アンテナの調整と言えばSWR調整ですね。
SWR=1.0 が最良状態でこの数字が大きくなるほど送信電力が電波にならず飛びが悪くなります。
私の考えは SWR≦1.5 なら良好で  SWR≦2.0 が許容範囲。
アンテナは周波数を変えるとSWRが変化します。
SWRの最小点がアンテナの共振点だと思われがちなんですがそれは SWR=1.0 の時の話。
SWRが悪化するとSWR最小点とアンテナの共振点はほんの少しズレるんです。
そのズレの様子を計算で見てみます。
アンテナのインピーダンスは R+jX で表します。
Rは抵抗成分(リアル成分)、jXで虚数の抵抗成分(イメージ成分)を表し、50Ωの送信系では 50Ω+j0 が SWR=1.0 になります。
アンテナは通常共振点でXがゼロになり周波数が上がるとRとXともに増えていきます。
R+jX の R と X から SWR を計算で求めるエクセルシートを作ってみました。
共振点を緑色に、SWR最小値を黄色く塗ってあります。
行が下に行くほど周波数が高くなるイメージの表です。
共振点が R=50Ω のアンテナと R=90Ω のアンテナにて周波数が動いた時のSWRの変化を計算した結果がこれ



如何でしょうか、共振点が50Ωのアンテナの場合(上側)、SWR最小値と共振周波数が一致していますね。
これに対して共振点が90Ωのアンテナの場合(下側)、SWR最小値と共振周波数が一致しません。
SWR調整を行う場合、可能なら目標周波数は共振点にしたいのですがSWR数値だけで調整するとズレるんです。
但し、SWR最小値調整で実使用に問題が出ることはありませんでご安心ください。

下記にR+jXからSWRを計算するエクセル計算表を貼り付けます。
この表を少し拡張して上記計算を行いました。
コピペして「SWR_負荷インピ計算.csv」として保存してご利用ください。
注意:.csvなのでエクセルで上書き保存したら計算式が消えちゃいますので保存するときは.xlsx形式でどうぞ。

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R,iX,A,B,電圧反射係数γ(Real),電圧反射係数γ(Image),電圧反射係数|γ|,SWR
,,50-R,50+R,(ZX-ZO)/(ZX+ZO),(ZX-ZO)/(ZX+ZO),,
40,-10,=50-A3,=50+A3,=(C3*D3-B3*B3)/(D3*D3+B3*B3),=(C3+D3)*B3/(D3*D3+B3*B3),=SQRT(E3*E3+F3*F3),=(1+G3)/(1-G3)
45,-5,=50-A4,=50+A4,=(C4*D4-B4*B4)/(D4*D4+B4*B4),=(C4+D4)*B4/(D4*D4+B4*B4),=SQRT(E4*E4+F4*F4),=(1+G4)/(1-G4)
50,0,=50-A5,=50+A5,=(C5*D5-B5*B5)/(D5*D5+B5*B5),=(C5+D5)*B5/(D5*D5+B5*B5),=SQRT(E5*E5+F5*F5),=(1+G5)/(1-G5)
55,5,=50-A6,=50+A6,=(C6*D6-B6*B6)/(D6*D6+B6*B6),=(C6+D6)*B6/(D6*D6+B6*B6),=SQRT(E6*E6+F6*F6),=(1+G6)/(1-G6)
60,10,=50-A7,=50+A7,=(C7*D7-B7*B7)/(D7*D7+B7*B7),=(C7+D7)*B7/(D7*D7+B7*B7),=SQRT(E7*E7+F7*F7),=(1+G7)/(1-G7)
-----------------------------ここまで-------------------------------------