第409回【神風が吹く】
昨年の10月からお茶を毎日たてはじめて173日目になります
そして、今年から禅宗(ぜんしゅう)の勉強も独学ではじめました
茶道と禅宗は松下之助研究と関係がないかというと
大いにあると思っております
松下幸之助さんは茶人でもあり毎朝、お茶を点(た)てておりました
そこで私も研究の一環として茶道の勉強をはじめました
2年前に松下さんの影響を強くうけて最も成功した経営者が稲盛和夫さんであることを知り稲盛和夫の研究も松下幸之助研究の一環としてはじめました
稲盛さんが松下さんの何を学びどう経営に活かしたかを解明することは
再現性があり他の経営者も活用できると思うからです
そして稲盛さんは
「私の経営についての考えは、松下幸之助さんの考え+禅宗の教え÷2」
と言います
であるならば、禅宗の勉強もしなければならないと思いましたが
「二兎を追うものは一兎をも得ず」
茶道だけでも大変なのに禅宗と二つの勉強をするのは時間的に無理ではないか
しかし稲盛和夫研究をするのに禅宗の勉強から逃げてはいけないと思い独学ではじめました
すると神風が吹きました
テーブルスタイル茶道の創始者、土屋瑠美先生の著書『人生を好転させる茶道の教え』
に
「茶禅一味(ちゃぜんいちみ)という言葉を聞いたことがありますか。茶の湯は禅宗を起源としているため、『茶の湯』と『禅』の本質は同一であるという意味です」
「茶道のおおもとを作ったと言われる村田珠光(じゅこう)は、禅僧の一休禅師の教えを受けた人物です。ですから茶の湯には、禅の考え方が多く取り入れられているんですね。茶と禅は、大変深い関係にあります」
また裏千家の千玄室さんもこのように述べます
「禅とお茶との結びつきは深く、禅の宗教的実践が茶道」
他の書物などにも
茶道は鎌倉時代に、禅僧が修行の一環としてお茶をたしなんだ
このことが茶道という日常のなかの「実践的な場」にも引き継がれていき
茶道は禅の精神と深く結びついて発展してきた
と書かれています
むしろ茶道と禅宗はセットで勉強をしなければならない
禅宗の精神=茶道の精神
そして松下幸之助哲学も稲盛和夫哲学も茶道と禅宗の精神と深いつながりがあることになります
第408回【誕生日で思うこと】
昨日、4月8日はお釈迦様の誕生日ですが
じつは私も4月8日が誕生日です(^^)/
誕生日は産んでくれた両親に感謝をする日だと思っております
父は4年前に他界しましたが
父から手紙をもらったことがあります
そこには私の良い点を書いてくれていました
「(卓は)努力家であり、頑張り屋であり、粘り強くなかなか諦めない。これはすべてを成し遂げる原動力になる」
松下幸之助翁もこのように述べます
「あきらめてしまうことは簡単である。そんなことはいつでもできる。しかしながら、あきらめてしまえば、それで事は終わりである。だから私はあきらめなかった」
資料館を設立して6年目になります
1年目の来館者は1名
2年目の来館者は2名でしたが
昨年はラジオ出演
今年はテレビ出演ができ
北は北海道、南は九州と全国から資料館を訪れてくれるようになりました
また気持ちを新たに、松下翁の経営哲学、人生哲学、人間大事を広く伝えていきたいと思います
さらに今年は茶道と禅宗の探求もミッションにしていきたいと思います
※写真は父からの手紙
第407回【また貴重な証言を発見】
松下幸之助翁の最側近であった江口克彦さんが当資料館に来られた時の第一声が
「松下幸之助さんはとにかく人の喜びが自分の喜びであった」
です。
非売品の『続々松下相談役に学ぶもの』に松下電器の3代目社長の山下俊彦氏がそのことがよく分かる証言をしていました
マレーシアで松下電業というエアコンをつくっている会社の人事部長をしているカリム氏が日本へ仕事のことで来て、山下氏のところに訪れた
カリム氏は興奮してこのように述べたという
「非常に相談役(松下幸之助)という人はすばらしい人だ。相談役がマレーシアへ来られて、松下関係の人はもちろんそうだが、マレーシアで会われた政府の高官、あるいはすべての人が相談役の人柄に非常に感銘を受けた」
松下さんはマレーシアで民間人としての最高の勲章を授与されたのでマレーシアにいった
その時の立ち居振る舞いにみんな感動したのだという
マレーシアに松下関係の製造工場が四つあり、松下相談役がその幹部と夕食をした
その席で、四つの工場の代表者にそれぞれ記念品を渡す
松下相談役は四つのうち三つの工場しか回われなかった
そのいけなかった工場の現地の責任者に記念品を渡す時に
「今日はあなたの工場へいけなくて非常に申し訳なかった」
もちろん通訳を通じてなのだが
カリム氏は「まずこの言葉に非常に感激しました」と
そして松下相談役と一緒にいて
「松下相談役の動作に、非常に真剣に、本当にまじめにこちらを何とか喜ばそう、何とか喜んでもらおうという態度が、言葉がわからなくてもありありとわかる」
とカリム氏は興奮し早口で山下氏に語ったという
私は松下幸之助さんほど人を感動させ喜ばせた経営者はいないと思います
※写真は江口克彦先生がご来館(2022年9月7日)