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 今日はフライトスタッフ会議を行いました.月に1度,フライトドクター,フライトナース,運航会社スタッフが集まり,報告事項,協議事項の検討,症例検討などをワイワイとやっています.ここで出た意見を今後の活動に役立てたいと思います.

本日のドクターヘリ(小林,山邊先生,藤巻看護師)
1件目 意識障害
 朝のカンファレンス中に出動要請です.「突然の意識消失.」との情報.ヘリは約7分でランデブーポイントに着陸,同時に滑り込んできた救急車内に飛び込みます.幸い意識レベルも改善されています.病歴,内服内容などを確認すると,どうやら徐脈傾向が原因かもしれません.かかりつけの病院へヘリ搬送とします.隣の消防本部にご協力をいただき(いつも本当にありがとうございます),ヘリポートから医師,看護師同乗で搬送です.

2件目 施設間搬送(脳内出血)
 1件目の救急車同乗は山邊先生,藤巻看護師に任せ,小生はヘリポートで別事案の要請に備えます.別事案出動時は小生1人で行くか,TECCMCにフライトナースをピックアップしに行くかは飛行経路などで判断です.ちなみに別事案に出動した場合,山邊先生,藤巻看護師は自力でTECCMCまで帰ってきてもらいます.
 そんな中,別事案の要請です.他病院からTECCMCへの施設間搬送.救急車であれば50分近くかかります.ここからなら10分少々で向かえます.病院搬送に行っている山邊先生に情報を入れると,こちらに戻ってきている途中とのこと.あと数分で到着の予定です.ならばエンジンスタートしておきましょう.エンジンも暖まり,離陸可能と同時に山邊先生,藤巻看護師が走ってやってきます.間に合いました.
 JA822H・ドクターヘリは2件目のランデブーポイントへ10分で到着,程なく到着した救急車内で患者さんを引き継ぎます.脳内出血,脳室穿破.幸いにも気道,呼吸は問題ありません.しかし血圧コントロールが・・・急いで降圧治療を開始しながらTECCMCへ帰ります.
 帰院後,待ち構えていた脳外科チームによって緊急手術.後の集中治療は引き継ぎます.

3件目 心肺停止蘇生後
 「急に倒れて意識無し.」 救急覚知同時要請.いつも通り救急隊の現着前に離陸です.これだからこそ,本当の早期医療介入が実現出来ているのです.10分後,ランデブーポイントへ到着.救急車を待ちます.飛行中の情報では意識回復とのこと.数分後,救急車到着.「買い物中に突然倒れ,近くの開業医によって心停止確認.BLS施行によって約3分後に心拍再開(体動あり).AEDは未装着.」との申し送りです.患者さんは・・・「大丈夫ですよ.何ともない.」意識清明,呼吸,循環も安定.12誘導心電図問題なし,心エコー問題なし.しかし,皮膚は若干湿潤があり,何か起こったことは間違いなさそうです.精査目的にTECCMC搬送とします.
 早期医療介入も重要ですが,やはりbystander CPRはより重要であることを認識させられました.

 本日の写真は雲の合間から差し込む光とドクターヘリです.