たついかみのチラ裏でええじゃろ

たついかみのチラ裏でええじゃろ

UTAUやSynthesizer Vなどでカバーしたりトーク動画を作ったりしています。 カバーや動画作成時のチラ裏に書いとけ的な裏話。

 

 

別にやんなくてもいいよね

 

否定しているのではない。原曲寄せするのは制作者にとってもメリットが色々あるので、むしろ勧めたい。

以前も、広瀬香美 - ゲレンデがとけるほど恋したい で原曲寄せの話をしているので、具体的なテクニックなんかはそちらも見ていただければと思う。

 

一方で、カバーはその歌手ならではのオリジナリティがあるからいいわけで、本家の真似をすればいいってもんじゃないよね、ってのもある。

そのへんはどの路線でも構わないと思う。制作者の意思が明確であれば。

 

今回の場合、原曲のボーカルは艶っぽくありながら、サビは結構パワーがある。

 

うちの花梨先輩がいかにイケボと言えども、夏色花梨は決してパワーシンガーではないので、原曲に寄せる調声はあまり向かない、ということになる。

艶っぽさでは桜乃そら先生、パワーではROSEの方がよっぽど近い雰囲気にできる。

実際やってみた結果

拡散するなよ?するなよ?絶対するなよ?!

 

しかし、それはあくまでも「原曲の模倣」という観点の話であって、花梨先輩には花梨先輩の歌い方があるので、無理に真似る必要もない。

 

というわけで、リズムは原曲ベースで作っているので似てはいるが、原曲に寄せることを意図していない(歌唱テクニックとして真似ているところはある)。先輩に歌ってもらいながら、先輩らしいなーという感じに直している。

 

…はっ、またボケ忘れた

 

N・A・N・Z・A・N☆

 

南斗双斬拳の略ではない。

いやー難産だった。

こんなに苦労したのは初めてかもしれない。

 

動画では花梨先輩が楽勝などとぶっこいているが、まずキーが決まらない。

原キーでは低すぎ、オクターブ上げると高すぎて歌えないのでキー変更は必須だったが、+2や+3では話にならず、+5でも全然迫力が出ない。

+5より上げたら、ボーカルはよくてもオケの音が合わなくならないかー?

と思いつつ色々試した結果、+7(オケはー5)と+8(オケは-4)に絞り込み、スケール的には+8なんだけども音域は+7だよなーでもオケが低すぎないかなーと悩みまくり、オケはどうにかするとしてボーカル優先でいこうと決断するまで一週間。

 

ボーカルとコーラスを先に作っておいて、オケ作成にとりかかるも、音が多すぎてわーかーらーんーと途中で放り出すことまた一週間。

その間にもどんどん投票いただくし、「よし分からんところはでっち上げ創造じゃ」と悟りを開いて連休中に一気に仕上げた。

 

オケに関しては、そのまま-5するだけだと色々と低すぎてしまうので、オクターブ上のギターを入れたりしてなるべくバランスを取る。

 

バックでパワーコードを鳴らすのはUJAMのIRON2とSPARKLE2。はー楽ちん、とはならなかった。誰かパワーコードからスライドダウンする方法を教えてください。アーティキュレーションのスライドダウンは変な高さから始まるので困る。

なおSPARKLE2はIRON2のオクターブ上を弾いて、IRON2とで左右に振っている。

 

あとサックスソロ。サックスを本物っぽく演奏するのは吹奏楽器の中でもトップクラスに難しいと思う。

今回はKontaktのFactory Libraryに入っていたテナーサックスを使ったが、そもそもが原キーより-5で高音の迫力が出ないのと、アーティキュレーションがない(というかあるっぽいことがNIのサイトに書いてあるのに設定が見つからない)ので、音量変化による音質変化とアクセントだけでなんとか雰囲気を出そうと頑張ってみた。グロウルとかポルタメントとかできたらもっと良かったんだが。ちなみにバリバリ感を出すために高音域をかなりブーストしている。

 

歌に関しては、花梨先輩はいつも通りイケボ先輩。ちょっとフォール多め。

コーラスは六花ちゃん。原曲では3度上のコーラスだが、カバーではボーカルの音が高いため、上だけだと薄く聞こえてしまうので、もう1声入れて三和音にしている。

ラップはRyoくんに担当してもらったが、ヤツの声は優しすぎるので脳内の囁きに従いDeathVoiceと化した。Mixの最後で声がザラつきすぎるのが気になって高音域削ったら聞こえ方が全然違ってきてしまい、バランスを取り直す羽目に。

 

動画サムネは原曲が収録されているアルバム「SUGARLESS III」のジャケットから。

動画については、カバー制作中に先輩とこはるりが騒いでいたのでそのまんま載せた。

余計に時間がかかった。

 

無念。

一本一ボケ宣言後の動画だったのにボケるところがなかった。

サムネにでっかく「無念」と書いて、ボケられなかったというボケをかまそうかとも思ったが、怖いお姉さんに後ろから睨まれたのでやめた。

 

「木蘭の涙」は最近いただいたリクエストだが、投票でやたら人気だったのと、曲が好きなのと、次にやろうと思っているカバーがオケ作るのに時間がかかりそうだったため先出しすることに。

 

さて、バラードの場合特に気を使うのが声色である。

今回、先輩の声は、テンションとトーンシフト、ボーカルスタイルのFalsettoを変えることで抑揚を変化させている。

 

テンションは後半に行くに従っていつもの感じになっており、静かな場面はFalsettoとトーンシフトの上下でコントロールした。Falsettoやトーンシフトは劇的に声色が変わるわけではないが、あるとないとで比べると「ああ違うわ」と分かる感じである。

 

通常Falsettoは高音で高めに設定するかなと思うが、ここでは逆に低音部で全開にしたりしている(声色がソフトになるので)。

なお花梨先輩は「soft」というボーカルスタイルも持っているが、結構可愛らしい声になるので、うちのイケボ先輩では不許可である。

 

あとダイナミクス(声量)変化。これ重要。超重要最初静かでだんだん盛り上がっていく形は、曲全体にもあるし、フレーズごとにもある。なんなら1単語にもある。これを「盛り上がりのフラクタル理論」という(自己命名)。

 

ダイナミクス変化はいつもDAW側でつける。これは今のところ手持ちの音声合成全てで同じである。

理由は、音声合成側でボリュームを変えても声色が変わらない(小さい音にしたからと言ってささやき声にはならない)からで、であればDAWでやる方が伴奏とのバランスが取りやすいし操作もしやすいからだ。

以前メイキング動画でやったので宣伝紹介。

 

ああ、当時はMIDIで採譜とかやってた。今はOpenUtauやSynthVで音声データをノート変換できるから楽ちんになった。

 

次は、

必ずボケをかます!(捜査一課長風)

 

リクエストいただいた曲。

NHKドラマ8『バッテリー』の主題歌でもある。

 

花梨先輩には若干高めではあるが、原キーで歌ってもらった。(うちの)花梨先輩らしい歌い方になったんではないかなと思う。

 

先日「映像に曲への取り組みが感じられる」と過分なお褒めのお言葉をいただき、前回出したGUMIのぼやき動画をちょっとだけ反省する。反省終わり。あれはあれで楽しかった。

 

やはり曲にはそれにふさわしい映像というものがある。料理は目から。

今後は、誰が分かるんじゃというレベルでボケ倒す「一本一ボケ」の精神で動画を制作する所存である。無論この動画もである。


さて、動画内の画像は「少年」が収録されているアルバム「SUPERMARKET FANTASY」のジャケットのオマージュである。
ジャケットを再現するのは色々と憚られたため、想像にお任せする構図になったが、花梨先輩の相手は以下の条件を全てクリアしなければまかりならん!と事務所に主張。

・背が高い ー 上背のある花梨先輩がぶら下がれるぐらい
・ガタイがいい ー ぶら下がられてもふらつかないぐらい
・スーツか制服 ー 制服には制服
・小樽組と縁がある ー やっぱり無関係はね
・MMDモデルがある ー ないと絵が作れん
・存在がギャグ ー 一本一ボケの精神

その結果、一人だけ候補が浮かび上がったが、「オッサンはタイトル詐欺ではないか」「東山君は今でも少年隊だ」「羨ましい」などの意見が飛び交い、5分にも及ぶ激論の末、「カップラーメンが伸びる」という結論で採用となった。
 

なお最後で花梨先輩が薄目なのには理由があって、本人曰く「目線を示す」ことで「圧をかけて」いるのだそうで、耳元で「しっかり支えなさいよアンタ」などと言っているらしい。

 

リクエスト曲。

 

音域的に女性ボーカルはきつそうだなあと思いつつ採譜して、試しに花梨先輩に歌ってもらったがやっぱり低い。女性陣は+5以上しないとまともに歌えなさそう。

うちの子に順番に歌ってもらった結果、原キーでRyoに決定。ちょっと草野マサムネに声も似てるし。

というわけで珍しく男声でのカバーとなった。

なお、そら先生は意外と低音耐性があることが判明(がエロ色っぽすぎて断念)。

 

実は一番苦労したのは画像で、(1枚絵にも関わらず)思うようなものができず一週間ぐらいかかってしまった。

 

 

さて、この曲でもハモリがあるが、よく聞くのは「ハモリってどのぐらいの音量にするのがいいのん?」という疑問。

基準となるのは

「聞こえてるか聞こえてないか分かんない」

このぐらいがボーカルやオケに溶け込みつつハーモニー感を出すことができるバランスになると思う。

言い換えるとハモリの個々のラインは聞き取れないが、メロディと合わせて「和音が鳴っている」感が出る程度。

 

もちろんこれはケースバイケースで、パワフルにコーラスを聞かせたいとか、メロディとは別に動いているとかいう場合はこの限りではない。

 

また、ハモリはメロディの3度下か3度上を取ることが多いが、ハモリがメロディより高い場合は相当音量を絞っても目立つので、慎重に調整する必要がある。

 

が、敢えてメロディラインよりハモリのラインを強調することもあるし、結局は自分が「どう聞かせたいか」なのだ。正解はないのであるから、どうしたらいいんだろうと悩むより、自分はどうしたいんだろうと考えたほうがいいってことね。

 

リクエストいただいた曲。

1年ほど前からやろうと思っていたが冬が過ぎてしまって保留にしていた、自分的にタイムリー曲。

 

最初はアカペラにしようと思って1コーラスほど作ってみたが、実際にSynthesizer Vで歌わせてみるとどうにもしっくりこなくてお蔵入り、にするのもちょっともったいなかったので、コーラスにアレンジして使っている。

 

画像はピアノ伴奏ということで、ちょうど本家のMVの中で桑田佳祐がピアノを弾いている場面があったのでそれをイメージした。雪降らせたかったけどうまくいかず断念。

 

 

さて、この曲は-2キー変更されている。

花梨先輩には相当高いキーだったので、スケール的には-3したかったが、-2キーのいい感じのピアノ伴奏があったので使わせていただくことにした。

 

音域が合わないときにキー変更はよくやる手段だと思うが、個人的には

極力キー変更はしない

ようにしている。

 

何故かというと、キーを変えてしまうと「曲の雰囲気が変わってしまう」からだ。

 

調には系統によってイメージがある。

フラット系キーは重厚、寒色系(青や紫)のイメージ

シャープ系キーは明るい、暖色系(赤やオレンジ)のイメージ

Cキー(ハ長調)はニュートラル(白)のイメージ

例えば変ホ長調(Ebキー)を-1してニ長調(Dキー)にすると、急に能天気な曲になってしまってイメージが狂ってしまうのだ。

 

なので、ちょっとぐらいキーが合わなくても、どうにか歌えているのであればキー変更はしない。

 

変えるとすれば、聞いている方が苦しくなってくるような歌声になっちゃうときで、声域を踏まえてなるべく似たイメージの調に変える。

というのが自分なりの基準だ。

 

Synthesizer Vは、例えば夏色花梨だと、E5あたりから上になると息も絶え絶えになって指定した音符まで音程も上がらなくなってくるし、逆にA3より下がると頑張って低い声を出そうとしてるけどもう声になってない、と、妙な人間臭さを発揮してキーを合わせるのに大変苦労したりする。

※バージョン1.10からこのへんはかなり改善された

 

あとはオケの問題。自分で作っていれば問題ないが、他の方のオケを使わせてもらう場合、希望のキーがあるとは限らない。

 

もっとも原曲を歌う歌手でもキー変更したりするからそこまで気にするものでもないかもしれないが、なんかモニョるのだ。

 

広瀬香美さんの歌い方を完・全・再・現☆するつもりで花梨先輩に無茶振りした一品。

 

進化したとはいえ、人間と比べればやはり声のバリエーションで劣る音声合成で、どうやって歌手の歌い方を再現するか(=人っぽくなるか)?ということを研究していくと、そのままとはいかずとも「それっぽくなる」やり方というのができてくる。これが引き出しになって後々役に立つわけだ。

 

この曲に関しては、広瀬香美さん本人によるダメ出し動画があって、

・冒頭は全てスタッカートじゃなくちゃダメ!

・スラーの箇所はしっかりスラーじゃなくちゃダメ!

・サビのメロディーは高低差に引っかかったらダメ!

という3点。

 

ありがたいですねー。

で、これをどうやって調声に活かすのか。

 

スタッカートは

・「cl」を使う。「あっ」とかでも直接clを書いてもOK。

・後の音を長くする

これらの方法で調整できる。

 

またテンポよく聞かせるためには「前ノリ」を使う。

例えば「時間も電車も」の「かん」「でん」部分は、「ん」を64分音符分前に寄せている。

↑分かりにくいので16分音符ごとに線を引いてみた

 

スラーのところは逆に後ノリというか、音を遅らせることでスラー感が増す。

例えば「今夜は積もるかもしれない」の「もるかも」は譜面上は8分音符のはずだが、ここを三連符に近い形にするとゆったりした感じに聞こえる。

 

↓8分音符ぴったりを

↓ずらして三連符に近い形に

 

高低差。パワーのある歌手って、譜面どおりの音程で歌ってなくて、なんならどの音で歌ってるかよく分からんまであってそれがまたスピード感を作っていたりするので、敢えて下の音符をずらしたりすることでそれっぽくなることもある。

 

↓サビの高低差ではないが、「ブレイク寸前」の「ブ」をA3bから繋げている例(本来の高さはA3)

 

そのほか、冒頭の「あーなたのネ」の「ー」のところで息を抜いているのは、「あ」のアタックの後でテンションを0より少し低いぐらいに下げ、「あ」と「な」の間に「ん」を挟むことで表現している。花梨先輩はテンションが0から下がると急に声色が変化する気分屋さんなので、ちょっとだけ下げるのがいい。

※トーンシフトを下げた方が効く子もいるので色々試してみるのが吉

 

またロングトーンの最後あたりでテンションを下げていくと、音の消え方が自然な感じになりやすい。これはどのシンガーでも共通して使える技だと思う。

↓生成された波形に注目


 

 

リクエストいただいた曲。

千冬ちゃんメイン、先輩と立花ちゃんラップとのご指定であったので、2つのラップ部分をそれぞれに歌ってもらうことにする。

 

画像は大抵本家MVからイメージを貰ってくるがアレを貰うとモザイクがかかってしまうので(ついでに寒そうなので)、3人がくっついてるポーズにしてみた。ベースはじぶんさんのポーズ集から。いつもお世話になってます。

 

 

さて、前述のとおりこの曲には2箇所のラップパートがある。

 

1つめは1'33"あたりから。

ケツメイシのラップではよく出てくるが、喋りではなくメロディックなラップである。

半分歌うようなこのラップは、synthesizer Vのラップ機能では作れない(喋りに寄るので)。といって普通に歌唱させたのではラップに聞こえない。

こういう場合、以下のようなポイントで調声にするといい感じに聞こえるようになると思う。

・1文字ずつはっきり発音させる(多少スタッカート気味でもいい)

・語尾は短めの発音。ラップにして下がり気味にさせてもいい

・ビブラートは切る

 

実際のノートはこちら。フォールしていい場所はラップにしたりしている。

 

ちなみに途中で上3度のハモリが入るが、これも綺麗にハモらせると逆に変なので、こちらは完全にラップにしている。

 

もう1つは2'34"あたりから。

こちらはほぼラップ機能で対応できる喋りタイプ。あまり抑揚がないので、ベースの音程から±3音ぐらいの調声で、あとは割と六花ちゃんの好きに歌わせる。

ところどころメロディ(音程)を感じる部分があるので、そこは歌唱にして音程を保っている。

 
一度聴いてすごく気に入ってしまった曲。
SVテトさんに合いそうだなと思ってやってみたら想像した以上にハマった。
 
割と主張してくるコーラスはSaki。柔らかい部分はMai。彼女たちはこういう脇役でも映えるのがいい。
コーラスについては原曲通りではなく、SakiやMaiの声が最大限活きる構成にしたつもり。
普段は干渉が気になるのでやらないが、メロディと被るパートを入れることでコーラスとしての響きがかっちりした(と思う)。
 

なお画像は、最初はテトさんにエルフ耳をくっつけてフリーレンの真似ーとかやろうと思っていたが、某AIに「SV重音テト」と言ったらなんかちっこいのが出てきたのでこっちが気に入って採用と相成った。

 

 

以前アップしたもののフルコーラス版。以前のものはモーションの尺が1コーラス分だったことと、その後にラップパートがあったためショートバージョンだったが、三人娘が日本語ラップ対応したし、やっぱりフル聞きたいよねということでフルコーラス版を作成。

 

カバー自体は12月頭にほぼできていたが、1コーラス後の映像をどうするか何も思いつかず、合いそうなモーションやら探していたらえらく時間がかかってしまった。

かわいいモーションを配布してくださっている方々に感謝。

 

ごにょごにょやっている間に現実逃避気味に作ったA・RA・SHIが先にできてしまったのだが、そこで得たSynthesizer Vのラップ制作の知見をこちらにもフィードバックできたので結果オーライ。

 

それにしてもSynthesizer Vのラップ機能はありがたい。ラップが入っている曲って意外に多いし、あれ普通に調声しようとしたらえらい手間やで。