new暴れん坊商人~視覚障害者の呟き~ -58ページ目

テレビ接続大作戦

今住んでいる家は一戸建て。
よって全ての部屋にテレビのアンテナの接続端子がきている。
リビングに唯一の液晶テレビがある。
そういえば昔見ていた16型のテレビがあったっけ?
と押入れの中を探してみる。
あったあった、よっしゃこれを接続してわしの部屋でテレビを聞いてやろうと作戦をねる。
けんどアンテナ線がどこにあるかわからない。
今度の休みにボチボチ探してつないじゃろうと思うのでした。

車を洗う

昨晩から急に涼しくなる。
今日の朝も爽やかな風が窓から入ってくる。
「今まで朝鮮にあった秋風がやっと日本に入ってきたんよ。」
と妻が教えてくれる。
そこで午前中の涼しい時間に車を洗うことにした。
 
ここ一軒家に引っ越してきたので車の近くに水道がありそこには長いホースといろいろな水の出し方ができる器具が取り付けてある。
大きめなシャワーモードにして車を洗う。
シャワーを出すのは娘の役目。
ブラシでこするのはわしの役目。
ゴシゴシこすってシャワーでさっと流し、雑巾で拭く。
30分くらいで完了した。
 
前のマンションの駐車場は半地下にあり上野階のベランダから砂埃が落ちてきていつもきちゃなかった。
ここは北側の玄関先に駐車スペースがあってそれほどは汚れないが、こちらにきて3ヶ月が経つのでさすがに汚れていたのがサッパリスッキリである。

「洗浄完了!」
と妻に報告。
「ごくろうさん。」
と返事が返ってくる。
まるで子供の夏休みのお手伝い感覚である。
お小遣いをもらわなければ。

カラオケとボーリング

わしも妻も今日は会社が休み。
お兄ちゃんも帰省しているので娘と4人でカラオケにいく。
いつも行っている「コナモン」
食事どころとゲームセンターと一緒にいくつかのカラオケボックスがある。
平日の昼間なので12時から6時までのフリータイムで歌い放題、一人300円也。
けんど、何か一つオーダーせねばならず、わしは酎杯のグレープフルーツ、他の3人はドリンクバー。
あとはお好み焼きとたこ焼きとオムライスを頼む。
 
早速お兄ちゃんが歌う。
最近の若いやつらが歌うよーわからんやつ。
娘もまけじと歌う。
アニメソングを中心にこれもようわからん。
妻も歌う。
こちらは演歌と懐メロ。
わしはというとやっぱしナンノちゃん。
歌詞は見えないのでへりで妻がボソボソと歌詞を先取りで読んでくれる。
「好きよ、好きよ・・・」
なーんて胸がときめく。
もちろん妻はナンノちゃんの歌なんぞは興味ない訳でして、そのへりで心を込めて歌うわし。
スッキリしましたです。
かえって思わずYOUTUBEで南の陽子の歌を数10曲聞いてしまったです。
 
カラオケを3時間歌い続け、次はボーリング。
久々に投げようと思うと、前にもましてぜんぜんレーンもピンも見えず。
妻に中心部につれていってもらい、6歩女装で投げる。
けんどどこに向かって投げているのか皆目わからず、ガーターの連続であった。
ガーターなしのレーンにしてもらえばよかったと反省。

帰りに安くてうまいさぬきうどんの店でトロ玉うどんの冷たいのを頼む。
いつ食ってもうまいのである。
土曜日にはお兄ちゃんは大阪に帰る。
日曜日から再びスーパーのバイトが入っているそうな。
こうして家族の皆で遊びに行けるのはいつまでかなぁ?
そのうち、子供達が孫を連れて遊びに来るのかなぁ?
ってことはわしもおじいちゃん妻もおばあちゃんかぁ。
ナンノちゃんの曲を聞いて元気でいねばならんなぁ。

ナンノちゃん

わしはラクラクホンという携帯を持っている。
音声でほとんどの操作をしている。
けんどアイモードでの曲のダウンロードなんぞはまだまだよくわからない。
 
そこで、帰省しているお兄ちゃんに南野陽子の曲を無料でダウンロードしてもらった。
片手で携帯をバシバシ操作しているお兄ちゃん。
あまりの速さに音声がついていってない。
さすが携帯歴6年である。
あっと言う間にナンノちゃんの「ハイカラさんが通る」をダウンロードしてくれた。
ナンノちゃんの声が携帯から聞こえてめっちゃうれしかった。
 
他の曲も探そうとわしがポチポチ操作したが、
「そんな速さじゃあ一生曲は探せないね。」
と言われてしまった。
修行せねば・・・。
今に見てろよ、お兄ちゃん。

お兄ちゃん帰省

お兄ちゃんが大阪から帰ってきた。
仕事が終わり会社を出る時に娘に
「今から換えるけどおにいちゃんは帰ってるか?」
とメールを打つと、
「了解、もう帰っているよ。」
との返信あり。
大阪と姫路は近いので5月の連休に帰ってい以来である。
けんど今の家になってからは初めての帰省。
やっぱしちょっと迷ったそうな。

会社から戻るとすき焼きの準備ができていた。
今日は下の両親と一緒に皆で夕食を食う。
妻がはりきって国産和牛を買ってきたそうな。
やっぱしええ肉はうまい。
ビール・酎杯・日本酒と酒が進むってか、わしだけすすむ。
 
お兄ちゃんは今アルバイトでスーパーでレジをうっているらしい。
血は争えないのか?
1ヶ月に5万円くらいになるという。
アルバイト代でテレビを買いたいという。
スーパーの店長・次長は口煩いがパートのおばちゃんは誰も親切だそうな。
勉強もせんとあかんぞ。

今年の6月で20歳になったのでしゃべる内容と喋り方が大人びてきたような気がする。
けんどお兄ちゃんはお兄ちゃん。
ええ子に育ってくれてありがとね。

ポンポコポン

「ほんじゃぁ、いってきまーす。」
といつもわしが会社に出る時の風景。
「ポンポコポン」
と後ろで音がする。
「ポンポコポン」
と再び音がする。

どうも妻が自分のお腹をポンポンと叩いているらしい。
これはいったい何を示しているのだろうか?
妻の前世はたぬきだったのだろうか?
お腹がすいているのだろうか?
「ハイ、いってらっしゃい。」
と明るい声の時にこのポンポコをするようである。
 
まさにかろやかないい音。
叩いている姿は見えないが、妙にかわいらしいことをすることもあるのでした。

休肝日

今年の両親との同居もかねた引越し騒動で結構ストレスが溜まっていたのだろうか、日々お酒を飲む量が多かったような気がする。
毎日毎日、焼酎を氷でわり、調子にのってグレープフルーツジュースなんぞでわってほんまにグビグビ飲んだような気がする。
そんでお腹がもたれることが多くなりちょっと苦しい思いをした。
 
よって先週から休肝日を設けることにした。
基本的には会社が休みの前の日と、休みの当日だけ酒を飲む。
週休二日制だから、週に4日飲んで3日の休肝日があることになる。
 
久々にお酒を飲まない夕食。
もっぱら麦茶を飲む。
麦茶であっても飲んだ後の
「プファー」は忘れない。
「おかしいんじゃないの?こんなんだったら一生、お酒は飲まないでいいんじゃあないの?」
と妻に言われる。
食後はまさに胃が今食べた食物を消化しているって感触。
「グルグル」お腹がなっている。
これが生きているってことなんかなぁ?なんてしみじみと思う。
 
次の休みが日曜日だから明日の金曜日も休肝日。
けんど夕食のおかずが刺身だったりしたら誘惑に負けて飲んでしまうかもしんない。
よって、この必殺休肝日制度は妻には黙っている。
身体の調子がいいってことには変えられないんじゃけどね・・・。

ラクラクホンⅥ

わしの携帯はドコモの「ラクラクホンⅤ」である。
まだまだ買ったばかりである。
けんど、今テレビでもコマーシャルやってるそうじゃが、8月7日に「ラクラクホンⅥ」がでたそうな。
 
今ある機能に日常防水と防塵機能、そしてワンセグもついているそうな。
なんじゃらほい。
わしが買う時には新しい機種が出るなんて一言も言わん買ったな転院さん。
どうせなら半額くらいにしてくれてもええんじゃあないかのぅ。転院さん。
まあ、今の携帯でも音声で一通りの操作ができ、メールもどうにか打てるようになった。
アイモードも音声で読み上げてくれて操作も音声で可能。
まあ、ええか。
けんどアイモードでインターネットするくらいならパソコンでやった方が定額でサクサクいくんじゃから、無理して携帯でネットサーフィンんすることもないか。
非常時の連絡に使用しようと思うのでした。

盲導犬訓練所見学体験記 その2

若い指導員の車でやっと訓練所に到着。
都会を離れた山すそにあり、回りは田んぼと山と川に囲まれた田舎にある。
指導員の手引きで玄関から中に入る。
日本にある9つの訓練所の内、一番小さな訓練所だそうでこじんまりした感じである。
事務所の中を通り会議室へ。
女性の施設長さんと会う。
訓練所の歴史や盲導犬のことについて細かな説明を受け、わしもいくつか質問をする。

「全盲でなくても盲導犬の貸与を受ける事ができるのか?」
「会社で待っている時は犬はどうしているのか?」
「家に戻ってきた時の対応は?」
などなどこと細かく聞く。

30分くらいお話をして施設の案内を受ける。
別棟の訓練と宿泊棟にいく。
1階の奥は訓練中の犬がいるところで入らず。
2階の1ヶ月の共同訓練時の宿泊施設に行く。
訓練者本人と指導員が泊まる洋室と和室の2室がある。
洋室はベッドとロッカー、机と簡単な洗濯物を干す器具がある。
ベランダもある様子。
直近で訓練生が泊まったのは2ヶ月前とかで少々汚れている感じ。
広間、談話室、トイレ、お風呂などを見せてもらう。
廊下を歩いていると
「足元に気をつけてくださいね。」
と言われる。
訓練中の犬が角に横になっているようである。

館内の案内を受けて、いざ歩行体験である。
玄関を出て、白杖での単独歩行で少し離れた場所まで移動する。
わしの白杖での単独歩行のレベルを見ている様子。
8年前にライトハウスで歩行訓練受けているので最初に行くところでも、後ろから道路の様子を教えていただければなんということはない。
けんど、左は田んぼ、右側はガードレールがひいてあるとはいえ大きな川がながれているようである。
ちょっとびびる。

広い歩道がある道路まででてそこで犬と一緒に300メートルくらいの往復歩行をする。
6歳から7歳のベテランの盲導犬と、2歳未満の訓練中の盲導犬と、それぞれ5分ずつくらい歩く。
やっぱしベテラン犬はぶれることなくゆうゆうと障害物をよけて歩いてくれる。
訓練中の子は頭を左右にきょろきょろしながら時々コースをずれながらの歩行である。
わしは気付かなかったが指導員が誘導用のロープを別につけていたようである。

白杖使って道路の様子を探りながら歩くのとは違い、左手に持っているハーネスから伝わってくる感触で道路の様子を察知して歩く。
これってまったく違う感覚である。
ちょっと物足りない感じ。
わしは正面は視野が完全に欠損しているので見えないが周囲にまだらに視野が残っているので犬の様子もそれとなくわかる。
へたすると犬が方向をかえるのが見えてほんまに大丈夫かなんて思ったりする。
最後の4頭目の子と指導員との補助ロープも外して訓練施設まで歩いて帰る。
足早のこの子とは何となく相性がいいようである。
無事施設の玄関まで到着し、鼻先でドアのノブを教えてくれる。
「ありがとね。ご苦労さん。」
と頭と身体をなでてやりスキンシップをする。

一通りの体験と見学を終えて今後の申請の方法を聞く。
さてどうしたものじゃろか?
ちょっと想像していた施設とは違い、随分こじんまりしている。
経験も浅く失礼だが犬への訓練がきちんとされているのかも不安である。
それに1年に3頭しか貸与されない盲導犬を、多少は視力が残っているわしが受けていいのだろうか?
300万円近い費用がかかっている盲導犬をわしが貸与されていいのだろうか?
全盲でもっと必用とされる人がいるんではないだろうか?

ほんまにわしは日常の生活で盲導犬を必用としているのだろうか?
通勤時の往復40分の歩行の安全性を会社にアピールするだけの目的でいるのではないだろうか?
仕事が終わって家へ戻った後はペットとして家族の皆と接することができると考えていたんではないだろうか?
実際は言えでも使用者であるわし以外の家族とはベタベタと接することはできず、わしがいる前で少しなでてやるくらいのことしかしてはいけないそうである。

うーーん、もう少し本気でゆっくりと考える必要がありますねぇ?
インターネットで調べたり他のユーザーの体験談も聞いてみようっと。

盲導犬訓練所体験記

行ってきました、盲導犬訓練所。
久々の単独での遠距離歩行。
初めての場所でもあり見送る家族は皆心配な様子。
「だいじょぶ、だいじょーーぶ。」
と軽い気持ちで出発する、わし。
何と言っても、今回は必殺の携帯電話があるもんね。
道に迷ってもこれで訓練所に電話すればどうにかなるもんね。
 
いざ出発。
一つ目の難関はJRの駅までの道のり。
今回の引越しで駅までは歩いて30分はかかる。
この炎天下の中、さすがに長時間歩く気力はない。
そんで近くの停留所からバスに乗る。
ここ姫路に来てから初めてバスに乗る。
しかーしいきなりバス停を通り過ぎてしまう。
すぐ近くにあるはずなのに行き着かないので通りすがりのおばちゃんに聞くと、はるか後ろにあるとのこと。
後戻りして人がたむろしている雰囲気の場所で待つこと5分。
やってきましたバスが・・・。
この停留所から乗ると必ず姫路駅に行き着くとのこと。
バス邸6つ。
障害者手帳を見せて半額の100円で到着。

只今改装中の駅構内。
なかなか改札まで行き着かない。
ここで必殺ちょっと迷った風のポーズをしてみる。
するとまたまた通りすがりの、関西のおばちゃんが、
「お兄ちゃん、もうちょっと前よ、そこそこ。」
と誘導ブロックの場所を教えてくれる。
そして斜め後ろからついてきて、
「もう少し右、右。まっすぐ行ってそこを左」
とリモコン操縦しているみたいに教えてくれる。
いっそのこと手引きをお願いをしようと思ったがこれもええかと言われるがまま歩いて改札口へ。
ここで目的のJRの駅までの650円の切符を買わねばならないがこりゃまたボタンが見えない。
改札口付近をウロウロしているとJRのお姉ちゃんが
「切符をお買いしましょうか?」
と助け舟。
しめしめ手引きしてもらおうと思ったら
「そこでお待ちください。私が買ってきます。」
とガックシ。

ついでに目的の駅の改札の出口までの誘導をお願いする。
男性のJR駅員が登場。
若いしゅっとしたお兄さんである。
ここからは見事な駅員のリレーで目的の改札出口まで行き着く。
ついでに帰りの切符も買ってもらっておく。
 
ここからバスに乗って訓練所の近くまで行かなければいけない。
わしの知っていた駅前のバス停に行き、目的のバス邸リュ行きのバスはどこから乗ればいいか聞こうとベンチに座っている人に声をかける。
けんど返答なし。
「ありゃぁ、人がいないかと思ったら、かぼそい声で
「私もわかりません」
と高校生らしき女の子。
50近いおっさんが帽子かぶってGパンはいて白杖持って近づいてくれば怪しまれてもしょうがないかなぁと、ちょっとガックシ。

そんな様子を見ていたのか第一のおばちゃん登場。
「まるまる行きのバス停はこっち側じゃあなくて駅の向こうの右側のバス邸リュよ。」
と教えてくれる。
駅を再び通り抜けそこに立っているおじさんに聞くと確かに右側にバス停があると言う。
そちら方向に行くが今ひとつそれらしき場所がない。
そこへ自転車に乗った第2のおばちゃん登場。
このおばちゃんは視覚障害者の誘導になれているのか、わざわざ自転車止めて手引きでほんまもんのバス停につれていってくれて時間まで見てくれる。
初めてまともなおばちゃんに出会う。

出発時間を携帯電話で訓練所に知らせてバスに乗り目的のバス停に到着。
車で訓練所の職員が迎えにきてくれている。
20歳後半らしき和解おにいちゃん。
15分かけて訓練所に到着した。
 
ふぅー。
やっぱし視覚障害者が単独で目的地まで行くのは大変ですねぇ。
けんど援助以来をすればどうにかなるもんです。
この援助以来のテクニックは8年前に視覚障害者のリハビリをした施設でみっちり教えてもらっていたのでどうってことなくやれたんだと思う。
実際の訓練所での体験談は、こん次で書きまーーーす。