第363回【最も分厚い松下幸之助の対談本】
『池田大作全集8』を完読した
この全集は池田大作氏(創価学会3代会長)と松下幸之助さんの対談本である
677ページあり恐らく松下さんの対談本では最も分厚い著書といえよう
話題は「宇宙」「生命」「人間」「宗教」「政治」「教育」と多岐にわたり、他では話をしないようなことを松下さんが話しているので松下哲学を理解するうえでとても参考になりました
例えば、松下電器には7精神というものがある
そのうちの一つが『感謝報恩の精神』である
この『感謝報恩』について
松下さんは
「この思いこそ、われわれに無限の喜びと活力を与えてくれるものであり、この思いが深ければ、いかなる困難も克服でき、真の幸福を招来する根源となる」
と述べています。このことはパナソニック社のホームページにも書かれていますが
さらに松下さんは
「心の豊かさというものはいろいろありましょうが、やはり恩を知るといことが一番心を豊かにするものではないでしょうか。人間といわず天地万物いっさいのものの恵みがみなわかってくるわけです・・・・・つまり、恩を知るということは無形の富であって、無限に広がって大きな価値を生むものだと思います」
松下さんはある時
「空気を5分もとめられたら死んでしまう。仕事どころではない。空気が無限にあることは当たり前ではない。格別の有難さを感じなければいけない」
ということを述べたことがあります
つまり『感謝報恩』の恩というのは人からの恩だけではない
天地自然の恵みにも恩を感じなければならないということである
それができると、「無限の富」、「無限の価値」、「無限の喜び」が得られる
これが『感謝報恩の精神』の神髄と感じました
第362回【田中角栄と松下幸之助に学ぶ】
『松下幸之助相談役追悼集』に松下電器で松下さんの秘書をしていた人の証言がある
本社の前で松下さんが外出するため車を待っている時に、顔見知りの社員とばったり会うことがよくある
どんなに急いでいる時も必ず声をかけるのだという
「君元気か・・・」「最近どうや」
とにかく心から声をかける。部長、所長であれ、課長であれ、例外なく声をかける
声をかけられた社員はみんな大喜びしていたという
また田中角栄元首相の最後の秘書、朝賀昭先生の著書『田中角栄 最後の秘書が語る情けと知恵の政治家』でこのようなエピソードがあります
「警護の人たちに対しても、それまでの総理は『はい、ご苦労さん』とだけ言って、すっと家に入っていく。オヤジは目白に着くと、『おお、寒いのに、君ら大変だなぁ。あったかいものいま出すから、そばでも食って帰れ』と」
また永田町の隣の警視庁麹町(こうじまち)署にはこんなエピソードがあります
麹町署の大きな任務の一つに、首相官邸の警護がある。歴代の首相で田中角栄先生が一番人気だったという。他の首相は、夕方に官邸を出ていくとき、出入口の署員ボックスに向かって車の中でちょっと手を挙げる仕草をするだけだが、田中先生はわざわざ自分で車の窓を開け、片手を上げたボーズで、必ず『ご苦労さん』と声をかけてくれる。それも心のこもったものなのだという
田中先生のためなら何かあったときは、自分はいつでも生命を投げ出せる、と言っていた署員が結構いたという
私は議員の宿舎で警備員をしていたことがありますが、挨拶しても無視をする議員、反応の小さい議員さんがおられました。なかには警備員は人間ではないと思っておられるような態度の人もいました
稲盛和夫さんはリーダーに一番大事な要素を聞かれて
「思いやり」と答えたことがあります
「思いやり」や「利他の心」のない人はリーダーになってはいけないと
リーダーにカリスマは必用ありません
リーダーに必用なものはあったかさや思いやりだと思います。
第361回【何ともまか不思議なことが】
今から40年以上前の昭和57年に発刊された松下幸之助全研究シリーズ全4巻を完読した
その当時のことを知るにはその当時に書かれた本を読むのが一番である
そういった意味で新事実ばかりで貼った付箋は137枚
それにしても何ともまか不思議なことが
松下幸之助全研究は全部で5巻のはず
ところが第4巻の『松下幸之助を読む』草柳大蔵(著)だけがない
インターネットで検索しても第4巻だけなんの情報も出てこない
京都の松下資料館のホームページの「蔵書検索」をしても第4巻だけがない
はたして第4巻は存在するのであろうか
しかし第5巻があるのだから第4巻もあるはずだ
資料館をしていると5つの喜びがある
探す喜び。見つける喜び。手に入れる喜び。読む喜び
そしてアウトプットして人を感動させる喜びである
この松下幸之助全研究の第4巻が手に入りましたら、喜びと共にご報告させていただきます(^^)/