今日は虹をよく見ました.ヘリから見る虹はまた格別です.今日もよく頑張ったJA822H・ドクターヘリと虹のtwo shotを載せておきます.
本日のドクターヘリ(小林,三浦先生,安積看護師)
1件目 施設間搬送(徐脈,ショック)
脈拍数30~40の徐脈.転医のための救急隊現着時には血圧低下もみられドクターヘリ要請です.機内では経皮ペーシング,12誘導心電図などの用意を行いながらランデブーポイントへ到着です.救急車内で前医の先生より申し送りを受けながら,患者さんを診察します.徐脈ですが,幸いにも循環は安定しています.念のためペーシングパドルを貼りヘリ機内へ収容です.飛行中も血圧はしっかり測定可能.5分でTECCMCのヘリポートに到着です.
搬入後は救急医による初期診療を行い,循環器科の先生に引き継ぎになりました.
2件目 目撃あり心肺停止
救急覚知同時要請です.「呼びかけに反応なし.」 ヘリは雲が低いため迂回しながらランデブーポイントへ向かいます.ランデブーポイント着陸直前に「目撃あり心肺停止,救急隊現場活動中.」との情報.であれば着陸後,支援車で現場に向かいましょう.トーマスバッグ,オートパルスなどを持って乗り込みます.5分程度走ったでしょうか,支援車が停車.雨の中を患者さん宅までダッシュです.すでに救急隊により気道確保済み.PEAの状態.三浦先生は虚脱した血管を探すよりはBIGによる骨髄輸液路確保を行います.ものの数秒で輸液路確保,薬剤投与です.しかし心拍再開は得られません.PEA継続.現場での原因検索,対応には限界があります.搬送中の有効な胸骨圧迫を行うためにオートパルス装着です.これで狭隘な搬出経路であっても胸骨圧迫の継続が可能になります.皆で自宅から救急車に搬出.医療クルーも救急車に乗り込みます.ランデブーポイントへ出発前に脈の確認です.「心拍再開!」三浦先生は叫びます.ヘリの待つランデブーポイントへ向かいながら,かかりつけの病院に併設された救命救急センターへ受け入れ依頼を行います.いつも通り快く応需してくださいました.ありがとうございます.
幸い飛行中も循環は安定したままヘリポートに到着です.陸送であれば40~50分かけて病院搬送する地域.同時要請と医師の現場投入により,医療介入までの時間短縮は1/3以下になっています.
3件目 心不全
救急覚知同時要請です.「胸痛,呼吸困難.」との情報.機内ではいつものごとく準備を行います.ランデブーポイント上空到着,救急車が現場出発するのを確認します.無線での情報,「胸痛持続,呼吸苦持続.かかりつけは○○病院.」 ヘリは一足先にランデブーポイントに着陸,救急車を待ちます.数分後,救急車到着.車内で診察を行います.呼吸は?循環は?胸痛の程度は?12誘導心電図は?やはり急性冠症候群,心不全が疑われます.今までの病歴などをうかがい,TECCMCよりはかかりつけの病院への搬送がBESTと判断します.かかりつけの病院まで陸送で10分程度.三浦先生,安積看護師同乗で治療を継続しながら搬送です.小生は次事案の要請があればいつでも飛べるようにランデブーポイントに待機します.フライトドクター2名体制はこのような柔軟な対応が可能です.えっ,要請があったらフライとナースはどうするか?TECCMCが経路途中にあれば別のフライトナースをピックアップします.それから,今搬送を担当している三浦先生,安積看護師は任務終了後にTECCMCまで自力で帰ってきてもらうことになります.
幸い別事案の要請もなく,三浦先生たちの到着を待って離陸となりました.ランデブーポイントで待機中に,ランデブーポイントの管理者の方や近所の方にドクターヘリについての説明と見学をしてもらいました.こんな機会も大切なヘリ事業です.
最近はTECCMCもちょっと落ち着いています.今日は早く帰って自宅のMACをメンテナンスです.他の先生方も早々に帰宅です.たまにはこんな日もありでしょう.お疲れさまでした.