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ある在宅ワーカーのつぶやき

みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

その1その2は関連記事でしたが、その3の内容は前の二つと直接関連はありません。

その2で出てきた高度な検索をもうちょっと使いこなしてみようという内容です。

 

そろそろ地方議会の定例会が始まる時期となり、議会系のテープ起こしは繁忙期となります。

それで、議会関係は結構用字用例辞典とは異なる独自ルールを一部用いているところが結構あるんですけど、その中でよくあるのが「一つ」「二つ」等の一桁の数に「つ」をつけたときの表記を漢数字ではなく算用数字を用いることです。つまり「1つ」「2つ」と記載するということですね。

 

ただ、用字用例辞典のルール上はおおむね「一つ」「二つ」であり、そう表記する癖がついてしまっているものですから、ローカルルールがあるとは分かっていてもついつい「一つ」「二つ」と変換してしまいがちです。

それを見落とさないために、私はそういうときは見直し前に「一つ」「二つ」をピンク色に一括変換して、見落としがないようにしています。

 

具体的にどうするかというと、その2で触れた「高度な検索」を用います。

今回はさらに、以前単位字を入れるときに使った「オプション」も用います。

 

まず、検索文字列に「[一二三四五六七八九]つ」と入力し、

「高度な検索」左下のオプションボタンを押して検索オプションを表示させます。

そして「ワイルドカードを使用する」にチェックを入れ、

中央辺りにある「検索する場所」で「メイン文書」を選択します。

ここでも先週触れた「検索する場所」で「メイン文書」を選ぶのが役に立っていますね。

すると漢数字で表記された「Nつ」が全て選択されます。

つまり、検索文字列に入れた「[一二三四五六七八九]つ」は、「一つ」「二つ」「三つ」「四つ」「五つ」「六つ」「七つ」「八つ」「九つ」全てという意味なのです。

ワイルドカードを使用する場合のみですが。

私はここでよくうっかりワイルドカードのチェックを入れ忘れて、検索してもヒット数がゼロのことがあります。

 

この状態でフォント色変更をかければ完了です。フォント色変更は右クリックでも出てくるし、リボンの中にもあります。私はクイックアクセスツールバーに追加しているボタンを使います。

 

なお、ここでなぜ「一つ」から一気に「1つ」に変換せずに色変換のみで確認するかというと、「1つ」と記載するローカルルールのあるところでも、「一つ一つ」などは漢数字表記のままの例外を設けているところが多いからです。というか私の今までやったところは全てそうでした。

 

もうすぐ繁忙期でそういう仕事をやる機会が増えますが、そういうオーダーに抜けなく対応することが、信頼を得るために非常に大事なことであることは言うまでもありません。

先週、クイックアクセスツールバーにボタンを追加する方法について説明したときのスクショで御覧になられた方もいらっしゃるかもしれませんが、私の追加しているボタンは半分ぐらい自作マクロが動作するものです。
そうではない、デフォルトでワードに装備されているボタンのうちで、クイックアクセスツールバーに入れてそこそこ活用しているのが下付き文字のボタンです。

下付き文字はそんなに使うことはないんですが、そこそこ出てきます。ということで、ショートカットキーを覚えるほどでもなく、かといってリボンの中にあるのを一々開くのも面倒くさいため、クイックアクセスツールバーに入れているとちょっと便利なもののうちの一つなのであります。

 

どういう言葉で使うかというと、具体的にはCOなどですが、ただこれはカーボンニュートラルの会議なんかになると1時間で何十回も出てきて、手作業で一つ一つ変換していると、日が暮れるとまで言うと言い過ぎですが、間違いなく無駄な手間と時間がかかってしまうことになります。

 

ではできるだけ楽に作業するにはどうすればいいかというと、一つにワードの「高度な検索」を使う方法があります。

「えっ、書式を設定した置換じゃないの?」とお思いの方もおられるかもしれませんが、確かに置換後の文字列を下付きにするよう設定することはできるんですが、検索のほうが早いです。

ただし、置換でももっと楽にできる方法があるのかもしれません。以下に記載するのは現在私がたどり着いた中で最も楽だと思われる方法です。

 

まず、CTRL+Fでナビゲーションウインドウを開き、その中の虫眼鏡マークをクリックして出てくるメニューから「高度な検索」を選択します。

すると高度な検索と置換の画面が開きますので、検索する文字列に「CO2」と入れ、下の真ん中やや右の「検索する場所」ボタンをクリックして、その下に出てくる「メイン文書」を選択します。

なお、画像では「メイン文書」のみ表示されていますが、複数項目出てくる場合があります。

すると文章中の「CO2」が全て選択されますので、その状態で「下付き」のボタンをクリックします。

なお、以下のスクショではクイックアクセスツールバーの真ん中ほどにあります。

「CO2」が下付きになりました。

続いて「CO」を普通サイズに戻します。

同様に「高度な検索」画面で「CO」を全て選択します。

この状態で、もう一度「下付き」のボタンを押すと、「CO」の下付きが解除されて「CO」の表示となります。

 

ちなみにですが、この作業は必ず、見直しを行う前にやりましょう。でないと、想定外のところが変換されて間違いのある反訳原稿になる可能性があります。

まあCO2なら誤った変換をされる可能性は低いかもしれませんが、私は新訂で表記変更になった「籠(かご)」を誤変換される可能性はないだろうと判断し一括変換してみたら、「ほかございませんか」などが変換されてしまって、慌てて一括変換をやめたことがあります。

たとえそんな想定外が起こっても、その後見直しをすれば間違いは容易に発見されるため、誤った原稿を納品しなくて済みます。

 

それはともかくとして、今日の記事のポイントは、詳細検索における検索場所を「メイン文書」で指定することです。下付き文字だけでなくいろいろなことに利用できますので、ワードで作業をする上で覚えておいて損のない機能であると私は考えています。

先週は繁忙期でもないのに更新をサボってしまって申し訳ありませんでした。仕事でもプライベートでもいろいろありまして、気力が失せておりました。

とはいえ、多分議会系のテープ起こしを多くしておられる方はほとんどそうだと思うんですけど、今はテープ起こしは一年通して最も仕事が少ない時期であります。よってちょっと時間があるので、今月はちょっぴり時間のかかる記事を書いていこうかなと思います。

何に時間がかかるかというとスクショを撮って画像加工するところだけなんですけどね。心に余裕がないとできないんですよ。

なお、スクショは全てワード2016の画面です。バージョンによって配置等異なることもございますので、御了承ください。

 

ワードのメニューは、今はリボン表示になっています。これが便利なのか不便なのかは意見が分かれるところかと思いますけど、私は作業中に画面上で資料を確認するスペースを確保したいので、リボンは通常隠した状態にしています。これはリボン右下の部分(下の図では押しピンの部分)をクリックすることで、常に表示と必要なときのみ表示の切替えができます。

なお、このスクショは通常リボンを隠している場合で、常に表示の設定にしているときは押しピンの代わりに「^」マークが表示されます。

 

それで、個人的に、リボンを常に表示していようが非表示であろうが、使いたい機能をこの中からいちいち捜し出してクリックするのは非常に面倒くさいです。

それに対して、ショートカットキーがあらかじめそれぞれ設定されてはいるし、自分でショートカットキーを好きに割当てすることはできるんですが、もう新たに覚えるのも脳の容量に限界があって難しいです。そんな余裕があれば新訂で変更になった用字例を覚えたいです。

 

その問題に対する解決策の一つが、ワードのクイックアクセスツールバーです。

これは、下の画面で赤枠で囲んだところですが、任意のボタンをワード画面の上部に配置する機能で、常に表示されますがコンパクトなので邪魔になりません。

 

ちなみに上記の画面はデフォルト設定を変更したものでして、通常はワード画面の一番上の青いところに表示されます。

御覧のとおりボタンを表示できる範囲が狭いため、私は設定変更しています。

 

この状態から、クイックアクセスツールバーの一番右の下矢印をクリックすると表示されるメニューの一番下にある「リボンの下に表示」をクリックすると、先ほどのようなグレーの部分にクイックアクセスツールバーが表示されるようになります。

 

ここまでが前置きで、ここからが肝腎の、どうやってクイックアクセスツールバーに必要なボタンを追加するのかというところです。

 

まず、リボンにあるボタンは、ボタンの上で右クリックすると出てくるメニューの「クイックアクセスツールバーに追加」を選択するだけでクイックアクセスツールバーに追加できます。

 

そして、リボンにないボタンについては、ちょっと面倒な作業が必要になります。

初めに、先ほどいじった「リボンの下に表示」の一つ上に、「その他のコマンド」というのがありますのでそれをクリックします。

 

すると、クイックアクセスツールバーのカスタマイズ画面が開きます。

操作としては、左の枠の中でクイックアクセスツールバーに追加したいボタンを選択し、真ん中にある「追加(A)>>」のボタンをクリックするだけです。それで、右側の枠の中にそのボタンが追加されていれば完了です。

 

ただ、この追加したいボタンを捜すのが結構面倒です。一番上の「コマンドの選択」のプルダウンメニューからそれがありそうなカテゴリーをクリックしてその内容を下の枠内に表示させ、その中から地道に捜すことになります。

以下の画像はそのプルダウンメニューです。

 

これでうまいことすぐ見つかればいいんですが、最悪上から三つ目の「すべてのコマンド」の中から捜すことになりますと、物すごい数がある上に漢字部分が音読みでの50音順になっていまして、非常に捜しづらいです。

具体的にはどういうことかといいますと、「引用文献一覧の挿入」「隠し文字」「右」が並んでいる状態です。最初の文字の音読みである「イン」「イン」「ウ」で50音順になっているということですね。(「用」が先で「し」が後なのは謎ですが)

最初私はこの事実に気づかず、「ない! でもあるはず!!」と全部を上から順に捜したりしていました……。

 

とはいえ、ボタンを追加さえしてしまえば、必要な機能をワンクリックで使えるようになります。皆さんもぜひクイックアクセスツールバーを活用してみてください。

 

私が生まれる前から大人になるまでの間、1999年に世界が滅ぶという内容の本が大ベストセラーになりまして、周囲でも結構信じている人がいました。1999年にはもう私は大人だったんですが、「どうせ世界はもうすぐ滅ぶから貯金は一切していない」という人もいまして、どん引きした覚えがあります。

それで、皆様御存じのとおりというか、今こうやってのんびりネットを閲覧していることから分かるとおり、1999年には何も起こりませんで。

あの時点で貯金ゼロだった人は今頃どうしているのでしょうか……。若いうちに1999年になったならまだ挽回できますけど、年がいって1999年を迎えた人はどうしたんでしょうね。あの本で人生が狂った人もいるのではないかしらと思います。まあ信じてあほなことをしたほうが悪いと言えばそれまでですが、あの本を書いた人も売り出した人も相当罪深いような気がします。

 

それでここからが本題なんですけど、今日のお題のとおり、日本語にはこのような未来の予測のことなどで使われる言葉で「ヨゲン」と読む「予言」と「預言」という二つの言葉があり、これらには日本語として明確な違いがあります。
 
どう違うかといいますと、デジタル大辞泉を見ますと、「予言」は「未来の物事を予測して言うこと。また、その言葉」、「預言」は「キリスト教で、神託を聴いたと自覚する者が語る神の意志の解釈と予告。また、それを語ること」とありますので、要は神の啓示的なやつが「預言」であると思っていればよいでしょう。
ちなみに、前置きで触れた本のタイトルには「予言」という言葉が用いられていました。私はあの本をちゃんと読んでいないんですが、日本語としては恐らく正しい使い方ですね。
 
なお、辞書ではキリスト教と限定されていますが、用字用例辞典ではそれ以外の宗教もオーケーみたいな書き方がされていますので、申し添えておきます。この辺はちょっと日本語としては曖昧な部分もあるのかもしれません。

 

週1回更新なのに更新が飛んでしまいました。申し訳ありません。

これからはしばらく飛ばないようにしたいですが、まだ繁忙期が終わっていないため、無理だったらすみません。

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50年近く日本語の中で過ごしてきて、そのうち10年以上は正しい日本語を記述する仕事をしていても、いまだに知らない言葉がたくさんあります。

今日のお題も最近知った言葉というか、片方は認識していたんですけど同じ音で意味の似た違う言葉があったことを知って驚愕したものであります。

 

読みは両方「シンタツ」で、私はこのうち「進達」のほうだけ認識していたんですけど、入力して変換キーを押すと変換候補で「申達」というのもあったので、そこで初めて「こんな言葉もあったのか」ということに気づきました。

そこで、いつもどおりデジタル大辞泉を見てみますと、別々の項目となっており、「申達」は「通知すること。特に、上級官庁から下級官庁に文書で命令を下すこと」で、「進達」は「上申書など、下からの書類を取り次いで上級官庁に届けること」「進歩・向上させること。また、進歩・向上すること」という、それぞれ違う意味を持つ言葉であることが分かりました。さらに用字用例辞典を見ると、そのとおりの使い分けが必要な言葉でありました。

つまり、「通知すること。特に、上級官庁から下級官庁に文書で命令を下すこと」「上申書など、下からの書類を取り次いで上級官庁に届けること」がそもそも日本語として別の表記が必要な言葉なのです。

 

これはどういうことかといいますと、デジタル大辞泉には上級官庁と下級官庁の違いについて国税局と税務署を例に挙げて解説されていますのでそれを用いて非常にざっくりと話をしますと、国税庁から税務署に書類を送ったときは「申達」で、税務署から国税庁に書類を送ったときは「進達」なんですね。

全く覚えられる気がしません……。

 

それはともかくとして、この「進達」と「申達」のように変換候補が複数あるのを見て違いが発覚というのは、ほかの言葉でも私は非常によくあります。こういう表記だろうと思い込んでいて誤変換をスルーしてしまうことが、このちょっとしたことで回避することができるわけであります。

まあもちろん初めて出た言葉は用字用例辞典で確認するのが大事なんですけど、繁忙期なんかは特に気がせいていてそういうことが頭からすっぽり抜け落ちてしまうこともあります。なので、あまり使わない言葉は変換するときに他の候補をちらっと見てみるという癖をつけておくことが、間違いを減らす一助になるのではないかと個人的には考えております。

 

それでもまだまだ間違いはたくさんあるんですけどね。日本語を正しく表記するのは本当に難しいです。