2007年11月刊)を読んだ。

日本の中小企業経営者にとって、今、稲盛和夫さんはカリスマ以上の存在になっているようだ。

京都に小さな工場を設立して、一代で世界的企業京セラをつくり上げた経営者稲盛和夫さんは、いわばベンチャー企業の進むべき道を自らの生き方で立証している生き字引のような存在でもあるのですね。ソフトバンクの孫正義さんのアグレッシブな成功物語とは異質で、いわば「ものづくり」という基盤を確立して開いた道の在り様が、多くの中小企業経営者のお手本となる要素を含んでいるからでしょう。

本著は、稲盛さんが主催する「盛和会」(4千人)の会合での中小企業経営者からの質問に答える形で稲盛イズムのエキスを紹介するQ&A構成の議事録風著作だ。文庫版になって、気軽に読めるようになった。

この問答を読んでいて、稲盛イズムとは、基本的に中小企業は自社の専門性においてその技術力を強化し、財務的基盤を強固なものとすることを第一義とし、その後に多角化、多事業化への展望を考えていくという極めて「固い」商売のコツを指南するものと読みました。

事業を経営するということは、そこにいる社員や社員の家族を支える責任を持つことでもあるという根本思想に則り、磐石の経営基盤と財務体質の強化なくして責任に応えられないという考え方。改めて考えさせられる言葉が多いですね。そして、日本的下請け構造の現状を受け入れて、徹底したコストダウンと生産性向上のための努力を続けることで、中小企業の飛躍が見えてくる‥‥実に、確実な理論なのですね。

    そして、稲盛さんの経営に対する考え方には、愛情がある。
    経営とは、まさに人。人に対する愛情は、まさに「仁」。
    「仁」とは、自己の利欲を超えた人に対する思いやり。

こんな風に読んでみました。確かに、勇気付けられる言葉達が、本著にはたくさんありました。
ありがとうございました。


mymindmap2
実にシンプル。
一つの言葉で、多くのイメージが添付される。

マインドマップが俄かにブームのようではありますが、
そしてまた、いくつかの出版物に紹介されているマップの、
カラフルで華やかな事例には眼を奪われるようですが、
私がマインドマップを描くときの流儀は、

    ‥筆ペンでマインドマップを描くこと

ですね。

勿論最後は、マインドマネージャーを使って、
アプリケーション上に展開するのですが、
最初の書き出しは、いつも、筆ペンを使います。

この利点は、何と言っても書き心地が良いこと。
線の太さや揺らぎといった心の状態を素直に表現できること。
白と黒の無彩色の世界に落ち着きを感じることでしょうか?

自分の脳の活動とそれを表現していくアウトプットのスピードが一致しないと、
どうも違和感ばかりを感じてしまう性質なので、
この筆ペンを愛用しています。

そして、いつもマップのテーマの中心円の下には、

    ‥仁義礼智信

という儒教の人間関係に関する教え「五常」を書くことにしています。
自分の行動に責任を持ち、他者への感謝の気持ちを忘れないように、
という自分への戒めのためですね。

まだまだ暑い日々が続きます。
気持ちを新たに、頑張りましょう。