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 皆で日々ベッドコントロールに奔走しております.満床であっても断れない救命救急センターです.まあ,何とかなるでしょう.

 本日は「初!」が2件ありました.何の「初!」なのでしょうか!?

本日のドクターヘリ(小林,三浦先生,森田看護師)
1件目 施設間搬送
 人工呼吸器装着中の患者さんを大阪まで搬送です.なんとランデブーポイントは「伊丹空港」.伊丹空港に当ドクターヘリが着陸するのも初(写真),小生が伊丹空港のエプロンに降り立つのも初でした.ご協力いただいた皆様,ありがとうございました.
 患者さんは三浦先生付き添いの上,救急車搬送となりました.小生と森田看護師は別事案対応のため,伊丹空港残留です.三浦先生,よろしくです.

2件目 交通外傷
 救急隊現着後,受傷機転からLOAD & GO,ヘリ要請です.ヘリは8分でランデブーポイントへ着陸,救急車の到着を待ちます.程なくサイレンの音を響かせながら救急車到着.外傷初期診療の開始です.幸いprimary surveyで引っかかるところはありません.あとはTECCMCで精査をすすめましょう.

3件目 施設間搬送(切迫早産)
 初の母胎搬送です.日没ギリギリのため,本事案以外の事案にはもはや対応不可能と判断します.であればフライトドクターを2名乗せるメリットはありません.三浦先生,1人で飛んでください.三浦先生,初の単独飛行です.何もないことを願っています.

 三浦先生フライト中に,内臓動脈瘤に対するTAEを番匠谷先生と行いました.なかなか手強い瘤でした.

 明日から日本航空医療学会です.朝5時に出て神戸空港・・・起きられるかなあ・・・
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 ドクターヘリで飛行中に外の山を見ると雪が積もっているではありませんか!ハチ北の北壁にも冠雪が.冬がやってきてるのですね.実感・・・

 初療,ICUと日々バタバタしております.寒くなったので血管系の患者さんが増えそうです.皆様,ご自愛ください.

本日のドクターヘリ(小林,番匠谷先生,濱看護師)
1件目 交通外傷
 覚知同時要請.「乗用車の横転.閉じ込めあり」との情報です.離陸後3分.「軽症にてキャンセル.救急車でTECCMC搬送します.」 命に別状なく良かったです.

2件目 心肺停止
 回診中に要請です.「意識障害.」にて救急隊現着後要請です.離陸から6分でランデブーポイント到着,ちょうど到着した救急車に乗り込みます.「先ほど心肺停止になりました!」 救急隊は胸骨圧迫,番匠谷先生は気管挿管,小生はBIGにて骨髄輸液路確保と薬剤投与,濱看護師はそれぞれのサポートと各々が役割をはたします.1クールのCPRにて心拍再開!これならヘリ搬送可能.TECCMCへ.
 救急覚知同時要請なら10分は医療介入が早期に可能になったかもしれません.是非是非早期のヘリ要請(覚知要請,司令室要請)をお願いします.

3件目 意識障害
 2件目の初療搬入・対応中に要請がかかります.カルテ記載は後で,ダッシュでヘリポートへ向かいます.「急に倒れ意識なし.」との情報.冠雪の山々を越えランデブーポイントへ.救急覚知から19分で医療開始.医療介入短縮は40~50分.ヘリ要請が早ければ山間部でもこんなタイミングで救急医療が提供されます.
 番匠谷先生は患者さんの診察,小生は家族に情報を聞きます.患者さんは幸い意識も回復.しかし冷汗があります.「あれ,左橈骨動脈が触れない・・・解離?」 家族情報では高血圧の既往あり.様々な状況を加味し直近の救命救急センターへヘリ搬送です.
 いつも応需していただき感謝申し上げます.

4件目 脳梗塞疑い
 3件目の初療搬入中に要請です.「ろれつが回らず,様子がおかしい.」 救急隊現着後にその観察結果からヘリ要請です.しっかりとした観察能力が患者さんの予後を決定します.ヘリの到着に時間を少々要するため,救急車は現場から病院へ近いランデブーポイントへ移動です.いつものヘリポートで救急車とドッキング,診療開始です.
 番匠谷先生は診察を行います.確かに呂律が回りません.また舌根も沈下しています.麻痺は?はっきりとしたものはなさそうです.脳卒中?であればTECCMCへの搬送ですが.小生は輸液路を確保し,血糖を測定します.「血糖値20!」と濱看護師.どうやら低血糖のようです.50%ブドウ糖を投与すると,直後から意識レベルは改善し口調もしっかりしてきました.これならばTECCMCではなく,直近の病院で受け入れていただきましょう.快く応需してくださった病院へ救急隊のみで搬送です.
 医学的な観点からのフィールドトリアージも,重要な我々の仕事です.限られた救急医療の資源を地域で有効活用する.この一端をドクターヘリが担っています.

5件目 意識障害
 救急覚知同時要請です.「庭で倒れて意識なし.」との情報.救急車の到着までも時間を要する地域からです.ヘリは10分で現場上空へ.ランデブーポイントがまだ使用出来ません.ランデブーポイントを待っていては医療介入が遅れそうです.幸い現場直近に着陸可能な農道があります.消防に許可をもらって,上空から安全を確認,農道に着陸です(写真).そしていつも通り資機材を担いで現場までダッシュ!今回は元陸上部の番匠谷先生が一番乗り.本厄の濱看護師もまだまだ元気です.
 覚知から24分で医療加入となりました.しかし,患者さんの状況は厳しく,目撃なしの心肺停止です.BIGによる骨髄路を確保,ALSを施行しつつ農道に着陸したヘリまで救急車で移動,ヘリへ搬入です.そしてヘリで5分の直近の病院へ搬送とします.
 要請のタイミングはこれ以上ないものでした.ドクターヘリに対する消防の理解が深まり,ヘリ要請までの時間が日に日に短縮されている実感があります.これからもよろしくお願い申し上げます.

 今宵は岡先生と24時間勤務です.お互いに今週の学会スライドが完成しておらず,非常に焦っております・・・こんな時に限ってICUで吐下血!?これから緊急内視鏡です・・・合間をぬって呼吸器のweaningをすすめたり,緊急入院を受けたりと座っている暇はありません.
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 本日は運航調整委員会に引き続き,第1回ドクターヘリ症例検討・報告会を開催いたしました.運航開始して7ヶ月.多くの現場に行かせていただきました.小生から「3府県共同運航ドクターヘリミッションに関する報告と症例呈示」を,フライトナースの米田君,林さんから「フライトナースが現場に出て行く意義」について報告させていただきました.

 当ドクターヘリは「キーワード方式」による救急覚知同時要請を原則としております.その効果あって,全体の症例の救急覚知からドクターヘリ要請まで平均約8分,同時要請事案に限っていえば平均約5分と全国平均よりはるかに早い要請となっております.しかし,これで満足することなく,早期医療介入を1分でも1秒でも早く実現出来るよう,地域全体で頑張っていきましょう!

 フライトナースが現場に出向く意義は「医師,救急隊のスペシャルサポート」と「現場からの救急看護」に集約されます.医師は看護師なくしては最善の医療を提供することは出来ません.ましてや院外における特殊環境下ではなおさらです.だから小生はフライトナースに相当レベルの資質を要求しております.これからもしっかりとフライトドクターを支え,引っ張って(笑)くださいね m(_ _)m

 お忙しい中,本検討会にご出席を賜りました皆様,本当にありがとうございました.次回は3月ごろを予定しております.今後ともよろしくお願い申し上げます.
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 本日は小生が運航調整委員会,検討会のため岡本先生が1人でフライトです.

本日のドクターヘリ(岡本先生,福本看護師)
1件目 外傷性心肺停止
 「重機の下敷き」にて同時要請です.救急隊現着時にPEAの状態.救命士は特定行為を行い懸命な蘇生治療を行います.ランデブーポイントで岡本先生は患者さんを引き継ぎます.CPA変わらず,全身皮下気種著明.ALSを行いつつ脱気を施行.厳しい状況のまま近隣の病院へヘリ搬送を選択します.
 
 帰院後,岡本先生はもっと何か出来なかったか,自分の治療がBESTであったか自問自答していました.厳しい症例ほど救急医は思い悩んで学んでいくのです.

2件目 院外心肺停止
 「路上で倒れて意識なし」にて同時要請です.救急隊現着時にCPAを確認.救命士は特定行為を行いランデブーポイントを目指します.ランデブーポイントで岡本先生は患者さんを引き継ぎます.オートパルス装着し絶え間なく有効な胸骨圧迫を行います.薬剤投与・・・すると心拍再開!ドパミンの持続投与を行いながら直近の救命救急センターへヘリ搬送です.飛行中も懸命な治療が続きます・・・

 本日は2件ともに厳しい事案でした.しかし,ドクターヘリによる早期医療介入の実現により,以前ではあきらめていた命にわずかでも光が差し込み始めました.もっともっと早く患者さんのもとへ.がんばっていきましょう.

 本日の写真はドクターヘリを見つめる熱い視線です.命の現場は何物にも代えがたい教育の場です.この中から将来の仲間が出てくることを願っていますよ.
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 救命救急センターが大繁盛です.ベッドもいっぱい.緊急度,重症度に応じた診療を行います.待てる方は長時間でもお待ちいただきます.ご了承ください.医療資源は人も物も限りがあります.それを有効利用しなければ体制を長期間維持することが困難になります.皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます(休日診療所,開業医さんを受診することもご考慮ください).

 本日のお昼間だけで,緊急内視鏡2件,血管造影1件です.ICUは重症度も高く,スタッフ一同全力で治療にあたっております.

本日のドクターヘリ(小林,三浦先生,米田看護師)
1件目 意識障害,near CPA
 救急隊現着後の要請です.ヘリで飛べば2分もかからないところ.それでも早期医療介入を考えると有効な距離なのです.ヘリと救急車はほぼ同時にランデブーポイントへ到着.救急隊現着時は意識レベルIII桁,舌根沈下し呼吸も止まりそうな状態だったようです.補助換気などの適切な処置が功を奏し,ドッキング時には意識レベルも改善しています.さて,意識障害の原因は?三浦先生は短時間の診察であたりをつけます.低血糖なし,CPSSでの陽性項目なし.橈骨動脈は触知可能.脈も60台.胸部症状なし.何でしょうか.診断学の基本通り,1つ1つ確実に診察を行います.すると,「眼瞼結膜蒼白!」 消化管出血が疑われると診断します.輸液を早め,TECCMCへヘリ搬送.
 搬入後,はやり胃管から出血.緊急内視鏡を施行し,岡本先生,幸部先生が潰瘍出血の処置を行ってくれました.
 救急隊の適切な要請と現場処置により心停止を回避出来たのかもしれません.

2件目 胸痛
 救急覚知同時要請です.「突然の胸痛.現在も持続.」との情報.ヘリは10分でランデブーポイントへ.救急隊も同時に到着.救急車内で診療を開始します.病歴からは明らかに急性冠症候群が疑われます.12誘導心電図,薬剤投与などを行いながら搬送です.生活圏,ご家族の希望を考慮し,対応可能な救命救急センターへ搬送です.
 陸送であれば病院到着まで50分程度かかる地域です.この事例のように,どの地域でもドクターヘリが益々有効活用されると良いですね.

3件目 痙攣
 法事中に痙攣,意識無しとの情報です.救急隊とドクターヘリはほぼ同時にランデブーポイントへ到着.救急車内で診療開始.幸いにも意識レベルは改善傾向にあります.病歴から症候性癲癇のようです.
 居住地を考慮した病院選定を行います.引き継ぎを行い,山の向こうに日が沈むのを屋上ヘリポートから眺めつつ帰投です.
 と,その時・・・

4件目 小児の墜落外傷
 救急覚知同時要請です.帰投途中に無線連絡が入ります.「小児.3mからの墜落.」 距離的にも日没ギリギリですが,進路を変更し現場へ直行です.約10分後,現場上空に到着.現場の救急隊より場所の誘導が無線であります.選定されたランデブーポイントよりも,現場直近のグラウンドに着陸することを決断します.救急隊員による誘導で着陸.小生,三浦先生,米田看護師は現場に走ります(現場ダッシュ!).今日は三浦先生が最先着でした.ちょうど救急隊がストレッチャーで搬送中に,子供さんと接触.救急車へ搬送しながら観察を行います.幸い意識もしっかりしており,呼吸,循環も安定.FAST negative.これならば救急隊のみでの直近二次病院対応で問題なさそうです.良かったです.お母さんに説明を行い,救急隊に搬送を託し我々は帰投です.日没後,但馬空港に到着,本日のヘリ業務終了となりました.
 本事案のような現場からの医療トリアージも我々の大切な役目なのです.本日もお疲れ様でした.

 今宵が平和であることを切望いたします.
 本日は院内災害訓練が実施されました.地震災害が起こったとき,災害拠点病院である当院はどのような対応をするべきか?実践訓練です.訓練では全てが上手く出来る必要はありません.むしろ出来なかったこと(全体,個人共に)を抽出することが大切なのです.さあ,果たしてその成果はいかに??

 小生は災害訓練を一通り見定めてから京都に向かいました.旧知の先生からの講演依頼です.循環器関連の研究会でドクターヘリを中心とした病院前救急診療の必要性と有用性をお話ししました.どの先生方も感心を持っていただき,「豊岡」をアピールできたのではないでしょうか.これから益々但馬および北近畿の救急医療は発展していきますよ!

本日のドクターヘリ(岡先生,山邊先生,森田看護師)
 今日は6件の出動をこなしてくれました.お疲れ様でした.詳細はまた記録を参照し記載いたします.
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 本日は鳥取県東部医師会勤務医部会総会の場で講演をさせていただきました.

 演題名:地方における救急医療のあり方~ドクターヘリを用いた広域化と集約化~

 今やっている救急医療(ドクターヘリ含む)と今後の展望をお話ししました.皆様,非常に熱心に聞いておられ,嬉しく思いました.また,地元鳥取だけに,多くの先輩,同級生が来られており,懐かしくも楽しい一時でもありました.

本日のドクターヘリ(小林,幸部先生,林田看護師)
 要請,出動ともに0件でした.今月初めての0件.北近畿地方が平和である証拠です.
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 先週に引き続き,木曜日は大繁盛です.小生は24時間勤務明け.朝の引き継ぎもままならず・・・ヘリ出動!

本日のドクターヘリ(小林,倉橋先生,清水看護師)
1件目 急性薬物中毒
 朝のカンファレンスが始まる前に出動です.「薬物大量内服.意識悪い.」 8分でランデブーポイントに着陸,3分後に救急車も到着します.救急車内で診療を開始.すると舌根沈下があります.用手気道確保を止めるとSpO2も維持出来ません.ならば気道確保目的に気管挿管実施です.速やかに挿管,そのままTECCMCへヘリ搬送です.

2件目 呼吸困難
 救急覚知同時要請です.「胸痛,呼吸苦.」 なかなかやばそうな情報です.14分後ランデブーポイントに着陸,3分後に救急車が到着です.患者さんは努力様呼吸,呼吸音も減弱しています.心エコー異常なし,12誘導心電図も異常なし.どうやら肺疾患の急性増悪のようです.であればかかりつけの直近病院へ搬送とします.搬送中の急変,申し送りのため倉橋先生が同乗されることとします.
 適切なタイミングでの要請です.時間的ロスなく,現場での医療トリアージが発揮された事案と考えます.
 さて,病院に向かって出発!っとその時,別事案の要請!!ならば,倉橋先生だけで救急車同乗搬送してください.小生,清水看護師はヘリで別事案に向かいます.

 別事案対応のため離陸,その後キャンセルとなりました.ヘリは給油のため但馬空港へ.倉橋先生は病院帰投のため最寄りの駅へ.お疲れ様です.

3件目 施設間搬送(意識障害)
 クリニックからの施設間搬送です.消防の皆様が適切に対応され,スムーズに事が運びました.現場にて初期診療開始.脳血管障害,代謝性疾患などを鑑別にTECCMCへ搬送です.

4件目 山岳訓練中の意識障害
 救急覚知同時要請です.「山岳訓練中に意識障害.レベルIII桁.」 現場までは約10分.詳細な状況は把握出来ていません.現場上空と思われる地点に到着.上空から捜索すると,山頂付近で手を振る人影発見!「あそこですね.下からでは現着に時間がかかるでしょうね.」上空から判断します.どこか着陸場所は・・・ありました.山頂付近が広場になっています.慎重に着陸.しかし,真っ平らな状況ではありません(写真左).「完全な着陸は不可能です.機体を保つので,現場投入だけしてください.」 ヘリの浮力を保ってもらいつつ小生,清水看護師は資機材を持って降ります.その後ヘリは離陸,ランデブーポイントへ着陸し次の指示に備えます.我々は山頂付近から山道を駆け下り患者さんの元へ.幸い意識レベルは改善してきていますが,脱水,熱中症が疑われます.冷汗も著明.輸液の必要性がありますが,末梢血管は虚脱と攣縮で確保は困難です.緊急度の高い状態にはかわりありません.輸液無くこれ以上経過することは患者さんにとって不利益となります.「局所麻酔.橈骨遠位端に骨髄輸液路確保するよ.」 局所麻酔,BIGによる輸液路確保.上手くいきました.加圧バッグを装着し急速輸液開始.これならば今からの搬送に耐えられるでしょう.地形,状況を周囲の方々に確認.20分くらい歩いて降りたところに駐車場があるとのこと.そこでヘリとドッキングすることとします.タンカを関係者にかついていただき山道を下ります.途中,下から上がってきた救急隊と合流.切れていた酸素投与を再開.急な曲がりくねった山道を秋晴れの元,汗だくだくで搬送です.
 駐車場に到着.ヘリを呼び戻します.数分後,JA822H・ドクターヘリは爆音と共に現れます.着陸(写真右)・・・強烈なダウンウオッシュ.患者さんを皆で囲み保護します.患者さんが意識レベルもかなり改善し落ち着かれてこられました.機内収容.このまま直近の病院へヘリ搬送です.いつもお世話になっている先生方が温かくお出迎えしてくださいました.ありがとうござます.
 本日も山を制しました.ヘリによる救急医療は本当に早期医療介入が実現可能となります.あらためて実感しました.

5件目 キャンセル
 4件目の事案から帰投途中に要請です.飛行進路を変更,指定されたランデブーポイントへ向かいます.「呂律回らない.意識レベル低下.」との情報.脳血管障害?いろいろ考えながら飛行します.要請から8分後.現着した救急隊より「救急隊にて対応可能.ヘリキャンセル.」との連絡.我々が要らなくて良かったです.
 要請後,結果軽症なら良かったねで終わります.重症ならヘリ要請しといて良かったねとなります.キーワードの要請基準に従って,遠慮無く我々をご活用下さい.

 本日はテレビ局の取材がありました.取材日はヘリが飛ばないというジンクスは吹っ飛びました.地方におけるドクターヘリの有用性,基地病院の質の担保など上手く伝えられたら良いと思います.テレビ局の皆様,編集を期待しております.ちなみに今回は関西ローカルです.
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 重症急性膵炎,小生の長年の臨床研究テーマです.ガイドラインを遵守しつつ,ちょっとした工夫を織り込んだプロトコールをTECCMCでは作成しております.本日は夕方から重症急性膵炎に対する「2ルート動注療法」のためのアンギオを番匠谷先生と行いました.
 重症急性膵炎,なかなか手強い相手です.

本日のドクターヘリ(小林,松井先生,林看護師)
1件目 脳梗塞
 救急隊現着後要請です.「脳梗塞疑い.血栓溶解療法の適応か.」 PSLSの教育がなされ,救急隊現着後にこのような形で要請がかかることが多くなってきました.要請元の地域は血栓溶解療法が出来る病院まで陸送で長時間を要します.多少待っても,ドクヘリによる搬送が血栓溶解療法までの時間を短縮出来るのです.ヘリは15分後にランデブーポイントへ着陸,すぐに救急車内での診療を行います.CPSS 3項目陽性.やはり脳卒中のようです.血栓溶解療法可能な病院,患者さんの生活圏を考え病院選定です(って,選定できるほど病院がないのですが・・・).幸い血栓溶解療法,脳外科対応の療法が可能な病院への搬送が決まりました.Jターンの応需,いつもありがとうございます.救急覚知から約1時間で病院搬入となりました.陸送なら・・・大変な時間になってます.
 適切な要請,ありがとうございます.

2件目 施設間搬送(くも膜下出血)
 施設間搬送のお手伝いをさせていただきました.搬送先は初めての病院.ランデブーポイントが少ない地域なので,自衛隊のヘリポートをお借りしての搬送です.ドクターヘリと自衛隊のヘリ.本日のサービスショットです.

3件目 転落,頭部外傷
 救急覚知同時要請です.「男性,階段から落ちて意識無し.」 頭部外傷!?機内では準備が進められます.14分後,ランデブーポイントに着陸.タイミング良く救急車も到着です.ヘリ要請のタイミングが良いと,このようにタイムラグなしにドッキングが出来ます.さて,救急車内で外傷初期診療の開始.あれ,何だかお酒くさい?これは外傷?酩酊状態かな?いろいろ考えながら診療を進めます.すると,左耳より出血.救命士も指摘しています.病歴を再確認するとやはり階段からの転落は間違いないようです.アルコールの影響で正確な意識レベルの判断が出来ませんが,頭蓋底骨性あり?.ということで脳外科対応可能な病院を選定します.ところが,この医療圏には脳外科対応の病院がないとのこと.であればヘリで搬送.受け入れ先の条件はヘリポートを有していること.日没も迫っており,病院敷地内に着陸できるところを探します.すると,あるじゃないですか!しかもヘリで10分少々で到着可能な病院です(初めての病院!).ヘリポートは屋上.受け入れ応需の返事ももらい,速効で搬送先まで飛行します.慌ただしく引き継ぎをさせていただき,ドクターヘリは何とか日没までにTECCMC帰投完了です.

 本日は2病院,初めての搬入をさせていただきました.わずかですが搬送先の選択肢が広がりました.今後ともよろしくお願い申し上げます.
 火曜日は会議が多い日です.ヘリの運航が終了してから3連続・・・現場に出ている方が性に合ってますが,お仕事なので・・・

本日のドクターヘリ(小林,三浦先生,安積看護師)
1件目 意識障害
 救急覚知同時要請です.「軽トラック内での意識消失.」 学校のグラウンドに着陸,救急覚知から18分後に診療開始です.幸い意識も戻っておられ,呼吸,循環,神経学的症状に問題なさそうです.病歴などから近医での精査で対応可能と判断します.現場での搬送トリアージも我々の大切な役目です. 

2件目 小児頭部外傷
 1件目のランデブーポイントで診療中に消防無線が聞こえてきます.「小児の頭部外傷.意識朦朧状態.現場への医師派遣をお願いしたい.」 1件目の事案は救急隊に搬送をお願いしたとこです.我々は支援車に乗り込んで現場へ行きましょう!資機材を載せ,支援車の後部座席に乗り込みます.走ること約10分.現場の学校に到着です.もちろん先着.子供さんは保健室に寝かされていました.外傷初期診療をきちんと行います.幸い意識もしっかりしています.ただ前額部に大きな割創もあり,受傷時のことを考えTECCMCへ連れて帰り精査とします.ヘリを1件目のランデブーポイントから本事案の小学校校庭へ移動.後で到着した救急隊と共にヘリに収容です.
 フライトドクター,ナースはこんな活躍の場もあります.消防が本当に適切な要請と共に,ドクヘリ・クルーを使用してくれております.これがこの地域の救急医療なのでしょう.

 さて,今宵は会議の後緊急手術2件.岡先生とがんばってきます.